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第一章 独りぼっちのメグ
私ってお嬢様なの?
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『%#$!&¥$#&!%#』
さっきから頭の中に声の様な雑音がして、五月蝿い上に、生臭い臭いまでしてきて、ざらざらなもので、顔をやすり掛けされている気がする。
折角おいしいケーキを食べてた夢を見てたのに、これじゃ、寝ていられないじゃない。
ゆっくりと目を開くと、目の前に、巨大な虎がいた。
『えっ、どうゆうこと。ここはどこ。私、食べられちゃうの?』
急いで逃げ出したいのに、恐怖から腰が抜けた様になり、立ち上がれない。
「お願い、食べないで。私なんておいしくないから。お腹をこわすだけよ」
虎は、首をかしげて、じっと見つめている。
『¥#!&$%#、あっ、失礼しました。私としたことが失念しておりました』
頭の中の雑音が、はっきりと理解できる言葉になった。
『あなたは誰』
『はぁ? お嬢、否、メグ様は、私までもお忘れですか? あなたの従者のセージです』
『誰でもいいけど、従者なら助けてよ』
『と言われましても、私はここから動けませんし、メグ様ご自身の能力で何とかしていただかないと……』
「役立たず。あっ、あなたに言ったんじゃないのよ。ねっ、そんな目でみないで……」
虎はじっと睨みつけて座ったまま、微動だにしない。
『人間の言葉は理解できませんので、大丈夫です。この魔物、メグ様に敵意は向けておれませんので、友好を図ってはいかがでしょう。魔界語を有効にしますか?』
『魔界語? こんな獣に魔界語が理解できるの?』
『それは分かりかねますが、この者、なかなかの紳士の様に、私には見えますゆえ』
『分かった。魔界語を使えるようにして』
『了解しました。現在の言語能力に、魔界語を追加します。残り言語能力枠は一となります』
そう言われても、本当に魔界語が話せるようになったのかは、分からなかいし、どうやって魔界語を話せばいいのかも、分からない。
『魔界語と念じてから、普通に話せば、魔界語になります』
その助言を信じて、話し始めると、今までの言葉とは違う言語が口から出ていた。
「お願い、殺さないで! 私は……。あれ?」
何も覚えてない。自分の名前すら分からない。
『やはり、激突のショックで、記憶を失っていましたか。さて、どうしましょう』
セージとかいう役立たずが、また何か言っているけど、今はそれどころじゃない。
「なんでこんなところにいるのかもわからなけど、この森を荒らしに来たわけじゃないの。だから、殺さないで」
「殺すわけがありません。随分と大きくなられましたが、マーガレット姫様ですよね。その全身から溢れる出るオーラで確信いたしました。お会いできて光栄です。私、現世ではこのような魔物の姿になりましたが、嘗ては王の側近で、幼き頃の姫様を何度かご拝謁したことがあります」
「マーガレット姫? 私、どっかの王国の姫なの?」
「どうなされたのですか、まさかお記憶を……。むむっ、どうやら冒険者が来たようです。まだまだお話ししていたいですが、私目はこれにて、失礼させて頂きます」
その虎は、一瞬で姿を消してしまった。
「ねぇ、セージ。どういうこと。ちゃんと聞かせて。私はどこの誰なの?」
『メグ様、それはご勘弁下さい。記憶を無くされる前に、メグ様と約束されたことです。全ての柵を捨て、一村人メグとして、生きることを選択されましたので……』
もしかして、政略結婚させられることになり、どこかの王国から逃亡して、この地に逃げて来たということ?
まあ、くよくよ悩んでも仕方がない。
人が近寄って来るなら、その人たちに助けてもらおう。
メグは、ゆっくりと立ち上がると、虎が視線を向けていた方角に歩き始めた。
さっきから頭の中に声の様な雑音がして、五月蝿い上に、生臭い臭いまでしてきて、ざらざらなもので、顔をやすり掛けされている気がする。
折角おいしいケーキを食べてた夢を見てたのに、これじゃ、寝ていられないじゃない。
ゆっくりと目を開くと、目の前に、巨大な虎がいた。
『えっ、どうゆうこと。ここはどこ。私、食べられちゃうの?』
急いで逃げ出したいのに、恐怖から腰が抜けた様になり、立ち上がれない。
「お願い、食べないで。私なんておいしくないから。お腹をこわすだけよ」
虎は、首をかしげて、じっと見つめている。
『¥#!&$%#、あっ、失礼しました。私としたことが失念しておりました』
頭の中の雑音が、はっきりと理解できる言葉になった。
『あなたは誰』
『はぁ? お嬢、否、メグ様は、私までもお忘れですか? あなたの従者のセージです』
『誰でもいいけど、従者なら助けてよ』
『と言われましても、私はここから動けませんし、メグ様ご自身の能力で何とかしていただかないと……』
「役立たず。あっ、あなたに言ったんじゃないのよ。ねっ、そんな目でみないで……」
虎はじっと睨みつけて座ったまま、微動だにしない。
『人間の言葉は理解できませんので、大丈夫です。この魔物、メグ様に敵意は向けておれませんので、友好を図ってはいかがでしょう。魔界語を有効にしますか?』
『魔界語? こんな獣に魔界語が理解できるの?』
『それは分かりかねますが、この者、なかなかの紳士の様に、私には見えますゆえ』
『分かった。魔界語を使えるようにして』
『了解しました。現在の言語能力に、魔界語を追加します。残り言語能力枠は一となります』
そう言われても、本当に魔界語が話せるようになったのかは、分からなかいし、どうやって魔界語を話せばいいのかも、分からない。
『魔界語と念じてから、普通に話せば、魔界語になります』
その助言を信じて、話し始めると、今までの言葉とは違う言語が口から出ていた。
「お願い、殺さないで! 私は……。あれ?」
何も覚えてない。自分の名前すら分からない。
『やはり、激突のショックで、記憶を失っていましたか。さて、どうしましょう』
セージとかいう役立たずが、また何か言っているけど、今はそれどころじゃない。
「なんでこんなところにいるのかもわからなけど、この森を荒らしに来たわけじゃないの。だから、殺さないで」
「殺すわけがありません。随分と大きくなられましたが、マーガレット姫様ですよね。その全身から溢れる出るオーラで確信いたしました。お会いできて光栄です。私、現世ではこのような魔物の姿になりましたが、嘗ては王の側近で、幼き頃の姫様を何度かご拝謁したことがあります」
「マーガレット姫? 私、どっかの王国の姫なの?」
「どうなされたのですか、まさかお記憶を……。むむっ、どうやら冒険者が来たようです。まだまだお話ししていたいですが、私目はこれにて、失礼させて頂きます」
その虎は、一瞬で姿を消してしまった。
「ねぇ、セージ。どういうこと。ちゃんと聞かせて。私はどこの誰なの?」
『メグ様、それはご勘弁下さい。記憶を無くされる前に、メグ様と約束されたことです。全ての柵を捨て、一村人メグとして、生きることを選択されましたので……』
もしかして、政略結婚させられることになり、どこかの王国から逃亡して、この地に逃げて来たということ?
まあ、くよくよ悩んでも仕方がない。
人が近寄って来るなら、その人たちに助けてもらおう。
メグは、ゆっくりと立ち上がると、虎が視線を向けていた方角に歩き始めた。
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