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第一章 独りぼっちのメグ
奴隷として売られちゃうの?
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歩き始めて、はや十五分。冒険者が来ると言っていたのに、誰にも出会わない。
もしかして、すれ違いになったのではと思っていたら、三人組の冒険者が遠くに見えてきた。
メグは、その場で、両手を大きく振って、救援を求めた。
「おっ、こんなところに娘子がいる。可愛いじゃないか」
「まだガキだ。ロリコンかよ。どこかの金持ちの娘みたいだから、良い金になるかもな」
「それより、隕石が先だ。貴重な鉱石が手に入るかもしれないだろう」
三人はそんな話をしながら、メグの方に近寄ってきた。
「なあ、お嬢さん。この辺に隕石が落下してきただろう。知らないか?」
「隕石?」
『メグ様自身を遠距離転送した際の光が、隕石の様にみえたのだと思います』
メグが言葉を発すると同時に、セージの声が頭に伝わる。
「それ私みたい。遠距離転送魔法で、ここから十五分程の所に飛ばされてきたの」
「遠距離転送魔法? そんなもの聞いたことがないが、まあいい。どっちの方角だ」
男の一人がそう言うと、他の二人が、彼を引っ張って、ひそひそと相談を始めた。
「お嬢さん。なんていう貴族のお嬢様なのかな。おじさんたちが、送って行ってあげるよ」
「私、記憶喪失なの。マーガレットという名前らしいけど、家名は分からない。それより、どこか近くに人里はないのかしら。そこまで連れて行ってほしんだけど」
三人の男たちは、再び相談を始め、キース村まで案内してくれることになった。
一時間程歩き続けると、小さな村が見えてきた。
畑の様な農地が大半で、掘っ建て小屋の様な家が十二軒程建っていて、その周りを木の柵で囲ってあるだけの小さな村だ。
その村の宿屋らしき一軒に、メグは連れてこられた。
既に、時刻は深夜を回っていて、店主は寝ていた様子で、寝間着姿で現れた。
三人の冒険者は、その老人とヒソヒソ話を始め、今度はメグに話しかける。
「お嬢さん。店主と話がついた。明日、王都へと向かう馬車に乗せてもらえる。俺たちはこれでおさらばだが、後はこの店主が面倒を見てくれる。長旅になるから、今晩はしっかりと休息をとって、明日からの旅に備えてくれ。それじゃ」
三人の冒険者は、店主の妻らしき老婆から、何かずっしりと重い袋を手に、ニヤニヤして立ち去って行った。
『メグ様、もしかして、この宿屋の下女として、売られたのかもしれません』
『分かってるわよ。でも、今は素直に従うしかないでしょう』
その時、グーとお腹が鳴った。かなり歩いたこともあり、お腹が減っている。
そこに老婆が近づいてきた。
「部屋に案内する前に、お腹が減ってるんじゃない。簡単なものしかないけど、食事にしましょう。着いてきて」
老婆は、親切にも、食堂らしき場所に案内し、厨房で何かを作り始めた。
下女への対応ではなく、お客様への対応としか思えない。あのお金らしき袋は、私を売った代金ではなかったのかもしれない。
『いや、分かりませんぞ。今日だけ、優しくして、明日からこき使う算段かもしれません』
『そんな疑ってばかりいたら、性格が悪くなるわよ』
もう料理ができたみたいで、老婆がお皿に何かを移し、お盆に載せてこっちにやってきた。
「そんな恰好じゃ、汚れたら大変だから、これを付けなさい」
老婆は、ナポリタンの様なスパゲッティーと水をテーブルに置くと、身に付けていたエプロンを渡してくれた。
メグは、やはり優しい人に違いないと、そのエプロンを着けて、食事を始めた。
正直、美味しくはなかったけど、それでも空腹だったので、全て平らげた。
でも、腹が膨れたためか、今度は眠くなる。
否、老婆は料理に睡眠薬を盛っていたのだ。
目を覚ますと、粗末な服を着せられ、ロープで手足を縛られていた。その服は、麻袋を開き、中央に首が出る穴をあけ、左右を紐で止めただけな様な服で、ちくちくする。
ここは店主の寝室らしく、ベッドで二人が話している声が聞こえる。
「こんな上等な下着は初めて。すべすべで肌触りにも最高よ。あの服は着れないけど、きっと高く売れる」
「丁度、奴隷商が宿泊していて、助かった。あれだけの美少女なら、高く売れる」
「そうね、良い買い物ができた。もう寝ましょう」
メグは、奴隷として売られるのだと、漸く理解した。
さてどうしよう。世の中にはロリコン趣味の貴族も沢山いる。私の様な美少女は、彼らの玩具にされるのがお決まり。かといって、こんな下着も着ていないこんな格好じゃ、恥ずかしくて、逃げだす気にもならない。
『恥を忍んで、逃げ出した方がいいのかな。何かいい方法はない?』
セージに相談しようと念じてみたけど、寝てしまったのか、全く応答がない。
仕方ないと、暫くは、一人であれこれと考えるも、一人ではどうにもならない。
明日のために、ゆっくり寝ておこう。
そう結論づけると、メグは直ぐに寝息を立て始めた。
こんな状況で眠れるというのは、度胸が据わっているというか、無神経というか、メグはお嬢様育ちなので、いつも周りの者が何とかしてくれ、自分の置かれている立場に鈍感なのだ。
明け方頃、メグは、夢を見ていた。
前世の夢で、東京で私立中学に友達と登校している時の記憶。
過去に何度も前世のこのような夢を見ていて、メグも自分が異世界転生者だと気づいているのだが、今の彼女は記憶喪失だ。
今のメグには、初めて見る信じられない光景に思えていた。
さっきから馴れ馴れしく話してくるこの人は、私の友達?
何かの儀式の正装着らしき紺の服をきて、膝上二十センチの短いスカートを恥ずかしがりもせずに着て、話しかけてくる。
私も、御揃いの同じ服装。彼女と何かの儀式のために、礼拝堂か何かに向かっているらしい。
それにしても、ここは凄い。きっと私が生まれ育った故郷なんだろうけど、どこも彼処も五階層以上の建物ばかりが密集して並んでいて、きらきらと光り輝く摩天楼まで、沢山建ち並んでいる。
馬のない馬車が、石一つなく整備された一枚岩の道を信じられない程の高速で行き交っている。
遥か彼方には、天に届くとさえ思える塔まで、聳えている。
あんな高い塔まで作れる技術力を備えた大国が、私の国?
それに凄い人口密度。私たちの服装とは違う正装着の年配の男性や、活動的な見慣れない服装の女性が、どんどん同じ方向に集まってくる。駆け足で、慌てて走る人までいる。
彼らは、儀式場の入り口らしき、ゲートを通過して、勝手に動く階段で上昇していく。
怖いけど、この夢の中の私は、乗りなれているのか、後ろ向きになって、友達と話している。
動く階段を降りると、その先に、風を押しのける様に、巨大な蛇竜がやってきて、静かに止まった。
その蛇竜の横腹になぜか扉があり、人々は竜の腹の中に入っていく。私と友達も、人に押される様に中に入った。
立錐の余地がないほどの人が狭い部屋に密集して身体が触れあっているのに、ここは神聖な儀式場なのか、誰も文句も言わない。
しかも、皆、小さな経本か何かを手に、それに視線を送っている。私も友達も、同じようなものを取り出して、読み始めた。カラフルな模様の経文で、何が書いてあるのか私には理解できないけど、ページを捲らなくても経文が変わり、実際にモノがあるような精密描写の絵なんかまで、その小さな経本の中に、詰め込まれていた。
凄い世界。そんな事を思っていると、次の瞬間、キーと竜の悲鳴がして、竜が立ち上がったかのように、横に重力が来た。人が一気に私の方に押し寄せてくる。
鞄を持つ手が挟まれて、痛いし、痺れてきた。助けて……。
メグは、はっと目を見開いた。手はじんじんと痺れたままだが、ここはさっきの宿屋。店主の寝室の隅の床の上だ。
手の痺れは、縛られたまま、横になって寝ていた所為らしい。
でも、今の夢はなんだったんだろう。幻想のようだけど、あれほどリアルだと、私がその世界の住人だったことは間違いない。でも、今居るこの世界とは、余りに違い過ぎる。
もしかして、神の国のお姫様? 人間になりたいと憧れて、この世界にやってきたということ? だから魔界語も一瞬で習得できた。
漸く、私がここにいる理由が分かってきたけど、何で人間になろうなんて、考えたんだろう。
まさか、単なる人間への興味なんてことないよね。人間界も、あの世界と同じようなものだと、よく調べもしないで、村人メグになりたいなんて、言ってしまったんじゃないよね。
私って、バカだったの? 信じられない。
その所為で、こんなことになり、奴隷なんかにさせられそうになっている。
ああ、どうしよう。
そんな後悔をしていると、今度はオシッコまでしたくなってきた。
縛られているので、トイレに行くこともできないのに、尿意はどんどん強くなる。
外が次第に、白々とし始め、夜が明け始めた。
もう我慢の限界だったけど、老婆が起きてくれた。
「お願い、お手洗いに行かせて」
「仕方がないね」
老婆が足のロープを解いてくれ、なんとかお漏らしせずに済んで、ホッとした。
「大人しくしてるんだよ」
再び足を縛られて、そんな事を言われ、自分の馬鹿さ加減に、漸く気がついた。
なんで、そのまま逃げ出さなかったのだろう。
後悔しても、もう遅い。メグは、本当にお人よしの世間知らずのお嬢様。
折角の逃走チャンスだったのに、親切にしてもらえて、素直に寝室に戻ってきてしまった。
だが、こういう失敗と後悔を繰り返し、人は成長していく。
もしかして、すれ違いになったのではと思っていたら、三人組の冒険者が遠くに見えてきた。
メグは、その場で、両手を大きく振って、救援を求めた。
「おっ、こんなところに娘子がいる。可愛いじゃないか」
「まだガキだ。ロリコンかよ。どこかの金持ちの娘みたいだから、良い金になるかもな」
「それより、隕石が先だ。貴重な鉱石が手に入るかもしれないだろう」
三人はそんな話をしながら、メグの方に近寄ってきた。
「なあ、お嬢さん。この辺に隕石が落下してきただろう。知らないか?」
「隕石?」
『メグ様自身を遠距離転送した際の光が、隕石の様にみえたのだと思います』
メグが言葉を発すると同時に、セージの声が頭に伝わる。
「それ私みたい。遠距離転送魔法で、ここから十五分程の所に飛ばされてきたの」
「遠距離転送魔法? そんなもの聞いたことがないが、まあいい。どっちの方角だ」
男の一人がそう言うと、他の二人が、彼を引っ張って、ひそひそと相談を始めた。
「お嬢さん。なんていう貴族のお嬢様なのかな。おじさんたちが、送って行ってあげるよ」
「私、記憶喪失なの。マーガレットという名前らしいけど、家名は分からない。それより、どこか近くに人里はないのかしら。そこまで連れて行ってほしんだけど」
三人の男たちは、再び相談を始め、キース村まで案内してくれることになった。
一時間程歩き続けると、小さな村が見えてきた。
畑の様な農地が大半で、掘っ建て小屋の様な家が十二軒程建っていて、その周りを木の柵で囲ってあるだけの小さな村だ。
その村の宿屋らしき一軒に、メグは連れてこられた。
既に、時刻は深夜を回っていて、店主は寝ていた様子で、寝間着姿で現れた。
三人の冒険者は、その老人とヒソヒソ話を始め、今度はメグに話しかける。
「お嬢さん。店主と話がついた。明日、王都へと向かう馬車に乗せてもらえる。俺たちはこれでおさらばだが、後はこの店主が面倒を見てくれる。長旅になるから、今晩はしっかりと休息をとって、明日からの旅に備えてくれ。それじゃ」
三人の冒険者は、店主の妻らしき老婆から、何かずっしりと重い袋を手に、ニヤニヤして立ち去って行った。
『メグ様、もしかして、この宿屋の下女として、売られたのかもしれません』
『分かってるわよ。でも、今は素直に従うしかないでしょう』
その時、グーとお腹が鳴った。かなり歩いたこともあり、お腹が減っている。
そこに老婆が近づいてきた。
「部屋に案内する前に、お腹が減ってるんじゃない。簡単なものしかないけど、食事にしましょう。着いてきて」
老婆は、親切にも、食堂らしき場所に案内し、厨房で何かを作り始めた。
下女への対応ではなく、お客様への対応としか思えない。あのお金らしき袋は、私を売った代金ではなかったのかもしれない。
『いや、分かりませんぞ。今日だけ、優しくして、明日からこき使う算段かもしれません』
『そんな疑ってばかりいたら、性格が悪くなるわよ』
もう料理ができたみたいで、老婆がお皿に何かを移し、お盆に載せてこっちにやってきた。
「そんな恰好じゃ、汚れたら大変だから、これを付けなさい」
老婆は、ナポリタンの様なスパゲッティーと水をテーブルに置くと、身に付けていたエプロンを渡してくれた。
メグは、やはり優しい人に違いないと、そのエプロンを着けて、食事を始めた。
正直、美味しくはなかったけど、それでも空腹だったので、全て平らげた。
でも、腹が膨れたためか、今度は眠くなる。
否、老婆は料理に睡眠薬を盛っていたのだ。
目を覚ますと、粗末な服を着せられ、ロープで手足を縛られていた。その服は、麻袋を開き、中央に首が出る穴をあけ、左右を紐で止めただけな様な服で、ちくちくする。
ここは店主の寝室らしく、ベッドで二人が話している声が聞こえる。
「こんな上等な下着は初めて。すべすべで肌触りにも最高よ。あの服は着れないけど、きっと高く売れる」
「丁度、奴隷商が宿泊していて、助かった。あれだけの美少女なら、高く売れる」
「そうね、良い買い物ができた。もう寝ましょう」
メグは、奴隷として売られるのだと、漸く理解した。
さてどうしよう。世の中にはロリコン趣味の貴族も沢山いる。私の様な美少女は、彼らの玩具にされるのがお決まり。かといって、こんな下着も着ていないこんな格好じゃ、恥ずかしくて、逃げだす気にもならない。
『恥を忍んで、逃げ出した方がいいのかな。何かいい方法はない?』
セージに相談しようと念じてみたけど、寝てしまったのか、全く応答がない。
仕方ないと、暫くは、一人であれこれと考えるも、一人ではどうにもならない。
明日のために、ゆっくり寝ておこう。
そう結論づけると、メグは直ぐに寝息を立て始めた。
こんな状況で眠れるというのは、度胸が据わっているというか、無神経というか、メグはお嬢様育ちなので、いつも周りの者が何とかしてくれ、自分の置かれている立場に鈍感なのだ。
明け方頃、メグは、夢を見ていた。
前世の夢で、東京で私立中学に友達と登校している時の記憶。
過去に何度も前世のこのような夢を見ていて、メグも自分が異世界転生者だと気づいているのだが、今の彼女は記憶喪失だ。
今のメグには、初めて見る信じられない光景に思えていた。
さっきから馴れ馴れしく話してくるこの人は、私の友達?
何かの儀式の正装着らしき紺の服をきて、膝上二十センチの短いスカートを恥ずかしがりもせずに着て、話しかけてくる。
私も、御揃いの同じ服装。彼女と何かの儀式のために、礼拝堂か何かに向かっているらしい。
それにしても、ここは凄い。きっと私が生まれ育った故郷なんだろうけど、どこも彼処も五階層以上の建物ばかりが密集して並んでいて、きらきらと光り輝く摩天楼まで、沢山建ち並んでいる。
馬のない馬車が、石一つなく整備された一枚岩の道を信じられない程の高速で行き交っている。
遥か彼方には、天に届くとさえ思える塔まで、聳えている。
あんな高い塔まで作れる技術力を備えた大国が、私の国?
それに凄い人口密度。私たちの服装とは違う正装着の年配の男性や、活動的な見慣れない服装の女性が、どんどん同じ方向に集まってくる。駆け足で、慌てて走る人までいる。
彼らは、儀式場の入り口らしき、ゲートを通過して、勝手に動く階段で上昇していく。
怖いけど、この夢の中の私は、乗りなれているのか、後ろ向きになって、友達と話している。
動く階段を降りると、その先に、風を押しのける様に、巨大な蛇竜がやってきて、静かに止まった。
その蛇竜の横腹になぜか扉があり、人々は竜の腹の中に入っていく。私と友達も、人に押される様に中に入った。
立錐の余地がないほどの人が狭い部屋に密集して身体が触れあっているのに、ここは神聖な儀式場なのか、誰も文句も言わない。
しかも、皆、小さな経本か何かを手に、それに視線を送っている。私も友達も、同じようなものを取り出して、読み始めた。カラフルな模様の経文で、何が書いてあるのか私には理解できないけど、ページを捲らなくても経文が変わり、実際にモノがあるような精密描写の絵なんかまで、その小さな経本の中に、詰め込まれていた。
凄い世界。そんな事を思っていると、次の瞬間、キーと竜の悲鳴がして、竜が立ち上がったかのように、横に重力が来た。人が一気に私の方に押し寄せてくる。
鞄を持つ手が挟まれて、痛いし、痺れてきた。助けて……。
メグは、はっと目を見開いた。手はじんじんと痺れたままだが、ここはさっきの宿屋。店主の寝室の隅の床の上だ。
手の痺れは、縛られたまま、横になって寝ていた所為らしい。
でも、今の夢はなんだったんだろう。幻想のようだけど、あれほどリアルだと、私がその世界の住人だったことは間違いない。でも、今居るこの世界とは、余りに違い過ぎる。
もしかして、神の国のお姫様? 人間になりたいと憧れて、この世界にやってきたということ? だから魔界語も一瞬で習得できた。
漸く、私がここにいる理由が分かってきたけど、何で人間になろうなんて、考えたんだろう。
まさか、単なる人間への興味なんてことないよね。人間界も、あの世界と同じようなものだと、よく調べもしないで、村人メグになりたいなんて、言ってしまったんじゃないよね。
私って、バカだったの? 信じられない。
その所為で、こんなことになり、奴隷なんかにさせられそうになっている。
ああ、どうしよう。
そんな後悔をしていると、今度はオシッコまでしたくなってきた。
縛られているので、トイレに行くこともできないのに、尿意はどんどん強くなる。
外が次第に、白々とし始め、夜が明け始めた。
もう我慢の限界だったけど、老婆が起きてくれた。
「お願い、お手洗いに行かせて」
「仕方がないね」
老婆が足のロープを解いてくれ、なんとかお漏らしせずに済んで、ホッとした。
「大人しくしてるんだよ」
再び足を縛られて、そんな事を言われ、自分の馬鹿さ加減に、漸く気がついた。
なんで、そのまま逃げ出さなかったのだろう。
後悔しても、もう遅い。メグは、本当にお人よしの世間知らずのお嬢様。
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