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第一章 独りぼっちのメグ
土下座というのをしてみました
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「メグちゃん、お客さんだよ」
宿屋の女将さんが、部屋に二十歳位の二人の冒険者を案内してきた。
「俺は槍使いのケン。C級だ。独りでC級のキメラを退治したんだってな。仲間になってやるよ」
「私は軽騎士のトムです。ケンと同じくC級です。宜しく」
あのキメラ退治の噂を耳にしたらしく、漸く募集の張り紙に応じてくれる冒険者が現れた。
なんか、ちゃらちゃらした優男二人で、強そうに見えないけど、それでも来てくれたことがとてもうれしい。
二人は、今まで一緒にパーティーを組んでやってきた仲間なんだそう。もう四年位以上も、二人で組んで、魔物退治の依頼を熟しているのだとか。
おしゃべりで、話も面白く、この二人なら大歓迎と、パーティーを組むことにした。
私のキメラ退治の話も聞かれたけど、セージが強いと思われると期待されると忠告してきて、たまたま魔物が既に致命傷を負っていて、得意の鎌鼬 で倒すことができたと、嘘をついた。
その際、私も大怪我したけど、治癒魔法で直したと話すと、これからは治療してもらえると、大喜びしていた。
そんな訳で、私は治療専門の補助役の後衛で、二人が魔物を狩る前衛と、役割分担が決まり、早速、三人のパーティーで魔物退治に出向くことになった。
今回は、彼らの実力を知るのが目的なので、彼らがいつも行っているという王都から半日程の洞窟の星一つ難度の魔物狩りを受けることにした。
その洞窟は、D級以下の魔物ばかりで、ボスとしてC級が居るだけなのだとか。
と言っても、討伐はそのボス退治ではなく、そこのD級魔物十体のみ。C級ボスに出くわしたら、一目散に逃げだす作戦となった。
報奨金も、僅か十五万クルーゼで、三人で分けると五万クルーゼにしかならない。
その日の昼過ぎに、洞窟に到着し、早速魔物退治を始めた。
最初は、E級の雑魚しかいなくて、二人が頼もしく思えたけど、D級魔物に出くわすと、及び腰で、情けないの一言。
一体倒すだけでも、二人がかりで悪戦苦闘していた。
それでも、なんとかいろんな種類のD級魔物を倒していったが、五体目の時、トムが怪我をし、二人は慌てて、逃げ出してしまった。
仕方なく、私が声を出して詠唱して鎌鼬 を出し、倒してやった。
二人は、それを見てびっくり仰天。そんな強烈な攻撃魔法が使えるのなら、先制攻撃してくれと、メグが魔物を瀕死に追い込んで、二人が討伐する作戦となった。
E級の雑魚なら、鎌鼬だけで一掃でき、D級は何とか生き残るけど、大怪我を負っている状態で、簡単に倒すことができる。
六体目からは、ほとんどメグ一人で戦っているような展開になった。
その日は、D級魔物を八体しか倒せず、洞窟の外の安全な場所で野営することになった。
陽気で、話し上手で、楽しいけど、この程度の実力では、一人で戦っている方がずっとまし。この二人とは、今回限りにしようと決めて、眠っていた。
その深夜、ケンとトムの二人が、襲ってきた。
「ちっと、何考えて……」 口に何かを押し込んできて、口がきけなくなった。
「苦しいけど、我慢してよ。詠唱されると厄介だからな」
私とパーティーを組みたいと言ってきたのは、身体目当てだったらしい。
無詠唱で魔法発動できると知らないので、口さえ塞げば、対抗できないと勘違いしている。
メグは、落雷 をケンに放った。上空から突然、雷が落ちて感電させる魔法で、雷は伝搬して、トムまで感電させ動けなくすることができる。
口から、汚い布切れを取り出すと、彼ら二人をロープで縛りあげる。
「あんたたち、本当に最低ね。ギルドに報告して、ブラックリスト登録してもらうから」
翌朝、二人を拘束したまま放置して、再び、洞窟にはいり、魔法を乱射して、さっさと任務遂行して、ギルドに戻った。
二人は、ギルドの方で回収してもらえるらしい。
でも、これで、若い男の冒険者と組むのはかなり危険だと学習した。
十五万クルーゼも手に入ったので、馬を買い、行動範囲を広げて、真っ先に、リュウの許に、剣術指南を頼みに出かけた。
魔法が効かないキメラの様な魔物では、剣技は必須だから。
「なんだ。メグか。C級魔物を一人で倒したんだってな。頑張ってるじゃないか。今日はなんの用だ」
「その後、戦士の若者二人と、パーティーを組んだんだけど、私の身体目当てで……」
「お前の様な貧乳のガキにか? とんだもの好きもいたもんだ」
酷い馬鹿にされように腹が立ったけど、ここは我慢。
「ちゃんとした人たちとパーティーを組むには、C級ランクに昇格しないと駄目みたいなの。だから、当分、一人で依頼を熟さなければならない。魔法が通用すれば、何とかなるけど、あのキメラの様に、魔法が効かない魔物もいるでしょう。だから、剣術を教えてください」
「魔法は魔力量の制限と、クールタイムの問題があるからな。だが、お前の剣技なら、魔物の森に行かない限り、問題ないだろう」
「C級に早く昇格するためには、魔物の森にいくしかないのよ。それに、本当をいうと、あの時のは身体強化ではなく、時間魔法。スロウラという時間の流れを三分の一に圧縮して、通常の三倍の速度で動いていただけ。効果時間も経ったの一分で、いざという時にしか使えないの」
「時間魔法なんて、初めて聞いたが、漸く納得がいった。素人剣術でも、三倍速で動けば、剣星の様な抜刀ができるということか。だが、もう剣術を教える気はない。帰れ」
「お願いします。薪割りでも、料理でも、なんでもしますから、ご指導、お願いします」
「早く帰れ。俺は炭造りで忙しいんだ」
『ヤポンの文化に、土下座という、許しを乞う作法があります。土下座して頼めば、リュウ将軍も断りづらいのではないでしょうか』
『土下座? どうするの?』
地面に座って、頭を地面にこすりつけるなんて、屈辱以外の何物でもないけど、確かに効果的な気もした。
「リュウ将軍、この通りです。私に剣術を指導してください」
メグは、地べたに正座して、三つ指を着くようにして、額を地面にこすりつける様にした。
リュウも、それには面喰い、目を丸くして、茫然と立ち尽くす。
「お前の覚悟は、わかった。立て。こっちが恥ずかしいだろう。指南してやる。一回、一時間で、四千クルーゼ払えばだがな」
そういう訳で、洞窟の魔物退治依頼がある日を除き、毎日の様に、リュウの家に赴き、修行を受けることになった。
ひと月、十万クルーゼの授業料となったが、ほぼ毎日、十五分程、師匠と手合わせしてもらえる。竹刀という大怪我しない練習用の剣で、一方的に打ちのめされるだけだが、これは上達において、最もためになる実践経験となる。残りの四十五分は、練習成果を見せて、アドバイスを貰うだけだが、これも何をすれば上達するのが分かり、ためになる。
勿論、指南以外の時間も、常に練習を続けた。素振りや、すり足、ランニングと厳しい課題に取り組み続けた。
脇を閉めて剣を振ると、より高速に振り下ろせるだけでなく、とっさに反応できるのだそうで、素振りの時は、脇に紙を挟んで、落とさない様にする練習をした。
すり足は、いつでも瞬時に、全方向に力を入れて、動ける様にするためのもの。床から足が浮いていると、地面を蹴るための時間ロスが生まれる。それを避けて、瞬時にいろんな方向に動けるようする構えが、すり足。
常に、すり足で歩く様にしろと言われて、靴底がすり減って、大変だったけど、何とかすり足も身に付けることができた。
三ヶ月が過ぎ、D級に昇格したころ、基礎練習は卒業となり、いよいよ剣技を教えてもらえることとなった。
宿屋の女将さんが、部屋に二十歳位の二人の冒険者を案内してきた。
「俺は槍使いのケン。C級だ。独りでC級のキメラを退治したんだってな。仲間になってやるよ」
「私は軽騎士のトムです。ケンと同じくC級です。宜しく」
あのキメラ退治の噂を耳にしたらしく、漸く募集の張り紙に応じてくれる冒険者が現れた。
なんか、ちゃらちゃらした優男二人で、強そうに見えないけど、それでも来てくれたことがとてもうれしい。
二人は、今まで一緒にパーティーを組んでやってきた仲間なんだそう。もう四年位以上も、二人で組んで、魔物退治の依頼を熟しているのだとか。
おしゃべりで、話も面白く、この二人なら大歓迎と、パーティーを組むことにした。
私のキメラ退治の話も聞かれたけど、セージが強いと思われると期待されると忠告してきて、たまたま魔物が既に致命傷を負っていて、得意の鎌鼬 で倒すことができたと、嘘をついた。
その際、私も大怪我したけど、治癒魔法で直したと話すと、これからは治療してもらえると、大喜びしていた。
そんな訳で、私は治療専門の補助役の後衛で、二人が魔物を狩る前衛と、役割分担が決まり、早速、三人のパーティーで魔物退治に出向くことになった。
今回は、彼らの実力を知るのが目的なので、彼らがいつも行っているという王都から半日程の洞窟の星一つ難度の魔物狩りを受けることにした。
その洞窟は、D級以下の魔物ばかりで、ボスとしてC級が居るだけなのだとか。
と言っても、討伐はそのボス退治ではなく、そこのD級魔物十体のみ。C級ボスに出くわしたら、一目散に逃げだす作戦となった。
報奨金も、僅か十五万クルーゼで、三人で分けると五万クルーゼにしかならない。
その日の昼過ぎに、洞窟に到着し、早速魔物退治を始めた。
最初は、E級の雑魚しかいなくて、二人が頼もしく思えたけど、D級魔物に出くわすと、及び腰で、情けないの一言。
一体倒すだけでも、二人がかりで悪戦苦闘していた。
それでも、なんとかいろんな種類のD級魔物を倒していったが、五体目の時、トムが怪我をし、二人は慌てて、逃げ出してしまった。
仕方なく、私が声を出して詠唱して鎌鼬 を出し、倒してやった。
二人は、それを見てびっくり仰天。そんな強烈な攻撃魔法が使えるのなら、先制攻撃してくれと、メグが魔物を瀕死に追い込んで、二人が討伐する作戦となった。
E級の雑魚なら、鎌鼬だけで一掃でき、D級は何とか生き残るけど、大怪我を負っている状態で、簡単に倒すことができる。
六体目からは、ほとんどメグ一人で戦っているような展開になった。
その日は、D級魔物を八体しか倒せず、洞窟の外の安全な場所で野営することになった。
陽気で、話し上手で、楽しいけど、この程度の実力では、一人で戦っている方がずっとまし。この二人とは、今回限りにしようと決めて、眠っていた。
その深夜、ケンとトムの二人が、襲ってきた。
「ちっと、何考えて……」 口に何かを押し込んできて、口がきけなくなった。
「苦しいけど、我慢してよ。詠唱されると厄介だからな」
私とパーティーを組みたいと言ってきたのは、身体目当てだったらしい。
無詠唱で魔法発動できると知らないので、口さえ塞げば、対抗できないと勘違いしている。
メグは、落雷 をケンに放った。上空から突然、雷が落ちて感電させる魔法で、雷は伝搬して、トムまで感電させ動けなくすることができる。
口から、汚い布切れを取り出すと、彼ら二人をロープで縛りあげる。
「あんたたち、本当に最低ね。ギルドに報告して、ブラックリスト登録してもらうから」
翌朝、二人を拘束したまま放置して、再び、洞窟にはいり、魔法を乱射して、さっさと任務遂行して、ギルドに戻った。
二人は、ギルドの方で回収してもらえるらしい。
でも、これで、若い男の冒険者と組むのはかなり危険だと学習した。
十五万クルーゼも手に入ったので、馬を買い、行動範囲を広げて、真っ先に、リュウの許に、剣術指南を頼みに出かけた。
魔法が効かないキメラの様な魔物では、剣技は必須だから。
「なんだ。メグか。C級魔物を一人で倒したんだってな。頑張ってるじゃないか。今日はなんの用だ」
「その後、戦士の若者二人と、パーティーを組んだんだけど、私の身体目当てで……」
「お前の様な貧乳のガキにか? とんだもの好きもいたもんだ」
酷い馬鹿にされように腹が立ったけど、ここは我慢。
「ちゃんとした人たちとパーティーを組むには、C級ランクに昇格しないと駄目みたいなの。だから、当分、一人で依頼を熟さなければならない。魔法が通用すれば、何とかなるけど、あのキメラの様に、魔法が効かない魔物もいるでしょう。だから、剣術を教えてください」
「魔法は魔力量の制限と、クールタイムの問題があるからな。だが、お前の剣技なら、魔物の森に行かない限り、問題ないだろう」
「C級に早く昇格するためには、魔物の森にいくしかないのよ。それに、本当をいうと、あの時のは身体強化ではなく、時間魔法。スロウラという時間の流れを三分の一に圧縮して、通常の三倍の速度で動いていただけ。効果時間も経ったの一分で、いざという時にしか使えないの」
「時間魔法なんて、初めて聞いたが、漸く納得がいった。素人剣術でも、三倍速で動けば、剣星の様な抜刀ができるということか。だが、もう剣術を教える気はない。帰れ」
「お願いします。薪割りでも、料理でも、なんでもしますから、ご指導、お願いします」
「早く帰れ。俺は炭造りで忙しいんだ」
『ヤポンの文化に、土下座という、許しを乞う作法があります。土下座して頼めば、リュウ将軍も断りづらいのではないでしょうか』
『土下座? どうするの?』
地面に座って、頭を地面にこすりつけるなんて、屈辱以外の何物でもないけど、確かに効果的な気もした。
「リュウ将軍、この通りです。私に剣術を指導してください」
メグは、地べたに正座して、三つ指を着くようにして、額を地面にこすりつける様にした。
リュウも、それには面喰い、目を丸くして、茫然と立ち尽くす。
「お前の覚悟は、わかった。立て。こっちが恥ずかしいだろう。指南してやる。一回、一時間で、四千クルーゼ払えばだがな」
そういう訳で、洞窟の魔物退治依頼がある日を除き、毎日の様に、リュウの家に赴き、修行を受けることになった。
ひと月、十万クルーゼの授業料となったが、ほぼ毎日、十五分程、師匠と手合わせしてもらえる。竹刀という大怪我しない練習用の剣で、一方的に打ちのめされるだけだが、これは上達において、最もためになる実践経験となる。残りの四十五分は、練習成果を見せて、アドバイスを貰うだけだが、これも何をすれば上達するのが分かり、ためになる。
勿論、指南以外の時間も、常に練習を続けた。素振りや、すり足、ランニングと厳しい課題に取り組み続けた。
脇を閉めて剣を振ると、より高速に振り下ろせるだけでなく、とっさに反応できるのだそうで、素振りの時は、脇に紙を挟んで、落とさない様にする練習をした。
すり足は、いつでも瞬時に、全方向に力を入れて、動ける様にするためのもの。床から足が浮いていると、地面を蹴るための時間ロスが生まれる。それを避けて、瞬時にいろんな方向に動けるようする構えが、すり足。
常に、すり足で歩く様にしろと言われて、靴底がすり減って、大変だったけど、何とかすり足も身に付けることができた。
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