六人の勇者と……

ha-tsu

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第九話

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「あー死ぬかと思ったぜ……」
「ネコは鼻も良いせいでもうダメにゃ。」
「水は弾いてくれても、匂いはどうにもならないんだね……」
「…………もう無理。」
四人は必死に海から上がる。
「ってかさー池に入って海に出るってオレらを溺れさせようとしてるのか?泳げなかったら死んでたぜ……蓮、泳げないって言ってたよな?」
三人で蓮を見る。
「……あれはちょっとした冗談で……決してあの池に入りたくなかった訳じゃ無いんだよ。」
「まぁその気持ち分かるにゃよ、私も入りたく無かったからにゃ。」
「一ノ瀬さん本音出てるよ……」
「はっ!しまったにゃ、ついつられて……今のは水の精霊には内緒にゃー。」
「それよりも、ココからあと二人どうやって探せばいいんだろ?」
「いつもなら〇〇へ行けとかヒントあんのによぉ、今回はヒントなしか……」
武がそう呟くと遠くの方より人が歩いてくるのが見えた。
「ねぇ誰かこっちに向かってくるよ?それとなーく聞いてみたら?六黒くん。」
礼はそう言うと蓮に視線を向けた。
「えっ?僕が聞くの?」
「確かに、お茶屋さんに任せるとろくな事にならないにゃよ、あと私も正体バレたら危ないにゃにぃさんは……多分話しあまり上手くないにゃよ。」
雪はフードを深くかぶり直し身を縮めた。
「ちょっと待てよ、オレが行ったらろくな事にならないって何でだよ!」
少し怒りながら武は雪へ近ずいて行った。
「……三茶屋さんまず名前間違えられてる所を指摘しようよ……あと、にぃさんってオレの事?」
ボソッと礼が呟く。
「にゃー早く六黒くん行くにゃよ、あの人がどっか行く前にー!」
雪は武と引っ掻き合いをしながら蓮に言った。
「う……うんじゃあちょっとそれとなーく聞いてくるよ。」
そう言うと蓮は向こうから歩いてきた人の所に足早に向かった。
十数分後蓮は話が終わり戻って来た。
「さっきの人に聞いたんだけど、この海はとても神聖な海で、入る事は許されていないらしい、そんな海に僕達が現れたもんだから、何事かと思って見に来たらしい。」
雪が何かを思い出したのか、急に慌てだした。
「にゃー、みんな早くココから逃げるにゃよ!急がないと大変なことになるにゃー!」
「えっ?どうしたの雪ちゃん、そんなに慌てて……そう言えばさっきの人も少し慌ててたなぁ、確か長に報告しないととか何とか……」
蓮は話の内容を思い出しながら話した。
「それにゃ!多分ここはカンム国の領土の端にある海にゃ、この海には代々神聖な者がいると言う言い伝えがあって……ってそんな説明してる暇無いにゃ!とりあえずあの森の方までダッシュにゃー!!」
雪にそう言われ四人は森の方へと全力で走った。
「とりあえずココで隠れとくにゃ。」
「さっきの話しの続き聞いてもいい?」
蓮が雪を見る。
「この海には神聖な者が居るという言い伝えがあって、何年かに一度大暴れをするらしいにゃ、それを鎮めるために毎年生贄を出してると聞いた事があるにゃよ。」
「へーすげえなぁ、生贄って……海に放り込むのかい?」
武は笑いながら冗談ぽく言った。
「そうにゃよ、めっちゃ重い重りを付けられて海の水が引いた時に一番遠くの方に置き去りにされるにゃよ、そしてだんだん水深が上がってきて……」
「死んじゃうんだね。」
武を見ると顔が真っ青になっていた。
「だから今ココの人に見つかるのは危険にゃよ、下手したら生贄にされてしまうにゃよ。」
雪がため息を付くと蓮が何かに気付いたのか、辺りを見回していた。
「蓮どしたんだだよ、何か見つけたのか?」
「いや、逆に見つからないんだよ……礼くんが。」
「えっ!」
雪と武は声を揃えて驚いた。
「あ!あそこにゃ、砂浜にまだ居るにゃよ。」
「まてまて!礼のやつコケてないか?」
「起き上がったにゃよ。」
「周り確認してるなぁ……オレらを探してる見たいだな。」
そう言うと武は立ち上がって声を出そうとする。
「ちょっとまって、武くん座って!」
「どしたんだよ!早く呼ばねぇと手遅れになっちまうぜ!」
「……もう手遅れにゃ。」
三人は礼の方を見た。
礼の周りには人が数人集まっていて、その人達によって、礼は連れて行かれる所だった。
「とりあえずバレないように後を付けるか。」
武はそう言うとゆっくりほふく前進を始めた。
「武くんそれで後付けるの?」
 「姿勢を低くした方が尾行した時に見つかりにくいからな!」
自信満々にそう言った。
「もしかして、もしかしなくても……武くんて自衛隊かなにかに入隊してた?」
「なんで分かったんだ?蓮は本当に洞察力があるよなぁ。」
笑いながら武はほふく前進を続けた。
「……とりあえず私には出来ないにゃ、何とか隠れながら進むにゃよ。」
三人はそれぞれのやり方で尾行することにした。
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