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第十三話
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しばらく歩くと開けた所に出た。
ゆっくり近づいて行くと、そこの中心に人が居るように見えた。
「なぁ、あそこ……あの真ん中に人が居るように見えるんだが?違うか?」
そう武が目を凝らしながら言う。
他の四人も目を凝らし確認する。
「本当にゃ……あそこに人が居るにゃよ、何してるのかにゃ?」
「代々伝わる本にはこうも記されていたわ、五の数字の者は山ごもりをし、真の力を授かると……」
「じゃあもしかしてあの人が六人目の勇者?」
蓮が小声でそう言った瞬間武がいきなり大声を挙げる。
「おーい!あんた異世界から来た勇者なんかい?オレらもよぉ……」
そこまで言うとまたもや蓮によって口を塞がれる。
「武くんちゃんと空気読んでくれないと!声掛けるの絶対に今のタイミングじゃ無いと思うし。」
武はキョトンとしながら、
「そうなのか?今声掛けないでいつ掛けるんだよ。」
武と蓮が少し言い合いをしていると、向こうから五人に近付いてきた。
五人は少し驚きながらも相手の出方を待った。
急に雪の顔を覗き込みこう言った。
「あなたが雪ちゃんね、すぐに分かったわ、僕には隠さなくても全て分かっているのですよ。」
そう言うと雪に笑いかける。
「どっかで会ったことあったかにゃ?まったく見覚えが無いにゃよ。」
首を傾けながら雪がそう言う。
「ゴメンなさい会うのは初めてなのですよ、よろしくお願いしますです。」
そう言うと流風は手を出し握手をし、
「あっ名前を名乗り忘れてましたね、僕は五味 流風と言います、ここで少し修行をしてまして、今全てが終わった所です、勇者は僕で最後のようですね。」
周りを見渡しながら流風が言う。
「そうだぜ!もうみんな揃った事だしあの海まで戻ったらいいのか?」
「お茶屋さんそれは危険にゃ!またあの村人とかに捕まったらシャレにならないにゃよ。」
「ちょっと待って、あの水の精霊は池や湖とか水がある所は繋がってるって言ってたよな?」
蓮がそう言うと、礼、武、雪は水の精霊の話しを思い出し頷いた。
「それだったらこの近くに水場があれば、そこから話しかければ行けるんじゃないかな?」
蓮が話終わると同時に五人は流風を見る。
「この辺に水場って無いのか?合ったら案内頼む。」
武が頭を下げると、雪、礼、蓮もまた頭を下げる。
「頼むにゃ、もう逃げるのはゴメンにゃよ。」
「オレも……もう牢屋に入りたく無いよ。」
「出来れば避けて通りたい場所なんだ、この辺に有るならお願いします。」
流風は一歩後ずさりながらこう言った。
「ココの裏の道を行くと滝が見えてくるのそこでも大丈夫かしら?」
「決まりだな!道案内頼むぜ!!」
武が大きな笑い声を上げながら流風の肩を叩く。
少し困りながらも、流風は滝へと案内する。
滝へ着くと六人は少し考えこんでいた。
「……なぁ水の精霊ってどうやって呼び出すんだ?」
蓮が礼の顔を見ながら言う。
「うーん、オレもよく分からないけど、この前も突然目の前に現れたんだよね。」
礼がそこまで言うと、突然礼の後ろの滝から声が聞こえてくる。
「失礼ですね、突然目の前に現れるとか、私は必要だと呼ばれていつも出てきているのですよ、今回もあなたが必要だと思っていたので出てきました。」
少し怒りながら水の精霊が現れた。
「悪かったなぁ水のねーちゃん、どうやったらあんたが出てきてくれんのかが分からなくてなぁ。」
笑いながら武が精霊に話しかける。
「水のねーちゃん……まぁ間違って無いけど失礼だよ三茶屋さん……」
小声で礼がツッコミを入れる。
「ちょっとにっちゃん、もっと大きな声で言わないと聞こえないわよ、あの人野放しにしてたら失礼極まりないから、一度しっかり言ったほうが良いわよ!」
枝凛が礼の体を肘でつつきながら言う。
「四ノ宮さん……とりあえず、にっちゃんってオレの事なの?」
「そうよ、二藤だから数字の二を取ってにっちゃん。」
そんなやり取りをしてる中、水の精霊が平常心を保ちながら口を開く。
「それでは皆さん揃ったので、元の場所へと転移してよろしいですか?」
水の精霊のその言葉を聞き、三人は真顔になった。
「にゃ……ねこは水が嫌いにゃよ、滝に入るのはいいけど、池に戻るのはちょっと……」
「普通にキツイぜ、元の池に戻されたら、くさ……」
武がそこまで言うと、またもや蓮の裏拳が飛んできた。
「水の精霊さん、出来ればあそこの池以外でお願いしたいです……まじで切実に。」
蓮が武の言葉に被せるように言う。
「六黒くんも三茶屋と言ってることは同じだけど……」
またもや礼はボソッとつぶやく。
「まぁいいでしょう、お望みならばあの木の近くにも池があるのでそこに転移させましょうか?」
水の精霊が顔を引きずらせながらそう言う。
「それは助かるにゃよ、歩く時間も短縮できて、一石二鳥にゃよ。」
「あの池本当に嫌だったんだよなぁ……一石二鳥って……汚い池に入らなくていいし、近道出来たって事か……」
礼がボソッと言っていると、横から枝凛が小声で話しかけてくる。
「にっちゃん気を付けて、その木に着けば全てが開示されるらしいわ、この事は、本に載っていたけど他の勇者には告げてはダメと書いてあったの、だから詳しいことは話せないんだけど。」
少し警戒しながら枝凛が礼に言う。
「それでは皆さん準備が出来ましたら水の中へ入ってください、その先に行くべき所へ繋がっています。」
水の精霊がそう言うと、一番に武が入っていった、続いて蓮、雪、流風、礼、枝凛の順番で中に入る。
ゆっくり近づいて行くと、そこの中心に人が居るように見えた。
「なぁ、あそこ……あの真ん中に人が居るように見えるんだが?違うか?」
そう武が目を凝らしながら言う。
他の四人も目を凝らし確認する。
「本当にゃ……あそこに人が居るにゃよ、何してるのかにゃ?」
「代々伝わる本にはこうも記されていたわ、五の数字の者は山ごもりをし、真の力を授かると……」
「じゃあもしかしてあの人が六人目の勇者?」
蓮が小声でそう言った瞬間武がいきなり大声を挙げる。
「おーい!あんた異世界から来た勇者なんかい?オレらもよぉ……」
そこまで言うとまたもや蓮によって口を塞がれる。
「武くんちゃんと空気読んでくれないと!声掛けるの絶対に今のタイミングじゃ無いと思うし。」
武はキョトンとしながら、
「そうなのか?今声掛けないでいつ掛けるんだよ。」
武と蓮が少し言い合いをしていると、向こうから五人に近付いてきた。
五人は少し驚きながらも相手の出方を待った。
急に雪の顔を覗き込みこう言った。
「あなたが雪ちゃんね、すぐに分かったわ、僕には隠さなくても全て分かっているのですよ。」
そう言うと雪に笑いかける。
「どっかで会ったことあったかにゃ?まったく見覚えが無いにゃよ。」
首を傾けながら雪がそう言う。
「ゴメンなさい会うのは初めてなのですよ、よろしくお願いしますです。」
そう言うと流風は手を出し握手をし、
「あっ名前を名乗り忘れてましたね、僕は五味 流風と言います、ここで少し修行をしてまして、今全てが終わった所です、勇者は僕で最後のようですね。」
周りを見渡しながら流風が言う。
「そうだぜ!もうみんな揃った事だしあの海まで戻ったらいいのか?」
「お茶屋さんそれは危険にゃ!またあの村人とかに捕まったらシャレにならないにゃよ。」
「ちょっと待って、あの水の精霊は池や湖とか水がある所は繋がってるって言ってたよな?」
蓮がそう言うと、礼、武、雪は水の精霊の話しを思い出し頷いた。
「それだったらこの近くに水場があれば、そこから話しかければ行けるんじゃないかな?」
蓮が話終わると同時に五人は流風を見る。
「この辺に水場って無いのか?合ったら案内頼む。」
武が頭を下げると、雪、礼、蓮もまた頭を下げる。
「頼むにゃ、もう逃げるのはゴメンにゃよ。」
「オレも……もう牢屋に入りたく無いよ。」
「出来れば避けて通りたい場所なんだ、この辺に有るならお願いします。」
流風は一歩後ずさりながらこう言った。
「ココの裏の道を行くと滝が見えてくるのそこでも大丈夫かしら?」
「決まりだな!道案内頼むぜ!!」
武が大きな笑い声を上げながら流風の肩を叩く。
少し困りながらも、流風は滝へと案内する。
滝へ着くと六人は少し考えこんでいた。
「……なぁ水の精霊ってどうやって呼び出すんだ?」
蓮が礼の顔を見ながら言う。
「うーん、オレもよく分からないけど、この前も突然目の前に現れたんだよね。」
礼がそこまで言うと、突然礼の後ろの滝から声が聞こえてくる。
「失礼ですね、突然目の前に現れるとか、私は必要だと呼ばれていつも出てきているのですよ、今回もあなたが必要だと思っていたので出てきました。」
少し怒りながら水の精霊が現れた。
「悪かったなぁ水のねーちゃん、どうやったらあんたが出てきてくれんのかが分からなくてなぁ。」
笑いながら武が精霊に話しかける。
「水のねーちゃん……まぁ間違って無いけど失礼だよ三茶屋さん……」
小声で礼がツッコミを入れる。
「ちょっとにっちゃん、もっと大きな声で言わないと聞こえないわよ、あの人野放しにしてたら失礼極まりないから、一度しっかり言ったほうが良いわよ!」
枝凛が礼の体を肘でつつきながら言う。
「四ノ宮さん……とりあえず、にっちゃんってオレの事なの?」
「そうよ、二藤だから数字の二を取ってにっちゃん。」
そんなやり取りをしてる中、水の精霊が平常心を保ちながら口を開く。
「それでは皆さん揃ったので、元の場所へと転移してよろしいですか?」
水の精霊のその言葉を聞き、三人は真顔になった。
「にゃ……ねこは水が嫌いにゃよ、滝に入るのはいいけど、池に戻るのはちょっと……」
「普通にキツイぜ、元の池に戻されたら、くさ……」
武がそこまで言うと、またもや蓮の裏拳が飛んできた。
「水の精霊さん、出来ればあそこの池以外でお願いしたいです……まじで切実に。」
蓮が武の言葉に被せるように言う。
「六黒くんも三茶屋と言ってることは同じだけど……」
またもや礼はボソッとつぶやく。
「まぁいいでしょう、お望みならばあの木の近くにも池があるのでそこに転移させましょうか?」
水の精霊が顔を引きずらせながらそう言う。
「それは助かるにゃよ、歩く時間も短縮できて、一石二鳥にゃよ。」
「あの池本当に嫌だったんだよなぁ……一石二鳥って……汚い池に入らなくていいし、近道出来たって事か……」
礼がボソッと言っていると、横から枝凛が小声で話しかけてくる。
「にっちゃん気を付けて、その木に着けば全てが開示されるらしいわ、この事は、本に載っていたけど他の勇者には告げてはダメと書いてあったの、だから詳しいことは話せないんだけど。」
少し警戒しながら枝凛が礼に言う。
「それでは皆さん準備が出来ましたら水の中へ入ってください、その先に行くべき所へ繋がっています。」
水の精霊がそう言うと、一番に武が入っていった、続いて蓮、雪、流風、礼、枝凛の順番で中に入る。
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