だから私は時空の女神を信じない！

母との別れ

時は過ぎ私は十五歳になった。
自分でもこの歳まで生きていた事が奇跡だと思うほど命を狙われた。
そんなある日、私は珍しく母に呼ばれていた。
「かあ様何か御用ですか？」
母の顔を見ると今にも泣き出しそうな表情をしていた。
「ライムート……そろそろあなたもアカデミーに行く事になりました、来週アカデミーに通う為にこの家を出て父の元で暮らす事になりました。」
この世界では、十六歳からアカデミーという王族や貴族が通う学校に行くことがなかば義務づけられている、アカデミー内で王族は王族らしく、貴族は貴族らしくある為の教育がされる。
私は勝手に自分は通わないものだと思い込んでいた。
それだけに母の話は衝撃的だった。
それにわざわざ自分を殺そうとしている人が居るところで暮らせと言う事も衝撃的だった。
「かあ様……それはかあ様も一緒にですか？」
母を見ると、顔を横に振っていた。
「出来れば私はかあ様と一緒に行きたいのですが……」
「ライムート……あなたが暮らす所には正妃も居るのですよ……そんなわがままは言わないで。」
そう言いついに母は泣き出してしまった。
「かあ様、すみませんでした、もうわがままは言いません、だから泣かないで下さい。」
そうして私のアカデミー行きは決定した。