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第18話:二人目の勇者
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今後の方針を決めた日の、翌日になる。
今日はミナエル学園に、一人の教師が戻って来る日だ。
「ふう、アンタたちが今年の新入生? どう見ても使えそうなのは、少ないわね」
ボクたちのクラスの初の授業の時間。
初対面の教師は、いきなり毒を吐いてきた。
「最初に言っておくけど、アタシはあんた達、クズ候補生に最初から何も期待してないわ! 魔術授業のレベルも会わせる気もないわ。覚えておきなさい!」
厳しい口調な教師は女。
白衣に眼鏡の女教師だった。
「「「えっ……」」」
まさか横暴な発言に、クラス中が言葉を失う。
だが誰も反論すらしない。
何故なら彼女は、普通の教師ではない。
「悔しかったら、その低能が頭で良く考えることね!」
この女教師は《大賢者》エルザ=ライザール。
正真正銘の六人“真の勇者”の一人なのだ。
(ふう……この素晴らしい女性が、《大賢者》レイチェル=ライザール様か……)
そんな横暴な白衣の女教師を、ボクは授業を受けながら観察していた。
だが怪しまれないように、視線は最小限にしておく。
あと勇者魔法を警戒して、頭に浮かべる思考も“常に敬意”を払う。
勇者魔法はかなり厄介な存在。
【鑑定】や【敵意感知】など特殊なものが多い。
だからこうして別の意識で、相手をゴマかすのだ。
(バーナード先生も素晴らしかったけど、レイチェル先生も素晴らしいな)
前回のバーナード=ナックルは、ボクたちの思考まで読むことは出来なかった。
だが今回の相手は《大賢者》の称号を持つ者。
間違いなくバーナード=ナックルよりは、優れた勇者魔法を使ってくるはず。
だからボクもレヴィも最初は徹底して、心の仲間で優等生を演じているのだ。
(――――ん?)
その時だった。
レイチェル=ライザールから“何かの魔法”が飛んできた。
間違いなく【鑑定】や【精神感知】系の探知魔法だ。
(ほほう、これは凄い)
有亭は複数の魔法を、平行発動してきた。
しかも対象をクラス全員に対して、全体発動して調べてきたのだ。
(たいしたものだ……)
今まで出会ってきた魔法使いの中でも、トップクラスの魔法の精度とレベルの高さだった。
下手したら《怠惰のベルフェ》と互角の魔法の練度だ。
(性格も“凄く良い”先生なので、これは“今後が楽しみ”だな……)
相手の強大さを知って、ボクは思わず笑みを浮かべてしまう。
今回の相手は、明らかにバーナード=ナックルよりも格上。
戦闘能力はもちろん用心深さや、精神的な強さも段違いだった。
この女への復讐が、本当に楽しみになってきたのだ。
(さて、授業はちゃんと真面目に受けていかないとな……)
その日の授業は、優等生ラインとして受けていく。
レイチェル=ライザールの専門は魔法各種。
今までの教師とは段違いの、ハイレベルな授業だった。
「――――では、これで今日の授業を終わる。課題は必ずやってこい。質問は一切受け付けない。以上だ」
「「「ふう…………」」」
恐ろしいほどの緊張感の授業。
レイチェル=ライザールが立ち去り、教室の誰もが長い息を吐き出していた。
彼らの気持ちも分からなくはない。
何しろここには剣士や盾職など、前衛タイプの者もいる。
それなのにレイチェル=ライザールは高度な魔法知識を、全員に対して要求してきたのだ。
理由は『たとえ前衛タイプでも知識があれば、高度な魔族に対応できる』という理論らしい。
(まぁ……間違いではない理論だな)
たしかに前衛タイプは普通は、それほど高い魔法は求められていない。
だが知識となると別の次元。
前衛タイプでも勉強が必要なのだ。
その悪い例が、前回のバーナード=ナックルだ。
奴は確かに剣士としては、人族でも高い部類に入るだろう。
だが奴には頭を使えなかった。
何も考えずに、自分の性欲のために行動。
その結果がボク罠にハマり、敵の本拠地にある魔界に誘拐されてしまう。
本来の実力を出すことさえできず、あんな無様な姿を見せたのだ。
もう少し奴にまともな頭があったら、魔族レベル3,000の魔族にも勝てていただろう
授業終了後、そんなことを考えていたら、一人の少女が近づいてくる。
銀髪褐色のエッチな制服姿……仲間の《嫉妬のレヴィ》だ。
「ライン様、先ほどの女教師が次のターゲットですよね。あれは人族としては、大丈夫なのですか? 少しおかしく感じたのですが」
「そうだな。まぁ、普通の候補生は、そう感じるのかもな」
最近のレヴィは見事に、人族の候補生を演じている。人族として感情表現していた。
この分ならレイチェル=ライザールにも、見破られる心配ななさそう。
まぁ、至高の存在たる魔人の一柱が、普通の女生徒に馴染んでいるのも、どうかと思うが。
ちなみにレイチェル=ライザールは既に教室を去っているので、ボクたちは普通に思考しても大丈夫。
また会話も特殊な発音をしているので、クラスメイトにも雑談にしか聞こえていない。
「そういえば今回は女教師が相手ですが、どうやって情報集していきますか? また前回と同じく、私とライン様でやりますか?」
「いや、今回は別の策がある。もうすぐ、相手の方からアプローチがあるはずだ」
今回の相手は用心深い。
前回のように簡単にはいかないだろう。
焦らずにエサを垂らして、相手の動きを待つのだ。
◇
それから数日後。
ターゲットから反応がある。
「それでは今日の授業を終わる。なおライン一回生とベルフェ一回生の二名は、放課後に私の部屋に来るように。今回のテストの結果の件で、大事な話がある」
女教師レイチェル=ライザールから呼び出しがあった。
呼び出されたのは超難関のテストで、唯一の満点を取った二人。
ボクと《怠惰のベルフェ》だ。
「はい、分かりました、レイチェル先生」
こうして用心深い《大賢者》と対峙するのであった。
今日はミナエル学園に、一人の教師が戻って来る日だ。
「ふう、アンタたちが今年の新入生? どう見ても使えそうなのは、少ないわね」
ボクたちのクラスの初の授業の時間。
初対面の教師は、いきなり毒を吐いてきた。
「最初に言っておくけど、アタシはあんた達、クズ候補生に最初から何も期待してないわ! 魔術授業のレベルも会わせる気もないわ。覚えておきなさい!」
厳しい口調な教師は女。
白衣に眼鏡の女教師だった。
「「「えっ……」」」
まさか横暴な発言に、クラス中が言葉を失う。
だが誰も反論すらしない。
何故なら彼女は、普通の教師ではない。
「悔しかったら、その低能が頭で良く考えることね!」
この女教師は《大賢者》エルザ=ライザール。
正真正銘の六人“真の勇者”の一人なのだ。
(ふう……この素晴らしい女性が、《大賢者》レイチェル=ライザール様か……)
そんな横暴な白衣の女教師を、ボクは授業を受けながら観察していた。
だが怪しまれないように、視線は最小限にしておく。
あと勇者魔法を警戒して、頭に浮かべる思考も“常に敬意”を払う。
勇者魔法はかなり厄介な存在。
【鑑定】や【敵意感知】など特殊なものが多い。
だからこうして別の意識で、相手をゴマかすのだ。
(バーナード先生も素晴らしかったけど、レイチェル先生も素晴らしいな)
前回のバーナード=ナックルは、ボクたちの思考まで読むことは出来なかった。
だが今回の相手は《大賢者》の称号を持つ者。
間違いなくバーナード=ナックルよりは、優れた勇者魔法を使ってくるはず。
だからボクもレヴィも最初は徹底して、心の仲間で優等生を演じているのだ。
(――――ん?)
その時だった。
レイチェル=ライザールから“何かの魔法”が飛んできた。
間違いなく【鑑定】や【精神感知】系の探知魔法だ。
(ほほう、これは凄い)
有亭は複数の魔法を、平行発動してきた。
しかも対象をクラス全員に対して、全体発動して調べてきたのだ。
(たいしたものだ……)
今まで出会ってきた魔法使いの中でも、トップクラスの魔法の精度とレベルの高さだった。
下手したら《怠惰のベルフェ》と互角の魔法の練度だ。
(性格も“凄く良い”先生なので、これは“今後が楽しみ”だな……)
相手の強大さを知って、ボクは思わず笑みを浮かべてしまう。
今回の相手は、明らかにバーナード=ナックルよりも格上。
戦闘能力はもちろん用心深さや、精神的な強さも段違いだった。
この女への復讐が、本当に楽しみになってきたのだ。
(さて、授業はちゃんと真面目に受けていかないとな……)
その日の授業は、優等生ラインとして受けていく。
レイチェル=ライザールの専門は魔法各種。
今までの教師とは段違いの、ハイレベルな授業だった。
「――――では、これで今日の授業を終わる。課題は必ずやってこい。質問は一切受け付けない。以上だ」
「「「ふう…………」」」
恐ろしいほどの緊張感の授業。
レイチェル=ライザールが立ち去り、教室の誰もが長い息を吐き出していた。
彼らの気持ちも分からなくはない。
何しろここには剣士や盾職など、前衛タイプの者もいる。
それなのにレイチェル=ライザールは高度な魔法知識を、全員に対して要求してきたのだ。
理由は『たとえ前衛タイプでも知識があれば、高度な魔族に対応できる』という理論らしい。
(まぁ……間違いではない理論だな)
たしかに前衛タイプは普通は、それほど高い魔法は求められていない。
だが知識となると別の次元。
前衛タイプでも勉強が必要なのだ。
その悪い例が、前回のバーナード=ナックルだ。
奴は確かに剣士としては、人族でも高い部類に入るだろう。
だが奴には頭を使えなかった。
何も考えずに、自分の性欲のために行動。
その結果がボク罠にハマり、敵の本拠地にある魔界に誘拐されてしまう。
本来の実力を出すことさえできず、あんな無様な姿を見せたのだ。
もう少し奴にまともな頭があったら、魔族レベル3,000の魔族にも勝てていただろう
授業終了後、そんなことを考えていたら、一人の少女が近づいてくる。
銀髪褐色のエッチな制服姿……仲間の《嫉妬のレヴィ》だ。
「ライン様、先ほどの女教師が次のターゲットですよね。あれは人族としては、大丈夫なのですか? 少しおかしく感じたのですが」
「そうだな。まぁ、普通の候補生は、そう感じるのかもな」
最近のレヴィは見事に、人族の候補生を演じている。人族として感情表現していた。
この分ならレイチェル=ライザールにも、見破られる心配ななさそう。
まぁ、至高の存在たる魔人の一柱が、普通の女生徒に馴染んでいるのも、どうかと思うが。
ちなみにレイチェル=ライザールは既に教室を去っているので、ボクたちは普通に思考しても大丈夫。
また会話も特殊な発音をしているので、クラスメイトにも雑談にしか聞こえていない。
「そういえば今回は女教師が相手ですが、どうやって情報集していきますか? また前回と同じく、私とライン様でやりますか?」
「いや、今回は別の策がある。もうすぐ、相手の方からアプローチがあるはずだ」
今回の相手は用心深い。
前回のように簡単にはいかないだろう。
焦らずにエサを垂らして、相手の動きを待つのだ。
◇
それから数日後。
ターゲットから反応がある。
「それでは今日の授業を終わる。なおライン一回生とベルフェ一回生の二名は、放課後に私の部屋に来るように。今回のテストの結果の件で、大事な話がある」
女教師レイチェル=ライザールから呼び出しがあった。
呼び出されたのは超難関のテストで、唯一の満点を取った二人。
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「はい、分かりました、レイチェル先生」
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