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第53話:最終決戦
大陸でも"最強騎士団”とも名高い蒼薔薇騎士が、バルマンを救うために駆け付けてくる。
「アレだけじゃないぞ、マリア! あっちを見てみろ! あと、あっちもだな!」
ラインハルトは別の方角を指差す。
その方角からはまた違う武装集団が、同じようにこちらに駆けてくる。
「あの軍旗はドルム伯爵家の⁉ それにあちらはスザク公爵家の⁉ そして、あちらは……」
信じられない光景であった。
バルマンを救うために、各諸侯が連合軍として向かって来ているのだ。
ヒドリーナさんのドルム家、エリザベスさんのスザク家、そしてクラスメートたちの実家である各諸侯だった。
本来ななら政敵であるバルマン家。
助けるために、連合軍として轡を並べていたのだ。
「でも、どうして各諸侯の方が、こんなに早く……」
その疑問にはジーク様が答えてくれる
「学園にいた乙女指揮官も、ハンスの行動に胸を打たれていたのだ。すぐさま遠距離通信の魔道具で、各自の実家に懇願していたのだ」
なんと、そうだったのか。
バルマン家……私の実家を助けたい一心で、彼女たちは各家に懇願。
必死で出兵を頼んだという。
令嬢たちの中には『お父様、聞いてください! 私の大事な友マリアンヌ様の一大事。私の一生の願いとして、バルマンに救援を!』と遠距離通信で、涙を流していた者もいたという。
そんなことが会ったの……。
ヒドリーナさんやエリザベスさん、それに他のみんなが、そんな無茶なことを。こんな私を救うために、実家に大きな貸しを作っていたのだ。
「おっと。あっちから凄いのも来たぞ、マリア。あれは炎竜騎士団の軍旗、クラウドのアニキも間に合ったようだぞ!」
更に別な方角から、新たなる援軍が現れた。
敵の策略にはまり、街から離されていたバルマン軍の主力“炎竜騎士団”。
"完璧騎士”の異名をもつクラウドお兄様も、援軍に駆けてくれたのだ。
騎兵だけ布陣を見るに、強行軍で戻って来たのであろう。
「さて、槍野郎! これで形勢は一気に逆転だぜ。このバルマンは救われる!」
今度は逆にラインハルトが、槍の妖魔を挑発する。
あと数刻もすれば援軍によって、妖魔軍は全て駆逐され自分たちの勝利であると。
後は今回の事件を裏で策謀していた者を、裁いてお終いだと宣言する。
「予想外の展開」「こうなったら“我らが神の器”だけでも肉体から解放していく」
二体の妖魔は真紅の槍先を、私に向けてくる。
この場にいる邪魔な騎士を、全て皆殺し。私だけは絶対に滅ぼすと宣言しきたのだ。
――――そして二対の妖魔は変化を始める。
「融合を……?」
二体の槍の妖魔は、一つに融合していく。
奇妙な人型の姿になった。
一つの身体に四本の腕、二本の真紅の槍を構えた妖魔に進化したのだ。
「えっ……まさか“この妖魔の姿”は……」
その異形な姿を見て、私は思い出した。
目の前の妖魔の正体が分かったのだ。
(まさかこいつ……妖魔“神殺双槍”だったの⁉)
目の前の妖魔のゲーム内での名は“神殺双槍(ロンギヌス)”。
作中に数体しかいない《帝級》妖魔の一体だ。
でもゲームでは“神殺双槍”は暗黒大陸を守っているはず。
最終局面の直前の超強敵だった。
(どうして、こんな初期場面に⁉ マズイな、これは……)
ゲーム内の“神殺双槍”は超強敵。
最強装備と最高レベルまで強化した美男騎士が数人で、ようやく倒せる最悪なボス級妖魔。
こんな序盤で出てきてはいけない、エラー的存在なのだ。
「ライン、ジーク様、ここは退くべきです」
だから私は二人に進言する。理由は話せない。
でも残念ながら完全体になった“神殺双槍”に、"今の二人“では勝てないのだ。
蒼薔薇騎士のツートップといえども、出会うタイミングが悪い。
本来ならもっとレベルを上げてから、戦うべき相手なのだ。
「ジーク、悪いが、こいつはオレに譲ってもらうぞ」
「仕方ないな、ライン。その代わり外に残る上級妖魔は、全て私が貰うぞ」
「OK。交渉成立だな」
でも二人の騎士は私の話を、まったく聞いていなかった。
完全体となった“神殺双槍”を相手に、真っ正面から戦おうとしているのだ。
しかも信じられないことに、ラインハルトがやった一人で戦うつもりなのだ。
ジーク様はすっと下がり、傷ついた私とお父様を守りに入る。
「ジーク様、ラインを止めてください! 理由は言えませんが……あの妖魔は“普通”ではありません! せめて二人で戦うべきです!」
私はジーク様に懇願する。
無謀な戦いに挑む、ラインハルトを引き留めてくれと頼。
「いや、それには及ばない」
でもジーク様はクールな眼差しで、ラインハルトを見つめていた。
「括目していろ、マリア。ラインハルトの"本気”を」
「えっ……ラインの本気を、ですか?」
強大な帝級妖魔の前に、たった一人で近づいて行くラインハルト。
その友の姿を見つめながら、ジーク様は静かに口を開く。
「悔しいが、私は知らない。ラインほど戦神に愛された騎士を。そして信頼している。ラインハルト=ヘルトリングの“最強の一撃”は、どんな強大な敵すらも打ち倒すことを」
嫉妬と敬愛。色んな感情を口にして、クールな瞳でジーク様は見つめている。
友であるラインハルトに、絶対的な信頼を置いているのだ。
「「死ネェェ!!」」
――――その時であった。
“神殺双槍”が動く。
ラインハルト身体を、二本の真紅の槍で突き刺そうとする。
予備動作の一切ない奇襲。
音すらも追い抜く、凄まじい速度の一撃だ。
動体視力に優れたマリアンヌの目にも、微かな線にしか見えなかった。
――――その名の通りまさに“神殺双槍”の一撃。
神すらも射殺す一撃が、ラインハルトの命を奪い取ろうとしていた。
「ライン! 勝つのです!」
私は思わず叫んでしまう。
大切な学園での仲間。
そして大事な幼馴染ラインハルトの勝利を命じる。
「ああ、任せろ、マリア! いくぜぇええ!」
――――そしてラインハルト=ヘルトリングの剣は、一筋の光を放つ。
「アレだけじゃないぞ、マリア! あっちを見てみろ! あと、あっちもだな!」
ラインハルトは別の方角を指差す。
その方角からはまた違う武装集団が、同じようにこちらに駆けてくる。
「あの軍旗はドルム伯爵家の⁉ それにあちらはスザク公爵家の⁉ そして、あちらは……」
信じられない光景であった。
バルマンを救うために、各諸侯が連合軍として向かって来ているのだ。
ヒドリーナさんのドルム家、エリザベスさんのスザク家、そしてクラスメートたちの実家である各諸侯だった。
本来ななら政敵であるバルマン家。
助けるために、連合軍として轡を並べていたのだ。
「でも、どうして各諸侯の方が、こんなに早く……」
その疑問にはジーク様が答えてくれる
「学園にいた乙女指揮官も、ハンスの行動に胸を打たれていたのだ。すぐさま遠距離通信の魔道具で、各自の実家に懇願していたのだ」
なんと、そうだったのか。
バルマン家……私の実家を助けたい一心で、彼女たちは各家に懇願。
必死で出兵を頼んだという。
令嬢たちの中には『お父様、聞いてください! 私の大事な友マリアンヌ様の一大事。私の一生の願いとして、バルマンに救援を!』と遠距離通信で、涙を流していた者もいたという。
そんなことが会ったの……。
ヒドリーナさんやエリザベスさん、それに他のみんなが、そんな無茶なことを。こんな私を救うために、実家に大きな貸しを作っていたのだ。
「おっと。あっちから凄いのも来たぞ、マリア。あれは炎竜騎士団の軍旗、クラウドのアニキも間に合ったようだぞ!」
更に別な方角から、新たなる援軍が現れた。
敵の策略にはまり、街から離されていたバルマン軍の主力“炎竜騎士団”。
"完璧騎士”の異名をもつクラウドお兄様も、援軍に駆けてくれたのだ。
騎兵だけ布陣を見るに、強行軍で戻って来たのであろう。
「さて、槍野郎! これで形勢は一気に逆転だぜ。このバルマンは救われる!」
今度は逆にラインハルトが、槍の妖魔を挑発する。
あと数刻もすれば援軍によって、妖魔軍は全て駆逐され自分たちの勝利であると。
後は今回の事件を裏で策謀していた者を、裁いてお終いだと宣言する。
「予想外の展開」「こうなったら“我らが神の器”だけでも肉体から解放していく」
二体の妖魔は真紅の槍先を、私に向けてくる。
この場にいる邪魔な騎士を、全て皆殺し。私だけは絶対に滅ぼすと宣言しきたのだ。
――――そして二対の妖魔は変化を始める。
「融合を……?」
二体の槍の妖魔は、一つに融合していく。
奇妙な人型の姿になった。
一つの身体に四本の腕、二本の真紅の槍を構えた妖魔に進化したのだ。
「えっ……まさか“この妖魔の姿”は……」
その異形な姿を見て、私は思い出した。
目の前の妖魔の正体が分かったのだ。
(まさかこいつ……妖魔“神殺双槍”だったの⁉)
目の前の妖魔のゲーム内での名は“神殺双槍(ロンギヌス)”。
作中に数体しかいない《帝級》妖魔の一体だ。
でもゲームでは“神殺双槍”は暗黒大陸を守っているはず。
最終局面の直前の超強敵だった。
(どうして、こんな初期場面に⁉ マズイな、これは……)
ゲーム内の“神殺双槍”は超強敵。
最強装備と最高レベルまで強化した美男騎士が数人で、ようやく倒せる最悪なボス級妖魔。
こんな序盤で出てきてはいけない、エラー的存在なのだ。
「ライン、ジーク様、ここは退くべきです」
だから私は二人に進言する。理由は話せない。
でも残念ながら完全体になった“神殺双槍”に、"今の二人“では勝てないのだ。
蒼薔薇騎士のツートップといえども、出会うタイミングが悪い。
本来ならもっとレベルを上げてから、戦うべき相手なのだ。
「ジーク、悪いが、こいつはオレに譲ってもらうぞ」
「仕方ないな、ライン。その代わり外に残る上級妖魔は、全て私が貰うぞ」
「OK。交渉成立だな」
でも二人の騎士は私の話を、まったく聞いていなかった。
完全体となった“神殺双槍”を相手に、真っ正面から戦おうとしているのだ。
しかも信じられないことに、ラインハルトがやった一人で戦うつもりなのだ。
ジーク様はすっと下がり、傷ついた私とお父様を守りに入る。
「ジーク様、ラインを止めてください! 理由は言えませんが……あの妖魔は“普通”ではありません! せめて二人で戦うべきです!」
私はジーク様に懇願する。
無謀な戦いに挑む、ラインハルトを引き留めてくれと頼。
「いや、それには及ばない」
でもジーク様はクールな眼差しで、ラインハルトを見つめていた。
「括目していろ、マリア。ラインハルトの"本気”を」
「えっ……ラインの本気を、ですか?」
強大な帝級妖魔の前に、たった一人で近づいて行くラインハルト。
その友の姿を見つめながら、ジーク様は静かに口を開く。
「悔しいが、私は知らない。ラインほど戦神に愛された騎士を。そして信頼している。ラインハルト=ヘルトリングの“最強の一撃”は、どんな強大な敵すらも打ち倒すことを」
嫉妬と敬愛。色んな感情を口にして、クールな瞳でジーク様は見つめている。
友であるラインハルトに、絶対的な信頼を置いているのだ。
「「死ネェェ!!」」
――――その時であった。
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ラインハルト身体を、二本の真紅の槍で突き刺そうとする。
予備動作の一切ない奇襲。
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動体視力に優れたマリアンヌの目にも、微かな線にしか見えなかった。
――――その名の通りまさに“神殺双槍”の一撃。
神すらも射殺す一撃が、ラインハルトの命を奪い取ろうとしていた。
「ライン! 勝つのです!」
私は思わず叫んでしまう。
大切な学園での仲間。
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∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載させていただいています。
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