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第7話:最初の仕事
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今は亡き友ゼノスのからの依頼を受ける。
新人冒険者として滅亡寸前の村スクルドを、立て直しをするのであった。
「勝手にしろ、ザガンとやら! 協力はするが、期待はしていないぞ……」
「ああ、それで結構だ。さて、早速だが屋敷の前の広場を、借りるぞ」
「ん? 何をするつもりだ。とりあえずリンシア、協力してやれ」
「はい、お爺様」
村長から協力は得られた。
オレは村の広場に移動。立地的に、ここは村の中心部。
仕事始めには、丁度良い場所だろう。
「あの……ザガン様、ここで何を?」
「まぁ、見ていろ。後で協力を頼む」
最初はオレの仕事。
作業に取り掛かるとするか。
「まずは、道具を出すとするか……【収納】!」
空間魔法の一つ【収納】を発動。
使う道具を広場に出していく。
「えっ? いきなり沢山の道具が? 先ほどの【収納】という魔法ですか?」
「ああ、そうだ。すまないが、準備を手伝ってくれ。これから《岩猪》を解体する」
「えっ、ここで《岩猪》を解体ですか? はい、もちろんです」
収納から出したのは、自分の旅の解体の道具。
《岩猪》の死体を吊るして、リンシアと解体していく。
大きな鍋とまな板も出して、そのまま精肉として分類していく。
「す、凄いです、ザガン様。あんなに固い《岩猪》を、こんなに一瞬で解体を……」
「オレも昔は狩りをしていたからな。さて、次は調理に移るぞ。あの井戸水は使えるのか?」
「調理を? あっ、はい、水は大丈夫です」
次は調理に移る。
作る料理は二品。
《岩猪》の太ももの肉を、香菜で焼いたモノ。
あとは煮込み料理だ。
「す、凄い料理のてぎわ……それに、その調理の火は、どうやって調整を……?」
「これは家庭魔法の【着火】を応用したものだ。上手く調整したら、短時間で調理も可能だ」
「えっ、【着火】の魔法だったんですか⁉ 私も使えますが、そんな凄い【着火】は見たこともありません」
リンシアは何やら驚いているが、構わずに調理を続けていく。
肉と鍋から、香ばしい香りに広がっていった。
よし、まずまずのできだ。
(ん? きたか)
気がつくと広場の周囲に、人が集まっていた。
彼らはスクルドの村の住人たち。
何事かと恐る恐る遠目に見てくる。
「よし、仕上げだ」
そんな視線も気にせず、調理の仕上げに移る。
焼きと煮込みの料理を、食べられるように仕上げていく。
「リンシア、多めに皿はあるか?」
「えっ、はい。村の宴用の木皿なら、ウチにあります」
「よし、取りに行こう」
料理は完成した。
倉庫に木皿を取りにいく。
それほど重くはないので、オレは一気に持ってくる。
「ん? だいぶ、集まっているな」
戻って来ると広場には、多くの村人たちがいた。
おそらく全住人のほとんどであろう。
大半が女子どもと年配。全員が栄養不足で、痩せ細っていた。
働き盛りの成人男性は、やはり少ない。
ザワザワ……ザワザワ……
よほど飢えているのであろう。
誰もがオレの作った料理を凝視している。
だが誰もまだ言い出せないでいる。
そのうちの一人が口を開く。
「リ、リンシア。その剣士は一体、何者じゃ? それに、この巨大な肉の料理は?」
リンシアに訊ねているのは、オレの素性と料理に関して。
集まった村人たち全員の疑問なのだろう。
「皆さん、こちらの方は冒険者ザガン様です。色々あって、この村にしばらく住むことになりました。この料理は……」
「そこから先はオレが説明をしよう」
話の主導権を移してもらう。
オレは料理の所まで移動。木皿に料理を盛り付けていく。
ふむ、ちょうど良い焼き加減。
見るからに美味そうな料理だ。
ゴクリ……
村人たちが唾を飲み込む。
本当は今すぐにでも、手を伸ばしたいのであろう。
だが武装したオレがいるために、誰も躊躇しているのだ。
(なるほど。ここの住民は根本的な礼節と自制心は、かなりのモノだな。さすがはゼノスの故郷だ)
我が友の故郷の規律の高さに、思わず嬉しくなる。
さて、ここからいよいよ本題に移る。
「この《岩猪》はオレが狩ったモノ。だから所有権はオレにある。だがオレも鬼ではない。資格がある者に分け与えよう」
「「「おお⁉」」」
『分け与える』という言葉を聞いて、村人たちは歓声を上げる。
これだけ巨大な《岩猪》なら、全員で食べても十分に行き渡る。
久しぶりの食事に、誰もが喉を鳴らしていた。
「でも、ザガンの兄ちゃん? 資格がある者、って、どういう意味?」
そんな中で、冷静に質問をしてきた者がいた。
十二歳くらいの一人の少年。
周りと同じように痩せこけているが、眼光には光がある。
ほほう。悪くない目だ。
「いい質問だ。お前は、名は?」
「ボ、ボクはライン。そこのリンシアお姉ちゃんの従姉弟だ」
なるほど、リンシアの従姉弟か。
つまりゼノスの従兄弟ということか。
それなら、この眼光の光も納得がいく。
どことなくあの“天弓”を彷彿とさせる、鋭い才気だ。
「ラインか。それなら答えてやろう。オレは『この村を元の姿に戻す依頼』を受けている。だからこの食事を口に出来るのは、一緒に仕事を行える者だけ。つまり『村の復興に協力する気がある者』だけが、食事を口にする権利がある!」
「「「なっ……」」」
条件を聞いて、村人たちの態度が急変。
特に年配者たちは、あからさまに嫌な顔になる。
「ふん! 今日来たよそ者が、分かったような口を聞くな!」
「ああ、そうじゃ! ワシらも解決しようよしてきて、無理だったのじゃ!」
「今さら駆け出しの冒険者が、一人ぐらい増えたところで、もうどうにもならないのだ!」
「だからメシだけよこせ!」
年配たちは、諦めモードに入っていた。
おそらく彼らは今日まで、必死に足掻いてきたのであろう。
だが、どうすることも出来ず今に至っているのだ。
「なんだ、まだ、そんなに大声を出す元気が残っているのか。それなら大丈夫そうだな」
だがオレは怒る気も起きない。
何故なら窮地に陥った時、人はこうして負の部分が出てしまう。そのことは知っていたから。
むしろ反論してくる、反骨心と元気が残っている。
それが分かって気分が良くなっていた。
「さて、ガキども。お前たちは、どうだ?」
次は集まっている、少年少女に訊ねてみる。
彼らはザワツキながら、一人の少年に視線を移す。
先ほどの少年ラインだ。
雰囲気的に、彼が子ども軍団のリーダーなのだろう。
「ザガン兄ちゃん……ボクたちは生きたい。爺ちゃん婆ちゃんたちは、諦めてかけているけど、ボクたちは腹いっぱい食べて、生き残りたいよ! そのためだったら、危険なことにも協力するよ!」
少年ラインは叫ぶ。
痩せこけた身体から、最後の力を振り絞り、自分の想いを口にする。
「そうか。他のガキたちも、同じような」
ラインの周りの少年少女たちに、強い意思が広がっていく。
先ほどまで死んだ魚のような目が、今は微かな希望に輝きだしていた。
うむ。悪くない雰囲気だ。
「さては次はもう一度、大人たちに聞く。今のラインの決意を聞いて、どうする? このまま朽ち果てるか? オレに協力して村を復興するか?」
もう一度、大人たちに問いかける。
彼らは孫たちの変化を見て、明らかに動揺していた。
どうすれば良いのか迷っているのだろう。
「くっ……ああ、分かった。出来る限りの協力はする……」
「ああ、ワシらもじゃ。だが、この老体では危険なことは出来ないぞ?」
老人たちも覚悟を決めてくれた。
半信半疑ながらも、協力を名乗り出てくれたのだ。
「ああ、各自の能力には限度がある。仕事の内容は、オレの方で考え指示する。心配はするな」
村を復興するには、多くの問題を解決する必要がある。
そのためには色んな分野の技術と、知識が必須。
そして一番大事なのは『絶対に元の村を取り戻す!』という住人たちの覚悟なのだ。
まだ覚悟の火は小さい。
だが村人たち顔つきは、明らかに先ほどとは違う。
「さて、待たせたな。それでは約束通り、飯の時間とするか」
「「「おおおー!」」」
飯の時間と聞いて、村人たちが歓喜を上げる。
《岩猪》の料理に群がってきた。
全員で協力をしながら、取り分けていく。
小さい子どもから料理を食べさせて、老人たち大人は最後まで準備をしている。
(ほほう。悪くないな……これなら何とかなるかもしれないな)
餓死寸前でも、規律ある村人たちの行動。
改めて感心する。
あとは問題さえ解決していけば、何とかなるはずだ。
「さて、これから忙しくなるな」
たった五ペリカの依頼だが、下手したら数年かかる可能性もある。
「ふっ……だが悪くない、光景だな」
笑顔を取り戻した村人たち。
そんな明るい光景を見つめながら、柄にもないことを思ってしまうのだった。
◇
◇
――――あとがき――――
◇
読んで頂きありがとうございます!
同じような痛快ファンタジー作品も書いてました。
こちらも是非よろしくお願いします!
《タイトル》
愛する家族を勇者パーティーに惨殺された少年、【最強の魔剣】と【七大魔人の仲間】を手に入れ、勇者パーティーと世界の全てにざまぁ復讐していく
https://www.alphapolis.co.jp/novel/832153235/331366467
《あらすじ》
少年ラインは改心した魔族の元王女と、人族男性の間に生まれた子。人里離れた山奥で、美しい母親と幸せに暮らしていた。
だが合法の《魔族狩り》に来た残虐な六人の勇者によって、幸せな生活は一瞬で崩壊。辛うじて生き残ったラインは、見るも無残な母の亡骸の前で血の涙を流す。魔族公爵の叔父に拾われ、復讐のため魔界の七大試練に挑む。
時は流れ十四歳になったラインは、勇者育成学園に身分を隠し入学。目的は教師となった六人の勇者への完全な復讐。
これは最強の魔の力を会得した少年が、勇者候補を演じながら、勇者と世界を相手に復讐していく物語である。
新人冒険者として滅亡寸前の村スクルドを、立て直しをするのであった。
「勝手にしろ、ザガンとやら! 協力はするが、期待はしていないぞ……」
「ああ、それで結構だ。さて、早速だが屋敷の前の広場を、借りるぞ」
「ん? 何をするつもりだ。とりあえずリンシア、協力してやれ」
「はい、お爺様」
村長から協力は得られた。
オレは村の広場に移動。立地的に、ここは村の中心部。
仕事始めには、丁度良い場所だろう。
「あの……ザガン様、ここで何を?」
「まぁ、見ていろ。後で協力を頼む」
最初はオレの仕事。
作業に取り掛かるとするか。
「まずは、道具を出すとするか……【収納】!」
空間魔法の一つ【収納】を発動。
使う道具を広場に出していく。
「えっ? いきなり沢山の道具が? 先ほどの【収納】という魔法ですか?」
「ああ、そうだ。すまないが、準備を手伝ってくれ。これから《岩猪》を解体する」
「えっ、ここで《岩猪》を解体ですか? はい、もちろんです」
収納から出したのは、自分の旅の解体の道具。
《岩猪》の死体を吊るして、リンシアと解体していく。
大きな鍋とまな板も出して、そのまま精肉として分類していく。
「す、凄いです、ザガン様。あんなに固い《岩猪》を、こんなに一瞬で解体を……」
「オレも昔は狩りをしていたからな。さて、次は調理に移るぞ。あの井戸水は使えるのか?」
「調理を? あっ、はい、水は大丈夫です」
次は調理に移る。
作る料理は二品。
《岩猪》の太ももの肉を、香菜で焼いたモノ。
あとは煮込み料理だ。
「す、凄い料理のてぎわ……それに、その調理の火は、どうやって調整を……?」
「これは家庭魔法の【着火】を応用したものだ。上手く調整したら、短時間で調理も可能だ」
「えっ、【着火】の魔法だったんですか⁉ 私も使えますが、そんな凄い【着火】は見たこともありません」
リンシアは何やら驚いているが、構わずに調理を続けていく。
肉と鍋から、香ばしい香りに広がっていった。
よし、まずまずのできだ。
(ん? きたか)
気がつくと広場の周囲に、人が集まっていた。
彼らはスクルドの村の住人たち。
何事かと恐る恐る遠目に見てくる。
「よし、仕上げだ」
そんな視線も気にせず、調理の仕上げに移る。
焼きと煮込みの料理を、食べられるように仕上げていく。
「リンシア、多めに皿はあるか?」
「えっ、はい。村の宴用の木皿なら、ウチにあります」
「よし、取りに行こう」
料理は完成した。
倉庫に木皿を取りにいく。
それほど重くはないので、オレは一気に持ってくる。
「ん? だいぶ、集まっているな」
戻って来ると広場には、多くの村人たちがいた。
おそらく全住人のほとんどであろう。
大半が女子どもと年配。全員が栄養不足で、痩せ細っていた。
働き盛りの成人男性は、やはり少ない。
ザワザワ……ザワザワ……
よほど飢えているのであろう。
誰もがオレの作った料理を凝視している。
だが誰もまだ言い出せないでいる。
そのうちの一人が口を開く。
「リ、リンシア。その剣士は一体、何者じゃ? それに、この巨大な肉の料理は?」
リンシアに訊ねているのは、オレの素性と料理に関して。
集まった村人たち全員の疑問なのだろう。
「皆さん、こちらの方は冒険者ザガン様です。色々あって、この村にしばらく住むことになりました。この料理は……」
「そこから先はオレが説明をしよう」
話の主導権を移してもらう。
オレは料理の所まで移動。木皿に料理を盛り付けていく。
ふむ、ちょうど良い焼き加減。
見るからに美味そうな料理だ。
ゴクリ……
村人たちが唾を飲み込む。
本当は今すぐにでも、手を伸ばしたいのであろう。
だが武装したオレがいるために、誰も躊躇しているのだ。
(なるほど。ここの住民は根本的な礼節と自制心は、かなりのモノだな。さすがはゼノスの故郷だ)
我が友の故郷の規律の高さに、思わず嬉しくなる。
さて、ここからいよいよ本題に移る。
「この《岩猪》はオレが狩ったモノ。だから所有権はオレにある。だがオレも鬼ではない。資格がある者に分け与えよう」
「「「おお⁉」」」
『分け与える』という言葉を聞いて、村人たちは歓声を上げる。
これだけ巨大な《岩猪》なら、全員で食べても十分に行き渡る。
久しぶりの食事に、誰もが喉を鳴らしていた。
「でも、ザガンの兄ちゃん? 資格がある者、って、どういう意味?」
そんな中で、冷静に質問をしてきた者がいた。
十二歳くらいの一人の少年。
周りと同じように痩せこけているが、眼光には光がある。
ほほう。悪くない目だ。
「いい質問だ。お前は、名は?」
「ボ、ボクはライン。そこのリンシアお姉ちゃんの従姉弟だ」
なるほど、リンシアの従姉弟か。
つまりゼノスの従兄弟ということか。
それなら、この眼光の光も納得がいく。
どことなくあの“天弓”を彷彿とさせる、鋭い才気だ。
「ラインか。それなら答えてやろう。オレは『この村を元の姿に戻す依頼』を受けている。だからこの食事を口に出来るのは、一緒に仕事を行える者だけ。つまり『村の復興に協力する気がある者』だけが、食事を口にする権利がある!」
「「「なっ……」」」
条件を聞いて、村人たちの態度が急変。
特に年配者たちは、あからさまに嫌な顔になる。
「ふん! 今日来たよそ者が、分かったような口を聞くな!」
「ああ、そうじゃ! ワシらも解決しようよしてきて、無理だったのじゃ!」
「今さら駆け出しの冒険者が、一人ぐらい増えたところで、もうどうにもならないのだ!」
「だからメシだけよこせ!」
年配たちは、諦めモードに入っていた。
おそらく彼らは今日まで、必死に足掻いてきたのであろう。
だが、どうすることも出来ず今に至っているのだ。
「なんだ、まだ、そんなに大声を出す元気が残っているのか。それなら大丈夫そうだな」
だがオレは怒る気も起きない。
何故なら窮地に陥った時、人はこうして負の部分が出てしまう。そのことは知っていたから。
むしろ反論してくる、反骨心と元気が残っている。
それが分かって気分が良くなっていた。
「さて、ガキども。お前たちは、どうだ?」
次は集まっている、少年少女に訊ねてみる。
彼らはザワツキながら、一人の少年に視線を移す。
先ほどの少年ラインだ。
雰囲気的に、彼が子ども軍団のリーダーなのだろう。
「ザガン兄ちゃん……ボクたちは生きたい。爺ちゃん婆ちゃんたちは、諦めてかけているけど、ボクたちは腹いっぱい食べて、生き残りたいよ! そのためだったら、危険なことにも協力するよ!」
少年ラインは叫ぶ。
痩せこけた身体から、最後の力を振り絞り、自分の想いを口にする。
「そうか。他のガキたちも、同じような」
ラインの周りの少年少女たちに、強い意思が広がっていく。
先ほどまで死んだ魚のような目が、今は微かな希望に輝きだしていた。
うむ。悪くない雰囲気だ。
「さては次はもう一度、大人たちに聞く。今のラインの決意を聞いて、どうする? このまま朽ち果てるか? オレに協力して村を復興するか?」
もう一度、大人たちに問いかける。
彼らは孫たちの変化を見て、明らかに動揺していた。
どうすれば良いのか迷っているのだろう。
「くっ……ああ、分かった。出来る限りの協力はする……」
「ああ、ワシらもじゃ。だが、この老体では危険なことは出来ないぞ?」
老人たちも覚悟を決めてくれた。
半信半疑ながらも、協力を名乗り出てくれたのだ。
「ああ、各自の能力には限度がある。仕事の内容は、オレの方で考え指示する。心配はするな」
村を復興するには、多くの問題を解決する必要がある。
そのためには色んな分野の技術と、知識が必須。
そして一番大事なのは『絶対に元の村を取り戻す!』という住人たちの覚悟なのだ。
まだ覚悟の火は小さい。
だが村人たち顔つきは、明らかに先ほどとは違う。
「さて、待たせたな。それでは約束通り、飯の時間とするか」
「「「おおおー!」」」
飯の時間と聞いて、村人たちが歓喜を上げる。
《岩猪》の料理に群がってきた。
全員で協力をしながら、取り分けていく。
小さい子どもから料理を食べさせて、老人たち大人は最後まで準備をしている。
(ほほう。悪くないな……これなら何とかなるかもしれないな)
餓死寸前でも、規律ある村人たちの行動。
改めて感心する。
あとは問題さえ解決していけば、何とかなるはずだ。
「さて、これから忙しくなるな」
たった五ペリカの依頼だが、下手したら数年かかる可能性もある。
「ふっ……だが悪くない、光景だな」
笑顔を取り戻した村人たち。
そんな明るい光景を見つめながら、柄にもないことを思ってしまうのだった。
◇
◇
――――あとがき――――
◇
読んで頂きありがとうございます!
同じような痛快ファンタジー作品も書いてました。
こちらも是非よろしくお願いします!
《タイトル》
愛する家族を勇者パーティーに惨殺された少年、【最強の魔剣】と【七大魔人の仲間】を手に入れ、勇者パーティーと世界の全てにざまぁ復讐していく
https://www.alphapolis.co.jp/novel/832153235/331366467
《あらすじ》
少年ラインは改心した魔族の元王女と、人族男性の間に生まれた子。人里離れた山奥で、美しい母親と幸せに暮らしていた。
だが合法の《魔族狩り》に来た残虐な六人の勇者によって、幸せな生活は一瞬で崩壊。辛うじて生き残ったラインは、見るも無残な母の亡骸の前で血の涙を流す。魔族公爵の叔父に拾われ、復讐のため魔界の七大試練に挑む。
時は流れ十四歳になったラインは、勇者育成学園に身分を隠し入学。目的は教師となった六人の勇者への完全な復讐。
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