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第48話:馬車の追跡
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王都に到着した翌朝になる。
リフォームを終えてボクたちは、屋敷を出発。
王都にきた本来の目的である、マリエルの影護衛を行うのだ。
まずはマリエルが王都で滞在している、ミカエル上級貴族の屋敷に向かう。
「えーと、この番地は……こっちか」
執事セバスさんに描いてもらった地図を頼りに、屋敷街をドルトンさんとサラで歩いていく。
貴族の屋敷はどれも同じように見えるので、なかなか見つからない。
「ハルク君。あの屋敷じゃないですか?」
「あっ、本当だ! こんなに近かったんだね!」
マリエルが滞在していた屋敷は、ボクの名義の屋敷のすぐ近くにあった。互いに上級貴族の屋敷だから、自然と近い場所にあるのだろう。
「こんなに近いのか。それなら後で“地下トンネル”でも掘っておこうかな」
直線距離だと両屋敷はかなり近い。
警護や緊急時の脱出のために、地下通路の作成も検討しておく。セバスさんのたちに見つからないように採掘しないとな。
「おい、ハルク。お姫さんの馬車が出てきたぞ」
「あっ、本当ですね」
ミカエル貴族の正門から、一台の馬車が出てきた。
窓が閉まっているので中は確認できないが、間違いなくマリエルの気配が感じられる。彼女は中に乗っているのだ。
ハメルーン家の馬車は、屋敷街の通りを城の方向に向かっていく。
事前にマリエルから聞いたスケジュールだと、今日はたしか城への挨拶をする日だ。
「よし。護衛しながら、ボクたちもハメルーン城にいきましょう!」
王族を乗せた馬車は、それほど速くは走行しない。急ぎ足のボクたちでも、十分に追っていける速度だ。
三人で馬車を追いかけていく。
「お、おい、小僧。もう少しゆっくり走ってくれ。ドワーフ族は走るのが苦手なのじゃ……」
「ハルク君、ごめんさない……私も運動はあまり得意じゃなくて……」
あっ、しまった。
ドルトンさんとサラは走るのが苦手な方なのか。ボクだけが先行してしまったのだ。
「気が利かなくてすみません。でも、どうしよう? あっ、そうだ! 二人ともよかったら、これを付けてみて!」
【収納】から腕輪を二個取り出す。息を切らしている二人の腕に、ボクは装着してあげる。
「む? なんじゃ、これは? 装飾品か?」
「はい、そうです。でも、ミスリル製なので血行を良くして、心肺機能を“少しだけ”強くする効果があるはずで。試しに走ってみてください!」
「えっ……すごい……身体が急に軽くなって、息が全然切れないよ、ハルク君!」
「な、なんじゃ、この爽快感は⁉ どうして腕輪を付けただけで、足が速くなるんじゃ⁉」
よかった。
二人とも駆けるのが、“少しだけ”速くなっていた。目を丸くしながらドンドン加速している。
ボクも並走しながら、二人と話をしていく。
「昔読んだ本に書いてあったんですが、運動神経は人の血の流れが、けっこう関係しているみたいです。だから、その腕輪を前に、作ってみたんです! ミスリル健康効果で、足が速くなったと思います!」
「そうなんですね。さすがハルク君!」
「い、いや、そんな健康効果を、ワシは初めて聞くぞ! うぉ――――⁉ またワシの足が勝手に⁉」
三人で王都の路地を、飛ぶように駆けていく。
あまりの速度で、いつの間にかマリエルの馬車も追い越していた。
これは失敗だ。
後で腕の効果を調整して、もう少しスピードを下げるようにしよう。
「あっ、馬車が城の中に入っていくぞ」
ハメルーン家の馬車は城の正門から、城の敷地内に入っていく。
経路的に王宮の外交官に先に、挨拶に向かうのであろう。
「ハルク君。城の中に入ったから、警護は大丈夫じゃないですか?」
「サラ、実はミカエル城の中が、マリエルにとって一番危険なんだ……」
ミカエル城と王宮の中は、昔から貴族同士の争いの場。
貴族同士の陰口や誹謗中傷は日常茶飯事。
時には遅効性の毒を盛ったり、ライバルを階段から突き落としたり、と権謀術数の危険な空間なのだ。
特に先代のダラク国王の時に、有能で誠実な家臣や騎士は、ほとんど追放されていた。
クーデターによって新しい王になっていても、早急には改善はされていないだろう。
そのため他国の者……元敵対国ハメルーンの王女であるマリエルに、どんな影の仕打ちが待っているか、元住人のボクでも予想もつかないのだ。
「そ、そんなマリエル様が……危険に……」
ミカエル城の事情を聞いて、サラが涙目になる。
身分は違えどもマリエルとサラは、同じ歳の親友同士。
ハメルーンの国益のために危険に飛び込んでいった友マリエルのことを、サラは心配しているのだ。
「ふん、小僧。それならどうする? 一回、墓地に戻って、オヌシの地下通を使って、城の中に忍び込むのか?」
王都の地下には荷馬車も通れる、ボクの地下通路が張り巡らせてある。少し遠回りしれば、城の地下鉱脈にも潜入可能なのだ。
「いえ、それには及びません。こっちきてください」
だが今は時間が惜しい。
ミカエル城の正門から少し離れた場所に、ボクの先導で向かう。周囲には門はなく、見張りの兵もいない、ひと気のない城壁の行き止まりだ。
「ここです、ドルトンさん!」
「ん? ここは、ただの行き止まりの城壁だぞ。ここが、どうしたんだ?」
「あっ、そうでしたね、それじゃ、待っていてください!」
城壁の石の一つに、ボクは手をかける。特殊な操作をして、石を引き出し、ぐるっと回す。
キューン、カタ。
直後、目の間に入り口が現れる。城壁の石が開いて、隠し通路が出現したのだ。
「な、なんだ、今の仕掛けは⁉ 音も無く、隠し入り口が出現したぞ⁉」
「実はここもボクが昔作った、秘密の出入り口一つなんです。さぁ、見つからない内に、中にどうぞ」
城壁の中の通路に、三人で入っていく。隙間から光が入ってくるので、歩くのに不便はない。
キューン、カタ。
入った直後、自動的に入り口が閉まる。これは誰にも気がつかれない仕組みだ。
「えっ、城壁の中に“廊下”が続いている……ですか?」
「そうだね、サラ。この秘密の廊下を使えば、ミカエル城の全ての場所に、移動できるよ!」
この城内の秘密の通路は、ボクが幼い時から地道に作ってきた物。
当時、毎日のように地下の鉱脈に籠っていたから、時たま気分転換に散歩がしたくなった。
でも一介の鍛冶師であるボクは、自由に城の中を歩くことは出来ない。
だから城壁内や天井、床の下に、こうした秘密の通路を作ってきた。ここを歩くと気分だけでも、城の中を散策したことになるのだ。
「な、な……この規模の秘密の通路を、城の全ての場所に作っていただと……まったくオヌシというヤツは、幼い時から恐ろしい奴だったんじゃのう」
「あっはっはっは……面目ないです。採掘と鍛冶仕事以外に、娯楽がなかったので、つい遊び心でやっちゃいました」
本来なら秘密通路は違法な物。
だから城を退去する前に、通路は原状回復工事していきたかった。
でも先代ダラク国王にいきなり追放されたから、秘密の通路は残ったまま。今回はそれが吉と出た感じだ。
「それじゃ王宮に向かいましょう!」
秘密の通路は、城の敷地内にある王宮にも張り巡らせていた。
こうしてマリエルを影ながら警護するために、ボクたちは隠し通路を進んでいくのであった。
リフォームを終えてボクたちは、屋敷を出発。
王都にきた本来の目的である、マリエルの影護衛を行うのだ。
まずはマリエルが王都で滞在している、ミカエル上級貴族の屋敷に向かう。
「えーと、この番地は……こっちか」
執事セバスさんに描いてもらった地図を頼りに、屋敷街をドルトンさんとサラで歩いていく。
貴族の屋敷はどれも同じように見えるので、なかなか見つからない。
「ハルク君。あの屋敷じゃないですか?」
「あっ、本当だ! こんなに近かったんだね!」
マリエルが滞在していた屋敷は、ボクの名義の屋敷のすぐ近くにあった。互いに上級貴族の屋敷だから、自然と近い場所にあるのだろう。
「こんなに近いのか。それなら後で“地下トンネル”でも掘っておこうかな」
直線距離だと両屋敷はかなり近い。
警護や緊急時の脱出のために、地下通路の作成も検討しておく。セバスさんのたちに見つからないように採掘しないとな。
「おい、ハルク。お姫さんの馬車が出てきたぞ」
「あっ、本当ですね」
ミカエル貴族の正門から、一台の馬車が出てきた。
窓が閉まっているので中は確認できないが、間違いなくマリエルの気配が感じられる。彼女は中に乗っているのだ。
ハメルーン家の馬車は、屋敷街の通りを城の方向に向かっていく。
事前にマリエルから聞いたスケジュールだと、今日はたしか城への挨拶をする日だ。
「よし。護衛しながら、ボクたちもハメルーン城にいきましょう!」
王族を乗せた馬車は、それほど速くは走行しない。急ぎ足のボクたちでも、十分に追っていける速度だ。
三人で馬車を追いかけていく。
「お、おい、小僧。もう少しゆっくり走ってくれ。ドワーフ族は走るのが苦手なのじゃ……」
「ハルク君、ごめんさない……私も運動はあまり得意じゃなくて……」
あっ、しまった。
ドルトンさんとサラは走るのが苦手な方なのか。ボクだけが先行してしまったのだ。
「気が利かなくてすみません。でも、どうしよう? あっ、そうだ! 二人ともよかったら、これを付けてみて!」
【収納】から腕輪を二個取り出す。息を切らしている二人の腕に、ボクは装着してあげる。
「む? なんじゃ、これは? 装飾品か?」
「はい、そうです。でも、ミスリル製なので血行を良くして、心肺機能を“少しだけ”強くする効果があるはずで。試しに走ってみてください!」
「えっ……すごい……身体が急に軽くなって、息が全然切れないよ、ハルク君!」
「な、なんじゃ、この爽快感は⁉ どうして腕輪を付けただけで、足が速くなるんじゃ⁉」
よかった。
二人とも駆けるのが、“少しだけ”速くなっていた。目を丸くしながらドンドン加速している。
ボクも並走しながら、二人と話をしていく。
「昔読んだ本に書いてあったんですが、運動神経は人の血の流れが、けっこう関係しているみたいです。だから、その腕輪を前に、作ってみたんです! ミスリル健康効果で、足が速くなったと思います!」
「そうなんですね。さすがハルク君!」
「い、いや、そんな健康効果を、ワシは初めて聞くぞ! うぉ――――⁉ またワシの足が勝手に⁉」
三人で王都の路地を、飛ぶように駆けていく。
あまりの速度で、いつの間にかマリエルの馬車も追い越していた。
これは失敗だ。
後で腕の効果を調整して、もう少しスピードを下げるようにしよう。
「あっ、馬車が城の中に入っていくぞ」
ハメルーン家の馬車は城の正門から、城の敷地内に入っていく。
経路的に王宮の外交官に先に、挨拶に向かうのであろう。
「ハルク君。城の中に入ったから、警護は大丈夫じゃないですか?」
「サラ、実はミカエル城の中が、マリエルにとって一番危険なんだ……」
ミカエル城と王宮の中は、昔から貴族同士の争いの場。
貴族同士の陰口や誹謗中傷は日常茶飯事。
時には遅効性の毒を盛ったり、ライバルを階段から突き落としたり、と権謀術数の危険な空間なのだ。
特に先代のダラク国王の時に、有能で誠実な家臣や騎士は、ほとんど追放されていた。
クーデターによって新しい王になっていても、早急には改善はされていないだろう。
そのため他国の者……元敵対国ハメルーンの王女であるマリエルに、どんな影の仕打ちが待っているか、元住人のボクでも予想もつかないのだ。
「そ、そんなマリエル様が……危険に……」
ミカエル城の事情を聞いて、サラが涙目になる。
身分は違えどもマリエルとサラは、同じ歳の親友同士。
ハメルーンの国益のために危険に飛び込んでいった友マリエルのことを、サラは心配しているのだ。
「ふん、小僧。それならどうする? 一回、墓地に戻って、オヌシの地下通を使って、城の中に忍び込むのか?」
王都の地下には荷馬車も通れる、ボクの地下通路が張り巡らせてある。少し遠回りしれば、城の地下鉱脈にも潜入可能なのだ。
「いえ、それには及びません。こっちきてください」
だが今は時間が惜しい。
ミカエル城の正門から少し離れた場所に、ボクの先導で向かう。周囲には門はなく、見張りの兵もいない、ひと気のない城壁の行き止まりだ。
「ここです、ドルトンさん!」
「ん? ここは、ただの行き止まりの城壁だぞ。ここが、どうしたんだ?」
「あっ、そうでしたね、それじゃ、待っていてください!」
城壁の石の一つに、ボクは手をかける。特殊な操作をして、石を引き出し、ぐるっと回す。
キューン、カタ。
直後、目の間に入り口が現れる。城壁の石が開いて、隠し通路が出現したのだ。
「な、なんだ、今の仕掛けは⁉ 音も無く、隠し入り口が出現したぞ⁉」
「実はここもボクが昔作った、秘密の出入り口一つなんです。さぁ、見つからない内に、中にどうぞ」
城壁の中の通路に、三人で入っていく。隙間から光が入ってくるので、歩くのに不便はない。
キューン、カタ。
入った直後、自動的に入り口が閉まる。これは誰にも気がつかれない仕組みだ。
「えっ、城壁の中に“廊下”が続いている……ですか?」
「そうだね、サラ。この秘密の廊下を使えば、ミカエル城の全ての場所に、移動できるよ!」
この城内の秘密の通路は、ボクが幼い時から地道に作ってきた物。
当時、毎日のように地下の鉱脈に籠っていたから、時たま気分転換に散歩がしたくなった。
でも一介の鍛冶師であるボクは、自由に城の中を歩くことは出来ない。
だから城壁内や天井、床の下に、こうした秘密の通路を作ってきた。ここを歩くと気分だけでも、城の中を散策したことになるのだ。
「な、な……この規模の秘密の通路を、城の全ての場所に作っていただと……まったくオヌシというヤツは、幼い時から恐ろしい奴だったんじゃのう」
「あっはっはっは……面目ないです。採掘と鍛冶仕事以外に、娯楽がなかったので、つい遊び心でやっちゃいました」
本来なら秘密通路は違法な物。
だから城を退去する前に、通路は原状回復工事していきたかった。
でも先代ダラク国王にいきなり追放されたから、秘密の通路は残ったまま。今回はそれが吉と出た感じだ。
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