恋のやり方

タイガー

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2話

2ー2 読み始め

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本を読むのは別に嫌いではない、読み始めハマるととことん読んでしまうタイプだ。でも、読むのが面倒だから読まない、そんなタイプだ。
そして1ページ目.........
『この本はモテない童貞野郎のための本である』
この文を読んだ瞬間に本は目の前からなくなった...というよりなくした。そう、俺がぶん投げたのである。
「喧嘩売ってんのか!この本は!」
独り言がだんだん大きくなっていくのは歳のせいなのかな?
遠くでは騒がしさに対する母さんの注意が聞こえる。
「誰だよ、こんなイカれた書き始めで本をスタートさせる著者は......」
気になって調べてみた、表紙に『Rio』と書いてあった。ネットで調べてみると性別は女、小説を3本ほど出していて小説以外にもなんというジャンルなのかわからない本が一冊、それがこの本『恋のやり方』である。
気を取り直して本を読んでみる。
見て読んでいくと内容は恋をするにはみたいな説明書みたいなものであった。
説明書ではあるのだが、気がつくと俺は熟読していた。そして何故か涙が出ていた。
風呂に入るのも忘れただひたすらに本を読んだ。
8時位から読み出したのに読み終わったら夜中の0時を過ぎていた。
読み終わった俺はその本に書いてあったことを考えた。そして気が付いたら眠っていた。
その日の夢は、あんなに疲れていたとは思えないくらい心地よいものだった。
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