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僕はスケスケメガネをつくったんだ!
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子供の頃に見たスケスケメガネの広告が、自分の人生を決めてしまうなんて誰が思うだろうか?
制御できない探究心から私は小遣いを使い果たし、そして絶望した。
少年時代の苦い思い出が蘇ってくる。
だがこれは思い出したくない過去ではなく未来への希望、いやロジックである。
AIによる画像生成。
最新の技術を用いれば女の画像から裸体を予測、描画する事など造作もない。これをスマートグラスのカメラと連動してしまえばリアルタイムで女の裸を生成する事ができる。
実物の女に触る必要もない。あくまでこれはAIが予測した事であり現実の女が脱いでいるわけでもない。私のメガネの裏に写り、私だけが見る。後に犯罪になるかもしれないが、これの何が犯罪になると言うのだろうか?
…たぶん問題ない。
プログラムは書き終えた。
スケスケプログラムだ!!
安月給のプログラマーだが、プログラミング技術を身につけた事をこれほど感謝した事はない。
既製品のスマートグラスにスケスケプログラムをインストールし起動する。
鏡を見るとスマートグラスに汚い中年男性が映り、すぐさまAIの画像生成が始まった。黒いジャージが消えAIが予測、描画した裸が表示される。
最初に見るスケスケが自分の裸だという事に皮肉を含んだ笑みが込み上げる。だが最初の実験にはちょうど良い。実物と見比べる事が容易い。
肌の色は大体合っている。体型も、やや太っていると思うが、合格点だろう。乳首の色は全く違う。もっと黒い。胸毛が生えていない。ヒゲから予測できなかったのか?
アレについては…AIが私に気を使っているようだ。とても感謝している。
違いを挙げればキリがないが、及第点と言える。むしろ実物より綺麗に描画されている。その方が自分にとっては好都合だ。
もしここに女がいて描画された裸と実物との違いを指摘されたとして、それに何の問題があるのか?
私がスケスケメガネを付けて女の服を透けさせて、それを私が見たという事実を自分が認識すれば良いだけの話なのだ。
それが本当の裸なのか否かなど、どうでもいい話だ。自分の中の事実さえ確立してしまえば、それで満足なのである。
次にリアルタイムで描画できるかどうかだ。腰を捻り上半身を右に向ける。
やはり描画に遅れが生じている。画像生成が間に合う場合と間に合わない場合があり一瞬裸になるが、すぐに服を着ている自分に戻ってしまう。
撮影タイミングなどを幾度となく調整し、自分が満足できるものに仕上げた。
動画の動きがゆっくりになってしまったが、ほぼリアルタイムといって問題ないだろう。
時々服を着ている時もあるが、それはそれで良い事かもしれない。
さぁ、私よ、外に出ようではないか!!
いざ、大海原へ!希望に満ちた世界へ!
実体なき世界!
我は神の足を舐めエデンに帰還する!!
その男は猛ダッシュで家を出た。
靴を履いていなかった。
制御できない探究心から私は小遣いを使い果たし、そして絶望した。
少年時代の苦い思い出が蘇ってくる。
だがこれは思い出したくない過去ではなく未来への希望、いやロジックである。
AIによる画像生成。
最新の技術を用いれば女の画像から裸体を予測、描画する事など造作もない。これをスマートグラスのカメラと連動してしまえばリアルタイムで女の裸を生成する事ができる。
実物の女に触る必要もない。あくまでこれはAIが予測した事であり現実の女が脱いでいるわけでもない。私のメガネの裏に写り、私だけが見る。後に犯罪になるかもしれないが、これの何が犯罪になると言うのだろうか?
…たぶん問題ない。
プログラムは書き終えた。
スケスケプログラムだ!!
安月給のプログラマーだが、プログラミング技術を身につけた事をこれほど感謝した事はない。
既製品のスマートグラスにスケスケプログラムをインストールし起動する。
鏡を見るとスマートグラスに汚い中年男性が映り、すぐさまAIの画像生成が始まった。黒いジャージが消えAIが予測、描画した裸が表示される。
最初に見るスケスケが自分の裸だという事に皮肉を含んだ笑みが込み上げる。だが最初の実験にはちょうど良い。実物と見比べる事が容易い。
肌の色は大体合っている。体型も、やや太っていると思うが、合格点だろう。乳首の色は全く違う。もっと黒い。胸毛が生えていない。ヒゲから予測できなかったのか?
アレについては…AIが私に気を使っているようだ。とても感謝している。
違いを挙げればキリがないが、及第点と言える。むしろ実物より綺麗に描画されている。その方が自分にとっては好都合だ。
もしここに女がいて描画された裸と実物との違いを指摘されたとして、それに何の問題があるのか?
私がスケスケメガネを付けて女の服を透けさせて、それを私が見たという事実を自分が認識すれば良いだけの話なのだ。
それが本当の裸なのか否かなど、どうでもいい話だ。自分の中の事実さえ確立してしまえば、それで満足なのである。
次にリアルタイムで描画できるかどうかだ。腰を捻り上半身を右に向ける。
やはり描画に遅れが生じている。画像生成が間に合う場合と間に合わない場合があり一瞬裸になるが、すぐに服を着ている自分に戻ってしまう。
撮影タイミングなどを幾度となく調整し、自分が満足できるものに仕上げた。
動画の動きがゆっくりになってしまったが、ほぼリアルタイムといって問題ないだろう。
時々服を着ている時もあるが、それはそれで良い事かもしれない。
さぁ、私よ、外に出ようではないか!!
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靴を履いていなかった。
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