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62.卒業までに
しおりを挟む彼女の事を妹と受け入れると、距離も縮まりレミリアはルーナと呼ぶようになった。また彼女もレミリアの事をお姉様と呼び、ついでにルシウスの事もお兄様と呼ぶようになった。
そして何故か最近はルシウスに毎回連れ帰らされてしまって、自分の屋敷に帰らない日々を送っている。
だから常にルシウスと一緒に過ごしていて、夜も勿論一緒なわけなので、毎夜求められてレミリアの体力がついていけずに困っていた。おかげで寝不足となり、昼間はついうとうとしてしまう。
まだ学園は半年あり、結婚するのは卒業後だ。だからもしもをレミリアは考えてしまって、このままではいけないと結論付け、自分の屋敷に帰ることにしたのだ。
だが、またそれがルシウスに不安を与えたようで、レミリアの屋敷に今度はルシウスが居着くようになってしまった。
父も呆れたようにレミリアにべったりなルシウスを見って言った。
「お前は本当にルシウスか?」
「間違いありませんが、どうかされましたか。目でも悪くされましたか?」
ルシウスは父の前だというのに、開き直ったようにレミリアにくっついて言う。
「昔は確かによく一緒にいたのは覚えているが、私のように寡黙だったように思うが・・・」
確かに昔のルシウスは寡黙だった。
「自分は元々素直に何でも口に出していましたが、母から強制されたのですよ。貴方のようになりなさいと・・・レミリアは貴方のような人が好きだから好かれたいなら貴方のように振る舞えと。俺がレミリアに好意を抱いたのをめざとくもね」
父はルシウスの言葉にそうか、と納得したように言ったが、人前での節度は守るようにとも言った。
確かに実の父であっても、レミリアと父の間には壁があったので、このようにルシウスにくっつかれてしまうのは、恥ずかしさもあり抵抗がある。
「それは今まで守っていましたが、レミリアに勘違いされてしまったので、もうやめにすることにしました。これからは、自分の素直な気持ちを行動で示していくことにするつもりです。もう、レミリアとすれ違うのは嫌なので」
ルシウスはレミリアの目を見て、宣言するように言った。
「滞在する事は許すが、まだ結婚はしていないんだ。それに卒業もしていない。卒業ができないような事にはならんよう節度だけは守れ。卒業後はここを任すつもりだから、今以上に仕事ができるようにならないといけない。まだまだ教える事はある」
父もルシウスの執着を見るに、子ができてしまわないか心配しているのだろう・・・。
確かにレミリアへの仕事の分配は、まだ卒業していないから量自体は多くなかった。卒業後に本格化するなら体調を悪くなどしてはいられないだろう。
「何を言っているんですか。レミリアに全て任せると思っているんですか。仕事なら俺がしますから、レミリアには負担をかけないで下さい」
ルシウスはさも当たり前というように、父に向かって言った。
「お前は・・・家から出て騎士団で働くのではないのか?スカウトが来ていただろう」
「そんなのもちろん断っています。レミリアの側に何ヶ月もいられなくなる遠征やらがあるんですよ。そんなのは耐えられない。騎士団とレミリアでは考える必要もなくレミリアを選びます。俺が剣を扱うようになったのも、レミリアを守る強さを物理的に得る方法だったからにすぎない」
レミリアは初めて聞く事、ルシウスの言い分に驚いた。
「・・・・・・本当によくしゃべるようになったな・・・。ロウェイナの息子なだけあり、テコでも動かない考え方だな」
父はルシウスを見て、やはり親子だなと言い諦めた様子で、ならば引き継ぎはお前にみっちりとしてやろうと言って、部屋を出て行くのだった。
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