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66.討伐戦開始
しおりを挟むキール様とデューク様の討伐戦が始まる。勿論他にも参加者はいるが・・・。
昔は数で競いあっていた討伐戦は、今は魔物が点数化されており、討伐した合計点で競いあっているらしい。昔シリウス様が魔法で魔物を殲滅したため、数での採点制は見直されたようだ。
昔とは違い魔道具も良いものが出回り、討伐した魔物を記録できるようにもなったらしい。
討伐戦には、隣国からの者も参加しているしいので、皇太子殿下は身分をかくし、見た目を変えて参加していた。
シェリー様は殿下に寄り添われ、気を付けるように言われていたが、絶対に勝つようにとも言われ殿下を煽られていた。
殿下はシェリー様に心配するな、お前を娶るのは俺だと言われ、やる気みなぎる闘志が伝わってきた。キール様は近くで聞いており苦笑いしていたが、手加減はしないと言われすでに臨戦態勢だった。
討伐戦が開始され、キール様と殿下は獲物を探しに行かれた。シェリー様と一緒に待つ間、ああは言ったがシェリー様は不安げな表情だった。
「ご心配ですか?」
じっと、殿下が行かれた方角を見ているシェリー様に声をかける。
「そうね・・・彼が怪我をしないか心配だし、本当に勝てるのかも・・・お兄様は実践経験が多いし、魔法の扱いにも長けているから」
「そうですね・・・だから、シリウス様は相手にキール様を選ばれたのでしょう。そんな相手を負かしてこそ、シェリー様の相手に相応しいと」
シリウス様の考えは読めないが、溺愛している娘の相手選びは慎重にもなる。・・・それに条件を出してくれるだけ、優しいのだとは思う。
「そんな理由だけじゃないと思うわ。父は敵には容赦ない人だから、敵認定されている彼には厳しいの。何が原因かはわかっているけれど、幼い頃の事だし、父が執念深く根に持っていて嫌になってしまうわ」
シリウス様が本気で娘の相手に望まないなら、条件すら出さないはずだ。それでも、この条件・・・勝利する可能性がない事はないのだから、それがシリウス様の譲歩、優しさなのだろう。
「髪を切ることになった事件の事ですね・・・キール様から聞きました。その時のシェリー様は幼いながら、殿下に対するシリウス様の怒りを緩和させたと聞いていますが・・・」
「そうだったかしら・・・その頃の事はあまりおぼえていないけれど、その時はまだ、彼に好意があったわけではなかったと思うわ」
シルフィはキール様から、好意がまだなかったから殿下はショックを受け、父のその場での罰がくだらなかったのだとか言っていたと思う。
昔の殿下との思い出をシェリー様に聞きながら、日が傾くまで話し続けた。
途中、クロード様が来られたが、シェリー様が相手をしてくれたのでシルフィは話さずにすむ事もできた。
夕刻になるあたりには、ちらほらと参加者が獲物を引きずるようにして帰ってきた。だが、まだキール様達の姿は見えない。
何もなければ良いかと、案じているとキール様の魔法であろう雷の柱が天から落ちた。場所が近いようで、振動が伝わってきた。
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