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「いやあすっかり長居しちゃいましたね」
「そうだね」
日が沈み、月が空を彩る下を馬車がゆっくり進んでいく。
「姉様は元気にしているかな?」
「今頃、ベッドの上でゆっくりされているんじゃないですか?」
「そうしてくれていたら助かるな。ボクもこの姿で姉様に会うわけにはいかないからね」
「あははは、そうですね」
そんな話を御者席にいるアイリスとしている。
行きと比べて馬車の扱いも慣れたようだ。
ボクは安心して、瞳を閉じる。
ふぅ……姉様からのお願いは達成した。
あとは姉様に見つからないようにしないとね。
そう思っていた。
だけど……
「ハオルぅぅぅ?その格好はどういうことかしら?」
「姉様……なんで?」
「喉が渇いたついでにご飯を食べていたのよ。それで食堂から自分の部屋に戻っていく途中だったのだけど……アイリス?どこに行こうとしているのかしら?」
ギクッ!
ボクを置いて逃げようとしたアイリスは姉様に先手を打たれて、身体を硬直させた。
「わ、私は……ハオルシア様に無理やり協力させられてしまったんですぅぅぅ!」
「はぁ!?その言い方はないよね!?なんだかんだノリノリで着替えてくれたじゃん!?」
「命令されたらただのメイドの私が逆らえるはずがないじゃないですかぁ!」
「汚い!なんて汚いんだこのメイドは!」
ボク達はお互いに罵りあった。
先ほどまでの連帯感は何だったのだろうか?
「うふふ、どちらも落ち着きましょうね?なんと言われようとも許してあげないんだから」
「ね、姉様……!」
「お嬢様……!」
「ボクは悪くない!」
「私は悪くないんですぅ!」
「同罪よ、このおバカたち。ほらさっさとこちらに来なさい」
「痛い!姉様!耳を引っ張らないで!」
「お嬢様!腕が痛いですぅ!」
なぜボクは耳でアイリスは腕なのか?
不公平だと思う。
───ライラック自室───
ボク達は絨毯の上に正座をさせられて、椅子に座った姉様のお説教を受けている。
「ハオルの影はよほどの緊急事態でないと、使っちゃダメだと言っていたでしょうに」
「だって……姉様が欠席したらリアにバカにされるじゃないですか……それは緊急事態だと思ったんです……」
「言わせておけばいいでしょ。何にも害はないのだから」
「そうは言いますが、貴族の世界は名誉が命。そう簡単に汚されてはいけないです」
「名誉なんてレミゼラルムーン家にはあってないようなもの。ふふふ……夜の闇に紛れて見えないと言ってもいいわね」
「……」
髪をかき上げ、格好良く決めたつもりなのだろうけど、なんというか恥ずかしさを覚えてしまう。
「少しは反応しなさい!」
「あいた!」
ボクは姉様の持っていた扇子で叩かれてしまった。
痛い。
「それで?リア嬢にはちゃんと渡せたのでしょうね?」
「それはもちろん」
「ならそこはご苦労さま。反応はどうだったかしら?」
「それが姉様、宝石鳥の扇子だと気づいて最初断られたんですよ?意外でした」
「まあ結構なお値段したからね。サクリッド様はかなり値引いてくださったけど」
「そこでボクは姉様になりきってお友達でしょ?と言って受け取ってもらいました」
「へぇ、やるじゃない」
「おかげで姉様が悪い娘じゃないと言っていた意味がわかりましたよ」
「でしょう?ツンツンしてこちらを蔑もうとするのだけど根は良い娘だから、中途半端になっちゃうのよね。たまに度が過ぎるときもあるけど、叱ったらしょんぼりしちゃうし」
「ですです」
「それでアイリスはどうだった?パーティーは楽しめたのかしら?」
「はい!音楽も食事も素晴らしいものばかりでした!」
「そう。過程はどうあれ最終的には良い結果となったようだし、これくらいにしてあげましょう」
「ふぅ……よかったぁ……」
「私もう足が限界ですぅ……」
ボクとアイリスは先ほどまで責任をなすりつけあったことなどは忘れて、お互いに笑い合った。
「それにしてもアイリス?私の胸はもう少しあると思うのだけど?」
もみもみ。
姉様がボクの仮初の胸を揉んでアイリスにジトっとした視線を送る。
「そうですかね?これくらいで十分だと思うのですが?」
もみもみ。
そしてアイリスまでもが揉んでくる。
「やめてください!」
ボクは羞恥心で顔が熱くなり、胸を隠した。
「あらぁ……いい反応ね?ハオル?」
「お嬢様……私、何かに目覚めそうですぅ……」
うふふ……と笑いながら二人がボクの方へやってくる!
「う、うわぁぁぁ!」
その日、ボクは汚されてしまった……
「そうだね」
日が沈み、月が空を彩る下を馬車がゆっくり進んでいく。
「姉様は元気にしているかな?」
「今頃、ベッドの上でゆっくりされているんじゃないですか?」
「そうしてくれていたら助かるな。ボクもこの姿で姉様に会うわけにはいかないからね」
「あははは、そうですね」
そんな話を御者席にいるアイリスとしている。
行きと比べて馬車の扱いも慣れたようだ。
ボクは安心して、瞳を閉じる。
ふぅ……姉様からのお願いは達成した。
あとは姉様に見つからないようにしないとね。
そう思っていた。
だけど……
「ハオルぅぅぅ?その格好はどういうことかしら?」
「姉様……なんで?」
「喉が渇いたついでにご飯を食べていたのよ。それで食堂から自分の部屋に戻っていく途中だったのだけど……アイリス?どこに行こうとしているのかしら?」
ギクッ!
ボクを置いて逃げようとしたアイリスは姉様に先手を打たれて、身体を硬直させた。
「わ、私は……ハオルシア様に無理やり協力させられてしまったんですぅぅぅ!」
「はぁ!?その言い方はないよね!?なんだかんだノリノリで着替えてくれたじゃん!?」
「命令されたらただのメイドの私が逆らえるはずがないじゃないですかぁ!」
「汚い!なんて汚いんだこのメイドは!」
ボク達はお互いに罵りあった。
先ほどまでの連帯感は何だったのだろうか?
「うふふ、どちらも落ち着きましょうね?なんと言われようとも許してあげないんだから」
「ね、姉様……!」
「お嬢様……!」
「ボクは悪くない!」
「私は悪くないんですぅ!」
「同罪よ、このおバカたち。ほらさっさとこちらに来なさい」
「痛い!姉様!耳を引っ張らないで!」
「お嬢様!腕が痛いですぅ!」
なぜボクは耳でアイリスは腕なのか?
不公平だと思う。
───ライラック自室───
ボク達は絨毯の上に正座をさせられて、椅子に座った姉様のお説教を受けている。
「ハオルの影はよほどの緊急事態でないと、使っちゃダメだと言っていたでしょうに」
「だって……姉様が欠席したらリアにバカにされるじゃないですか……それは緊急事態だと思ったんです……」
「言わせておけばいいでしょ。何にも害はないのだから」
「そうは言いますが、貴族の世界は名誉が命。そう簡単に汚されてはいけないです」
「名誉なんてレミゼラルムーン家にはあってないようなもの。ふふふ……夜の闇に紛れて見えないと言ってもいいわね」
「……」
髪をかき上げ、格好良く決めたつもりなのだろうけど、なんというか恥ずかしさを覚えてしまう。
「少しは反応しなさい!」
「あいた!」
ボクは姉様の持っていた扇子で叩かれてしまった。
痛い。
「それで?リア嬢にはちゃんと渡せたのでしょうね?」
「それはもちろん」
「ならそこはご苦労さま。反応はどうだったかしら?」
「それが姉様、宝石鳥の扇子だと気づいて最初断られたんですよ?意外でした」
「まあ結構なお値段したからね。サクリッド様はかなり値引いてくださったけど」
「そこでボクは姉様になりきってお友達でしょ?と言って受け取ってもらいました」
「へぇ、やるじゃない」
「おかげで姉様が悪い娘じゃないと言っていた意味がわかりましたよ」
「でしょう?ツンツンしてこちらを蔑もうとするのだけど根は良い娘だから、中途半端になっちゃうのよね。たまに度が過ぎるときもあるけど、叱ったらしょんぼりしちゃうし」
「ですです」
「それでアイリスはどうだった?パーティーは楽しめたのかしら?」
「はい!音楽も食事も素晴らしいものばかりでした!」
「そう。過程はどうあれ最終的には良い結果となったようだし、これくらいにしてあげましょう」
「ふぅ……よかったぁ……」
「私もう足が限界ですぅ……」
ボクとアイリスは先ほどまで責任をなすりつけあったことなどは忘れて、お互いに笑い合った。
「それにしてもアイリス?私の胸はもう少しあると思うのだけど?」
もみもみ。
姉様がボクの仮初の胸を揉んでアイリスにジトっとした視線を送る。
「そうですかね?これくらいで十分だと思うのですが?」
もみもみ。
そしてアイリスまでもが揉んでくる。
「やめてください!」
ボクは羞恥心で顔が熱くなり、胸を隠した。
「あらぁ……いい反応ね?ハオル?」
「お嬢様……私、何かに目覚めそうですぅ……」
うふふ……と笑いながら二人がボクの方へやってくる!
「う、うわぁぁぁ!」
その日、ボクは汚されてしまった……
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