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一年生
筆記テスト頑張りました!
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朝夜と、すっかり寒い季節がやってきた。
そんな日に俺たちは筆記テストを受けている。
日程は三日間。
初日である今日は国語と魔法学。
二日目は数学と理科。
三日目が社会。
うーむ……悩ましい……
机の上にある用紙を前にして、俺は苦悩していた。
国語は文字の知識や物語での感情表現を読み解くなどの、出題がされている。
文字はまだしも感情表現はきっちりとした答えがなく、曖昧さが残るので難しいと思うのだが、他のみんなはどうだろう?
周囲をキョロキョロとはできないので、音に集中するとカリカリと鉛筆の音が聞こえてくる。
なんだかスムーズに答えを書いているようで焦ってきた。
私と仕事どっちが大事なの!?
こう問いかける女性に対してどう答えるのが最適かを書きなさい。
この問いに答えられる人物はいるのか?
無茶苦茶難題なのだが?
そうですね。
私ならば仕事と答えますが?
簡単ではないですか。
……ファーナって結構男子的考えだよな。
失礼な。
私は純粋たる乙女です。
はいはい。
静かにしてなー。
テストというのはいつの時代もつまらないものですね……
カリカリ……
俺はひたすらに解答を書き込んでいった。
「はい、そこまで。解答用紙を集めていきます」
ルナ先生が各席へ向かって歩いていく。
「それでは休憩時間となります。ゆっくりと休んでください」
トントンと解答用紙を揃えた後、ルナ先生は教室から出ていった。
「カイ、どうだった?」
俺の隣の席にいるルースが話しかけてくる。
「なんとか全部埋めたけど、しっかりとした答えになっているかな?」
「国語はそういうところが難しいよね」
「さてさて、フレアたちはどうだったかな?」
俺の席から後方に少し離れた場所にあるフレアたち女子が集まる場所へと目を向ける。
すると……
ぷしゅぅぅぅ……
椅子にもたれて、天を仰ぐフレアとサリアの姿があった。
そしてその二人の頭を撫でているリーナ。
あちらも大変そうだ。
そのついでに他のクラスメイトも見るが、余裕そうにしているものはおらず、次の魔法学の教科書やノートを開いているものが多かった。
「ちっ……奴らもガチで勝ちに来てやがる……」
「みんな一生懸命だね。僕も頑張らないと」
「ああ、負けられねぇ……」
ルースは別として他の野郎どもには絶対に負けられねぇ!
知識でも俺の勝ちだ!
そうして決意を新たにして、次魔法学のテストへと意識を向けていく。
その後も、ただひたすらに解答を用紙に書いていく時間が続き、そして思えばあっという間にテスト期間は過ぎていった。
ぷしゅぅぅぅ。
テスト期間は終わったというのにフレアとサリアは気の抜けたように、天を仰いでいる。
きっと燃え尽きたのだろう。
かくいう俺も精神的に相当なダメージを負っている。
「つ、疲れた……一晩経っても疲れが取れねぇ……」
「あはは、そうだね」
「ルースはそう言うけど、余裕そうだな?」
「そんなことないよ。僕もリーナには負けたくないしね」
筆記においては最強のライバルだからな。
残念なことに俺は筆記ではランクは低い。
召喚獣のランクで言えばまあCランクと言ったところか。
「だが!二人の下、三位は譲らねぇ!」
俺の言葉にクラス中の視線が集まった。
その視線からはあからさまな敵意を感じる。
「楽しみだね。結果発表が」
「ああ、楽しみだ!」
そして週が明け、結果発表の日。
俺たちは朝から緊張した面持ちでルナ先生が来るのを待つ。
ガラガラ……
来た。
ルナ先生だ。
その両手には大量の用紙を抱えている。
「みなさん、テスト期間お疲れ様でした。それではテスト用紙を返却していきます」
ゴクリ……
返却は成績順で行われる。
つまり、一番に名前を呼ばれたものが第一位だ。
「リーナ・ホリィ」
「はい」
おぉっ!リーナが一番か!
「頑張りましたね」
「ありがとうございます」
受け取りに行ったリーナが嬉しそうに微笑みながら帰ってくる。
やはり嬉しいんだろうな。
「ルース・ファクト」
「はい」
「惜しかったですね。差は僅かでした」
「ありがとうございます」
少し残念そうなルースの声。
負けたとはいえ僅差なのだから胸を張ってほしい。
ルースが席に着いた。
ここだ!
ここで俺の名前が呼ばれたら!
ゴクリ……
「カイ・グラン」
「おっしゃぁぁぁぁぁぁ!」
「「「くそぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
「静かになさい」
沸き立つ教室は一瞬で静まり返った。
「三位とはいえ差は大きいですよ?」
「はい!」
「まったく……嬉しそうにして」
ルナ先生は苦笑しつつ、解答用紙を返してくれる。
「良かったですね」
「ありがとうございます!」
俺はウキウキで席へと戻った。
その後、真ん中くらいでフレアの名前が呼ばれ、最後方付近でサリアの名前が呼ばれる。
サリア……頑張ったんだな……ビリじゃないなんて……
サリアさんのこと、かなり貶してますよね?
そんなことはない。
頑張ったことを称えているんだ。
そうですか。
ファーナは俺のことを褒めてくれないのか?
大差のある三番目を褒めろとおっしゃるので?
そうだけどさ……
……まあマスターなりに頑張ったことは褒めてあげましょう。
ははは、ありがとうなファーナ。
あ、あんまり調子に乗らないでくださいよね!いずれはルースさんやリーナさんを超えられるように頑張ってください!
それは遠慮しておく。
きっぱりと言い切ることないじゃないですか!
なんとか俺にとって最良の結果で筆記テストを終えることができた。
満足満足。
マスター!
ファーナは不服そうではあるが、これにて一件落着なのだった。
そんな日に俺たちは筆記テストを受けている。
日程は三日間。
初日である今日は国語と魔法学。
二日目は数学と理科。
三日目が社会。
うーむ……悩ましい……
机の上にある用紙を前にして、俺は苦悩していた。
国語は文字の知識や物語での感情表現を読み解くなどの、出題がされている。
文字はまだしも感情表現はきっちりとした答えがなく、曖昧さが残るので難しいと思うのだが、他のみんなはどうだろう?
周囲をキョロキョロとはできないので、音に集中するとカリカリと鉛筆の音が聞こえてくる。
なんだかスムーズに答えを書いているようで焦ってきた。
私と仕事どっちが大事なの!?
こう問いかける女性に対してどう答えるのが最適かを書きなさい。
この問いに答えられる人物はいるのか?
無茶苦茶難題なのだが?
そうですね。
私ならば仕事と答えますが?
簡単ではないですか。
……ファーナって結構男子的考えだよな。
失礼な。
私は純粋たる乙女です。
はいはい。
静かにしてなー。
テストというのはいつの時代もつまらないものですね……
カリカリ……
俺はひたすらに解答を書き込んでいった。
「はい、そこまで。解答用紙を集めていきます」
ルナ先生が各席へ向かって歩いていく。
「それでは休憩時間となります。ゆっくりと休んでください」
トントンと解答用紙を揃えた後、ルナ先生は教室から出ていった。
「カイ、どうだった?」
俺の隣の席にいるルースが話しかけてくる。
「なんとか全部埋めたけど、しっかりとした答えになっているかな?」
「国語はそういうところが難しいよね」
「さてさて、フレアたちはどうだったかな?」
俺の席から後方に少し離れた場所にあるフレアたち女子が集まる場所へと目を向ける。
すると……
ぷしゅぅぅぅ……
椅子にもたれて、天を仰ぐフレアとサリアの姿があった。
そしてその二人の頭を撫でているリーナ。
あちらも大変そうだ。
そのついでに他のクラスメイトも見るが、余裕そうにしているものはおらず、次の魔法学の教科書やノートを開いているものが多かった。
「ちっ……奴らもガチで勝ちに来てやがる……」
「みんな一生懸命だね。僕も頑張らないと」
「ああ、負けられねぇ……」
ルースは別として他の野郎どもには絶対に負けられねぇ!
知識でも俺の勝ちだ!
そうして決意を新たにして、次魔法学のテストへと意識を向けていく。
その後も、ただひたすらに解答を用紙に書いていく時間が続き、そして思えばあっという間にテスト期間は過ぎていった。
ぷしゅぅぅぅ。
テスト期間は終わったというのにフレアとサリアは気の抜けたように、天を仰いでいる。
きっと燃え尽きたのだろう。
かくいう俺も精神的に相当なダメージを負っている。
「つ、疲れた……一晩経っても疲れが取れねぇ……」
「あはは、そうだね」
「ルースはそう言うけど、余裕そうだな?」
「そんなことないよ。僕もリーナには負けたくないしね」
筆記においては最強のライバルだからな。
残念なことに俺は筆記ではランクは低い。
召喚獣のランクで言えばまあCランクと言ったところか。
「だが!二人の下、三位は譲らねぇ!」
俺の言葉にクラス中の視線が集まった。
その視線からはあからさまな敵意を感じる。
「楽しみだね。結果発表が」
「ああ、楽しみだ!」
そして週が明け、結果発表の日。
俺たちは朝から緊張した面持ちでルナ先生が来るのを待つ。
ガラガラ……
来た。
ルナ先生だ。
その両手には大量の用紙を抱えている。
「みなさん、テスト期間お疲れ様でした。それではテスト用紙を返却していきます」
ゴクリ……
返却は成績順で行われる。
つまり、一番に名前を呼ばれたものが第一位だ。
「リーナ・ホリィ」
「はい」
おぉっ!リーナが一番か!
「頑張りましたね」
「ありがとうございます」
受け取りに行ったリーナが嬉しそうに微笑みながら帰ってくる。
やはり嬉しいんだろうな。
「ルース・ファクト」
「はい」
「惜しかったですね。差は僅かでした」
「ありがとうございます」
少し残念そうなルースの声。
負けたとはいえ僅差なのだから胸を張ってほしい。
ルースが席に着いた。
ここだ!
ここで俺の名前が呼ばれたら!
ゴクリ……
「カイ・グラン」
「おっしゃぁぁぁぁぁぁ!」
「「「くそぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
「静かになさい」
沸き立つ教室は一瞬で静まり返った。
「三位とはいえ差は大きいですよ?」
「はい!」
「まったく……嬉しそうにして」
ルナ先生は苦笑しつつ、解答用紙を返してくれる。
「良かったですね」
「ありがとうございます!」
俺はウキウキで席へと戻った。
その後、真ん中くらいでフレアの名前が呼ばれ、最後方付近でサリアの名前が呼ばれる。
サリア……頑張ったんだな……ビリじゃないなんて……
サリアさんのこと、かなり貶してますよね?
そんなことはない。
頑張ったことを称えているんだ。
そうですか。
ファーナは俺のことを褒めてくれないのか?
大差のある三番目を褒めろとおっしゃるので?
そうだけどさ……
……まあマスターなりに頑張ったことは褒めてあげましょう。
ははは、ありがとうなファーナ。
あ、あんまり調子に乗らないでくださいよね!いずれはルースさんやリーナさんを超えられるように頑張ってください!
それは遠慮しておく。
きっぱりと言い切ることないじゃないですか!
なんとか俺にとって最良の結果で筆記テストを終えることができた。
満足満足。
マスター!
ファーナは不服そうではあるが、これにて一件落着なのだった。
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