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一年生
冬休みはどうしましょう!
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筆記テストが終われば、すぐに冬休みがやってくる。
俺は体操着でグラウンドをランニング中にその話題について口にした。
自主トレ中なので会話しても問題ないのだ。
「みんなはどうするんだ?」
俺とフレアとルースが先頭を走り、リーナとサリアが後ろについてくる。
「私は実家に帰るかどうか迷っている。夏季休暇ほど長いものではないのでな」
「あたしは寒いのいやだから引きこもる」
氷狼を従えているサリアから出てはいけない言葉のような……氷狼のロゼルが泣いてそう。
「僕もこの前帰ったばかりだし、帰らずに寮で過ごそうかな」
はぁはぁ……と白い息がこぼれる。
「それではみなさん。良ければ私の故郷に来ませんか?」
「リーナの故郷?」
「はい。フェドルン山の近くにあるフェルンという小さな街なのですが、温泉が名物でお料理も美味しいですよ?」
「確かここから馬車で三時間くらいだったけ?」
地理に詳しいルースがリーナに問いかける。
「はい。ど、どうでしょうか?」
少し緊張した様子で聞いてくるリーナ。
声だけでも緊張した様子が窺える。
「俺は言ってみたいな。リーナが普段話してくれるシスターや弟妹にも会ってみたいしな」
リーナは孤児院出身でその運営費を稼ぐためにやってきた。
俺も何かしらで得たお金の一部を寄付しているので、何度かお礼の手紙をシスターからもらっている。
いつか会ってみたいなと思っていたんだ。
丁寧な字を見るにきっと優しそうなおばあさんなのだろう。
「そうだな。私も行こう」
「うん。僕も行ってみたい」
「みんなが行くならあたし行く」
「みなさん……!ありがとうございます!」
「そんな大げさな……」
俺はそう言おうとしたときのこと。
「なんだか楽しそうなことを話しているね?」
「うわっ!」
クリス先輩が制服のままランニングに加わってきた。
「どんなこと話してたの!?ボクにも教えてよー!」
「えっとですね……」
俺はこれまでのことを簡潔にして話した。
「えぇ!ボクも行きたい行きたい!いいよね!?リーナちゃん!」
「ええ、もちろんです。みんなで行くことができそうならクリス先輩もお誘いしようと思っていましたから」
「えへへ!リーナちゃんいい子!」
「それはいいんですが、補習は無いんですか?」
筆記テストが悪かったものには追試と補講がある。
それは冬休み中に行われるのだが……
「ボクをあんまり舐めないでよね!余裕で合格点さ!」
「「「余裕?」」」
俺たち全員が疑問の言葉を発した。
「さ、最下位だったけども合格点はもらえたんだい!」
テスト期間中にルナ先生からみっちりと補講を受けていたことを知っている。
頑張りましたね……ルナ先生……
そこでクリスさんを褒めないのがマスターらしいですね。
赤ちゃんに剣を持たせるのと同じだぞ?
ファーナは赤ちゃんに剣を教えられるのか?
お疲れ様です。ルナさん。
あっさりと裏切ったファーナに苦笑しつつ、俺は走りを止めない。
「それじゃみんなでリーナの街にお邪魔しに行こうか」
「「「賛成!!!」」」
こうしてあっさりと冬休みの予定が決まった。
そうなると途端に冬休みが来ることを楽しみに思う。
すると時間が経つのはゆっくりと感じられたが、やがて終業式の日が来た。
「みなさん、日々の授業お疲れ様でした。本日を持って冬季休暇となりますが、怪我のないようにお過ごしください」
講堂に集まった俺たちに、壇上から話しかけてくれるのは五十代くらいの女性で学園長。名前は……なんだったかな?覚えていない。
忙しい人で資金集めに奔走していたんだけど、俺たちが学生グランプリで優勝したことによって多くの出資者が集まったことで最近はゆっくりできているようだ。
「そして今年はみなさんの活躍のおかげで、いろいろと改善できそうです。寮や校内の補修を休暇中に行っておきますので楽しみにしておいてください」
おお、トイレや浴場が綺麗になってくれると嬉しいな。
清潔なのは大事ですからね。
そんな嬉しい報告もあり、終業式は終わった。
その後、教室に戻り改めてルナ先生からの言葉をもらう。
「今年は私にとっても新たな発見が多い年でした。それもみなさんのおかげです。ありがとうございました」
ルナ先生が頭を下げる。
それに対し俺たちもありがとうございましたと、声を揃えて返した。
「みなさん……新学期も無事にお会いしましょうね?」
「「「はい!!!」」」
さて、これから始まる冬休み。
どんな出会いがあるのか、楽しみだ。
私は温泉と美味しい料理が気になりますね。
うちのお姫様はのんきなご様子であられる。
別にいいでしょう?
休むときはしっかりと休む。
これ、基本ですから。
ははは、ファーナの言うとおりだ。
楽しむぞ!冬休み!
はい!
俺は体操着でグラウンドをランニング中にその話題について口にした。
自主トレ中なので会話しても問題ないのだ。
「みんなはどうするんだ?」
俺とフレアとルースが先頭を走り、リーナとサリアが後ろについてくる。
「私は実家に帰るかどうか迷っている。夏季休暇ほど長いものではないのでな」
「あたしは寒いのいやだから引きこもる」
氷狼を従えているサリアから出てはいけない言葉のような……氷狼のロゼルが泣いてそう。
「僕もこの前帰ったばかりだし、帰らずに寮で過ごそうかな」
はぁはぁ……と白い息がこぼれる。
「それではみなさん。良ければ私の故郷に来ませんか?」
「リーナの故郷?」
「はい。フェドルン山の近くにあるフェルンという小さな街なのですが、温泉が名物でお料理も美味しいですよ?」
「確かここから馬車で三時間くらいだったけ?」
地理に詳しいルースがリーナに問いかける。
「はい。ど、どうでしょうか?」
少し緊張した様子で聞いてくるリーナ。
声だけでも緊張した様子が窺える。
「俺は言ってみたいな。リーナが普段話してくれるシスターや弟妹にも会ってみたいしな」
リーナは孤児院出身でその運営費を稼ぐためにやってきた。
俺も何かしらで得たお金の一部を寄付しているので、何度かお礼の手紙をシスターからもらっている。
いつか会ってみたいなと思っていたんだ。
丁寧な字を見るにきっと優しそうなおばあさんなのだろう。
「そうだな。私も行こう」
「うん。僕も行ってみたい」
「みんなが行くならあたし行く」
「みなさん……!ありがとうございます!」
「そんな大げさな……」
俺はそう言おうとしたときのこと。
「なんだか楽しそうなことを話しているね?」
「うわっ!」
クリス先輩が制服のままランニングに加わってきた。
「どんなこと話してたの!?ボクにも教えてよー!」
「えっとですね……」
俺はこれまでのことを簡潔にして話した。
「えぇ!ボクも行きたい行きたい!いいよね!?リーナちゃん!」
「ええ、もちろんです。みんなで行くことができそうならクリス先輩もお誘いしようと思っていましたから」
「えへへ!リーナちゃんいい子!」
「それはいいんですが、補習は無いんですか?」
筆記テストが悪かったものには追試と補講がある。
それは冬休み中に行われるのだが……
「ボクをあんまり舐めないでよね!余裕で合格点さ!」
「「「余裕?」」」
俺たち全員が疑問の言葉を発した。
「さ、最下位だったけども合格点はもらえたんだい!」
テスト期間中にルナ先生からみっちりと補講を受けていたことを知っている。
頑張りましたね……ルナ先生……
そこでクリスさんを褒めないのがマスターらしいですね。
赤ちゃんに剣を持たせるのと同じだぞ?
ファーナは赤ちゃんに剣を教えられるのか?
お疲れ様です。ルナさん。
あっさりと裏切ったファーナに苦笑しつつ、俺は走りを止めない。
「それじゃみんなでリーナの街にお邪魔しに行こうか」
「「「賛成!!!」」」
こうしてあっさりと冬休みの予定が決まった。
そうなると途端に冬休みが来ることを楽しみに思う。
すると時間が経つのはゆっくりと感じられたが、やがて終業式の日が来た。
「みなさん、日々の授業お疲れ様でした。本日を持って冬季休暇となりますが、怪我のないようにお過ごしください」
講堂に集まった俺たちに、壇上から話しかけてくれるのは五十代くらいの女性で学園長。名前は……なんだったかな?覚えていない。
忙しい人で資金集めに奔走していたんだけど、俺たちが学生グランプリで優勝したことによって多くの出資者が集まったことで最近はゆっくりできているようだ。
「そして今年はみなさんの活躍のおかげで、いろいろと改善できそうです。寮や校内の補修を休暇中に行っておきますので楽しみにしておいてください」
おお、トイレや浴場が綺麗になってくれると嬉しいな。
清潔なのは大事ですからね。
そんな嬉しい報告もあり、終業式は終わった。
その後、教室に戻り改めてルナ先生からの言葉をもらう。
「今年は私にとっても新たな発見が多い年でした。それもみなさんのおかげです。ありがとうございました」
ルナ先生が頭を下げる。
それに対し俺たちもありがとうございましたと、声を揃えて返した。
「みなさん……新学期も無事にお会いしましょうね?」
「「「はい!!!」」」
さて、これから始まる冬休み。
どんな出会いがあるのか、楽しみだ。
私は温泉と美味しい料理が気になりますね。
うちのお姫様はのんきなご様子であられる。
別にいいでしょう?
休むときはしっかりと休む。
これ、基本ですから。
ははは、ファーナの言うとおりだ。
楽しむぞ!冬休み!
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