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一年生
対戦よろしくお願いします!
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明日は交流戦。
当たり前ですが、毎年一年生は負けてます。
そのため憂鬱な行事ですが、今年は少し期待しておきましょう。
ルナは明日の親善試合の準備の為、闘技場に訪れていた。
「明日は楽しみだな」
「ええ、例年のようにはいきませんからね」
ガレフとサフィールも一緒である。
「やあ、皆さん。明日は楽しみですなぁ?」
そこで皮肉のこもった挨拶を言ったのは、二年生担当のザコバという男。
真面目そうではあるが、少し卑屈そうな笑みを浮かべて蔑むようにルナたちを見ていた。
ルナの様に闘技場上がりの教師ではなく、学者から教師となった経歴の持ち主なのでルナたちとは仲が良くない派閥の一人である。
そもそも闘技場上がりは実戦派が多く、それに対して学者筋は理論派が多い。
仲良くしろという方が難しいという話だ。
「そうですね。お互いに怪我なく終わるといいですね」
ルナは作り笑顔を浮かべ、ザコバの話に応じる。
「お互いの怪我?心配はそちらの生徒さんでしょう?」
「はぁ……そうですか」
ルナの顔がみるみるうちにこわばっていく。
「い、いや!今年は粒揃いだぜ!」
「そ、そうですね!簡単には負けませんよ!?」
ガレフとサフィールはルナの怒りを抑えようと、二人の間に入って話しかけた。
「ほぉ……?なかなかの自信ですね?」
「まあな。あんたもきっと驚くぜ?」
「ええ、例年通りとはいかないと思っていてください」
「ははは!基礎を叩き込んだ私達の賢い生徒たちが負けるとでも?面白い。万が一にでも負けたら皆さんにはお好きな物をプレゼントしますよ」
「おっ!言ったな!」
「聞きましたよ?私はワインをいただきたいものですね」
「俺もだ!」
お二人とも損失補填をする気ですね?
ルナは少し苦笑しながら問い返した。
「では、こちらが負けた場合は?」
「ふふっ……私も鬼ではありませんので謝罪で結構です。ルナ先生が私の前で色っぽく座り、すいませんでした……とでも謝罪してもらいましょうか?」
ふざけたことを言うじゃないですか……
内心、怒り心頭ではあるが何事もなかったかのように応じる。
「良いでしょう。受けて立ちます」
「ほほぉ!いい度胸ですな!では失礼します」
すでに勝ったつもりでいるのか、ザコバはウキウキで闘技場から去って行った。
「皆さん、明日は頑張って生徒を応援しましょう!」
「「……」」
一瞬だが、二人は悩んだために反応が遅れてしまった。
「お二人とも?どうかしましたか?」
「おっ、おおっ!」
「はいっ!もちろんですよ!」
ちょっとセクシーなルナ先生を見てみたいな……と。
「よし!いい目覚めだ!」
すっかりと疲労も取れ、朝の目覚めはバッチリだ。
昨日から、先輩との闘いが楽しみで仕方ない。
俺はワクワクした気持ちで朝の支度を終えると、いつものように教室へと向かう。
「皆さん!おはようございます!」
それから少ししてルナ先生が来たのだが、随分と燃えている様子だ。
いつものクールな先生らしくない。
「相手は二年生ですが、代表の五名の皆さんなら必ず勝てます。頑張ってくださいね?」
「「「は、はい!」」」
代表である俺たち五人は即座に返事をした。
なぜだろう?
笑みを浮かべるルナ先生からの優しい言葉だというのに、肌寒いものを感じてならない。
「では行きますよ!決闘の場へ!」
いったい、何があったんだ……
闘技場に到着すると、すでに二年生は代表者以外は応援席を陣取っていた。
「お待ちしていましたよ」
相手の先生が近寄ってくると、
「例年通りの勝ち抜き戦はやめて、総当たり戦にしましょう。毎度毎度、こちらの選手が余ってしまうのが可哀想でなりませんから。先に三勝した方の勝ちということで」
ニヤニヤしながらルナ先生に声をかけて来た。
「どうあっても私たちの勝ちを潰しにきましたか。ですが、ふふふ……」
すると、何やらルナ先生が呟いたようだが、よく聞こえなかった。
だが、いろいろと察することは出来る。
ああ、この人が原因か……
確かにこの態度には少しカチンとくるものがある。
「別に構いませんよ」
「理解が早くて助かります。では試合開始としましょうか?」
「ええ……そうですね」
ふふふ……
お互い笑みを浮かべているというのに、ギスギスした空気が蔓延していく。
そのせいで、外の清々しい空気がよどんでいった。
そんな先生たちのことは気にせず、代表の俺たちは緊張しているルースへと声をかける。
「ド、ドキドキするなぁ……」
対戦順はランク順で決めたので五位のルースからだ。
「頑張れよ!」
「先陣は任せた」
「応援してますからね!」
「ふれーふれー」
「ありがとう!頑張ってくるよ!」
「選手は指定の位置へ!」
審判のルナ先生の声により、お互いが指定の位置に着く。
ルースの対戦相手は杖とローブを着用しているため、遠距離タイプだと思われる。
だが、ルースは制服のままなので相手は見かけからの判断はできないだろう。
「試合開始!」
「おいでリフィル!」
「いくぜサラマンダー!」
開始と同時に召喚獣を呼び出す二人。
ドラゴンに近い火属性のトカゲであるサラマンダーは強力な炎のブレス、強靭なあごからの噛みつき、鋭い爪が武器のBランク召喚獣だ。
「ブレス!」
相手が先手を取り、サラマンダーが炎のブレスを吐く。
しかしルースは、しゃがみこんでいたリフィルに乗り込み、空へと逃げる。
そのままお返しと言わんばかりに、リフィルが風刃を発動すると同時に氷の槍を風に乗せた。
「おっと、危ない危ない」
相手はルースの攻撃をなんなく避けようとするが、
「はじけろ!」
「なっ!?」
ルースの言葉で氷の槍は数本の矢に分裂すると、雨の様に襲い掛かった。
俺が教えた詠唱の裏技だ。
ちょっと説明したらすぐに覚えて使い始めたんだぞ?
俺は教わってから半年はかかったていうのに……
「あ、あれは!?クイック効果だと!?」
隣のベンチでは二年生の先生が驚きの声を上げていた。
「先生、クイック効果ってなんですか?」
「放たれた魔法に詠唱を付け足して発動させる技術だ。突然軌道を変えたり、複数に別れたりと状況に応じて魔法の効果を変えたりできる。だがコントロールが非常に難しいのだ。例えば全速力で走っているときに急に曲がれと言われたら、実行するのに体に大きな負担がかかるだろう?それと同じだ」
なるほど。
そういう意味があったのか。
よく知らないで使っていたんだが、勉強になったな。
直撃は免れたものの、多くの氷の矢が相手やサラマンダーに被弾すると大きく動揺してしまった。
「いくよ」
ルースはその隙に距離を詰めていく。
なんとか体勢を立て直し、サラマンダーにブレスを吐かせ距離を離そうとするが、リフィルは構わずに突進する。
「渦巻く風」
ブレスはルースの風魔法に弾かれるとあらぬ方向に飛んでいった。
前方からの脅威がなくなったリフィルは大きなかぎ爪でサラマンダーを掴むと、そのまま主から引き離していく。
召喚獣と引き離された召喚師の前に、リフィルの背中から飛び降りていたルースがフワッと着地する。
そして無表情のまま剣を振り上げた。
「ま、参った!降参!降参だ!」
「そこまで!」
ボキッ!
ルースの剣を受け止めようとした杖を打ち砕き、ようやくルースの剣が止まった。
「うんうん……良い作戦と冷静さですね」
俺の隣ではサフィール先生が満足そうに微笑んでいる。
いや、すげぇ怖いんだが……
「勝者!ルース君!」
「ふぅ……よしよし、お疲れ様だねリフィル」
さきほどの無表情は消え去り、にこりと微笑んだルースがリフィルを労う。
すると嬉しそうにキィィィィッ!と翼を拡げて鳴くと、ルースの中に帰っていった。
「よっしゃぁぁぁ!」
「さすがルース!」
「俺たちの可愛い代表だ!」
帰ってくるルースに、応援席から大きな歓声が送られる。
「あ、ありがとう……」
照れくさそうに笑うと、
「「「ふぉぉぉぉぉぉ!」」」
さらに大きな歓声が沸いた。
「や、やはり隠し玉があったか。昨日の様子では相当な自信の高さだったから保険をかけておいてよかった。ふふふ……だが連戦は不可能だ。そのために勝ち抜き戦は取りやめたのだからな。ジョーカーで五連勝とはいかんぞ?」
不敵に笑うザコバだが、この後思い知ることになる。
トランプとは違い、ジョーカーは一枚とは限らないということを。
当たり前ですが、毎年一年生は負けてます。
そのため憂鬱な行事ですが、今年は少し期待しておきましょう。
ルナは明日の親善試合の準備の為、闘技場に訪れていた。
「明日は楽しみだな」
「ええ、例年のようにはいきませんからね」
ガレフとサフィールも一緒である。
「やあ、皆さん。明日は楽しみですなぁ?」
そこで皮肉のこもった挨拶を言ったのは、二年生担当のザコバという男。
真面目そうではあるが、少し卑屈そうな笑みを浮かべて蔑むようにルナたちを見ていた。
ルナの様に闘技場上がりの教師ではなく、学者から教師となった経歴の持ち主なのでルナたちとは仲が良くない派閥の一人である。
そもそも闘技場上がりは実戦派が多く、それに対して学者筋は理論派が多い。
仲良くしろという方が難しいという話だ。
「そうですね。お互いに怪我なく終わるといいですね」
ルナは作り笑顔を浮かべ、ザコバの話に応じる。
「お互いの怪我?心配はそちらの生徒さんでしょう?」
「はぁ……そうですか」
ルナの顔がみるみるうちにこわばっていく。
「い、いや!今年は粒揃いだぜ!」
「そ、そうですね!簡単には負けませんよ!?」
ガレフとサフィールはルナの怒りを抑えようと、二人の間に入って話しかけた。
「ほぉ……?なかなかの自信ですね?」
「まあな。あんたもきっと驚くぜ?」
「ええ、例年通りとはいかないと思っていてください」
「ははは!基礎を叩き込んだ私達の賢い生徒たちが負けるとでも?面白い。万が一にでも負けたら皆さんにはお好きな物をプレゼントしますよ」
「おっ!言ったな!」
「聞きましたよ?私はワインをいただきたいものですね」
「俺もだ!」
お二人とも損失補填をする気ですね?
ルナは少し苦笑しながら問い返した。
「では、こちらが負けた場合は?」
「ふふっ……私も鬼ではありませんので謝罪で結構です。ルナ先生が私の前で色っぽく座り、すいませんでした……とでも謝罪してもらいましょうか?」
ふざけたことを言うじゃないですか……
内心、怒り心頭ではあるが何事もなかったかのように応じる。
「良いでしょう。受けて立ちます」
「ほほぉ!いい度胸ですな!では失礼します」
すでに勝ったつもりでいるのか、ザコバはウキウキで闘技場から去って行った。
「皆さん、明日は頑張って生徒を応援しましょう!」
「「……」」
一瞬だが、二人は悩んだために反応が遅れてしまった。
「お二人とも?どうかしましたか?」
「おっ、おおっ!」
「はいっ!もちろんですよ!」
ちょっとセクシーなルナ先生を見てみたいな……と。
「よし!いい目覚めだ!」
すっかりと疲労も取れ、朝の目覚めはバッチリだ。
昨日から、先輩との闘いが楽しみで仕方ない。
俺はワクワクした気持ちで朝の支度を終えると、いつものように教室へと向かう。
「皆さん!おはようございます!」
それから少ししてルナ先生が来たのだが、随分と燃えている様子だ。
いつものクールな先生らしくない。
「相手は二年生ですが、代表の五名の皆さんなら必ず勝てます。頑張ってくださいね?」
「「「は、はい!」」」
代表である俺たち五人は即座に返事をした。
なぜだろう?
笑みを浮かべるルナ先生からの優しい言葉だというのに、肌寒いものを感じてならない。
「では行きますよ!決闘の場へ!」
いったい、何があったんだ……
闘技場に到着すると、すでに二年生は代表者以外は応援席を陣取っていた。
「お待ちしていましたよ」
相手の先生が近寄ってくると、
「例年通りの勝ち抜き戦はやめて、総当たり戦にしましょう。毎度毎度、こちらの選手が余ってしまうのが可哀想でなりませんから。先に三勝した方の勝ちということで」
ニヤニヤしながらルナ先生に声をかけて来た。
「どうあっても私たちの勝ちを潰しにきましたか。ですが、ふふふ……」
すると、何やらルナ先生が呟いたようだが、よく聞こえなかった。
だが、いろいろと察することは出来る。
ああ、この人が原因か……
確かにこの態度には少しカチンとくるものがある。
「別に構いませんよ」
「理解が早くて助かります。では試合開始としましょうか?」
「ええ……そうですね」
ふふふ……
お互い笑みを浮かべているというのに、ギスギスした空気が蔓延していく。
そのせいで、外の清々しい空気がよどんでいった。
そんな先生たちのことは気にせず、代表の俺たちは緊張しているルースへと声をかける。
「ド、ドキドキするなぁ……」
対戦順はランク順で決めたので五位のルースからだ。
「頑張れよ!」
「先陣は任せた」
「応援してますからね!」
「ふれーふれー」
「ありがとう!頑張ってくるよ!」
「選手は指定の位置へ!」
審判のルナ先生の声により、お互いが指定の位置に着く。
ルースの対戦相手は杖とローブを着用しているため、遠距離タイプだと思われる。
だが、ルースは制服のままなので相手は見かけからの判断はできないだろう。
「試合開始!」
「おいでリフィル!」
「いくぜサラマンダー!」
開始と同時に召喚獣を呼び出す二人。
ドラゴンに近い火属性のトカゲであるサラマンダーは強力な炎のブレス、強靭なあごからの噛みつき、鋭い爪が武器のBランク召喚獣だ。
「ブレス!」
相手が先手を取り、サラマンダーが炎のブレスを吐く。
しかしルースは、しゃがみこんでいたリフィルに乗り込み、空へと逃げる。
そのままお返しと言わんばかりに、リフィルが風刃を発動すると同時に氷の槍を風に乗せた。
「おっと、危ない危ない」
相手はルースの攻撃をなんなく避けようとするが、
「はじけろ!」
「なっ!?」
ルースの言葉で氷の槍は数本の矢に分裂すると、雨の様に襲い掛かった。
俺が教えた詠唱の裏技だ。
ちょっと説明したらすぐに覚えて使い始めたんだぞ?
俺は教わってから半年はかかったていうのに……
「あ、あれは!?クイック効果だと!?」
隣のベンチでは二年生の先生が驚きの声を上げていた。
「先生、クイック効果ってなんですか?」
「放たれた魔法に詠唱を付け足して発動させる技術だ。突然軌道を変えたり、複数に別れたりと状況に応じて魔法の効果を変えたりできる。だがコントロールが非常に難しいのだ。例えば全速力で走っているときに急に曲がれと言われたら、実行するのに体に大きな負担がかかるだろう?それと同じだ」
なるほど。
そういう意味があったのか。
よく知らないで使っていたんだが、勉強になったな。
直撃は免れたものの、多くの氷の矢が相手やサラマンダーに被弾すると大きく動揺してしまった。
「いくよ」
ルースはその隙に距離を詰めていく。
なんとか体勢を立て直し、サラマンダーにブレスを吐かせ距離を離そうとするが、リフィルは構わずに突進する。
「渦巻く風」
ブレスはルースの風魔法に弾かれるとあらぬ方向に飛んでいった。
前方からの脅威がなくなったリフィルは大きなかぎ爪でサラマンダーを掴むと、そのまま主から引き離していく。
召喚獣と引き離された召喚師の前に、リフィルの背中から飛び降りていたルースがフワッと着地する。
そして無表情のまま剣を振り上げた。
「ま、参った!降参!降参だ!」
「そこまで!」
ボキッ!
ルースの剣を受け止めようとした杖を打ち砕き、ようやくルースの剣が止まった。
「うんうん……良い作戦と冷静さですね」
俺の隣ではサフィール先生が満足そうに微笑んでいる。
いや、すげぇ怖いんだが……
「勝者!ルース君!」
「ふぅ……よしよし、お疲れ様だねリフィル」
さきほどの無表情は消え去り、にこりと微笑んだルースがリフィルを労う。
すると嬉しそうにキィィィィッ!と翼を拡げて鳴くと、ルースの中に帰っていった。
「よっしゃぁぁぁ!」
「さすがルース!」
「俺たちの可愛い代表だ!」
帰ってくるルースに、応援席から大きな歓声が送られる。
「あ、ありがとう……」
照れくさそうに笑うと、
「「「ふぉぉぉぉぉぉ!」」」
さらに大きな歓声が沸いた。
「や、やはり隠し玉があったか。昨日の様子では相当な自信の高さだったから保険をかけておいてよかった。ふふふ……だが連戦は不可能だ。そのために勝ち抜き戦は取りやめたのだからな。ジョーカーで五連勝とはいかんぞ?」
不敵に笑うザコバだが、この後思い知ることになる。
トランプとは違い、ジョーカーは一枚とは限らないということを。
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