召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

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一年生

絡まれてしまいました

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「ここがシロビワナ湖かぁ……めちゃくちゃおっきいなぁ……」

「うむ、周辺の街から遊びに来たり、ホテルに泊まったりする観光客も多い。私も何度か来たことがあるが、雄大な湖がとても壮観だろう?」

「はい!こんなに大きなものだとは知りませんでした!」

「すごいおっきな水たまり」

「サリア、その感想はちょっと味気ないよ……」

「あはは!実際そうだからね!」

「私も最初来たときそう思ったよ!」

丸みを帯びた湖には多くの人がいるが、それでも混み合っているというわけではない。
そして湖の周りにはカラフルな大きい日傘が並び、空を移した青い湖面を彩る。
その光景を見るだけで、楽しい気分が沸き上がってくるというものだ。

「お姉ちゃん!早く着替えに行こうよ!」

「そうだな、更衣室に向かうとしよう。みんな私についてきてくれ」

フレアの先導を受け、俺たちは湖の入口へと向かっていく。
すると、南側入口と書かれた看板を掲げている受け付けが目に入った。

「フレア、南側って?」

「ああ、広大な湖のため四方に入口があってな。そこで出入りを管理をしているわけだ」

「へぇ、なるほどな」

俺はフレアの説明を受けて、納得する。

「いっらしゃいませ。何名様でしょうか?」

受け付けの帽子を被ったお姉さんが丁寧な口調で聞いてきた。

「学生六人と子ども一人でお願いします」

「むぅ!私は子どもじゃないもん!みんなと一緒がいい!」

「一応区分上ではそうなるのだから仕方ないだろう?」

湖で遊ぶためには入場料金がかかる。
一般から子どもと分類されていて、それぞれ料金が違う。
マリーちゃんだけが仲間はずれというのが気になるのだろうが、わざわざ高い値段で入るのはもったいない。

「今は入場キャンペーンがございまして、小さなお友達にはお花の鉛筆をプレゼントしていますが、どうなさいますか?」

「えっ……?」

受け付けのお姉さんはにっこりと微笑むと、花が刻印された鉛筆をリボンで三本にまとめたものを差し出してくれる。

その可愛らしい鉛筆を目の前にしたマリーちゃんは少しの間葛藤したが、

「ありがとうございます!」

嬉しそうに受け取った。

「我が妹ながら、現金な奴だ……」

「可愛いじゃないですか!」

「うん、素直が一番」

「いいなぁ……ボクも欲しいなぁ……」

クリス先輩、我慢してください。

「お土産売り場にて販売していますので、よろしければご購入ください」

「買います!」

この商売上手!
お姉さんの笑顔の販売トークにクリス先輩が食い気味で答えていた。

「それでは良い一日をお過ごしください」

入場券を購入し、俺たちはお姉さんに見送られながらゲートを通過していく。
そのまま歩みを進めていくと、銭湯のように男と女で分かれた入口がある建物へと到着する。

「女子更衣室はこちらなので、また後でな。ここを抜けると広場があるのでそこで待ち合わせとしよう」

「ああ、分かった」

「了解だよ」

「カイさん、ルース君、また後で会いましょうね!」

「またね」

「早く泳ぎたいなぁ!」

「期待して待っててよね!お兄ちゃんたちを悩殺しちゃうんだから!」

マリーちゃんのなんとも期待感を煽る言葉を聞いた後、俺たちは二手に分かれた。

「お客様!?こちらは男性用ですが!?」

「あの、僕は男です……」

入口でルースが呼び止められていたが、ちゃんと説明して入場する。
中は本当に銭湯のままだ。
違うのは浴場がないことだけだろう。

そしてルースと並んで水着へと着替えるのだが、男の着替えなど一瞬で終わる。
水着をいれてきた布袋に今まで来ていた服を入れ、出口にある受け付けに荷物を預けるとそのまま外へと出た。

「ルース!太陽が眩しいな!」

「うん!そうだね!」

先ほどまでとは違い一段と眩しく感じる太陽、肌で感じる暑さ、そして何よりも惜しげもなく肌をさらしているお姉さんたち!

「何という楽園か……」

「まさに……絶景だね」

あの、男性もいますよ?

そんなものは我々の目に映らん!

人は自分の都合のいいものしか目に入らないという典型的なものですね。

「なんと大胆な……」

「真っ赤なビキニ……」

そうしてルースとともにベンチに座って人間観察をして過ごしていると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう。

「おい、そこのガキども。なに俺らの女見てるんだ?」

浅黒く日焼けしたムキムキな筋肉が素晴らしい、三人組のお兄さん方に話しかけられたのだ。

「とても綺麗だなと思い、つい見てしまいました」

「不快に感じたのなら申し訳ありません」

俺とルースは丁寧に謝罪したのだが、見下すような視線を向けてくる。

「はっ、お前らみたいな平凡なやつと女みたいなやつじゃいい女に相手されることもないだろうな」

「どうせならお前らで付き合えばいいんじゃね?」

「やべぇ!ナイスアイディア!」

なんだこいつら?
いくらこっちにも非があるとはいえここまで言うか?

思いっきり殴り飛ばしたいのですが?

いけません。
暴力行為は厳禁です。

……分かっていますよ。

不服そうではあるが、ファーナも納得してくれたようだ。
しかし、どうやって切り抜けたものか……

「もうやめなって」

「そうそう、いい大人がダサいから」

「うふふ……綺麗なお姉さんを見たくなるのはしょうがないよね?僕たち?」

連れのお姉さんたちが仲裁に入ってくれる。
なんと心優しく美しい女性たちだ。
こんな男どもにはもったいないではないか。

「だけどよぉ!」

「それにあたしたち別にアンタらの女じゃないし」

「うるさいくらいナンパしてきただけじゃん。そういうのやめてくれない?うっとうしいから」

「私は、こんな可愛い子の方がいいなぁ?ナンパされるならね?」

一人のナイスバディなお姉さんがルースの頬を撫でる。
なんて羨ましいことをされているんだ!

「あ、あの僕は……!」

「真っ赤になっちゃってカワイイんだから♪」

ルースは真っ赤になって固まってしまった。
ていうかこのマッチョどもは彼氏でもなんでもないのか。

「お姉さんたちは迷惑そうにしているみたいですから、潔く諦めたらどうですか?」

「童貞のクソガキが舐めたこと言ってんじゃねぇよ!」

「女は強引に口説くもんなんだよ!」

「ガキは引っ込んでな!」

そっちから絡んできたくせに引っ込んでろとは散々な言い草だな。

「確かに自分は童貞のクソガキですが、そんなガキに人として負けているのはどうなのですか?人が嫌がることはしてはいけないというのは常識ですよね?」

「ぷっ……確かに!」

「あはは!カッコいいこと言うじゃない!」

「少年くんがんばれ♪がんばれ♪」

「そ、そうですかぁ?」

お姉さんたちが笑ってくれたので、俺も嬉しくなる。

「バ、バカにしてんじゃねぇぇぇ!」

キレた男の一人が俺に向かって拳を繰り出した。
俺は避けようと身を動かすが、

ガシッ!

「なんだトラブルか?」

「いででで!?」

その拳を割り込んできた華奢な白い腕が止めてくれる。
それはフレアの声だった。

「助かったよフレア」

って、あれ?
俺は思ってしまう。

これって普通逆じゃない?
フレアたち女の子が絡まれているのを俺が助けるのが、よくある話だよな。

みなさん強いですからね。
召喚獣、魔法無しなら一番弱いのがマスターでしょう?

……そうでした。
リーナやルースにも腕相撲で負けるんだよなぁ……
頑張って鍛えたのに……

そんなことを思いながら、目の前のことに集中していくのだった。
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