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一年生
ただ勝利のためにです!
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ルースはサリアの背負い投げにより、闘技場の石畳へと沈んだ。
障壁を張っていたとしても、身体の内側にくる衝撃は相当なものである。
「ルース、おやすみ」
そして倒れているルースにサリアがとどめの一撃を繰り出そうと拳を構えたことにより、これで決着かと誰もが思った。
「まだ眠る時間じゃないよね……」
仰向けで倒れていたルースは石畳の上を転がり、サリアが振り下ろした拳をかわすと立ち上がった。
そのまま風を纏って後ろに大きく跳んだ。
「むっ……ずいぶんと元気だね」
「そんなことないよ……身体中痛いところだらけだから」
ふらつきながらも自身の胸に手を当て、傷を癒していく。
「させない」
サリアは回復の隙を与えようとせずに、すぐさま距離を詰めていく。
「やっぱりこうするしかないか……」
ルースは自分の双剣を幾本もの羽へと変えると、ルースの背中の翼となり羽ばたいた。
近づいたサリアが拳を繰り出そうとしたときには、ルースは空へと距離を取っている状況だ。
結界があるためそこまで高く飛ぶことはできないが、サリアの拳が届くことのない位置までは離れている。
「ズルい」
「そっちこそあんな、えっちな格好してズルいと思うけど?」
「嬉しくなかった?」
「……嬉しかったけど」
「ならいいでしょ」
ルースの反論は簡単に論破されてしまった。
「うぐっ……こうなったらカイ直伝の戦術で勝負だ!」
「えっ?俺?」
突然に俺の名前が出てきたことに驚く。
「なにか教えたことがあるんですか?」
「まあいろいろと情報交換したりはしてるけど、なんだろう?」
「しかし楽しみではないか。これからどうやって巻き返すのか、しかと見せてもらおう」
「そうだな。華麗なる逆転の一手を見せてくれるかもしれないからな」
そう思ってウキウキしながら観戦していたのだが、
「炎の矢!」
「もう、しつこ過ぎ」
ルースが延々と空から炎の矢を降らせて、それをサリアがかわし続けるというめちゃくちゃ地味な展開になった。
さすがのサリアもウンザリしているようだ。
「……貴様はどういう闘い方を教えたのだ?」
「嫌がらせですか?」
フレアがジト目でこちらを見て問いかけてきた。
リーナも同じような目をしている。
「あれは……いつのことだったか……」
俺は思い出した。
勝つにはどうすればいいのか、お互いに話し合っていたときのことを。
それは俺の自室での出来事だ。
「勝つために必要なことってなんだと思う?」
「自分の戦力と相手の戦力の把握かな?」
ルースの質問に俺はそう答えた。
「そこに大きな開きがあった場合はどうするの?」
「自分の戦力をレベルアップさせるか、あとはもう一つだけだ」
「そ、それは?」
ごくりと息をのんだルースに俺は自信満々に言い放つ。
「延々と相手が嫌がることをして実力を出させないことだ!」
「……なんだかせこいね」
「せこいとはなんだ!これは相手のことを考えてしっかり対策した上での戦術で大事なことなんだぞ!」
「できればもうちょっとマシな言い方してほしかったな……」
そう困ったように笑うルースを思い出した。
「はぁ……また貴様の影響か……」
「いい子だったルース君が汚れてしまったんですね……」
「そんな言い方しないでくれる!?」
そもそも派手にぶつかり合ったりしたら怪我も酷いものになる。
遠距離でチクチクやって相手を弱らせるのは立派な戦術じゃないか。
実用的な考え方ですが、見せる勝負としてはどうでしょうか?
フレアさんとリーナさんの試合のような緊張感がまったく見受けられませんが?
……
「まだまだ!」
「はぁ……疲れてきた」
ルースが炎の矢を相変わらずサリアに向けて放っている。
今の試合状況は観客にとってはあまり面白いものではない。
ハラハラドキドキするような展開は一切ないからだ。
勝利を目指しつつも、観客を楽しませることを忘れてはならない。
小さいころから観てきたというのに、俺は改めて召喚師戦の難しさを思い知った。
「もう、ムカついた」
そうしている間にサリアがいら立ちを爆発させる。
氷でブーメランを作り出す、空へと向けて放った。
「うわっ!?」
突然のサリアからの攻撃に動揺するも、なんとかかわす。
そして戻ってきたブーメランをキャッチしたサリアが再びブーメランを放つ。
「今度こそ」
「そんな危ないものは壊させてもらうよ!」
冷静さを取り戻したルースは、向かってきたブーメランに炎の矢を複数本当てて消滅させる。
そんなことを何度も繰り返していたとき、
「ふぅ……」
サリアが息を吐いた。
「そこだ!」
ルースは上空から一気に急降下すると、サリアへと突っ込んでいく。
ルースからの攻撃は来ない。
そう思い込んでしまったサリアはすぐに動けないでいる。
「しまった」
サリアの右肩にルースの蹴りが直撃し、サリアの身体は仰向けに倒れていった。
「右肩、もう上がらない……わたしのまけ……」
「それまでルース君の勝利です!」
「や、やった……」
一瞬の油断の隙をついたルースの見事な勝利だ。
つまらない闘いだとか、正々堂々とした闘いじゃないという苦言もあるかもしれない。
だが、ルースが努力して掴んだ勝利ということに変わりはない。
だからこそ、俺もフレアもリーナもクラスメイトたちも祝福の拍手を送った。
それが勝者への最大の賛辞となるのだから。
「むぅ……こんどはぜったい負けないから」
その後回復したサリアが空中戦への対抗策を編み出そうと、いろいろと試行錯誤しているようだ。
よほど悔しかったのだろう。
こうしてお互いが高め合い、実力が上がるにつれて見せる試合になっていくのでしょうね。
ああ、今度はサリアも空への対抗策を持って来るからな。
きっと迫力ある試合になるだろう。
そして次はフレアとルースか。
今からどんな試合になるか楽しみだ。
障壁を張っていたとしても、身体の内側にくる衝撃は相当なものである。
「ルース、おやすみ」
そして倒れているルースにサリアがとどめの一撃を繰り出そうと拳を構えたことにより、これで決着かと誰もが思った。
「まだ眠る時間じゃないよね……」
仰向けで倒れていたルースは石畳の上を転がり、サリアが振り下ろした拳をかわすと立ち上がった。
そのまま風を纏って後ろに大きく跳んだ。
「むっ……ずいぶんと元気だね」
「そんなことないよ……身体中痛いところだらけだから」
ふらつきながらも自身の胸に手を当て、傷を癒していく。
「させない」
サリアは回復の隙を与えようとせずに、すぐさま距離を詰めていく。
「やっぱりこうするしかないか……」
ルースは自分の双剣を幾本もの羽へと変えると、ルースの背中の翼となり羽ばたいた。
近づいたサリアが拳を繰り出そうとしたときには、ルースは空へと距離を取っている状況だ。
結界があるためそこまで高く飛ぶことはできないが、サリアの拳が届くことのない位置までは離れている。
「ズルい」
「そっちこそあんな、えっちな格好してズルいと思うけど?」
「嬉しくなかった?」
「……嬉しかったけど」
「ならいいでしょ」
ルースの反論は簡単に論破されてしまった。
「うぐっ……こうなったらカイ直伝の戦術で勝負だ!」
「えっ?俺?」
突然に俺の名前が出てきたことに驚く。
「なにか教えたことがあるんですか?」
「まあいろいろと情報交換したりはしてるけど、なんだろう?」
「しかし楽しみではないか。これからどうやって巻き返すのか、しかと見せてもらおう」
「そうだな。華麗なる逆転の一手を見せてくれるかもしれないからな」
そう思ってウキウキしながら観戦していたのだが、
「炎の矢!」
「もう、しつこ過ぎ」
ルースが延々と空から炎の矢を降らせて、それをサリアがかわし続けるというめちゃくちゃ地味な展開になった。
さすがのサリアもウンザリしているようだ。
「……貴様はどういう闘い方を教えたのだ?」
「嫌がらせですか?」
フレアがジト目でこちらを見て問いかけてきた。
リーナも同じような目をしている。
「あれは……いつのことだったか……」
俺は思い出した。
勝つにはどうすればいいのか、お互いに話し合っていたときのことを。
それは俺の自室での出来事だ。
「勝つために必要なことってなんだと思う?」
「自分の戦力と相手の戦力の把握かな?」
ルースの質問に俺はそう答えた。
「そこに大きな開きがあった場合はどうするの?」
「自分の戦力をレベルアップさせるか、あとはもう一つだけだ」
「そ、それは?」
ごくりと息をのんだルースに俺は自信満々に言い放つ。
「延々と相手が嫌がることをして実力を出させないことだ!」
「……なんだかせこいね」
「せこいとはなんだ!これは相手のことを考えてしっかり対策した上での戦術で大事なことなんだぞ!」
「できればもうちょっとマシな言い方してほしかったな……」
そう困ったように笑うルースを思い出した。
「はぁ……また貴様の影響か……」
「いい子だったルース君が汚れてしまったんですね……」
「そんな言い方しないでくれる!?」
そもそも派手にぶつかり合ったりしたら怪我も酷いものになる。
遠距離でチクチクやって相手を弱らせるのは立派な戦術じゃないか。
実用的な考え方ですが、見せる勝負としてはどうでしょうか?
フレアさんとリーナさんの試合のような緊張感がまったく見受けられませんが?
……
「まだまだ!」
「はぁ……疲れてきた」
ルースが炎の矢を相変わらずサリアに向けて放っている。
今の試合状況は観客にとってはあまり面白いものではない。
ハラハラドキドキするような展開は一切ないからだ。
勝利を目指しつつも、観客を楽しませることを忘れてはならない。
小さいころから観てきたというのに、俺は改めて召喚師戦の難しさを思い知った。
「もう、ムカついた」
そうしている間にサリアがいら立ちを爆発させる。
氷でブーメランを作り出す、空へと向けて放った。
「うわっ!?」
突然のサリアからの攻撃に動揺するも、なんとかかわす。
そして戻ってきたブーメランをキャッチしたサリアが再びブーメランを放つ。
「今度こそ」
「そんな危ないものは壊させてもらうよ!」
冷静さを取り戻したルースは、向かってきたブーメランに炎の矢を複数本当てて消滅させる。
そんなことを何度も繰り返していたとき、
「ふぅ……」
サリアが息を吐いた。
「そこだ!」
ルースは上空から一気に急降下すると、サリアへと突っ込んでいく。
ルースからの攻撃は来ない。
そう思い込んでしまったサリアはすぐに動けないでいる。
「しまった」
サリアの右肩にルースの蹴りが直撃し、サリアの身体は仰向けに倒れていった。
「右肩、もう上がらない……わたしのまけ……」
「それまでルース君の勝利です!」
「や、やった……」
一瞬の油断の隙をついたルースの見事な勝利だ。
つまらない闘いだとか、正々堂々とした闘いじゃないという苦言もあるかもしれない。
だが、ルースが努力して掴んだ勝利ということに変わりはない。
だからこそ、俺もフレアもリーナもクラスメイトたちも祝福の拍手を送った。
それが勝者への最大の賛辞となるのだから。
「むぅ……こんどはぜったい負けないから」
その後回復したサリアが空中戦への対抗策を編み出そうと、いろいろと試行錯誤しているようだ。
よほど悔しかったのだろう。
こうしてお互いが高め合い、実力が上がるにつれて見せる試合になっていくのでしょうね。
ああ、今度はサリアも空への対抗策を持って来るからな。
きっと迫力ある試合になるだろう。
そして次はフレアとルースか。
今からどんな試合になるか楽しみだ。
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