召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

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一年生

開会式です!

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「五つの学園の入場が終わりまして、最後にルードリア学園の入場となります!」

魔力によって拡散されたアナウンスが、入場口で控えていた俺の耳に届く。
右から三年、二年、一年と一列に並び、先頭には担任、その後ろに首席と次席という三列で待機していたが、いよいよ闘技場へと入場する時が来たようだ。

「それでは行きますよ」

「はい」

俺はルナ先生の後をついていくと、後ろのルースたちもそれにならう。
そして一歩闘技場へと踏み出すと、大きな歓声が迎えてくれる。

「クリス!今年もまた圧倒的な強さを見せてくれ!」

「きゃぁぁぁぁぁぁ!クリス様ぁぁぁ!」

「ありがと!」

とはいえクリス先輩への声援ばかりだ。
その声援に笑顔で手を振って返すクリス先輩。
こういった大舞台でもいつも通りということには尊敬の念しかない。
俺も幾度か模擬戦をこなしてきたものの、実際に大勢の観客の前となると緊張してしまう。
それでもなんとか歩みを続け、ルナ先生の後をついていく。

ついていく……ついていく……ついていく……

マスター、緊張し過ぎですよ。

そんなファーナの忠告も虚しく、俺はルナ先生の白いスーツの背中をついていくのがやっとだった。

「はい、ここで止まってくださ……きゃっ!?」

「うわっ!?」

ドサッ!

いつの間にルナ先生にかなり近づいていたようで、ルナ先生が振り返って制止しようとした瞬間、俺はぶつかってしまった。

「いてて……すみません……」

「カ、カイ君……」

俺の目の前に、ルナ先生の綺麗な瞳がある。
どうやら尻もちをついたルナ先生に覆いかぶさる体勢になっているようだ。

「し、失礼いたしましたぁ!」

「……気をつけてください」

俺はすぐさま立ち上がると、ルナ先生は何事もなかったかのように立ち、お尻をはたく。

「あーこほん。あんまりうらやましいことしていると失格にするぞ?カイ?」

魔力で増幅されてはいるが、聞き覚えのある声が上から聞こえてくる。

「へ、陛下!?」

先ほどお会いした陛下が二階ほどの高さにある観覧席から、こちらを見下ろしていた。

「美人教師と衆人環視の中でハプニングとはけしからん。今後気をつけるように」

陛下の言葉で、場内が大きな笑いに包まれてしまう。

やめて!もう俺の羞恥心がもたない!

マスター……狙ってましたね?

そんな度胸あるか!

「ははは!まあ冗談はさておき、今年も多くの召喚師の卵たちがこの地に集まった」

陛下の声色が一転して威厳溢れるものとなると、場内も冷静さを取り戻した。

「各学園の代表者は存分に実力を発揮し、我々にその勇姿を見せてほしい。それこそが、私を含めた観戦者全員の心を動かすものになると信じている。それでは……」

陛下は一呼吸を置き、再び口を開く。

「今ここに!学生グランプリの開催を宣言する!」

陛下の宣言と同時に、場内は再び大きな歓声に包まれていった。

へぇ……ちゃんと王様なんだな。

その感想はあまりに不敬であると思います。

「続いては組み合わせを発表する!各代表は自分の対戦相手の名をしかと目に焼き付けよ!」

陛下のいる観覧席よりも高い場所から大きな垂れ幕が二つかけられ、シュルルル……と落ちていく。
そうして垂れ幕らはぴったりと陛下のいる観覧席の横で止まった。
二つとも同じ内容で、翌日の対戦表が書かれている。
上から三年生、二年生、一年生の順番だ。

その中に自分の名前を見つけた。

一年、第一試合。
ルードリア学園首席カイ・グラン VS アルグランド学園次席ダクド・ボスク

ファーナ、どうやら神様に祈りは届いたようだぞ?

ふふふ……私の日頃の行いが良いお陰で神様が願いを叶えてくれたのですね。

……んっ?

何か疑問でも?

ファーナの日頃の行いと言えば、嬉々として俺に特訓という名の地獄に招待してくれることくらいだと思うのだが……
まあそれは置いておこう。

俺とファーナの想いは一つだ。

よし、コテンパンに叩きのめすぞ。

かしこまりました。

さんざんにルードリア学園をバカにしてくれたダクドにお返しをしないとな。
今から明日が楽しみだ。

ふふふ……

なんて心の中で笑っていたのだが……

「カァァァイ……貴様わざとルナ先生を押し倒しただろう……?」

「なんてことをするんですか……?」

「違う!わざとじゃない!」

「おしおき」

「嫌だ!ルナ先生も何か言ってください!あれは事故ですよね!?」

「もう……私はお嫁にいけません……うぅ……」

「ルナ先生ぃぃぃ!?」

開会式終了後、俺は無事に明日を迎えられるかどうかの瀬戸際に立たされるのだった。
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