裏庭の魔法使い

神田柊子

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「この問題は先週実施された共通テストでも――」
 教師の声と板書の音が響く教室。
 進学校のため、だいたいの生徒が真面目に授業を受けているが、午後一番のこの時限は居眠りをしてしまう者もちらほらいた。
 窓際の後方の席。一人の女子生徒が窓の外に目をやった。長い金髪が制服の肩を滑り落ちる。
 冬の曇り空はぼんやりとした鈍い色。高台の校舎からは街と海が見下ろせる。海岸沿いの道路を走る車をなんとなく数えた。
 ――この世界は魔力が少ない。
 彼女はそのせいで難儀していた。
(でも、もう少しで魔力が溜まる)
 内心呟いてから、黒板に向き直る。
 彼女が持った赤ペンの先端で小さく星が弾けたけれど、誰にも見えなかった。
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