あなたの隣で

ほろ苦

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「やります!」
「そう言ってくれると思ってました。ありがとうございます!早速手配しますね」
「はい!」

レックスと同じ依頼が出来る…それだけで私の心は浮かれていた。
この事をさっそくナナンに報告しなくてはとナナンを探したが見つからなかった。
そういえば今日はまだ一度も見ていない。
たまにそんな日があるのであまり気にせず、先日もらった報酬を手にレックスとの依頼の為のアイテムの買い出しに私は向かった。

次の日にナナンにレックスとの依頼の事を話すとナナンは明らかに不愉快という表情を浮かべた。

「なにそれ」
「だ、だから、その、」
「勝手にハンター依頼を受けるなって言ってるよね?」
「そうだけど…レックスと」
「ミリアの実力にあった依頼とは思えない」
「だけど依頼所の人が…」
「…あんたは断らないってわかってたからね」
「ぅ」
「いいように利用されて命を落とすハンターもいるし」
「ぅ」
「…はぁ、それにそのメンバーにかなり不安。連携とれないでしょ」

マックスとモモは名前を聞いたことはあるがどのハンターかはわからない。
ロッソは無口で大きな体の斧使いのハンターでたまにナナンと話をしているランク2のハンターだ。

「断って来る」
「ちょ、ちょっと待って!ナナン、これは私のチャンスなの。ここまで強くなりましたをアピール出来るチャンスなんだよ」
「それで死んだら、元も子もない?」
「死なない!それに私には…ナナンの刀がある!」
「っ…」

私は顔を真っ赤にしてナナンを必死に説得した。
ナナンはかなりご立腹だったが絶対命優先を約束に依頼を受ける事を許可してくれた。

レックスとのパーティ依頼出発の日、メンバーの顔合わせがあった。
王国依頼という事もあり、ハンター依頼所の人が段取りをしてくれて、なぜかその場にナナンもいる。
ナナンはとても不機嫌な顔をしていた。
集められたメンバーはレックスとロッソ、それにいつぞやの嫌味な赤髪ハンターと私と同じぐらいの女の子ハンターがいた。
ハンター依頼書の人が挨拶をするように促すと

「レックスだ、今回の依頼の統括をする。よろしく」

久々に会ったレックスは金色の髪が少し伸びて神々しさが増しているように思えた。

「…よろしく」

無口なロッソは相変わらずだ。

「ロングソードを操るのに自信があります!ランク3です!マックスです!レックスさんよろしくお願いします!」

赤髪の嫌味なハンターは他の仲間を無視してレックスに媚びを売っている。
私は目を細め、こころの中で悪態をついた。

「モモですぅーハンターランクはぁ2でぇす!よろしくねん」

ピンク色のツインテ―ルで装備もデザイン重視で可愛いが…怖い、どこがどう怖いのかわからないけど本能が彼女に絡むなと言っている。

「っと、ミリアです。ランク7です。よ」
「はぁ?ランク7?ダイジョブなんですか?」

私が挨拶をしている途中でマックスの嫌味が遮ると依頼所の人が焦って話だした。

「ミリアさんはランクこそ7ですが、実力は5、いや4ぐらいはあると思います。各所の報告からと依頼達成率はこの街一番ですから!それに今回は補佐という形で手伝って頂くことにー」
「けっ。まぁレックスさんが良いて言うなら別に。足を引っ張るなよ!」
「…」

赤髪…こいつと連携マジで無理かも。
私が心の中でブリブリ文句を言っているとナナンがレックスの元に歩み寄った。

「ミリアに何かあったら許さないからな」
「…」

小声で話をしているようで、どうもナナンは私の事が心配らしい。
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