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前代未聞の競争が始まる
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意識を取り戻した水尾 舞(みなお まい)が最初に見たものは、見知らぬ部屋の天井であった。
(……ここは、一体どこ? そうだ、たしか私は佐伯君と遭遇して)
そこまで思考したところで、彼女は自身の手足に力が入らないことに気付く。
(あれ、おかしいわね。 腕に力が入らない!?)
いくら腹筋に力を込めても、腕や足が動かなければ立ち上がることも出来ない。
何度も立ち上がろうとしていると、部屋の扉が開き1人の女性が入ってきた。
久しぶりに見たその人物は安藤 沙織、クラスの副委員長である。
「久しぶりね、水尾さん。 王谷くんの力【筋弛緩】を体験してみた気持ちを、もし良かったら聞かせてくれない?」
「副委員長……あなた、佐伯君の味方をしていたの!?」
「そうよ。 厳密に言えば私と小梅はコージ、佐伯君の息子の後妻になってるわ」
「あいつは校長先生や、手平先生を殺すような奴よ! あなたは騙されているのよ、今すぐ私とここから逃げましょう」
舞の提案を、沙織は首を振って拒絶する。
「いいえ、私達はここで暮らすわ。 玲奈の遺児であるレイを、コージや小梅と一緒に育てないとならないから……」
玲奈の遺児、この言葉を聞いた舞は勘違いを起こした。
「もしかして紅葉院さん、もうこの世にいないの? 佐伯君達に殺されたの!?」
沙織はつらい表情を浮かべながら、舞の間違いを正す。
「違うわ、玲奈はコージと本気で愛し合っていたわ。 彼女を殺したのは手平、身重だった彼女の腹を蹴って死に至らしめたのよ」
真実を聞かされた舞は困惑する、聞かされていた話と違ったからだ。
しかしここで舞は大事なことに気付く、何故稲原を含む4人が街の兵士達を当然のように率いて、ディザイアの討伐に出られたのかという疑問に……。
(あれ、なんで私達は街の兵士を率いていたの? 兵士は私達に従う必要なんて無い筈なのに、一体……)
「さてと……自分のしていた行動に疑問を抱いているみたいだけど、あなたの疑問に答えられる時間は実際のところ無いの。 水尾さんには1つだけ聞きたいことがあるから、正直に答えてね。 出来れば殺したくないから」
そう言いながら懐から1本の短剣を取り出す沙織、舞はぎょっとした。
「もしかして、私を殺すつもりなの? こんな豚の化け物達のために、自分の手を血で汚すというの!?」
沙織は言い終えた舞の顔の横に短剣を突き刺した、わずかに掠ったのか舞の頬から血が滲みはじめる。
「私や小梅が手平を見くびっていたことが原因で、玲奈は命を落としてしまった。 玲奈の子やコージを守るためなら、私はよろこんであなたを殺すわ」
「紅葉院が死んだのは、お前達の所為じゃない。 1番見くびっていたのは俺の方だと、何度も言っているだろう。 手を汚すのは、俺1人でいい……」
これまでの一部始終を外で盗み聞きしていたのか、ディザイアがタイミング良く扉を開けて入ってきた。
「水尾。 【筋弛緩】を使ったのは、お前に抵抗する術を持たせないだけじゃない。
お前に死ぬ怖さを感じてもらった上で、身の振り方を決めてもらいたいからだ」
「身の振り方?」
「そうだ。 今は手足を弛緩させているだけだが、もし肺や心臓も弛緩させたら一体どうなると思う? ここまで話せば、大体の想像がつくだろう」
舞の顔が一気に青ざめた。
窒息死に心不全、どれほどの絶望と苦しみを味わいながら死ぬのだろうか?
ディザイアも沙織と同様に、玲奈の死に対して責任を感じていたのである。
「生きるも死ぬも選ぶのは、お前自身だ。 俺の手足となって働きながらオークの子を産み育てる生活と、苦痛を味わいながら迎える死。 お前の能力も何かの役に立つかもしれないから、この場合は俺に生きたまま喰われることになる。 さあ、どちらをお前は選ぶ?」
舞が選べる選択肢は1つしか無かった……。
「そう固くなる必要はない、隣の安藤を見てみろ。 気持ちよさそうな顔で、コージに抱かれているではないか」
「だからといってなんであなたの息子や副委員長の隣で一緒に、私までセックスする必要があるの!?」
「うちの人はそこら辺の感覚が、普通の人間とは違いますから。 あっ、初めましてわたしはクレアと言います。 そこにいるコージの母で、ディザイアの妻です」
ここはディザイアとクレア夫婦の寝室。
舞はあの場で忠誠の証として処女を捧げる予定だったのだが、クレアが乱入。
「どうせだから、皆で見せ合いましょう。 その方が、ディザイアも頑張ってくれると思うから」
なんと、お互いの性交の様子を見せ合おうと提案してきたのだ!
これにはディザイアはもちろん、他の3人も開いた口がふさがらない。
クレアは主人の感覚がずれていると言っていたが、本人の感覚も一般常識から見て相当にずれていた……。
しかし沙織はクレアとどちらが先に孕むかで勝負している為、すぐに覚悟を決めてコージとまぐわいはじめる。
息子に先を越されてしまった形のディザイアだったが、負けじと舞とクレアが自身の子を孕むまで、膣内に精を注ぎ続けようと妙な決意をした。
こうして同じ寝室の中で両親と子がお互いのセックスを見せ合うという、前代未聞の子作り競争の火蓋が切って落とされたのである……。
クレアの乱入は前話でディザイアの肉便器となった、稲原 聡美への対抗心からです。
(……ここは、一体どこ? そうだ、たしか私は佐伯君と遭遇して)
そこまで思考したところで、彼女は自身の手足に力が入らないことに気付く。
(あれ、おかしいわね。 腕に力が入らない!?)
いくら腹筋に力を込めても、腕や足が動かなければ立ち上がることも出来ない。
何度も立ち上がろうとしていると、部屋の扉が開き1人の女性が入ってきた。
久しぶりに見たその人物は安藤 沙織、クラスの副委員長である。
「久しぶりね、水尾さん。 王谷くんの力【筋弛緩】を体験してみた気持ちを、もし良かったら聞かせてくれない?」
「副委員長……あなた、佐伯君の味方をしていたの!?」
「そうよ。 厳密に言えば私と小梅はコージ、佐伯君の息子の後妻になってるわ」
「あいつは校長先生や、手平先生を殺すような奴よ! あなたは騙されているのよ、今すぐ私とここから逃げましょう」
舞の提案を、沙織は首を振って拒絶する。
「いいえ、私達はここで暮らすわ。 玲奈の遺児であるレイを、コージや小梅と一緒に育てないとならないから……」
玲奈の遺児、この言葉を聞いた舞は勘違いを起こした。
「もしかして紅葉院さん、もうこの世にいないの? 佐伯君達に殺されたの!?」
沙織はつらい表情を浮かべながら、舞の間違いを正す。
「違うわ、玲奈はコージと本気で愛し合っていたわ。 彼女を殺したのは手平、身重だった彼女の腹を蹴って死に至らしめたのよ」
真実を聞かされた舞は困惑する、聞かされていた話と違ったからだ。
しかしここで舞は大事なことに気付く、何故稲原を含む4人が街の兵士達を当然のように率いて、ディザイアの討伐に出られたのかという疑問に……。
(あれ、なんで私達は街の兵士を率いていたの? 兵士は私達に従う必要なんて無い筈なのに、一体……)
「さてと……自分のしていた行動に疑問を抱いているみたいだけど、あなたの疑問に答えられる時間は実際のところ無いの。 水尾さんには1つだけ聞きたいことがあるから、正直に答えてね。 出来れば殺したくないから」
そう言いながら懐から1本の短剣を取り出す沙織、舞はぎょっとした。
「もしかして、私を殺すつもりなの? こんな豚の化け物達のために、自分の手を血で汚すというの!?」
沙織は言い終えた舞の顔の横に短剣を突き刺した、わずかに掠ったのか舞の頬から血が滲みはじめる。
「私や小梅が手平を見くびっていたことが原因で、玲奈は命を落としてしまった。 玲奈の子やコージを守るためなら、私はよろこんであなたを殺すわ」
「紅葉院が死んだのは、お前達の所為じゃない。 1番見くびっていたのは俺の方だと、何度も言っているだろう。 手を汚すのは、俺1人でいい……」
これまでの一部始終を外で盗み聞きしていたのか、ディザイアがタイミング良く扉を開けて入ってきた。
「水尾。 【筋弛緩】を使ったのは、お前に抵抗する術を持たせないだけじゃない。
お前に死ぬ怖さを感じてもらった上で、身の振り方を決めてもらいたいからだ」
「身の振り方?」
「そうだ。 今は手足を弛緩させているだけだが、もし肺や心臓も弛緩させたら一体どうなると思う? ここまで話せば、大体の想像がつくだろう」
舞の顔が一気に青ざめた。
窒息死に心不全、どれほどの絶望と苦しみを味わいながら死ぬのだろうか?
ディザイアも沙織と同様に、玲奈の死に対して責任を感じていたのである。
「生きるも死ぬも選ぶのは、お前自身だ。 俺の手足となって働きながらオークの子を産み育てる生活と、苦痛を味わいながら迎える死。 お前の能力も何かの役に立つかもしれないから、この場合は俺に生きたまま喰われることになる。 さあ、どちらをお前は選ぶ?」
舞が選べる選択肢は1つしか無かった……。
「そう固くなる必要はない、隣の安藤を見てみろ。 気持ちよさそうな顔で、コージに抱かれているではないか」
「だからといってなんであなたの息子や副委員長の隣で一緒に、私までセックスする必要があるの!?」
「うちの人はそこら辺の感覚が、普通の人間とは違いますから。 あっ、初めましてわたしはクレアと言います。 そこにいるコージの母で、ディザイアの妻です」
ここはディザイアとクレア夫婦の寝室。
舞はあの場で忠誠の証として処女を捧げる予定だったのだが、クレアが乱入。
「どうせだから、皆で見せ合いましょう。 その方が、ディザイアも頑張ってくれると思うから」
なんと、お互いの性交の様子を見せ合おうと提案してきたのだ!
これにはディザイアはもちろん、他の3人も開いた口がふさがらない。
クレアは主人の感覚がずれていると言っていたが、本人の感覚も一般常識から見て相当にずれていた……。
しかし沙織はクレアとどちらが先に孕むかで勝負している為、すぐに覚悟を決めてコージとまぐわいはじめる。
息子に先を越されてしまった形のディザイアだったが、負けじと舞とクレアが自身の子を孕むまで、膣内に精を注ぎ続けようと妙な決意をした。
こうして同じ寝室の中で両親と子がお互いのセックスを見せ合うという、前代未聞の子作り競争の火蓋が切って落とされたのである……。
クレアの乱入は前話でディザイアの肉便器となった、稲原 聡美への対抗心からです。
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