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消えた子の行方
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「おい、イセヤ。 なんだそれは?」
「……出来れば聞かないでいただけますか、不死王サクラギ」
精気の受け渡しを終えた頃を見計らって戻ってきたサクラギが見たものは、イセヤの股間に生えた異様な大きさを誇る馬のイチモツだった。
経緯を聞いたサクラギは、顎に手を当てて何やら考え始める。
「キョーコすまない、精気を至急集めてイセヤに渡してやってくれ」
「何を創造させるおつもりですか? 不死王サクラギ」
キョーコからの問いかけに、サクラギは頭を掻きながら答えた。
「いや……、僕も生身の部分が欲しくなってきた」
眷属2人の思考が、ほんのわずかの間だが停止する。
何か大きくルートを外れてしまう、そんな予感がしたのだ。
某有名泥棒アニメが放送初期のハードボイルド路線から、コミカルに路線変更した第2シリーズの第1話で感じたような微かな違和感。
もしかすると3人で
「まて~ディザイア~!」
とか言いながら、毎回負けつづけるようになるかもしれない。
予感が現実とならないよう、イセヤは慎重に言葉を選んで問いで返す。
「何故生身の部分が欲しいのですか? 不死王サクラギ」
「骸骨のままで街の中に入るのは、かなり厳しくなるだろう。 だからこちらの世界の住人の、顔や身体を手に入れれば行動がしやすくなると思ったのだ」
「なるほど」
イセヤは少しだけ安心した、6人も変死者が出ればディザイアも街中の警戒を強化しているはずだ。
そこへ骸骨姿でのこのこと出ていけば、すぐに見つかってしまう。
今後のことも考えると主に生身を与えておいた方が、自由に出来る時間も増やせるからこちらにとっても都合が良い。
「それに……」
だがサクラギの次の言葉で、キョーコとイセヤは彼の異常な性癖を初めて知る。
「死にたての女を抱くには、生きているのを犯している最中に殺すのが一番手っ取り早いからな。 死後硬直で硬くなっていく膣内の感触も楽しめるし、生身を手にする日が待ち遠しいものだ」
(ネ、ネクロフィリア!?)
特にキョーコは全身の震えが止まらない。
もしかするとあの日ディザイアがブレサを襲撃していなければ、彼女は行為の後で彼に殺されていたかもしれないのだ。
(佐伯君が、ブレサを1日早く攻めてくれたのなら……)
さらに1日早く攻めていれば、キョーコは自殺せずに済んだかもしれない。
だがそれも、あくまでも仮定の話。
オークに犯されて生きる望みを失い、命を絶っていた可能性だってある。
この時になってキョーコは、お腹の子が気がかりになってきた。
「……あの、不死王サクラギ。 お腹の子を眷属にすることは可能ですか?」
「お腹の子?」
「はい。 実はあなたに犯された時に、どうも受精していたらしく……」
うつむきながら話すキョーコ、するとサクラギが彼女の肩を掴む。
「どうしてそれを先に言わなかった! イセヤに命じて、成長した身体を与えることだって出来るはずだ。 このことを誰に聞かされた!?」
「佐伯君……ディザイアからです」
サクラギは瞑目すると、ボソッと呟いた。
「お前を支配などせずにきちんと口説いていれば、2人の子を生きて遺すことだって出来たかもしれないんだな」
「えっ、今なんて!?」
「いや、たんなる世迷い言だ。 今さら後悔しても遅すぎる、とりあえず眷属化してこれ以上腐敗が進むのを止めなければ」
そう言うとサクラギは、キョーコの下腹部の上で手をかざす。
本当に我が子が残されているのなら、彼女の子宮内で既に死んでいるはずだから。
だがキョーコの胎内からは、死んでいる者の気配が感じ取れない。
サクラギはキョーコを問い詰める。
「おい! お前の胎内からは、死人の気配を感じ取れないぞ。 本当にお前は、俺の子を孕んでいたのか!?」
「ひどい! あなたにレイプされた上に孕まされたショックで、わたしは死を選んだのにどうして死んだあとも、あなたから詰られないといけないの!?」
正気に戻ったサクラギは、キョーコに謝罪した。
「すまない、思いがけないことが続いて我を忘れてしまった。 しかしお前の胎内に子の死体が無いとなると、一体誰が葬っているんだ?」
サクラギとキョーコは、別の可能性が残されていることにまだ気付いていない。
しかしイセヤの一言で、その可能性に気付いた。
「おい、2人とも。 もう1つ可能性が残っているが、それに気付かないか?」
「もう1つの可能性?」
2人は彼が言う前にその可能性に気付くと、お互いの顔を見る。
「手段は分からないが、お腹の受精卵を取り出してあいつが保管している可能性。 代わりの母親を、あいつは見つけようとしているのかもしれない」
(僕達が望んでいなかったとしても、2人の血をどうにかして遺そうと奴は考えたのかもしれないな)
そう考えると、受精卵はどこかに保存されている可能性が高い。
「イセヤ、計画変更だ。 誰にも気付かれないドローンを1機創造して、ディザイアの周辺を偵察してくれ。 来年、いや再来年辺りに奴に近い女で俺達そっくりの子が産まれれば、保管された子どもである可能性が高い」
「その産まれた子を攫うのですか? 不死王サクラギ」
「いいや、大人になるのを待つ」
サクラギは、イセヤの問いを即座に否定する。
「子どもが成人したら直接会って話をする、その上で俺達と共に歩みたいのなら眷属にしよう。 だが拒絶された場合は、もう2度と会うことはしない」
子の行く末をこのままずっと大人しく見守るだろう、キョーコとイセヤは考えた。
だがサクラギは、大人しく見守るような器ではない。
子が成人するまでの暇つぶしの準備を、2人に命じた。
「そういえば佐伯が拠点にしていた場所だが、今は放棄されているはずだ。 そこを今度は僕達の根城にしよう、お前達には執事とメイド兼玩具の買い出しと自炊の準備を命じる」
「玩具の買い出しと自炊の準備?」
イセヤにも何となく想像は出来たが、あえて主に聞いてみる。
「玩具はもちろん、僕が犯して殺す女のことだ。 キョーコには道に迷った行商人や旅人あたりを、自分で捕まえてきてもらう」
おそらく近い内に、元オークの拠点周辺で行方不明となる者が頻発するだろう。
ディザイアの調査が来る前に、別の場所に移動出来ればよし。
だがもしも見つかってしまった場合、奴は総力をあげて再び殺しに来る。
その日が訪れないことを、今は祈るしかなかった……。
「……出来れば聞かないでいただけますか、不死王サクラギ」
精気の受け渡しを終えた頃を見計らって戻ってきたサクラギが見たものは、イセヤの股間に生えた異様な大きさを誇る馬のイチモツだった。
経緯を聞いたサクラギは、顎に手を当てて何やら考え始める。
「キョーコすまない、精気を至急集めてイセヤに渡してやってくれ」
「何を創造させるおつもりですか? 不死王サクラギ」
キョーコからの問いかけに、サクラギは頭を掻きながら答えた。
「いや……、僕も生身の部分が欲しくなってきた」
眷属2人の思考が、ほんのわずかの間だが停止する。
何か大きくルートを外れてしまう、そんな予感がしたのだ。
某有名泥棒アニメが放送初期のハードボイルド路線から、コミカルに路線変更した第2シリーズの第1話で感じたような微かな違和感。
もしかすると3人で
「まて~ディザイア~!」
とか言いながら、毎回負けつづけるようになるかもしれない。
予感が現実とならないよう、イセヤは慎重に言葉を選んで問いで返す。
「何故生身の部分が欲しいのですか? 不死王サクラギ」
「骸骨のままで街の中に入るのは、かなり厳しくなるだろう。 だからこちらの世界の住人の、顔や身体を手に入れれば行動がしやすくなると思ったのだ」
「なるほど」
イセヤは少しだけ安心した、6人も変死者が出ればディザイアも街中の警戒を強化しているはずだ。
そこへ骸骨姿でのこのこと出ていけば、すぐに見つかってしまう。
今後のことも考えると主に生身を与えておいた方が、自由に出来る時間も増やせるからこちらにとっても都合が良い。
「それに……」
だがサクラギの次の言葉で、キョーコとイセヤは彼の異常な性癖を初めて知る。
「死にたての女を抱くには、生きているのを犯している最中に殺すのが一番手っ取り早いからな。 死後硬直で硬くなっていく膣内の感触も楽しめるし、生身を手にする日が待ち遠しいものだ」
(ネ、ネクロフィリア!?)
特にキョーコは全身の震えが止まらない。
もしかするとあの日ディザイアがブレサを襲撃していなければ、彼女は行為の後で彼に殺されていたかもしれないのだ。
(佐伯君が、ブレサを1日早く攻めてくれたのなら……)
さらに1日早く攻めていれば、キョーコは自殺せずに済んだかもしれない。
だがそれも、あくまでも仮定の話。
オークに犯されて生きる望みを失い、命を絶っていた可能性だってある。
この時になってキョーコは、お腹の子が気がかりになってきた。
「……あの、不死王サクラギ。 お腹の子を眷属にすることは可能ですか?」
「お腹の子?」
「はい。 実はあなたに犯された時に、どうも受精していたらしく……」
うつむきながら話すキョーコ、するとサクラギが彼女の肩を掴む。
「どうしてそれを先に言わなかった! イセヤに命じて、成長した身体を与えることだって出来るはずだ。 このことを誰に聞かされた!?」
「佐伯君……ディザイアからです」
サクラギは瞑目すると、ボソッと呟いた。
「お前を支配などせずにきちんと口説いていれば、2人の子を生きて遺すことだって出来たかもしれないんだな」
「えっ、今なんて!?」
「いや、たんなる世迷い言だ。 今さら後悔しても遅すぎる、とりあえず眷属化してこれ以上腐敗が進むのを止めなければ」
そう言うとサクラギは、キョーコの下腹部の上で手をかざす。
本当に我が子が残されているのなら、彼女の子宮内で既に死んでいるはずだから。
だがキョーコの胎内からは、死んでいる者の気配が感じ取れない。
サクラギはキョーコを問い詰める。
「おい! お前の胎内からは、死人の気配を感じ取れないぞ。 本当にお前は、俺の子を孕んでいたのか!?」
「ひどい! あなたにレイプされた上に孕まされたショックで、わたしは死を選んだのにどうして死んだあとも、あなたから詰られないといけないの!?」
正気に戻ったサクラギは、キョーコに謝罪した。
「すまない、思いがけないことが続いて我を忘れてしまった。 しかしお前の胎内に子の死体が無いとなると、一体誰が葬っているんだ?」
サクラギとキョーコは、別の可能性が残されていることにまだ気付いていない。
しかしイセヤの一言で、その可能性に気付いた。
「おい、2人とも。 もう1つ可能性が残っているが、それに気付かないか?」
「もう1つの可能性?」
2人は彼が言う前にその可能性に気付くと、お互いの顔を見る。
「手段は分からないが、お腹の受精卵を取り出してあいつが保管している可能性。 代わりの母親を、あいつは見つけようとしているのかもしれない」
(僕達が望んでいなかったとしても、2人の血をどうにかして遺そうと奴は考えたのかもしれないな)
そう考えると、受精卵はどこかに保存されている可能性が高い。
「イセヤ、計画変更だ。 誰にも気付かれないドローンを1機創造して、ディザイアの周辺を偵察してくれ。 来年、いや再来年辺りに奴に近い女で俺達そっくりの子が産まれれば、保管された子どもである可能性が高い」
「その産まれた子を攫うのですか? 不死王サクラギ」
「いいや、大人になるのを待つ」
サクラギは、イセヤの問いを即座に否定する。
「子どもが成人したら直接会って話をする、その上で俺達と共に歩みたいのなら眷属にしよう。 だが拒絶された場合は、もう2度と会うことはしない」
子の行く末をこのままずっと大人しく見守るだろう、キョーコとイセヤは考えた。
だがサクラギは、大人しく見守るような器ではない。
子が成人するまでの暇つぶしの準備を、2人に命じた。
「そういえば佐伯が拠点にしていた場所だが、今は放棄されているはずだ。 そこを今度は僕達の根城にしよう、お前達には執事とメイド兼玩具の買い出しと自炊の準備を命じる」
「玩具の買い出しと自炊の準備?」
イセヤにも何となく想像は出来たが、あえて主に聞いてみる。
「玩具はもちろん、僕が犯して殺す女のことだ。 キョーコには道に迷った行商人や旅人あたりを、自分で捕まえてきてもらう」
おそらく近い内に、元オークの拠点周辺で行方不明となる者が頻発するだろう。
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