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断罪塔の裁きの章
総本部崩壊の余波
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全神教の総本部崩壊と魔装兵団壊滅の報が世界中に知れ渡ったのは、それから1週間後のことだった。
最初は出来すぎた話だと、信じようとする者は居なかった。
しかし、それが事実だと分かると各国の正規軍は一斉に全神教が娼館として利用していた施設を包囲。
管理を任されていた幹部達は、全員犯罪者として身柄を拘束された。
ラクスィの教会を管理するニナリス大主教とトマス主教の2人も同様に拘束されそうになったが、リリアが2人の娘だと判明すると態度が一変した。
手を出すと逆に痛い目をみるのが明らかだったので、見逃すことで閣僚の意見が一致する。
けれども全神教のままでは悪いイメージを拭いきれないので、新たな宗教の名に変更して欲しいと使者を送るのだった。
「ねえ、トマス。 新たな宗教名を考えろと急に言われてもねぇ…」
「確かに。 しかしセラ様は我々が出来なかったことを、本当に力ずくで解決されてしまったな……」
全神教の幹部だった2人は、魔装兵団の恐ろしさを知っている。
だからこそ、たった3人で壊滅させてしまった事実に動揺を隠せなかった。
セラ・リリア・リィナの3人が揃うと、各国が保有する軍隊に匹敵する。
無論3人が別行動することなど考えられないので、歩く天災と呼ぶに相応しかった。
故郷にまで影響が及んでいることなど全く知らない3人は、今日も自由気ままに旅をしているのかと思いきや実はそうでもなかった……。
「やっぱり女の子同士で仲良くするのは、いけないことなのかな?」
「人それぞれじゃないの? それにライバルが少ない方が、私としては嬉しいけど」
「リリア様の言う通りです、セラ様は私達2人だけのものにしておかないと!」
こんな会話をしていたのは、総大主教から助け出した女の子達が原因だった。
リリアのスキルで自我を取り戻した女の子達は、最初の内はセラたちを尊敬の眼差しで見つめていた。
しかし3人がイチャイチャを始めると、その態度は一変。
まるで不潔なものを見るような目で、セラ達に接するようになった。
そして途中の町で別れた際の、彼女達の安堵の表情が忘れられない。
女の子同士の恋愛がいまだに異端視されるこの世界で、セラ達の行為が理解されないのは当然なのかもしれなかった……。
「そんなことは百も承知で、3人はお付き合いされているのでしょ? だったら周りの目を気にする必要など無いでしょうに……」
そう言うのは、最近影が薄かったアイリである。
アイリはセラ達が全神教の連中と争っている間の、秘密基地の中で今後の為を考えて資産を増やす準備を始めていたのだ。
「どうせ大量に余っているのだから、これを利用しない手はないわ。 暇そうにしている連中を、ちょっと貸してもらうわね」
アイリは手持ち無沙汰にしている鍛冶屋のオーク達数人に、ミスリル製の美術工芸品を作らせ始めた。
最初は面倒くさそうにしていたオーク達だったが、お互いの細工の腕を競い合う様になると繊細な花の柄が彫り込まれた食器などを作るようになった。
ただの武器や防具しか作ってこなかったオーク達に、新たな才能を芽生えさせた手腕をセラ達も認め販売にかんする交渉も全てアイリが任される事となった。
「そうだセラ様、新しい試作品が完成致しましたので今晩にでも私の研究室まで来て頂けますか?」
「え~!? 今日もセラを独り占めしようと思っていたのに!」
「それはずるいですリリア様! 順番からしても、今日は私の番です」
「ごめんね、2人共。 でもアイリがこうして言ってくるって事は、きっと凄いのが出来たに違いないわ。 悪いけど、今日はこっちを優先させてもらうわね」
セラにこう言われてしまっては2人は引き下がるしかない、そして夜が更けた頃セラはアイリの研究室を訪ねた。
「待たせたわね、アイリ」
「お待ちしてました!」
セラが入り口の扉を閉めると同時に、胸の中に飛び込むアイリ。
実はリリアとリィナの目を盗んで、セラはアイリを食べて彼女に加えていた!
「こんな遠まわしな誘い方をしないで、もっと堂々と2人の前で言えばよいのに」
「だって……まだ恥ずかしくて言えませんわ」
アイリがオーク達に食器などを作らせていた本当の理由、セラを自室に招き入れる為の口実が欲しかったのだ。
この我慢が出来なくなった頃に誘ってくる彼女との逢瀬を、セラは内心結構楽しみにしている。
それは普段見せない姿を、セラの前でだけアイリが晒してくれるからだ。
「それじゃあ、また今日も一杯可愛がってあげるわね」
「はい。 私もセラ様が恥ずかしがるところを、今日こそ見せてもらいます」
2人はリリアとリィナが思わず嫉妬してしまう位の長い口付けを交わすと、夜明けまで共に過ごし久しぶりの逢い引きを楽しんだ。
「セラ、アイリ。 昨夜はずいぶんとお楽しみだったみたいね?」
「次回からは堂々とセラ様を誘ってくださいね、アイリさん」
「……はい」
どうやら既にバレていたらしく、朝食を食べながら小言を言われる羽目となった。
「セラには罰として、今日は1日私達3人を平等に可愛がってもらいますからね」
「それは良いですね! セラ様がアイリさんをどう可愛がるのか、ぜひ見たいです」
「えっ、えっ!?」
リリアの提案が一瞬理解出来ず、アイリは困惑した。
その隙を突いて、リリアはアイリの口を塞いだ。
「うむぅっ!?」
「セラの彼女ってことは、私達の事も好きになってもらわないと。 だからお互いの事をもっとよく知る為に、仲良くしましょうね」
やれやれ……とセラは頭をかくと、3人を自分の寝室に連れて行くのだった……。
最初は出来すぎた話だと、信じようとする者は居なかった。
しかし、それが事実だと分かると各国の正規軍は一斉に全神教が娼館として利用していた施設を包囲。
管理を任されていた幹部達は、全員犯罪者として身柄を拘束された。
ラクスィの教会を管理するニナリス大主教とトマス主教の2人も同様に拘束されそうになったが、リリアが2人の娘だと判明すると態度が一変した。
手を出すと逆に痛い目をみるのが明らかだったので、見逃すことで閣僚の意見が一致する。
けれども全神教のままでは悪いイメージを拭いきれないので、新たな宗教の名に変更して欲しいと使者を送るのだった。
「ねえ、トマス。 新たな宗教名を考えろと急に言われてもねぇ…」
「確かに。 しかしセラ様は我々が出来なかったことを、本当に力ずくで解決されてしまったな……」
全神教の幹部だった2人は、魔装兵団の恐ろしさを知っている。
だからこそ、たった3人で壊滅させてしまった事実に動揺を隠せなかった。
セラ・リリア・リィナの3人が揃うと、各国が保有する軍隊に匹敵する。
無論3人が別行動することなど考えられないので、歩く天災と呼ぶに相応しかった。
故郷にまで影響が及んでいることなど全く知らない3人は、今日も自由気ままに旅をしているのかと思いきや実はそうでもなかった……。
「やっぱり女の子同士で仲良くするのは、いけないことなのかな?」
「人それぞれじゃないの? それにライバルが少ない方が、私としては嬉しいけど」
「リリア様の言う通りです、セラ様は私達2人だけのものにしておかないと!」
こんな会話をしていたのは、総大主教から助け出した女の子達が原因だった。
リリアのスキルで自我を取り戻した女の子達は、最初の内はセラたちを尊敬の眼差しで見つめていた。
しかし3人がイチャイチャを始めると、その態度は一変。
まるで不潔なものを見るような目で、セラ達に接するようになった。
そして途中の町で別れた際の、彼女達の安堵の表情が忘れられない。
女の子同士の恋愛がいまだに異端視されるこの世界で、セラ達の行為が理解されないのは当然なのかもしれなかった……。
「そんなことは百も承知で、3人はお付き合いされているのでしょ? だったら周りの目を気にする必要など無いでしょうに……」
そう言うのは、最近影が薄かったアイリである。
アイリはセラ達が全神教の連中と争っている間の、秘密基地の中で今後の為を考えて資産を増やす準備を始めていたのだ。
「どうせ大量に余っているのだから、これを利用しない手はないわ。 暇そうにしている連中を、ちょっと貸してもらうわね」
アイリは手持ち無沙汰にしている鍛冶屋のオーク達数人に、ミスリル製の美術工芸品を作らせ始めた。
最初は面倒くさそうにしていたオーク達だったが、お互いの細工の腕を競い合う様になると繊細な花の柄が彫り込まれた食器などを作るようになった。
ただの武器や防具しか作ってこなかったオーク達に、新たな才能を芽生えさせた手腕をセラ達も認め販売にかんする交渉も全てアイリが任される事となった。
「そうだセラ様、新しい試作品が完成致しましたので今晩にでも私の研究室まで来て頂けますか?」
「え~!? 今日もセラを独り占めしようと思っていたのに!」
「それはずるいですリリア様! 順番からしても、今日は私の番です」
「ごめんね、2人共。 でもアイリがこうして言ってくるって事は、きっと凄いのが出来たに違いないわ。 悪いけど、今日はこっちを優先させてもらうわね」
セラにこう言われてしまっては2人は引き下がるしかない、そして夜が更けた頃セラはアイリの研究室を訪ねた。
「待たせたわね、アイリ」
「お待ちしてました!」
セラが入り口の扉を閉めると同時に、胸の中に飛び込むアイリ。
実はリリアとリィナの目を盗んで、セラはアイリを食べて彼女に加えていた!
「こんな遠まわしな誘い方をしないで、もっと堂々と2人の前で言えばよいのに」
「だって……まだ恥ずかしくて言えませんわ」
アイリがオーク達に食器などを作らせていた本当の理由、セラを自室に招き入れる為の口実が欲しかったのだ。
この我慢が出来なくなった頃に誘ってくる彼女との逢瀬を、セラは内心結構楽しみにしている。
それは普段見せない姿を、セラの前でだけアイリが晒してくれるからだ。
「それじゃあ、また今日も一杯可愛がってあげるわね」
「はい。 私もセラ様が恥ずかしがるところを、今日こそ見せてもらいます」
2人はリリアとリィナが思わず嫉妬してしまう位の長い口付けを交わすと、夜明けまで共に過ごし久しぶりの逢い引きを楽しんだ。
「セラ、アイリ。 昨夜はずいぶんとお楽しみだったみたいね?」
「次回からは堂々とセラ様を誘ってくださいね、アイリさん」
「……はい」
どうやら既にバレていたらしく、朝食を食べながら小言を言われる羽目となった。
「セラには罰として、今日は1日私達3人を平等に可愛がってもらいますからね」
「それは良いですね! セラ様がアイリさんをどう可愛がるのか、ぜひ見たいです」
「えっ、えっ!?」
リリアの提案が一瞬理解出来ず、アイリは困惑した。
その隙を突いて、リリアはアイリの口を塞いだ。
「うむぅっ!?」
「セラの彼女ってことは、私達の事も好きになってもらわないと。 だからお互いの事をもっとよく知る為に、仲良くしましょうね」
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