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カイ争奪狩猟大会開幕!
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2つのスキルの説明は、以下の様なものであった。
【偽装結婚】
任意の2人を、夫婦であると対象に誤認識させるスキル。
スキル発動中は役人の場合、婚姻届を確認したという偽の記憶まで植えつける。
同性同士でも効果に変わりはなく、特例で認められていると錯覚してしまう。
注意点
実際に婚姻関係にある者に対しては、効果を発揮しない。
(これで浮気し放題だと、思わないように)
【仮面夫婦】
偽装結婚発動中に限り使用可能、対象者の外見と能力を自由に変えられるスキル。
変更時の詳細を記録しておく事で、設定を維持可能。
注意点
これを使っても、アニスの料理の腕は変わりません。
(変な期待をすると、またスライム湧くぞ)
さすがアニスの姉というべきか、彼女の事をよく知っているらしい。
しかし姉の力さえ全く通じない、アニスの料理の腕に戦慄する一同。
当の本人は、何故かスミと一緒になって喜んでいた。
「だってこれさえ有れば、カイ様といつでも夫婦の真似事を出来るって事ですよ? 仮にカイ様が誰かを選べなくても、日替わりでお嫁さんにして貰えるんですよ」
アニスが言い終える前にカイはこの場から逃げ出そうとしたが、リアとウミの2人が既に先回りして待ち構えていた。
振り切ろうと思えば振り切れたが、その先ではスミが待ち構えていたので逃亡が無意味だと悟り諦めるカイ。
一方ウミナだけは神妙な面持ちで、この騒ぎに加わろうとはしなかった。
「すまないけど、私はその争いに参加するのを辞退するわ。 だって私はカイ君に真似事では無く、本当のお嫁さんにしてもらうのだから」
リア・アニス・ウミの3人は思わず手を緩めた、その隙にカイは拘束を解いてようやく自由の身となる。
「そうね、確かにこんなのに頼るようじゃ駄目ね。 どうせなら私も、胸を張ってカイの妻を名乗りたいわ」
リアもウミナの考えに賛同したが、話はそこで終わらなかった。
「そうだわ! 私たちは狩猟者になったのだから、3年間で1番お金を稼いだ人が、カイのお嫁さんになるっての事でどう? これなら、誰にも文句の付けようが無い筈よ」
「おい! 俺の気持ちは一切無視かよ!?」
一方的な名案を口走るリアと、すかさずツッコミを入れるカイ。
2人の息があまりにもピッタリだったので、他の3人は危機感を募らせる。
(このまま何もしなければ、彼女に持っていかれてしまう!)
その様子を見ながら、興味深そうに微笑むイレイア。
この状況をわざと作り出したのなら、相当な策士である。
「乗ったわ。 カイ君争奪狩猟大会に、私も参加する」
ウミナがまず名乗りを上げた。
「ずるい! お義兄ちゃんは私と結婚する運命なの、だから正々堂々と勝負するのなら私もその競争に加わるわ」
「あの……リア様には申し訳ありませんが、カイ様を譲る訳にはいきません。 カイ様には毎日、私が愛情をたっぷり込めた料理を食べて戴きます!」
(うわぁ、それだけは許してあげて……)
アニスにだけは絶対に負ける訳にはいかないと、リア達は心に誓う。
彼女に負けるという事は、ある意味でカイの死を意味する。
スミのようなスライムが誕生しかねない料理を、毎日彼に食べさせる訳にはいかない。
だが彼女達4人全員は失念していた、最凶のライバルがまだ居る事に……。
「わたしも参加する」
そう言い出したのは、なんとスミだった!
「ちょ、ちょっとスミ。 こういう時は、私に協力するべきではないの?」
「わたしも、カイ様のお嫁さんってのになりたい」
「お嫁さんになりたいって言われても……」
スミの返事に、困惑してしまうアニス。
まさかペットのスミまで、カイと結婚したいと言い出すとは思わなかったのである。
「参加出来るの? 出来ないの?」
「ええと、この勝負は4人でするものだから……」
その場の思いつきでアニスが答えると、スミは何か納得した様子で
「それじゃあ、この場の誰かが居なくなれば良いんだ?」
そう言いながら指を鳴らすスミ、このままだと本気で誰かを殺しかねない!?
慌てたカイが間に入ると、スミに別の提案をした。
「よし! ここは俺が、スミを特別枠として参加する事を認めよう。 ただ特別枠で参加するから、お嫁さんではなく別のものを賞品にしようじゃないか」
「何が賞品なの?」
カイは顎に手を当てながら考え始めた、出来る限り自分に被害が少ないものを……。
「そうだ。 お前が優勝した時は、一晩俺と一緒に寝られるってのはどうだ? 他の連中にも許していない、お前だけの豪華賞品だ!」
「カイ様と一晩一緒……」
無表情のまま思案に耽るスミ、数分の後ようやく答えが決まる。
「わかった、スミはカイ様と一晩一緒に寝られる権で良い。 それじゃあ、今から3年間の狩猟の結果で勝敗を決める」
スミは言い終えると、そのままウミナにゆっくりと近づいた。
「えっ!? どうしたのスミ、私に何か付いてるの?」
「……魔王討伐が多分1番お金を貰える」
(たしかに魔王を討伐すれば報奨金が手に入る、それも莫大な金額が……。 ライバルの1人も減らせるし、これってもしかして一石二鳥!?)
リア・ウミ・アニスの3人の顔から、笑みが消える。
そして3人もスミの後を追うように、ウミナに近づいた。
「ね、ねえ3人は幾らなんでも冗談ですよね? 今まで一緒に居た仲間を、討とうなんてしないですよね? ねぇっ!?」
『問答無用!』
「問答無用じゃねえ、落ち着けお前ら~!!」
その後リア達はカイからお仕置きされ、スミは彼と2人きりでルールの再確認をする。
説教を交えながら話すカイを見ながら、彼女は好意以上の感情が芽生え始めている事を改めて自覚した。
そしてスミは狩猟の合間をぬって、図書館に通い始めるようになる。
読む本はいつも決まっていた、その本の名は……。
【夜這いの作法】
【偽装結婚】
任意の2人を、夫婦であると対象に誤認識させるスキル。
スキル発動中は役人の場合、婚姻届を確認したという偽の記憶まで植えつける。
同性同士でも効果に変わりはなく、特例で認められていると錯覚してしまう。
注意点
実際に婚姻関係にある者に対しては、効果を発揮しない。
(これで浮気し放題だと、思わないように)
【仮面夫婦】
偽装結婚発動中に限り使用可能、対象者の外見と能力を自由に変えられるスキル。
変更時の詳細を記録しておく事で、設定を維持可能。
注意点
これを使っても、アニスの料理の腕は変わりません。
(変な期待をすると、またスライム湧くぞ)
さすがアニスの姉というべきか、彼女の事をよく知っているらしい。
しかし姉の力さえ全く通じない、アニスの料理の腕に戦慄する一同。
当の本人は、何故かスミと一緒になって喜んでいた。
「だってこれさえ有れば、カイ様といつでも夫婦の真似事を出来るって事ですよ? 仮にカイ様が誰かを選べなくても、日替わりでお嫁さんにして貰えるんですよ」
アニスが言い終える前にカイはこの場から逃げ出そうとしたが、リアとウミの2人が既に先回りして待ち構えていた。
振り切ろうと思えば振り切れたが、その先ではスミが待ち構えていたので逃亡が無意味だと悟り諦めるカイ。
一方ウミナだけは神妙な面持ちで、この騒ぎに加わろうとはしなかった。
「すまないけど、私はその争いに参加するのを辞退するわ。 だって私はカイ君に真似事では無く、本当のお嫁さんにしてもらうのだから」
リア・アニス・ウミの3人は思わず手を緩めた、その隙にカイは拘束を解いてようやく自由の身となる。
「そうね、確かにこんなのに頼るようじゃ駄目ね。 どうせなら私も、胸を張ってカイの妻を名乗りたいわ」
リアもウミナの考えに賛同したが、話はそこで終わらなかった。
「そうだわ! 私たちは狩猟者になったのだから、3年間で1番お金を稼いだ人が、カイのお嫁さんになるっての事でどう? これなら、誰にも文句の付けようが無い筈よ」
「おい! 俺の気持ちは一切無視かよ!?」
一方的な名案を口走るリアと、すかさずツッコミを入れるカイ。
2人の息があまりにもピッタリだったので、他の3人は危機感を募らせる。
(このまま何もしなければ、彼女に持っていかれてしまう!)
その様子を見ながら、興味深そうに微笑むイレイア。
この状況をわざと作り出したのなら、相当な策士である。
「乗ったわ。 カイ君争奪狩猟大会に、私も参加する」
ウミナがまず名乗りを上げた。
「ずるい! お義兄ちゃんは私と結婚する運命なの、だから正々堂々と勝負するのなら私もその競争に加わるわ」
「あの……リア様には申し訳ありませんが、カイ様を譲る訳にはいきません。 カイ様には毎日、私が愛情をたっぷり込めた料理を食べて戴きます!」
(うわぁ、それだけは許してあげて……)
アニスにだけは絶対に負ける訳にはいかないと、リア達は心に誓う。
彼女に負けるという事は、ある意味でカイの死を意味する。
スミのようなスライムが誕生しかねない料理を、毎日彼に食べさせる訳にはいかない。
だが彼女達4人全員は失念していた、最凶のライバルがまだ居る事に……。
「わたしも参加する」
そう言い出したのは、なんとスミだった!
「ちょ、ちょっとスミ。 こういう時は、私に協力するべきではないの?」
「わたしも、カイ様のお嫁さんってのになりたい」
「お嫁さんになりたいって言われても……」
スミの返事に、困惑してしまうアニス。
まさかペットのスミまで、カイと結婚したいと言い出すとは思わなかったのである。
「参加出来るの? 出来ないの?」
「ええと、この勝負は4人でするものだから……」
その場の思いつきでアニスが答えると、スミは何か納得した様子で
「それじゃあ、この場の誰かが居なくなれば良いんだ?」
そう言いながら指を鳴らすスミ、このままだと本気で誰かを殺しかねない!?
慌てたカイが間に入ると、スミに別の提案をした。
「よし! ここは俺が、スミを特別枠として参加する事を認めよう。 ただ特別枠で参加するから、お嫁さんではなく別のものを賞品にしようじゃないか」
「何が賞品なの?」
カイは顎に手を当てながら考え始めた、出来る限り自分に被害が少ないものを……。
「そうだ。 お前が優勝した時は、一晩俺と一緒に寝られるってのはどうだ? 他の連中にも許していない、お前だけの豪華賞品だ!」
「カイ様と一晩一緒……」
無表情のまま思案に耽るスミ、数分の後ようやく答えが決まる。
「わかった、スミはカイ様と一晩一緒に寝られる権で良い。 それじゃあ、今から3年間の狩猟の結果で勝敗を決める」
スミは言い終えると、そのままウミナにゆっくりと近づいた。
「えっ!? どうしたのスミ、私に何か付いてるの?」
「……魔王討伐が多分1番お金を貰える」
(たしかに魔王を討伐すれば報奨金が手に入る、それも莫大な金額が……。 ライバルの1人も減らせるし、これってもしかして一石二鳥!?)
リア・ウミ・アニスの3人の顔から、笑みが消える。
そして3人もスミの後を追うように、ウミナに近づいた。
「ね、ねえ3人は幾らなんでも冗談ですよね? 今まで一緒に居た仲間を、討とうなんてしないですよね? ねぇっ!?」
『問答無用!』
「問答無用じゃねえ、落ち着けお前ら~!!」
その後リア達はカイからお仕置きされ、スミは彼と2人きりでルールの再確認をする。
説教を交えながら話すカイを見ながら、彼女は好意以上の感情が芽生え始めている事を改めて自覚した。
そしてスミは狩猟の合間をぬって、図書館に通い始めるようになる。
読む本はいつも決まっていた、その本の名は……。
【夜這いの作法】
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