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第9話 神災ペアと異名が付きました・・・
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「おい、あの2人は今日は現れたか!?」
「まだ大丈夫そうだ、現れる前に急いでクエストを終了させて移動するぞ!!」
「リーダー、ツインレイク方面から男女の2人組を発見!し、神災ペアです!?」
「今晩も姿を現したか・・・よし、まだ距離が有る残り1匹倒してすぐに移動するぞ!」
「「お~!?」」
その頃、ツインレイク方面からのんびりとやってきた男女の2人組は神災ペアと呼ばれているとは知らず、こんな会話をしていた。
「なあ、シズル。この先で戦っているパーティーの姿が見えたと思ったら、すぐに移動しているけど今晩は何か突発のイベントでも起きているのかな?」
「いいえ、特にそんな告知は出ていなかった筈ですよイセア。ツインレイクに来た直後は、ここらも大勢賑わっていたのにどうやら次の目的地を目指して進んでいる様ですね」
「そうだな~お陰で2人だけで狩れるから横殴りの心配もしないで済むし、俺達にとっては良い事かもな」
「ええ、そうですね」
イセアとシズルには良い事だが、他のプレイヤーにとっては歩く天災すら凌ぐ神災にしか今の2人は見られていない。しかも、困った事にそれが起きる時が他のプレイヤーを助ける為に助太刀に来た際に発生するから性質が悪い。『飛び立てない恋人達』と皮肉を込められて言われていた2人は何時の間にか『神災ペア』と呼ばれる様になっていた・・・。そもそもの事の発端は2人がツインレイクを目指して始まりの村を後にした直後に発生していた。
ツインレイクの町は始まりの村から南に進んだ先にある町で、名前の通り近くには2つの湖が在り小高い丘の上にある町から見下ろす湖の景色は格別だ。そんなツインレイクの町は始まりの村から歩いて大体1日の距離に在り、道中で1泊野宿を挟む事になる。2人が最初に神災の兆しを示したのは夜が明けて町と村の中間付近に位置する小川を越えた頃だった。
小川はツインレイクの湖に繋がっており、始まりの村のエリアとツインレイクのエリアを分ける存在にもなっていた。小川を挟んで村側には初級モンスターのラビットが生息しているが、小川を越えた直後から同じ初級モンスターに分類されているがラビットよりも若干手強いブラウンフォックスの縄張りとなる。
2人が現実世界での明日の予定を話しながら、小川に架かる橋を越えていると少し先で1人のプレイヤーがブラウンフォックスに追いかけられていた。2人は出会った時を思い出したのか、折角だから助けてあげようとするが距離的に弓やフレイムボールは届かなかった。このプレイヤーにとってあとほんの数mだけイセア達に近ければ最初の被害者にならずに済んだかもしれない。
「この距離だとギリギリだけど、ブラウンフォックスまで弓が届かないや」
「わたしのフレイムボールもそうですね、残念ですが届きません」
「この際だ、折角貰ったスキルを使わせて貰おう。あのプレイヤーをターゲットにして・・・【神の悪戯】!!」
唱えた瞬間、そのプレイヤーの足元にバナナの皮が現れ足を滑らせて地面を転がった。
「あれ?あそこにバナナの皮なんて有ったっけ?見たところ、何も起きてないし変だなあ?」
「でしたら、今度は私がやってみます。魔法からの保護対象を全プレイヤーに設定したら、ターゲットはあそこのブラウンフォックスを選んで・・・【ギャンブルメテオ】!!」
シズルが唱えると、空からバスケットボール位の大きさの火球が降ってきた!そして、その火球はプレイヤーのすぐ近くまで迫っていたブラウンフォックスに直撃して無事倒す事が出来たが、無事で済まなかったのはプレイヤーの方で魔法からの保護対象になってはいるがすぐ近くに隕石が降った為にその衝撃波で20mほど吹き飛ばされて気絶してしまった・・・。
「う、うわあああああああ!!?」
突然現れたバナナの皮を踏んで転んだり、隕石の衝撃波で吹き飛ばされたりと散々な目に遭ったプレイヤーではあるが、意識が戻ると心配そうに介抱してくれている2人に文句を言う事が出来なかった。偶々、自分の運が悪かっただけなのだとそう思い感謝の言葉を述べてその場を後にする。この時に一言でも注意しておけば、2人は神災と呼ばれずに済んだのかもしれないが遅かれ早かれだったに違いない。
「シズル、他のプレイヤーを助ける為に助太刀して感謝の言葉を言われるのって気持ちが良いものだな」
「そうですね。とても心が温かくてわたしも凄く気分が良いです」
2人はこの事がきっかけで、モンスターから追われているプレイヤーやパーティーを見かける度に助太刀に入る様になり着々と犠牲者を増やしていった・・・。
イセアが【神の悪戯】を使うと何故か頭上から大きなタライが落ちてきたり、パーティーメンバーの1人が急にクシャミをして空から大量のピンポン玉が降ってくる。中には顔面にパイが飛んできて顔がクリーム塗れになる者も居た。
シズルの【ギャンブルメテオ】は基本その衝撃波でプレイヤーが吹き飛ばされる被害だけなのだが、神災の異名を決定付けたのもまたこの【ギャンブルメテオ】だった。
ある日、2人はいつも通りツインレイクの周りのブラウンフォックスを狩る為に町から出た。すると、1組の4人パーティーがツインレイクのエリアのボスであるブラウンフォックスリーダーに戦いを挑んでいた。ブラウンフォックスリーダーの強さはブラウンフォックスの1回り上くらいなので単体ならば問題が無いのだが、取り巻きとしてブラウンフォックスが4匹ほど追従している為に同時に5匹と戦う事になる。そして、リーダーは取り巻き達に後方に居る回復役や間接攻撃役を襲わせて連携を乱れさせ、返り討ちにしようとするのである。そして、このパーティーは回復が追いつかず徐々に傷つき倒されようとしていた。なので、イセアとシズルは当然の如く助太刀に入る事にした。
この日の2人の運は最高だった、ただし、この日ログインしていた他の全プレイヤーは間違い無く最悪な展開を見る事になる・・・。
「大丈夫ですか!? 助太刀します!」
『本当か!?済まない、助かった!』
「お礼は後で!【神の悪戯】!!」
『『『『え~!?』』』』
4人の目の前に現れたのは、1週間ほど前に運営から実装が告知されたこのゲームで最初のレイドボスになる予定のモンスター【クリスタルフォックス(水晶狐)】だった!運営側もまだ実装前にも関わらずプレイヤーのスキルで召喚されるとは思ってもいなくて、アラーム音と共に水晶狐がフィールドに現れた事を知ると大騒ぎになった。何よりも驚いていたのは、最近PKや掲示板での晒しが無くなって、のんびりとコーヒーを飲みながら優雅にPCの画面を眺めていたジャッジだった。
(何してくれちゃってるの、イセアさん!?フィールドボスの召喚って1万回に1度の低確率の筈なのに!?)
急遽フィールドに現れたレイドボスを、そのまま消す事は出来ないし勿体無いので運営は突発イベントとして利用する事を思い付き実行するが、その事で運営はサーバーの超える負荷を掛けられる結果を招いてしまった。
(フリーファンタジーオンラインをプレイして戴き真に有難うございます。運営スタッフより、全プレイヤーの皆様にお知らせ致します。ただいま、ツインレイクのエリアにおきまして先日実装を告知しておりましたレイドボスとなる予定のモンスター【クリスタルフォックス(水晶狐)】が召喚されるアクシデントが発生しました!)
(そこで、突発イベントと致しまして【水晶狐討伐祭】を開催致します!この水晶狐に少しでもダメージを与えたパーティーには討伐後メンバー全員に【スキル獲得くじ】をプレゼント致します。新たな力を更に手に入れるチャンスです!ぜひ奮ってご参加ください、尚当然の事ですが水晶狐はこれまでのどのモンスターよりも強力です、死を恐れない勇気を持って挑んでください)
(また、水晶狐をツインレイクの町の中に連れ込むMPK行為もなさらない様にお願いします。全てのプレイヤーが楽しめる様、皆様のご理解とご協力よろしくお願いいたします。 運営スタッフ一同)
この時、最初の4人パーティーは呆気無く全滅していた。後日、この4人には突発イベントに巻き込まれたお詫びとして【スキル獲得くじ】が2つずつ配布された。
運営からのインフォメーションで実装前のレイドボスと戦える事を知った最前線で戦っていたプレイヤー達が続々とこのツインレイクの地に戻ってくる。1つのエリアにプレイヤーが集中する事でサーバーに負荷が掛かるがこの時はまだかなりの余裕が有った。
トッププレイヤー達のパーティーによる水晶狐の攻撃が開始されると、他のパーティー達は間接攻撃でHPを削る支援を行う事にした。少しでもダメージを与えれば【スキル獲得くじ】が手に入るのだから当然だ。だが、幾ら攻撃しても水晶狐にダメージを与える事が出来ない!それどころかトッププレイヤーの前衛が押され始めて常時回復を掛けておかないとあっという間に倒されてしまう強さを水晶狐は持っていた。
そしてついに!運命の刻がやってきた・・・。
「イセア!このままだと前衛の方が危ないから私も攻撃に加わります!」
「シズル、気を付けろよ!」
「分かっております、いきますわよ【ギャンブルメテオ】!!」
この時、全プレイヤーの視界が一瞬だけではあったが真っ赤に染まった。そして、運営の管理室ではサーバーが過度の負荷が掛かる事を察知して水晶狐が召喚された以上のアラームを発生させていた。
『な、何事だコレは!?』
『室長、大変です。過度の負荷の原因が判明しました!!』
『いったい何が原因だったんだ!?』
『はい、それが【シズル】というプレイヤーが【ギャンブルメテオ】を唱えたのですが、これにより今から水晶狐に半島を地図から消し去る大きさの隕石が落下してきます』
ジャッジはこの報告を聞いて、飲んでいたコーヒーを噴いてしまう。
『ちょっと待て、そのクラスの大きさの隕石が落下したらどの程度の衝撃波が発生する計算なんだ!?』
『中央のセントラル連邦全体が衝撃波で全壊する計算です、全ての町や村の建物だけじゃなくNPCも吹き飛ばされる為にその被害計算が想定以上の為にサーバーが耐え切れなくなっているのです!?』
『今、サーバー内にログインしている全ユーザーに緊急通達を出してログアウトしてもらうんだ!!でないと、衝撃波で一瞬で粉々になってしまうぞ。水晶狐の討伐報酬は今ログインしている全ユーザーにして緊急メンテナンスのお詫びも兼ねさせろ!?』
(運営スタッフより、全プレイヤーの皆様に緊急のお知らせを致します!ただいまプレイヤー【シズル】様が使用したギャンブルメテオによりあと5分ほどで水晶狐に半島を消し去る大きさの隕石が落下してきます)
(中央のセントラル連邦全体が衝撃波で全壊する計算となるので、全プレイヤーの皆様には申し訳ありませんが至急ログアウトをお願いします。尚、セントラル連邦エリアの町や村及びNPCの再配置に数時間を要すると思いますので緊急メンテナンスも合わせて行います)
(突発イベントとして開催しておりました、【水晶狐討伐祭】は中止致します。また緊急メンテナンスのお詫びも兼ねて現時点でログインしております全プレイヤーに次回のメンテの際に【スキル獲得くじ】を1つずつお配り致します。この度はプレイヤーの皆様にはご迷惑をお掛け致しまして申し訳ありませんでした。 運営スタッフ一同)
この実装前のレイドボス召喚&エリア消滅のコンボを発生させた功績(?)により2人は【神災ペア】の異名を持つ事になった。そして運営の面々からはイセアは『想定外召喚師』シズルも『サーバークラッシャー』と呼ばれる様になり、2人と接点が有るジャッジがお仕置き担当から2人の専属監視担当に配置替えになるのであった・・・。
「まだ大丈夫そうだ、現れる前に急いでクエストを終了させて移動するぞ!!」
「リーダー、ツインレイク方面から男女の2人組を発見!し、神災ペアです!?」
「今晩も姿を現したか・・・よし、まだ距離が有る残り1匹倒してすぐに移動するぞ!」
「「お~!?」」
その頃、ツインレイク方面からのんびりとやってきた男女の2人組は神災ペアと呼ばれているとは知らず、こんな会話をしていた。
「なあ、シズル。この先で戦っているパーティーの姿が見えたと思ったら、すぐに移動しているけど今晩は何か突発のイベントでも起きているのかな?」
「いいえ、特にそんな告知は出ていなかった筈ですよイセア。ツインレイクに来た直後は、ここらも大勢賑わっていたのにどうやら次の目的地を目指して進んでいる様ですね」
「そうだな~お陰で2人だけで狩れるから横殴りの心配もしないで済むし、俺達にとっては良い事かもな」
「ええ、そうですね」
イセアとシズルには良い事だが、他のプレイヤーにとっては歩く天災すら凌ぐ神災にしか今の2人は見られていない。しかも、困った事にそれが起きる時が他のプレイヤーを助ける為に助太刀に来た際に発生するから性質が悪い。『飛び立てない恋人達』と皮肉を込められて言われていた2人は何時の間にか『神災ペア』と呼ばれる様になっていた・・・。そもそもの事の発端は2人がツインレイクを目指して始まりの村を後にした直後に発生していた。
ツインレイクの町は始まりの村から南に進んだ先にある町で、名前の通り近くには2つの湖が在り小高い丘の上にある町から見下ろす湖の景色は格別だ。そんなツインレイクの町は始まりの村から歩いて大体1日の距離に在り、道中で1泊野宿を挟む事になる。2人が最初に神災の兆しを示したのは夜が明けて町と村の中間付近に位置する小川を越えた頃だった。
小川はツインレイクの湖に繋がっており、始まりの村のエリアとツインレイクのエリアを分ける存在にもなっていた。小川を挟んで村側には初級モンスターのラビットが生息しているが、小川を越えた直後から同じ初級モンスターに分類されているがラビットよりも若干手強いブラウンフォックスの縄張りとなる。
2人が現実世界での明日の予定を話しながら、小川に架かる橋を越えていると少し先で1人のプレイヤーがブラウンフォックスに追いかけられていた。2人は出会った時を思い出したのか、折角だから助けてあげようとするが距離的に弓やフレイムボールは届かなかった。このプレイヤーにとってあとほんの数mだけイセア達に近ければ最初の被害者にならずに済んだかもしれない。
「この距離だとギリギリだけど、ブラウンフォックスまで弓が届かないや」
「わたしのフレイムボールもそうですね、残念ですが届きません」
「この際だ、折角貰ったスキルを使わせて貰おう。あのプレイヤーをターゲットにして・・・【神の悪戯】!!」
唱えた瞬間、そのプレイヤーの足元にバナナの皮が現れ足を滑らせて地面を転がった。
「あれ?あそこにバナナの皮なんて有ったっけ?見たところ、何も起きてないし変だなあ?」
「でしたら、今度は私がやってみます。魔法からの保護対象を全プレイヤーに設定したら、ターゲットはあそこのブラウンフォックスを選んで・・・【ギャンブルメテオ】!!」
シズルが唱えると、空からバスケットボール位の大きさの火球が降ってきた!そして、その火球はプレイヤーのすぐ近くまで迫っていたブラウンフォックスに直撃して無事倒す事が出来たが、無事で済まなかったのはプレイヤーの方で魔法からの保護対象になってはいるがすぐ近くに隕石が降った為にその衝撃波で20mほど吹き飛ばされて気絶してしまった・・・。
「う、うわあああああああ!!?」
突然現れたバナナの皮を踏んで転んだり、隕石の衝撃波で吹き飛ばされたりと散々な目に遭ったプレイヤーではあるが、意識が戻ると心配そうに介抱してくれている2人に文句を言う事が出来なかった。偶々、自分の運が悪かっただけなのだとそう思い感謝の言葉を述べてその場を後にする。この時に一言でも注意しておけば、2人は神災と呼ばれずに済んだのかもしれないが遅かれ早かれだったに違いない。
「シズル、他のプレイヤーを助ける為に助太刀して感謝の言葉を言われるのって気持ちが良いものだな」
「そうですね。とても心が温かくてわたしも凄く気分が良いです」
2人はこの事がきっかけで、モンスターから追われているプレイヤーやパーティーを見かける度に助太刀に入る様になり着々と犠牲者を増やしていった・・・。
イセアが【神の悪戯】を使うと何故か頭上から大きなタライが落ちてきたり、パーティーメンバーの1人が急にクシャミをして空から大量のピンポン玉が降ってくる。中には顔面にパイが飛んできて顔がクリーム塗れになる者も居た。
シズルの【ギャンブルメテオ】は基本その衝撃波でプレイヤーが吹き飛ばされる被害だけなのだが、神災の異名を決定付けたのもまたこの【ギャンブルメテオ】だった。
ある日、2人はいつも通りツインレイクの周りのブラウンフォックスを狩る為に町から出た。すると、1組の4人パーティーがツインレイクのエリアのボスであるブラウンフォックスリーダーに戦いを挑んでいた。ブラウンフォックスリーダーの強さはブラウンフォックスの1回り上くらいなので単体ならば問題が無いのだが、取り巻きとしてブラウンフォックスが4匹ほど追従している為に同時に5匹と戦う事になる。そして、リーダーは取り巻き達に後方に居る回復役や間接攻撃役を襲わせて連携を乱れさせ、返り討ちにしようとするのである。そして、このパーティーは回復が追いつかず徐々に傷つき倒されようとしていた。なので、イセアとシズルは当然の如く助太刀に入る事にした。
この日の2人の運は最高だった、ただし、この日ログインしていた他の全プレイヤーは間違い無く最悪な展開を見る事になる・・・。
「大丈夫ですか!? 助太刀します!」
『本当か!?済まない、助かった!』
「お礼は後で!【神の悪戯】!!」
『『『『え~!?』』』』
4人の目の前に現れたのは、1週間ほど前に運営から実装が告知されたこのゲームで最初のレイドボスになる予定のモンスター【クリスタルフォックス(水晶狐)】だった!運営側もまだ実装前にも関わらずプレイヤーのスキルで召喚されるとは思ってもいなくて、アラーム音と共に水晶狐がフィールドに現れた事を知ると大騒ぎになった。何よりも驚いていたのは、最近PKや掲示板での晒しが無くなって、のんびりとコーヒーを飲みながら優雅にPCの画面を眺めていたジャッジだった。
(何してくれちゃってるの、イセアさん!?フィールドボスの召喚って1万回に1度の低確率の筈なのに!?)
急遽フィールドに現れたレイドボスを、そのまま消す事は出来ないし勿体無いので運営は突発イベントとして利用する事を思い付き実行するが、その事で運営はサーバーの超える負荷を掛けられる結果を招いてしまった。
(フリーファンタジーオンラインをプレイして戴き真に有難うございます。運営スタッフより、全プレイヤーの皆様にお知らせ致します。ただいま、ツインレイクのエリアにおきまして先日実装を告知しておりましたレイドボスとなる予定のモンスター【クリスタルフォックス(水晶狐)】が召喚されるアクシデントが発生しました!)
(そこで、突発イベントと致しまして【水晶狐討伐祭】を開催致します!この水晶狐に少しでもダメージを与えたパーティーには討伐後メンバー全員に【スキル獲得くじ】をプレゼント致します。新たな力を更に手に入れるチャンスです!ぜひ奮ってご参加ください、尚当然の事ですが水晶狐はこれまでのどのモンスターよりも強力です、死を恐れない勇気を持って挑んでください)
(また、水晶狐をツインレイクの町の中に連れ込むMPK行為もなさらない様にお願いします。全てのプレイヤーが楽しめる様、皆様のご理解とご協力よろしくお願いいたします。 運営スタッフ一同)
この時、最初の4人パーティーは呆気無く全滅していた。後日、この4人には突発イベントに巻き込まれたお詫びとして【スキル獲得くじ】が2つずつ配布された。
運営からのインフォメーションで実装前のレイドボスと戦える事を知った最前線で戦っていたプレイヤー達が続々とこのツインレイクの地に戻ってくる。1つのエリアにプレイヤーが集中する事でサーバーに負荷が掛かるがこの時はまだかなりの余裕が有った。
トッププレイヤー達のパーティーによる水晶狐の攻撃が開始されると、他のパーティー達は間接攻撃でHPを削る支援を行う事にした。少しでもダメージを与えれば【スキル獲得くじ】が手に入るのだから当然だ。だが、幾ら攻撃しても水晶狐にダメージを与える事が出来ない!それどころかトッププレイヤーの前衛が押され始めて常時回復を掛けておかないとあっという間に倒されてしまう強さを水晶狐は持っていた。
そしてついに!運命の刻がやってきた・・・。
「イセア!このままだと前衛の方が危ないから私も攻撃に加わります!」
「シズル、気を付けろよ!」
「分かっております、いきますわよ【ギャンブルメテオ】!!」
この時、全プレイヤーの視界が一瞬だけではあったが真っ赤に染まった。そして、運営の管理室ではサーバーが過度の負荷が掛かる事を察知して水晶狐が召喚された以上のアラームを発生させていた。
『な、何事だコレは!?』
『室長、大変です。過度の負荷の原因が判明しました!!』
『いったい何が原因だったんだ!?』
『はい、それが【シズル】というプレイヤーが【ギャンブルメテオ】を唱えたのですが、これにより今から水晶狐に半島を地図から消し去る大きさの隕石が落下してきます』
ジャッジはこの報告を聞いて、飲んでいたコーヒーを噴いてしまう。
『ちょっと待て、そのクラスの大きさの隕石が落下したらどの程度の衝撃波が発生する計算なんだ!?』
『中央のセントラル連邦全体が衝撃波で全壊する計算です、全ての町や村の建物だけじゃなくNPCも吹き飛ばされる為にその被害計算が想定以上の為にサーバーが耐え切れなくなっているのです!?』
『今、サーバー内にログインしている全ユーザーに緊急通達を出してログアウトしてもらうんだ!!でないと、衝撃波で一瞬で粉々になってしまうぞ。水晶狐の討伐報酬は今ログインしている全ユーザーにして緊急メンテナンスのお詫びも兼ねさせろ!?』
(運営スタッフより、全プレイヤーの皆様に緊急のお知らせを致します!ただいまプレイヤー【シズル】様が使用したギャンブルメテオによりあと5分ほどで水晶狐に半島を消し去る大きさの隕石が落下してきます)
(中央のセントラル連邦全体が衝撃波で全壊する計算となるので、全プレイヤーの皆様には申し訳ありませんが至急ログアウトをお願いします。尚、セントラル連邦エリアの町や村及びNPCの再配置に数時間を要すると思いますので緊急メンテナンスも合わせて行います)
(突発イベントとして開催しておりました、【水晶狐討伐祭】は中止致します。また緊急メンテナンスのお詫びも兼ねて現時点でログインしております全プレイヤーに次回のメンテの際に【スキル獲得くじ】を1つずつお配り致します。この度はプレイヤーの皆様にはご迷惑をお掛け致しまして申し訳ありませんでした。 運営スタッフ一同)
この実装前のレイドボス召喚&エリア消滅のコンボを発生させた功績(?)により2人は【神災ペア】の異名を持つ事になった。そして運営の面々からはイセアは『想定外召喚師』シズルも『サーバークラッシャー』と呼ばれる様になり、2人と接点が有るジャッジがお仕置き担当から2人の専属監視担当に配置替えになるのであった・・・。
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