異世界に飛ばされた警備員は持ってた装備で無双する。

いけお

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第6話 初めてランクを飛び級させる男

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翌朝も、俺はフォレットちゃんに起こされて朝食を取る事になった。2人に対する気安さからかついつい2度寝しそうになっているのは内緒だが。

「それじゃあ、これからギルド行ってきてから少しまた狩りに行きますので帰りはまた夕方頃になると思います」

「いってらっしゃいませ、くれぐれも目立つ行動はなさいません様に」

「お兄ちゃん、いってらっしゃ~い♪」

あれ!? フォルネーゼさんの挨拶が変わった。やはり、やり過ぎていたか。

気を取り直して、俺はギルドの扉を開いて受付けのお姉さんの前に向かった。今日は何人かの冒険者の人達が居て新人冒険者の俺を見下した様な目で見ている。

「おはようございます、本日はどの様なご用件でしょうか?」

「はい、今日は冒険者ランクの昇格の手続きに来ました」

「おいおい、坊主!新人の様だがまだオムツを脱ぐには早すぎないか!?」

どうやら、実績が足りない状態で手続きに来ていると思っている様だ。

「先日1人でオーク70匹以上倒されておりましたがそれ以上の実績を上げられたのですか!?」

受付けのお姉さんの声を聞いて、それまで俺を小馬鹿にした態度を取っていた連中がざわつきだした。

「とりあえずは、これを見てもらえば分かるよ」

そう言いながら、俺はカードを差し出す。

「それでは、拝見致しますね・・・ちょっと待って下さい!?オークロードを1人で20体も半日で倒したというのですか!?」

「だから、実績で残っているでしょ。これなら文句は無いですよね?」

「オークロードを1人で倒したって、一体誰に手伝って貰ったんだ!?新人ごときに出来る事じゃねえぞ!」

「いちいち、うるさいな。そんなに新人の俺に活躍されたのが悔しいなら自分達もソロで倒してくればいいじゃないか!?」

「それが出来れば苦労なんてしないわ!ソロでしかも無傷で倒す芸当が出来るのはDの上位かCランク以上の実力が無いと無理だ!?」

「なら、俺がそれ位が適正ランクだから昇格するのが相応しいと思わないか?」

「自惚れるんじゃねえぞ、小僧!俺達に喧嘩売ってるのか!?」

「まず初めに売ってきているのはあなた達じゃないですか?そちらの方こそオムツを上手く履き替える事も出来ないみたいですね」

「き、貴様・・・!?」

「やめろ、そこまでだ!」

建物の奥からよく通る声がしたと思ったら、1人の男がゆっくりと姿を現した。

(この人は、間違い無く強い!)

俺に喧嘩を売ってくる様な小者なんかじゃない、数多くの修羅場を潜り抜けてきた兵の気配を周囲に振りまいている。

「お前らもな、新人相手に大きな態度を取って自尊心を満たそうとするならな、とっとと実績を上げて来い!ゴブリンばかりでしか実績を集めようとしないから、後続に次々と抜かれていくんだ!?」

「は、はい!!」

俺に喧嘩を売ろうとしてた連中は大慌てでギルドから出て行った。

「済まない、気分を悪くさせてしまったな。代わりに俺が謝る。許してくれ」

初対面の俺に対していきなり頭を下げてきた、普通の器じゃ出来ない事だ。

「そこまでしないでいいですよ、元々はさっきの連中の嫉妬みたいな物だから」

「そう言ってもらえると助かる。俺は、この町の冒険者ギルドマスターをしているバルドだ。よろしくな」

「俺は交 誘二と言います、昨日冒険者になったばかりで色々とやってしまった様で申し訳ありません」

「なあに、気にする事じゃない。むしろ、期待の新人の登場はギルドの者にとっても嬉しい事だからな!」

そして、バルドは俺をギルドの応接間まで案内してくれた。

「実はオークの肉よりも美味い事を知って仔狐亭の2人にもお土産にしようと思い少し狩り過ぎてしまいました」

「おまえは今、仔狐亭に宿泊しているのか?」

「はい、あの姉妹にも良くして頂いているのでこのまま定宿にしようか迷っているところです」

「出来るならそうしてやってくれ、あの姉妹は両親を早くに亡くしてずっと2人であの宿を守ってきているからな」

「今まで両親の姿が見えなかったので多分そうだろうとは思ってましたが自分から聞くよりも2人の方から話して貰う方が良いと思い、その話題は避けてきました」

「2人の両親はな、フォレットがまだ幼い頃に高熱で苦しんでいたフォレットの為に解熱の薬草を採りに町の外へ出た所を通りがかった貴族のボンボンにな狐狩りと称して追われて殺されてしまったんだよ」

「ちょっと待って下さい!そんな事が許されるのですか!?」

「許される訳が無えだろ!だがな、ボンボンの親父が至る所に金をばら撒いて事件を無かった事にしてしまったんだ・・・」

「あの2人には慰謝料とか支払われなかったんですか?」

「狐と間違われる格好で出歩く方が悪いとされて、ボンボン共は一銭も出そうとはしなかった」

「そんなのがまかり通るのかよ!?」

「だから俺が金を受け取った連中全員からその金を回収してあの宿を建てさせ2人はこうして生活が出来ている。あの宿が無くなれば2人は住む所を失うんだ」

「分かりました、フォレットちゃんが大きくなるまで生活に困らないだけの稼ぎを自分が作ります」

「下手な同情は、余計あの2人を傷付けるだけだ止めておけ」

「同情じゃない、俺はあの2人を家族の様に思えてきていたんだ。あの2人の笑顔を守る為の偽善と思われても構わない。俺は自分がしたい事をさせてもらう」

「なら、お前でも手に負えない場合もきっとやってくる。その時が来たら俺にも声を掛けてくれ」

「分かった、そうさせてもらうよ」

「長話させちまった様で済まなかった、もう1度カードを見せて貰えるか?」

俺はバルドにカードを手渡した。

「なるほどな、シルフィが大きな声を上げる訳だ。誘二、お前は今日からDランクに昇格だ」

「Eランクじゃないのか?」

「馬鹿を言え!?オークロード20匹を半日で倒す奴なんて、Cランクと言っても十分通用するぞ!」

「それでは、何故Dランクなのですか?」

「それは、Cランクまで飛び級させちまうとおそらくBランク以上の奴が世の中が広い事を教えに来ちまうからだ」

「なるほど、ご配慮して頂き有難うございます」

バルドがカードの上に手をかざすとそれまでランクがFと表示されていた物がDに表示が変わっていった。

「これで終わりだ、ギルド内では色々と依頼も出ているから受付けで聞いてみるといい。あの2人の姉妹の事、俺からもよろしく頼む」

「任せて下さい!そのボンボンがもしも来たとしても俺が守って見せますから!」

後日、本当にそのボンボンが仔狐亭にやってきて俺と前代未聞の騒動を起こす事をこの町の住人は未だ知る由も無かった。
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