異世界に飛ばされた警備員は持ってた装備で無双する。

いけお

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第7話 少し遠出をしてみた男

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昼前にギルドを出る事が出来たから今日は少し遠出をしてみるか。俺は町の反対側から出ると、昨日よりも遠くに行く為走り出した。靴の移動速度UPはこういう時に便利だ。

走り出す事およそ10分、小高い丘を抜けると下った先に森が広がっていた。

「今日は、この森の中で狩りをしてみるか」

この日は自分自身の訓練の意味も兼ねて、モールの索敵をOFFにしてみる事にした。警備の仕事でもハイブリット車がモーターだけで走っている時は音がほとんど聞こえないから常に耳を澄ましていないとならなかった。モールに頼り切りは今後悪影響を及ぼすかもしれないから、あの時の感覚を思い出す意味でも周囲の音には注意していこう。

森に入ってみると、中は思った以上に茂みが多い。初日に遭遇したウルフの様な奴が急に現れるかもしれない周囲の茂みから聞こえてくる音に注意していると先の方からガサガサと音が近づいて来た!

ベア LV10 HP50/50

昨日のオークロードに比べるとHPも低いし薄い青色だ。もしかしたら寝ている間にその日に狩った分の経験値が反映されているのかもしれない。経験値はその場で反映されずに寝ている間に反映される。それを実証するには黄色以上のモンスターを狩れるだけ狩る必要が有るかもしれない。

まずは、長い誘導灯を取り出して点灯モードにする。昨日はオークロードの動きの方が早かったが今日はどうだろうか!?昨日よりも身体が軽くて早く動けている、気が付けばベアが腕を振り下ろす前に俺の誘導灯がベアを斬っていた。

【誘二は10の経験と14G、ベアの肉とベアの皮を手に入れた】

ベアの肉 ベアを倒すと比較的よく落ちる、オークの肉ほど美味くは無いが保存に適している。

ベアの皮 ベアを倒すとよく落ちる、防具や防寒具の材料となる。

(ベアは青色になってもドロップ率はそれほど低下しない様だ、アイテムボックスが有る俺には関係無いが持ってない人にとっては保存に適した肉は貴重だろう)

そんな事を考えていると、周囲の茂みから複数の音が聞こえてきた。どうやらベアの血の臭いに引かれた様だ。俺は誘導灯を構えたままいつ出てきても良い様に警戒する。そして、先程のベアよりも更に二回り近く大きなベアがその姿を現した!

ワイルドベア LV15 HP80/80

運良く黄色のモンスターが向こうから現れてくれた、ここで狩り続けていれば血の臭いに引き寄せられて思った以上に狩れるかもしれない。そんな皮算用は次の瞬間に消え去る事になった。

ズシーン!ズシーン! 突如、森の奥の方から巨大な足音が鳴り響いた。すると、何故かワイルドベアは慌てた様に逃げ出す。何が起こっているんだ!?

『緊急!緊急! ネームドモンスターが接近しています、急いで逃げてください。危険です!繰り返します!・・・』

突如、OFFにしていた筈のモールから音声が流れ始める。だが、俺は近付いてくる巨大な殺気に飲まれて動けない。そして、目の前にネームドモンスターがその姿を見せた。

【狂った爪】ワイルドベアキング・ドルグ LV25 HP200/200

見たくも無かった・・・濃い紅色の表示。無理だ俺はここで殺されてしまうのか。ドルグはゆっくりと俺に近づいてくるが俺は恐怖で身動きすら出来ない。正面までドルグは近づくと右腕を振り上げ静かにその死神の鎌を振り下ろした。俺は思わず目を瞑る!

(フォレットちゃんフォルネーゼさんごめん。俺が調子付いてたから罰が当たった様だ、帰る事が出来なくて本当にごめん)

しかし、いつまで経ってもドルグのその爪が触れる感触がしない。もしかして瞬時に殺されて痛みを感じなかったのか!?おそるおそる目を開けてみるとそこには、目の前20cmほどの距離で何か空気の壁で防がれている様な姿で、ドルグの腕が止まっていた。

「もしかして、これが制服上下の耐近接の減衰率100%の効果!?」

ドルグは攻撃が防がれている事に怒りを露にして、何度も両腕を振り下ろすが全く当たらない。そればかりか、何回かに1度は反射ベストによって攻撃を反射され腕にダメージを受けている。

【狂った爪】ワイルドベアキング・ドルグ LV25 HP174/200

「ははは・・・ピートには本当に感謝しないといけないなお陰で今日も無事に2人の下へ帰る事が出来そうだ!」

俺はドルグからの殺気から立ち直る事がようやく出来たそして右手に長い誘導灯、左手には短い誘導灯を持つと点灯モードに切り替えドルグに向かい言い放つ。

「俺もお前と遭遇して運が悪かったが、お前も運が悪かった。何故ならそれは俺に与えられた装備がチートだったんだからな!?」

俺は勢い良く駆け出すと長い誘導灯を振り下ろし、ドルグはそれを左腕で受け止めようとする。しかし俺の誘導灯は防御無視の近接攻撃だ、ドルグの左腕はあっけなく斬り落とされドルグは叫び声を上げた!

「グォオオオオオオ!!」

続いて返す刀で短い誘導灯でドルグの右腕を斬ろうとしたが、とっさに右腕をずらし避けられたがお陰で正面に隙を作る事が出来た。この隙を逃す訳にいかない!俺は右手に持つ誘導灯に力を込めるとドルグの頭上から全力で振り降ろす!

「これで終わりだあ!」

ドルグはネームドの名に相応しく瞬時に右腕を頭上に持っていき、腕と引き換えに命を守ろうとするが既に手遅れだった。右腕は包丁で豆腐を斬った様にストンと斬られるとそのままその刃がドルグの頭から胴体の中ほどまで深々と喰い込んでいく。

「ゴガアアアアア!!」

ズシーン!! 最後の咆哮を上げながらドルグは地面に倒れ動かなくなった。

【誘二は100の経験値と200G、ドルグの勲章を手に入れた】

ドルグの勲章 ドルグを倒した者だけにしか手に入らない勲章・ベア系のアイテムドロップ率向上

「はあはあ! 何とか無事に倒せたけど、死ぬかと思ったよ」

今日は予想以上の敵に遭遇してしまったから、早めに帰る事にしよう。そう思い森から出ると、突如空の上から透き通る様な声が響き渡った。

『周辺エリアの町や村の住人達へ緊急連絡をお伝えします先程狂爪の森の主ドルグが【交 誘二】の手により討ち取られました。尚、単独での討伐は今回が初です』

あっちゃ~!仔狐亭に戻ったらまたフォルネーゼさんに怒られそうだ。俺は逃げる様に森から立ち去ると町に向かい走り出したのだった。
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