異世界に飛ばされた警備員は持ってた装備で無双する。

いけお

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第8話 目を付けられた男

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町に戻ってみると至る所で町の人がドルグを倒した俺の話をしていた。

「おい! ドルグを1人で倒した奴が現れたって本当か!?」

「ああ、しかもギルドの受付けの娘の話だと冒険者の登録をした時に既にオークを70匹以上狩っていたそうだ」

「翌日には、半日でオークロードも20匹倒してたって話も聞いたぜ!?」

「何にせよ、これでしばらくの間あの森でドルグに遭っちまう不運は避けられそうで良かったじゃないか」

俺は小走りに仔狐亭に戻ると、フォレットちゃんとフォルネーセさんの2人が俺を待っていてくれた。

「フォレットちゃん、フォルネーゼさんただいま戻りました~!」

「おかえり、お兄ちゃん♪ ねえねえ!ドルグってモンスターは結構強かった?」

フォレットちゃんはドルグがオークロードと同じ位の強さだと勘違いしている様で愛らしい笑顔で聞いてくる。だがフォルネーゼさんは顔を伏せたまま一言も話そうとしない。

「ごめん、フォルネーゼさん。心配させちゃったかな?」

そう言うと、フォルネーゼさんは涙を浮かべた顔で俺を見ると勢い良く抱きついてきた。

「心配させちゃったかな、じゃありません!ドルグに挑むなんてどれだけ危険な事をしたのか分かりますか!?わたし達を不安にさせる様な事は2度としないと約束してください!」

俺はフォルネーゼさんの背に手を回すと素直に謝った。

「ごめん、少し遠出をしてみようと思ってあの森に入ってみたらベアの血の臭いに誘われてドルグが来てしまったんだ。次からは行き先にどんなモンスターが出るか調べてから出る様にする。今日は本当にごめんね」

「それなら、今日は許してあげます」

フォルネーゼさんが、涙を拭いながら俺に微笑んでくれた。2人の間に甘い空気が漂いそうになるがフォレットちゃんが現実に戻してくれた。

「もしかして、お兄ちゃんとお姉ちゃんってラブラブ?」

「な、何を急に!?」

「フォレット! いきなり何て事を言い出すのよ!? ね、ねえ誘二さん?」

「そうだよフォレットちゃん。他人に言うと2人の仲を誤解されちゃうだろ?」

「じゃあ、どんな仲なの?」

「「そ、それは・・・!?」」

「フォレットだけの秘密にしておいてあげるね♪」

「こ、こらフォレット!?」

俺とフォルネーゼさんは顔を赤くしながら食堂に向かいこの日も3人で楽しい夕食の時間を過ごす事が出来た。

翌日、俺は何故か今日に限ってフォレットちゃんに起こしてもらう前に目覚めた。そうして、いつも通り3人で朝食を食べているといきなり仔狐亭の扉を1人の男が勢い良く開けて入ってきた。

「おい、ここに交 誘二ってのがいる筈だ!今すぐ出せ!!」

「はい、確かに当宿にご宿泊されておりますがどの様なご用件でしょうか?」

「狐女の分際で俺にごちゃごちゃ言うんじゃねえ!」

「きゃあ!」

フォルネーゼさんは男にいきなり平手打ちされると、そのまま壁にぶつかり意識を失った。

「フォルネーゼさん、大丈夫ですか!?」

俺はフォルネーゼさんに近寄り状態を確認すると、血は出ておらず壁にぶつかった衝撃で気絶しただけの様で一安心した。

「お前が交 誘二か?」

「ああ、そうだ。そういうお前こそ何者だ!?」

「何だその口の利き方は!?Dランクの分際でBランクの俺様に対する口の利き方がなっちゃいねえぞ!」

「ええ俺はDランクなものでBランクのあなた様の様に他人を見下したりする狭い了見を持っておりませんから」

「て、てめえ!どうやら今すぐ殺されたい様だな・・・!?」

「フォレットちゃん、フォルネーゼさんを寝室まで連れていって寝かせておいで。くれぐれも外に出てきてはいけないよ」

「うん、わかった。お兄ちゃんも気を付けてね」

「大丈夫だよ、こいつはドルグよりも頭悪そうだから」

「上等だ!今すぐ表へ出ろ!!」

「望むところだ!無関係なフォルネーゼさんに対して貴様が行った仕打ち、許す訳にはいかない!!」

「たかが狐女1匹にどうしてそこまで熱くなれる?もしかして惚れたか!?」

「下衆の戯言は聞き飽きた、早く表へ出ろ。宿の中がお前の下品な臭いでくさくてたまらん」

自称Bランクの男と俺は店の前に出た、店の周りには男の大声が聞こえたのか多くの町の者が集まりだしている。

「そういえば、まだ自己紹介をしていなかったな。俺の名はドルム、これから貴様を血祭りに上げる名だよく覚えておけ!」

「なんだ、やっぱりお前ドルグの兄弟だったのか!兄貴のドルグの方がもっと迫力があって頭も良かったぞ」

周りで見ていた町の人の何人かがドルムを見て、鼻で笑っている。ドルムは顔を真っ赤にして背中に抱えていた斧を取り出すとそのまま俺に突っ込んできた。猪かこいつは。

「貴様はとっとと死ねばいいんだよ!!」

俺は敢えて避けず、斧を制服の効果で無効にする。ドルムは渾身の攻撃を当てる事が出来ず苛立ちを隠せなくなってきた。

「てめえ、卑怯だぞ!」

「だからお前はドルグよりも頭が悪いと言ったんだ、勝てる相手かどうか確かめずに来るなんてスライム以下だぞ」

俺はドルムに近づくとおもむろにドルムの右腕を安全靴で蹴った。そして安全靴の振動破壊の効果でドルムの右腕の骨は粉々に砕ける。

「ぎゃあああああ!」

続いて、俺はドルムの左腕の骨も粉々にした。

「これでお前は当分斧を持てなくなった。実績を稼ぐ事も出来ず降格の不安に怯えながら少しは反省するんだな」

「一体これはどういう騒ぎなんだ!!」

冒険者ギルドの方からバルドが走ってきた。

「バルド!このガキを今すぐ殺してくれ!?このガキ、俺の両腕の骨を粉々にしやがった!」

「何だと!? 誘二、それは本当なのか?」

「ああ、こいつはいきなり仔狐亭に入るとフォルネーゼさんに平手打ちをして気絶させたばかりか狐女と侮辱する発言をした。そして俺を殺そうと斧で攻撃してきたから返り討ちにしただけだ」

「おい、町の人達。この誘二の言っている事は本当か?」

町の人達は一斉に頷いた、それを見ていたドルムは

「てめえら、覚えていろよ・・・」

っと逆恨みの言葉を吐くが、それがバルドの中の一線を越えた。

「ドルムお前はこれまでBランクである事を盾にして色々と好き勝手やってきた。だが、今日のフォルネーゼや誘二に対する行いを鑑みてお前には罰を与える」

すると、一瞬バルドの手元が光ったと思うとドルムの右腕が肩から斬られていた。

「ぎゃああああああああああ!」

「お前は現時点を持って冒険者資格を剥奪!全支部に通達を出すから2度と冒険者になる事は出来ん!そして、今すぐこの町から出てゆけ!!」

「お前ら、この恨みは絶対に忘れないぞ。覚えておけ」

ドルムはふらふらと町の外に消えていった。

「そして誘二お前もドルムの両腕を粉々にしたのはやりすぎた、罰を与える」

「はい」

「今日から3日間、町から一歩も出るな!そしてフォルネーゼの看病をしている事。以上だ」

「え、それでいいんですか!?」

「お前がそれだけ怒ったんだ、大切になってきたんだろ?フォルネーゼの事が」

「え!?いや、その、これは!?」

「それと3日間の看病が終わったら支部に顔を出せ!お前はBランクに昇格だ!」

「1日でまた飛び級ですか!?」

「ソロでドルグを倒した挙句ドルムを返り討ちにする奴がDランクの訳無いだろ!お前にはパーティーでの戦い方とかも教えないとならなそうだから覚悟しろよ!」

俺はDランクに飛び級した次の日にBランクに更に飛び級するという冒険者ギルドで初めての偉業を成し遂げてしまったらしい。そして今日のこの出来事をきっかけに俺は町の人に受け入れられ溶け込める様になった。
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