異世界に飛ばされた警備員は持ってた装備で無双する。

いけお

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第9話 初めてペア狩りをしてみた男

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俺はバルドから言われた通りに、次の日から3日間を町から1歩も出ずに仔狐亭でフォルネーゼさんの看病をフォレットちゃんと2人でしていた。

「そこまで心配しなくても、2人とも大丈夫ですから!?」

「これもバルドから言われた俺に対する罰だから申し訳ないけど罪を償うのに協力して下さいねフォルネーゼさん」

「良かったじゃない、お姉ちゃん。お兄ちゃんを1人占めに出来るよ♪」

「「こら! フォレット!?」」

「失礼するよ~!バルドだが、誘二は居るか?」

「居ますよ、ここに。あなたが俺に与えた罰をしっかり守ってますよ」

「ほほ~それは結構、結構!」

「ところで、今日はどの様な用件ですか?」

「いやな、役所の方からお前とフォルネーゼの婚姻届を用意して待っているのに中々取りに来ないから直接届けに行った方が良いかギルドに相談が来たんだわ」

「「町の人達、気が早すぎますよ!?」」

そう、ドルムとの1件の翌日から俺とフォルネーゼさんは町の人達の間では本人達の非公認ながら恋人同士の関係と思われてしまった。

実際、こちらの世界に来てまだ1週間も経っていないのに何時の間にか町の人達に昔からこの町に住んでいたかの様な親しみをもって接してもらえている。

たしかにフォルネーゼさんの事は気になっているけど、俺みたいな奴には勿体無い女性だし何よりもこんな噂を立てられて迷惑しているのではないだろうか?

「それはそうと今日で俺がお前に与えた罰の3日目になるんだが、とりあえずお前のカードを出してくれないか?」

「ああ、いいよ」

俺がカードを渡すと、バルドはその場で俺の冒険者のランクをDからBに昇格する作業を行ってくれた。

「これって、明日俺が支部に出向いて行うんじゃなかったっけ?」

「ああ、その予定は悪いが変更だ!明日はお前は俺に少し付き合え!」

「それは構わないけど、何をするのかな?」

「たった数日でBランクまで駆け上がる新人の戦い方に俺自身興味が有る事ともう1つ、お前が下らない連中に利用されない様に俺の庇護下に在ると思わせる為だ」

「俺が利用される?」

「ああ、お前がドルムを返り討ちにした次の日からギルドにはお前をパーティーに勧誘したい連中が押し寄せてきて受け付けのシルフィも対応に苦慮している所だ」

「どうして、そんな事に!?」

「そりゃあ決まっているだろ楽に稼ぎたいからだ。お前みたいにイレギュラーだが1人でドルグを倒せる奴が居れば狩りの範囲がそれだけ広がり実績もついでに簡単に増やせるのなら誘わない手は無いだろう?」

「立っているだけで金になるって考えで来られるのなら即座に断らせて貰います」

「ああ、当然だ。1人だけに戦わせて甘い汁を吸おうって連中が大半だからな」

「そういう事でしたら、俺の戦い方を見て下さい。ただし参考には絶対にならないと思いますけどね」

「?」

「そういう訳で、明日はバルドさんと初めてだけどペア狩りに行ってきます。帰りは夕方位に何時も通り帰る様にしますから夕食よろしくお願いしますね」

「あまり無茶をさせないでくださいね、バルドさん・・・」

「心配するなって!お前の亭主には怪我させたりしないから」

「「だから、違うって言ってるでしょ!?」」

翌日、朝食を済ませると早速俺はバルドと共に町を出た。およそ30分程東の方角に進むと広い草原が広がっており、そこで牛が何頭も草を無心に食べていた。

「まずはお前の今の力量をみたいから、あれと戦ってもらえるか?」

「了解!」

ブル LV20 HP100/100

この間はLV15のワイルドベアが黄色だったのに、今日はLV20なのに青色に見える。ドルグを倒した際の経験値で自分のLVもかなり上がっていた様だ。

「それじゃあ、いきますね」

早速、長い誘導灯を取り出し点灯モードにして向かおうとしたらバルドに呼び止められた。

「ちょっと待ったスト~ップ!、お前のその武器は何だ!?」

「何だって言われても誘導灯の剣だけど?」

「誘導灯? 初めて聞く名の武器だな」

「2つのモードで切り替えが出来て、この点灯モードだと」

俺は素早くブルに近づくとあっさり斬り伏せた。

「こんな感じに近接物理防御無視でスパっと斬れます」

「・・・・・」

「次にこれを点滅モードにすると」

俺は少し離れたブルに向かい振るうと炎の玉が連続で出てブルを焼き尽くした。

「こんな感じに間接魔法攻撃が可能になりますけど、如何ですか?」

「お前、その武器でたらめ過ぎるだろ!?」

「もっとでたらめなのは、防具の方ですよ?」

「お、おい!?何をするつもりだ」

「いいから、見ててください」

俺は無造作に落ちている石ころを拾うと、近くに居たブルに投げつける。当然ブルは怒り狂いながら俺に突進してきた。

「誘二!あぶない、逃げろ!!」

「いいからいいから♪」

ブルは俺の手前で空気の壁に阻まれた様にして動きが止まる、ブルは尚も俺に角を突き刺そうと前に進もうとするが一向に前に進む事が出来ない。

「な、何だコレは!?」

「ね?でたらめな防具でしょ!?」

そう返事をしながら、俺は長い誘導灯でブルを斬って倒すとバルドの元へ戻った。

「この装備達のお陰でドルグを倒す事が出来たんです」

「なあ、誘二?1つ聞いていいか?」

「ええ、どうぞ」

「お前、パーティーの必要無くね?」

「かもしれませんね、近接・間接・魔法は無効化されますし状態異常も無効になります」

「・・・・・」

「あと1vs多数の場合も、こうすれば!」

俺は誘導灯を点滅の早いモードに切り替えて横に振ると炎の玉は扇状に大量に撃ち出され草原の広範囲が炎に包まれた。

「こんな感じに戦う事だって出来ちゃいます」

「お前は一体何者だ!?」

「周りには誰も居ない様だから話しちゃいますけど、PTT様はご存知ですか?」

「おお、知っているともこの世界に住む神の1人じゃないか」

「俺はそのPTTのペットに魂だけ、この世界に飛ばされてきてしまったんです」

「なんだって!?」

「だから自分でもステータスの確認は出来ないですし、本来の自分は攻撃を当てる事すら不可能でしょう」

「なるほど」

「そこでPTT様が自分の仕事道具にチート性能を付与してくれたから、こうして冒険者として生活が出来ている訳です」

「チート?」

「ああ、自分の元居た世界で非常識な無敵性能みたいな能力の事をチートとか升と呼んだりしています」

「意味を聞くと納得してしまうな」

「だから、昨日俺の戦い方が参考にならないと言ったんです」

「迂闊にパーティーなんかに入ってこの装備が大勢に知られると命を狙われる恐れも有るな」

「ええ、先日みたいにフォレットちゃんやフォルネーゼさんに迷惑を掛けたく無いのでパーティーの参加は基本お断りする方向でお願いします」

「分かった、俺達の方で上手くやっておく。それでお前は元の世界に戻る為の方法を探しているんだな?」

「ええ、白地にVの文字の入ったバッジがこの世界のどこかに落ちているのでそれを見つける事が出来れば元の世界に帰れると思います」

「そうなるとお前が居なくなればフォレットやフォルネーゼも悲しむだろうな」

「・・・・・」

「元の世界に帰るのも、この世界に残るのもお前の自由だ。探し物にも、陰ながら協力させてもらうから頼りにしてくれ」

「ありがとう」

この日は結局夕方近くまでこのチート装備の性能についてバルドから色々質問攻めに遭う事になった。まだ、実際に試していない警笛や3種類の旗もいずれはどこか見つからない場所で使ってみたいけど今後は出来る限り目立たない様に生活しないと幾つものトラブルに巻き込まれそうな予感がしていた。
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