異世界に飛ばされた警備員は持ってた装備で無双する。

いけお

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第10話 初めて他の冒険者を助けた男

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日が少し暮れた頃、俺とバルドさんは町に戻ってきた。仔狐亭に入ると何時も通りフォレットちゃんとフォルネーゼさんが出迎えてくれる。

「バルドさん、今日は一緒に夕食を食べていきませんか?」

「俺なんかも一緒でいいのか?」

「フォレットちゃんも、大勢で食べる方がいいよな?」

「うん! 賑やかな方が楽しい♪」

「すみません、バルドさん。私の方から誘二さんにお願いしていたんです」

「そりゃまた、どういう理由で?」

「ええ、私の為だったとはいえ誘二さんのした事への罰を穏便にして下さったお礼をさせて頂きたいと思いまして」

「誘二のした事は間違ってなかったと俺は思っている」

「え!?」

「お前たち姉妹の生い立ちを知っている者ならドルムの言動は耐え難い侮蔑の意味を持って2人の心を傷付けていただろうとな」

「もしかして・・・誘二さんに、お話になられたのですか!?」

「悪い、だが俺から見てこの誘二を信用しても良いと思えたからこそお前たちの事を話させてもらった」

「そうでしたか、声を荒げてしまいすいませんでした」

「謝る事じゃないさ、それにしてもお土産にオークロードの肉を持ち帰って夕食にプレゼントしようって発想が誘二らしいといえばらしいよな!」

「ええ、全く」

「ちょっとちょっと!バルドさんもフォルネーゼさんも茶化さないで下さいよ!」

「ハハハ、茶化すつもりは無かったんだが・・・しかしな誘二、お前の様に獣人を対等に見てくれる人は実際のところこの町の中でも半数居るかどうかだ」

「そんな!?」

「お前が来てから、この宿に泊まりに来た奴は居たか?それが答えだ」

「過半数の連中は人間以外の種族を侮蔑し見下している受付けのシルフィもな貴族の馬鹿な連中が見世物にする為に捕らえられそうになっていた所を俺が救いギルド内で匿っているのさ」

「そうでしたか・・・」

「ギルドを敵に回せば、貴族連中も傭兵をやる者や護衛になる者が居なくなるからあの建物の中に居る間は手が出せない」

「なるほど」

「だがいずれはシルフィも家に帰るべき時が来る、その時は協力して欲しい」

「ああ、その際は喜んで協力させてもらうよ!」

「頼んだぜ!史上最速で昇格したBランクさんよ!?」

「だから、それを茶化してるって言うんですよ!?」

その日の夕食は夜遅くまで、笑い声が絶えなかった。そして翌日、俺は朝食を取ると昨日バルドさんと行った草原の更に先に向かい走っていた。昨日は結局経験とGは落ちたがドロップは無かった、なので少しずつ狩りの範囲を広げる必要が有ったのだ。

草原を抜けるとやや荒れた土地が広がっており、そこ居るブル達は身体の色がより赤くなっていた。

レッドブル LV23 HP120/120

なんだか、翼を授けて貰えそうな名前のモンスターだが薄い青色で多少はドロップに期待が持てそうだ。俺は長い誘導灯を構えると、点灯モードでいつも通り狩りを始めようとしていた。すると、遠くの方から

「た、助けてくれ~!!」

っと男の叫び声が聞こえた。俺は声のした方へ急いで駆け出す、するとレッドブルが追いかけてきたから面倒臭いので点滅モードでレッドブルを駆除した。

少し走ると目の前で1人の軽装の鎧を着た男が1匹のブルに追いかけられていた。

ロングホーンレッドブル LV25 HP134/160

【冒険者】ライト LV22 HP51/100

よく見ると、周辺に計3人の冒険者達が負傷して倒れている。どうやらこのブルに挑んで返り討ちにされた様だ。見捨てるのも後悔しそうなので、俺は助けに入る事にした。

「おい!こいつを倒せば、全員回復するだけの余裕は有るか!?」

「あ、ああ!だが、あんたは一体・・・」

「そういう質問は、後で聞くよ!」

俺はロングホーンレッドブルの正面に立つと、角による突進を受け止めると点灯モードに切り替えておいた誘導灯を振り下ろし真っ二つにして倒した。

【誘二は10の経験と15G、ブルの肉を手に入れた】

ブルの肉 ブル系統を倒すとたまに落ちる、脂身の少ない肉だが噛めば噛むほど味が染み出てくる。

(あとで昼食代わりに食べてみるかな)

俺はそんな事を考えながら、助けた冒険者のライトに近づく。

「大丈夫か!?」

「あ、ああ大丈夫だ。 助けてくれて感謝する」

「お礼は後にして、まずは他の仲間を助けよう」

「そうだった!すまないな」

「気にするな、同じ冒険者の仲間だろ?」

「ボソッ・・・そんな事を言う奴なんて、初めてだ」

「ん!?何か言ったか?」

「いや、何でもない。早く皆を連れて一旦ここから離れよう」

それから、俺とライトは手分けをしながら負傷したライトの仲間を少し離れた場所まで運んできた。

【冒険者】ナタリー LV20 HP11/100

【冒険者】ドーガ LV23 HP27/100

【冒険者】レックス LV21 HP24/100

結構、重傷だ。無理にこれ以上運ぶと命に関わるかもしれない。俺は左肩に掛けてある無線機に手を伸ばすとPTTボタンを押しながらある人物と通話を始めた。

「こちら誘二、バルド聞こえますか? どうぞ」

「お、おい!? いきなり誘二の声が聞こえたがどうしたんだこれは!?」

「聞こえてる様だな良かった、すまないが昨日2人で狩りに行った更に先で冒険者3人が重傷を負って動かす事が出来ない。救援を送ってもらえないか?」

「負傷してる3人の名前は分かるか?」

「ナタリー・ドーガ・レックスの3人だ、あとライトってのも居るがこちらは俺が助けたから重傷には至らなかった」

「よし、分かった!今すぐ回復術師を連れてそちらに向かう!それまでその4人を守っていてもらってもいいか?」

「ああ、もちろんそのつもりだ。仲間を見捨てるつもりは無い」

「ボソッ・・・お前はやっぱり変わっているよ」

「何か言ったか?」

「いや、何でもない!早馬で1時間前後掛かると思うがそれまですまないが宜しく頼む!」

「わかった、任せておけ。それじゃあ、切るぞ」

俺はバルドとの通信を終えると3人の容態を心配そうに見るライトに声を掛けた。

「今、バルドと連絡を取った。1時間前後で救援が到着するそうだから安心しろ」

「あ、あんたは一体何者だ!?」

「お前達と同じ冒険者の仲間だよ」

「どうして助けてくれたんだ!?」

「どうしてって仲間が危なければ助けるのは当然だろう?」

「だが、俺達にはお前に払えるだけの謝礼なんて持ってないぞ」

「謝礼欲しくて助けた訳じゃないから! お前らが誰も死なずに済んだのが1番の謝礼だ」

「俺達みたいなのを救ってくれて、本当にすまなかった。感謝する!」

「そこまで大袈裟に言わなくてもいいから救援が来るまでお前も安静にしてな」

それから1時間後、バルドが早馬で連れの者も5人連れて救援にやってきた。

「これは確かにヒドい、おいナタリーから先に回復してやってくれ!」

「わかりました」

全身をローブで覆った連れの1人がナタリーさんに回復術を掛け始める杖の明かりでローブの奥で暗くて見えなかった顔が映し出された。それは

「シルフィさん!?」

バルドはこの緊急事態を重く受け止め、極秘にシルフィを連れて救援に駆けつけてくれたのだった。
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