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第28話 過ち
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「今日で5日目、まだ誘二の奴は戻って来ないのか!?」
「あ、バルドおじちゃんとシルフィお姉ちゃん・・・。うん、まだ帰って来ない。お姉ちゃんは寝室で横になってる」
誘二お義兄ちゃんが、わたし達のお家に帰って来なくなってから5日が経とうとしている。戻らなくなった最初の日は、まだお姉ちゃんも
「昨日、予定だとバルナードに着いている筈だから、聖光教会の総本部で大主教様と今後の事について打ち合わせでもしているのでしょう」
そう言って特に気にしていなかった。けれども次の日も、その次の日も、お義兄ちゃんはお家に帰って来なかった・・・。流石に心配になったお姉ちゃんは、バルドおじちゃん夫婦に相談したが要領を得なかった。
帰って来なくなって4日目、おじちゃん夫婦は不死の洞窟に居るシャーリィって人の所に話を聞きに出かけたけど、昼過ぎに2人は顔を蒼白にしながら仔狐亭に入ってきた。
「おい、フォルネーゼ! 教会に行ってみたが誰も居ねえ、無人だ! ちきしょ~! 一体何が起きているんだ!?」
それを聞くと、お姉ちゃんは全身から力が抜けた様にその場に倒れこんでしまい、寝室に運ばれ寝かされた。
そして翌日の5日目の今日も、お義兄ちゃんは帰って来ない。
「バルドおじちゃん・・・お義兄ちゃんは、お姉ちゃんやフォレットの事が嫌いになって帰って来なくなったの?」
「そんな事有る訳無いだろ!? あいつの帰る家はここしかない! もしかしたら呪いを解く方法が分かって、それを手に入れる為にダンジョンを攻略しているかもしれないぞ。 あいつは絶対にモンスターなんかにやられる様な奴じゃないから、きっと後数日もすれば何事も無かった様に顔を出して、『ごめんごめん、ダンジョンに入ったら町に戻れなくなっちゃってさ。心配掛けてゴメン』って言ってくるに決まってる!?」
バルドおじちゃんはそう言ってくれたけど、それから更に2週間お義兄ちゃんは家に帰って来なかった。
お義兄ちゃんが帰って来なくなってから、明日で3週間になろうとしていた日の昼頃、バルドおじちゃんが物凄い顔で仔狐亭に駆け込んで来た。
「フォルネーゼ、フォレット。 今すぐ広場に来い!?」
おじちゃんに押し出されるようにして、わたしとお姉ちゃんは広場に連れて来られた。広場では聖光教会の関係者らしい修道服を着た人が看板を立てているところだった。
「あれをよく見ろ!?」
バルドおじちゃんが指差す方を見ると看板に以下の様に書かれた紙が貼られていた。
【当聖光教会の修道女シャーリィは、次期総大主教として修行中の身でありながら試練の道を大きく外れ淫蕩に耽る行いをした。よって本日付をもって当教会を破門とする。また、共に行動し破門に至らしめた神の御使い交 誘二を当教会は異端者と認定する。 聖光教会総大主教シャンティ】
(嘘!? お義兄ちゃんが異端者だなんて!?)
わたしは、思わずその場に座り込んでしまった。お姉ちゃんの方を見ると、お姉ちゃんは涙を流しながら両手で口を塞ごうとしているが上手く出来ない。そして・・・
「誘二さん・・・これは嘘よ、きっと嘘なのよ。いや、いや、いやあああああああああ!?」
っと叫びながら、気を失い倒れてしまった。わたしも何度も貼られている紙を見直して間違いである事を確かめようとするけれども、それは見間違いでは無かった。
「フォレット、フォルネーゼすまなかった。あいつがバルナードに向かう時に俺やシルフィも一緒に付いて行くべきだった。そうすれば、こんな事にはならなかったかもしれない・・・」
それから、意識が戻ったお姉ちゃんとその場を動く事が出来ず、ずっと看板に貼りだされていた紙をぼんやりと見ていた。おじちゃんも居たたまれなくなったのかその場を静かに離れ、夕方には広場に居るのはわたしとお姉ちゃんの2人だけになっていた。
そして日も沈み掛けてきた頃、お姉ちゃんを引っ張って仔狐亭に戻ろうとした時に後ろの方から声がしてきた。
「あら、もうこの町まで貼り紙される様になってしまったのね。仕方ないから、今日も2人で野宿する事にしましょうか?誘二さん」
(誘二さん? もしかしてお義兄ちゃん!?)
振り返るとそこに居たのは、見た事の無い女の人と約3週間ぶりに姿を見せたお義兄ちゃんでした。
「お義兄ちゃん! 今までどこに居たの!? お姉ちゃんもわたしも本当に心配したんだよ!?」
「・・・誘二さん?」
お姉ちゃんもゆっくりと顔を上げお義兄ちゃんの姿を見ると、見る見るうちに涙を流し始めお義兄ちゃんの胸に飛び込んでいた。
「誘ニさん! 何故連絡1つ入れようとしないのですか!? 私やフォレット、バルドさん達もどれだけ心配していたか分かりますか!?」
お姉ちゃんが声を荒げてお義兄ちゃんに問い詰めるけれど、お義兄ちゃんはまるで人が変わってしまったかの様に反応が無かった。
「誘ニさん、誰よこの狐の女は?」
「彼女はフォルネーゼ、俺の妻だった人だ」
妻だった? わたしは耳を疑った、お義兄ちゃんがそんな事を言う筈が無いから。
「お義兄ちゃん!? 何を言っているの? お姉ちゃんは今でもお義兄ちゃんのお嫁さんだよ!?」
「フォレット、俺はこの隣に居る女性と添い遂げる事にした。だから、もう俺はフォルネーゼの夫でもフォレットのお義兄ちゃんでも無い」
「嘘、嘘よ、嘘って言って! お義兄ちゃん!?」
「いい加減五月蝿いから、そろそろ出ましょうよ誘二さん。 2人の時間が無くなってしまいますわ」
「ああ、そうだな」
お義兄ちゃんはわたし達の事を無視する様に、離れていく。そして、お義兄ちゃんと一緒に居た女の人が、お姉ちゃんに向かい厭らしい笑みを浮かべながらこう言ってきた。
「あなたがフォルネーゼさんね、私の名はシャーリィ。あなたよりも私の方が誘二さんに相応しいから頂きました、御免なさいね」
お姉ちゃんは、女の人を睨み付けると平手打ちは放った。
パーン!!
「何であなたは私から誘二さんを奪っていくの!?」
シャーリィという女の人も、お返しにお姉ちゃんに平手打ちをしてきた。
パーン!!
「最初に誘二さんとあなたが出会わなければ、私は誘ニさんの隣に初めから居られたかもしれないのに・・・けれど、もう手遅れよ。あなたはもう誘二さんに見てもらう事は出来ない、その胸に抱きしめられる事も身体を求められる事も無い、これからずっと私と誘二さんの睦みあう姿でも想像しながら生きていきなさい!」
そしてシャーリィという女の人は高笑いをしながら、お義兄ちゃんと一緒に町の外へ消えていった・・・。
わたしとお姉ちゃんは、大切なお義兄ちゃんを何時の間にかあの女の人に奪われてしまっていた。これから2人で、どうやって生きていけば良いのかすら分からない。2人で打ちひしがれていると、再び背後から誰かが近づく足音が聞こえた。
「フォレットさん、フォルネーゼさん。この度は妹が決して許されない行いをしてしまった事を、心からお詫び致します申し訳有りませんでした」
聖光教会の修道服を着たその女性の人は続けてこう言った。
「私の名はシャンティ、聖光教会 総大主教をしております。 妹シャーリィは交 誘二様に魅了の呪いを掛け、意のままに操っております。 神の御使いを助ける為にどうか協力して頂けませんか?」
わたしとお姉ちゃんは、詳しい話を聞く為に仔狐亭に戻る事にした。
「あ、バルドおじちゃんとシルフィお姉ちゃん・・・。うん、まだ帰って来ない。お姉ちゃんは寝室で横になってる」
誘二お義兄ちゃんが、わたし達のお家に帰って来なくなってから5日が経とうとしている。戻らなくなった最初の日は、まだお姉ちゃんも
「昨日、予定だとバルナードに着いている筈だから、聖光教会の総本部で大主教様と今後の事について打ち合わせでもしているのでしょう」
そう言って特に気にしていなかった。けれども次の日も、その次の日も、お義兄ちゃんはお家に帰って来なかった・・・。流石に心配になったお姉ちゃんは、バルドおじちゃん夫婦に相談したが要領を得なかった。
帰って来なくなって4日目、おじちゃん夫婦は不死の洞窟に居るシャーリィって人の所に話を聞きに出かけたけど、昼過ぎに2人は顔を蒼白にしながら仔狐亭に入ってきた。
「おい、フォルネーゼ! 教会に行ってみたが誰も居ねえ、無人だ! ちきしょ~! 一体何が起きているんだ!?」
それを聞くと、お姉ちゃんは全身から力が抜けた様にその場に倒れこんでしまい、寝室に運ばれ寝かされた。
そして翌日の5日目の今日も、お義兄ちゃんは帰って来ない。
「バルドおじちゃん・・・お義兄ちゃんは、お姉ちゃんやフォレットの事が嫌いになって帰って来なくなったの?」
「そんな事有る訳無いだろ!? あいつの帰る家はここしかない! もしかしたら呪いを解く方法が分かって、それを手に入れる為にダンジョンを攻略しているかもしれないぞ。 あいつは絶対にモンスターなんかにやられる様な奴じゃないから、きっと後数日もすれば何事も無かった様に顔を出して、『ごめんごめん、ダンジョンに入ったら町に戻れなくなっちゃってさ。心配掛けてゴメン』って言ってくるに決まってる!?」
バルドおじちゃんはそう言ってくれたけど、それから更に2週間お義兄ちゃんは家に帰って来なかった。
お義兄ちゃんが帰って来なくなってから、明日で3週間になろうとしていた日の昼頃、バルドおじちゃんが物凄い顔で仔狐亭に駆け込んで来た。
「フォルネーゼ、フォレット。 今すぐ広場に来い!?」
おじちゃんに押し出されるようにして、わたしとお姉ちゃんは広場に連れて来られた。広場では聖光教会の関係者らしい修道服を着た人が看板を立てているところだった。
「あれをよく見ろ!?」
バルドおじちゃんが指差す方を見ると看板に以下の様に書かれた紙が貼られていた。
【当聖光教会の修道女シャーリィは、次期総大主教として修行中の身でありながら試練の道を大きく外れ淫蕩に耽る行いをした。よって本日付をもって当教会を破門とする。また、共に行動し破門に至らしめた神の御使い交 誘二を当教会は異端者と認定する。 聖光教会総大主教シャンティ】
(嘘!? お義兄ちゃんが異端者だなんて!?)
わたしは、思わずその場に座り込んでしまった。お姉ちゃんの方を見ると、お姉ちゃんは涙を流しながら両手で口を塞ごうとしているが上手く出来ない。そして・・・
「誘二さん・・・これは嘘よ、きっと嘘なのよ。いや、いや、いやあああああああああ!?」
っと叫びながら、気を失い倒れてしまった。わたしも何度も貼られている紙を見直して間違いである事を確かめようとするけれども、それは見間違いでは無かった。
「フォレット、フォルネーゼすまなかった。あいつがバルナードに向かう時に俺やシルフィも一緒に付いて行くべきだった。そうすれば、こんな事にはならなかったかもしれない・・・」
それから、意識が戻ったお姉ちゃんとその場を動く事が出来ず、ずっと看板に貼りだされていた紙をぼんやりと見ていた。おじちゃんも居たたまれなくなったのかその場を静かに離れ、夕方には広場に居るのはわたしとお姉ちゃんの2人だけになっていた。
そして日も沈み掛けてきた頃、お姉ちゃんを引っ張って仔狐亭に戻ろうとした時に後ろの方から声がしてきた。
「あら、もうこの町まで貼り紙される様になってしまったのね。仕方ないから、今日も2人で野宿する事にしましょうか?誘二さん」
(誘二さん? もしかしてお義兄ちゃん!?)
振り返るとそこに居たのは、見た事の無い女の人と約3週間ぶりに姿を見せたお義兄ちゃんでした。
「お義兄ちゃん! 今までどこに居たの!? お姉ちゃんもわたしも本当に心配したんだよ!?」
「・・・誘二さん?」
お姉ちゃんもゆっくりと顔を上げお義兄ちゃんの姿を見ると、見る見るうちに涙を流し始めお義兄ちゃんの胸に飛び込んでいた。
「誘ニさん! 何故連絡1つ入れようとしないのですか!? 私やフォレット、バルドさん達もどれだけ心配していたか分かりますか!?」
お姉ちゃんが声を荒げてお義兄ちゃんに問い詰めるけれど、お義兄ちゃんはまるで人が変わってしまったかの様に反応が無かった。
「誘ニさん、誰よこの狐の女は?」
「彼女はフォルネーゼ、俺の妻だった人だ」
妻だった? わたしは耳を疑った、お義兄ちゃんがそんな事を言う筈が無いから。
「お義兄ちゃん!? 何を言っているの? お姉ちゃんは今でもお義兄ちゃんのお嫁さんだよ!?」
「フォレット、俺はこの隣に居る女性と添い遂げる事にした。だから、もう俺はフォルネーゼの夫でもフォレットのお義兄ちゃんでも無い」
「嘘、嘘よ、嘘って言って! お義兄ちゃん!?」
「いい加減五月蝿いから、そろそろ出ましょうよ誘二さん。 2人の時間が無くなってしまいますわ」
「ああ、そうだな」
お義兄ちゃんはわたし達の事を無視する様に、離れていく。そして、お義兄ちゃんと一緒に居た女の人が、お姉ちゃんに向かい厭らしい笑みを浮かべながらこう言ってきた。
「あなたがフォルネーゼさんね、私の名はシャーリィ。あなたよりも私の方が誘二さんに相応しいから頂きました、御免なさいね」
お姉ちゃんは、女の人を睨み付けると平手打ちは放った。
パーン!!
「何であなたは私から誘二さんを奪っていくの!?」
シャーリィという女の人も、お返しにお姉ちゃんに平手打ちをしてきた。
パーン!!
「最初に誘二さんとあなたが出会わなければ、私は誘ニさんの隣に初めから居られたかもしれないのに・・・けれど、もう手遅れよ。あなたはもう誘二さんに見てもらう事は出来ない、その胸に抱きしめられる事も身体を求められる事も無い、これからずっと私と誘二さんの睦みあう姿でも想像しながら生きていきなさい!」
そしてシャーリィという女の人は高笑いをしながら、お義兄ちゃんと一緒に町の外へ消えていった・・・。
わたしとお姉ちゃんは、大切なお義兄ちゃんを何時の間にかあの女の人に奪われてしまっていた。これから2人で、どうやって生きていけば良いのかすら分からない。2人で打ちひしがれていると、再び背後から誰かが近づく足音が聞こえた。
「フォレットさん、フォルネーゼさん。この度は妹が決して許されない行いをしてしまった事を、心からお詫び致します申し訳有りませんでした」
聖光教会の修道服を着たその女性の人は続けてこう言った。
「私の名はシャンティ、聖光教会 総大主教をしております。 妹シャーリィは交 誘二様に魅了の呪いを掛け、意のままに操っております。 神の御使いを助ける為にどうか協力して頂けませんか?」
わたしとお姉ちゃんは、詳しい話を聞く為に仔狐亭に戻る事にした。
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