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第29話 追跡
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「シャーリィさんが誘二さんに魅了の呪いを掛けて、意のままに操っていると先程仰られましたがもう1度説明して頂けますか?」
仔狐亭の食堂には、フォレット・フォルネーゼ・バルド・シルフィ・シャンティの5人が集まっている。バルド達はフォレットに頼んで呼んできてもらった。
「実は誘二様が聖光教会総本部に参られた際に色々と説明しづらい事が起きまして、バルナードの北東に在る神殿跡の地下にシャーリィと2人で向かう事になりました」
(きっと誘二さんの事だから、何かトラブルに巻き込まれてPTT様か誰かの力でも借りようとしたんでしょう。それで結局まずはシャーリィさんと神殿跡に向かう事で話が落ち着いた様ね)
「それで、シャーリィさんが誘二さんを魅了する事になったのはどうしてですか?」
「はい、どうやら妹は誘二様に数回裸を見られたり、扉に押し出される形で押し倒されながらキスをされたりとする内に誘二様の事を1人の男性として見る様になっていたみたいなのです」
にわかには信じがたいが、バルドさんの話で誘二さんがシャーリィさんの裸を見てしまった事は知っていたので嘘は言ってない様だ、けれど更にまた裸を見たりキスまでしていたとは思わなかった。
「そしてバルナードを出た日の晩に、シャーリィが自ら求める形で2人は関係を持ち、その際にシャーリィは誘二様に魅了の呪いを掛けた様です」
「だがそれって変じゃねえか?誘二の野郎は状態異常に対する無効化が付いている筈だぜ」
「ですから、その装備を何らかの理由でシャーリィに外されてしまい無効にする事が出来なくなった為に、魅了され虜になってしまったと考えられます」
「ちなみに魅了ってどんな呪いなんだい?」
「魅了には段階が2つ有りまして、最初の段階ではまず魅了してきた相手の身体を・・その無性に欲しくなり激しく求めた末に、自らの所有物みたいに思う様になります。そして、更に魅了される事で、それまでどんなに愛してきた人よりも魅了してきた人の方を己に相応しいと思い始めて、完全な虜の状態となり自分で求めて抱いていると思っていても、実は魅了した相手の望む精神状態に変えられます。おそらく誘二様は既にこの段階まで堕とされてしまったと思います」
「けどよ、後でまた状態異常無効化の装備をすれば解除されるのではないのか?」
「状態異常無効化と言いましてもそれは状態異常の攻撃を無効化するだけであって、既に異常の状態となっている場合、今回の様に魅了されている状態では最悪な事に魅了を解除したくても装備を身に付けている限り、魅了に侵されている状態を正常と判断されてそれを解除する法術や魔法などは全て無効化されてしまいます」
「おい、それじゃあ無双状態の奴がそのままこちらを殺しに来る可能性も有るって事か!?」
「それは否定しません、だから先程シャーリィがフォレットさんやフォルネーゼさんを、誘二様に殺させなかったのは奇跡だったのかもしれません」
「じゃあ、どうやって誘二の魅了を解除するんだ!?」
「はい、それはフォルネーゼさんには大変申し上げ辛いのですがシャーリィと誘二様が裸となり抱き合っている最中の所を襲撃します」
「!?」
「そして、バルド様とシルフィ様には誘ニ様の身体を取り押さえて欲しいのです。その間に、私は妹を・・・シャーリィを殺して、誘二様を魅了した相手が居ない状態にして正気に戻します!」
「おい、待て!お前さんは実の妹をその手にかけるつもりなのか!?」
「はい、この度の事は全て私の妹が仕出かした事。その罪を償わせるのもまた家族の役目です」
「だが、何も殺す事までしなくても良いんじゃないのか?殺さずに済む方法を探してからでも」
「いいえ、それでは間に合わないのです!!あの2人がオークの砦に居る、呪われた女性の許に到着する前に終わらせなければなりません」
「あいつらは、呪いを解きに行こうとしているのか?なら何も問題は無いんじゃ」
「呪いを解く方法が、もっと罪深いからです。あの2人はもっとも簡単な方法だけ手に入れて帰ってきました。それは、産まれたばかりの双子をその女性の手で殺させて、オークの双子を産む呪いを仔殺しという、より汚名に満ちた者とする事で解いてしまうやり方なのです!?」
「なんだって!?」
「そして双子を産む呪いが完全に解けるまで、2人は何度も孕ませては仔を殺させるつもりでいます」
「孕ませるったって、どうやって・・・まさか!?」
「シャーリィは誘二さんに無理やり女性を犯させた上に、その女性を魅了して自ら殺させる様です」
総大主教様の話を聞いている限りだと、シャーリィさんは誘二さんを物として扱っている様にしか聞こえなかった。
(自分の都合の良い道具、自分の性欲を満たす為だけの存在。 それって本当に彼を愛していると言えるの? 彼女はまだ、本当に愛する事をまだ知らないんだ。 知らないまま彼を求めてしまった、彼を自分の物にしようとした。 その子供みたいな行いを今回は許してあげよう、そして彼女に愛とは何かを伝えないといけない!)
フォルネーゼが心の中で決意した瞬間、フォルネーゼの身体が光に包まれる。そしてその光は周囲の者達も包み込み心の中を温かなモノで満たしていった。
「こ、これは【慈愛】!? フォルネーゼさん、あなた一体何をしたの!?」
「え!? 何って今、心の中でシャーリィさんの事を許して彼女に愛について伝えようと考えていただけですが!?」
「許すですって!? あなたは私の妹がヒドい事をしたっていうのに許されるのですか!?」
「はい、彼女はきっとまだ愛する事を知らないんです。 知らないまま誘ニさんを求め、自分の物にしようとした。 だから今回は許します、そして私の口から彼女が納得するまで愛について伝えていこうと思います」
「フォルネーゼさん、もしかしたらあなたの手で妹と誘二様の2人だけじゃなく、オークの砦に居る呪われた女性も救えるかもしれないわ! 理由は後で説明させてもらうから、あの2人に追いつく為にまずは4人で町を出ましょう!」
「わかりました、フォレットみんなで帰ってくるまで宿の事お願いね」
「わかったよ、お姉ちゃん! お義兄ちゃんをきっと連れて帰ってきてね」
「わかったわ、大丈夫きっと帰ってきてくれる。だって、ここがあの人の家なんですから」
私はバルドさん、シルフィさん、そして総大主教様と4人で急いで支度を整え町を出た。宿はフォレットだけだとまだ心配だったのだけれど、総大主教様が一緒に連れてきて町の外で待機させていたスフィア大主教様を残してくれたので心配する必要は無くなった。誘二さんを連れて家に帰る為に、私は初めて彼の後を追いかけていくのだった。
仔狐亭の食堂には、フォレット・フォルネーゼ・バルド・シルフィ・シャンティの5人が集まっている。バルド達はフォレットに頼んで呼んできてもらった。
「実は誘二様が聖光教会総本部に参られた際に色々と説明しづらい事が起きまして、バルナードの北東に在る神殿跡の地下にシャーリィと2人で向かう事になりました」
(きっと誘二さんの事だから、何かトラブルに巻き込まれてPTT様か誰かの力でも借りようとしたんでしょう。それで結局まずはシャーリィさんと神殿跡に向かう事で話が落ち着いた様ね)
「それで、シャーリィさんが誘二さんを魅了する事になったのはどうしてですか?」
「はい、どうやら妹は誘二様に数回裸を見られたり、扉に押し出される形で押し倒されながらキスをされたりとする内に誘二様の事を1人の男性として見る様になっていたみたいなのです」
にわかには信じがたいが、バルドさんの話で誘二さんがシャーリィさんの裸を見てしまった事は知っていたので嘘は言ってない様だ、けれど更にまた裸を見たりキスまでしていたとは思わなかった。
「そしてバルナードを出た日の晩に、シャーリィが自ら求める形で2人は関係を持ち、その際にシャーリィは誘二様に魅了の呪いを掛けた様です」
「だがそれって変じゃねえか?誘二の野郎は状態異常に対する無効化が付いている筈だぜ」
「ですから、その装備を何らかの理由でシャーリィに外されてしまい無効にする事が出来なくなった為に、魅了され虜になってしまったと考えられます」
「ちなみに魅了ってどんな呪いなんだい?」
「魅了には段階が2つ有りまして、最初の段階ではまず魅了してきた相手の身体を・・その無性に欲しくなり激しく求めた末に、自らの所有物みたいに思う様になります。そして、更に魅了される事で、それまでどんなに愛してきた人よりも魅了してきた人の方を己に相応しいと思い始めて、完全な虜の状態となり自分で求めて抱いていると思っていても、実は魅了した相手の望む精神状態に変えられます。おそらく誘二様は既にこの段階まで堕とされてしまったと思います」
「けどよ、後でまた状態異常無効化の装備をすれば解除されるのではないのか?」
「状態異常無効化と言いましてもそれは状態異常の攻撃を無効化するだけであって、既に異常の状態となっている場合、今回の様に魅了されている状態では最悪な事に魅了を解除したくても装備を身に付けている限り、魅了に侵されている状態を正常と判断されてそれを解除する法術や魔法などは全て無効化されてしまいます」
「おい、それじゃあ無双状態の奴がそのままこちらを殺しに来る可能性も有るって事か!?」
「それは否定しません、だから先程シャーリィがフォレットさんやフォルネーゼさんを、誘二様に殺させなかったのは奇跡だったのかもしれません」
「じゃあ、どうやって誘二の魅了を解除するんだ!?」
「はい、それはフォルネーゼさんには大変申し上げ辛いのですがシャーリィと誘二様が裸となり抱き合っている最中の所を襲撃します」
「!?」
「そして、バルド様とシルフィ様には誘ニ様の身体を取り押さえて欲しいのです。その間に、私は妹を・・・シャーリィを殺して、誘二様を魅了した相手が居ない状態にして正気に戻します!」
「おい、待て!お前さんは実の妹をその手にかけるつもりなのか!?」
「はい、この度の事は全て私の妹が仕出かした事。その罪を償わせるのもまた家族の役目です」
「だが、何も殺す事までしなくても良いんじゃないのか?殺さずに済む方法を探してからでも」
「いいえ、それでは間に合わないのです!!あの2人がオークの砦に居る、呪われた女性の許に到着する前に終わらせなければなりません」
「あいつらは、呪いを解きに行こうとしているのか?なら何も問題は無いんじゃ」
「呪いを解く方法が、もっと罪深いからです。あの2人はもっとも簡単な方法だけ手に入れて帰ってきました。それは、産まれたばかりの双子をその女性の手で殺させて、オークの双子を産む呪いを仔殺しという、より汚名に満ちた者とする事で解いてしまうやり方なのです!?」
「なんだって!?」
「そして双子を産む呪いが完全に解けるまで、2人は何度も孕ませては仔を殺させるつもりでいます」
「孕ませるったって、どうやって・・・まさか!?」
「シャーリィは誘二さんに無理やり女性を犯させた上に、その女性を魅了して自ら殺させる様です」
総大主教様の話を聞いている限りだと、シャーリィさんは誘二さんを物として扱っている様にしか聞こえなかった。
(自分の都合の良い道具、自分の性欲を満たす為だけの存在。 それって本当に彼を愛していると言えるの? 彼女はまだ、本当に愛する事をまだ知らないんだ。 知らないまま彼を求めてしまった、彼を自分の物にしようとした。 その子供みたいな行いを今回は許してあげよう、そして彼女に愛とは何かを伝えないといけない!)
フォルネーゼが心の中で決意した瞬間、フォルネーゼの身体が光に包まれる。そしてその光は周囲の者達も包み込み心の中を温かなモノで満たしていった。
「こ、これは【慈愛】!? フォルネーゼさん、あなた一体何をしたの!?」
「え!? 何って今、心の中でシャーリィさんの事を許して彼女に愛について伝えようと考えていただけですが!?」
「許すですって!? あなたは私の妹がヒドい事をしたっていうのに許されるのですか!?」
「はい、彼女はきっとまだ愛する事を知らないんです。 知らないまま誘ニさんを求め、自分の物にしようとした。 だから今回は許します、そして私の口から彼女が納得するまで愛について伝えていこうと思います」
「フォルネーゼさん、もしかしたらあなたの手で妹と誘二様の2人だけじゃなく、オークの砦に居る呪われた女性も救えるかもしれないわ! 理由は後で説明させてもらうから、あの2人に追いつく為にまずは4人で町を出ましょう!」
「わかりました、フォレットみんなで帰ってくるまで宿の事お願いね」
「わかったよ、お姉ちゃん! お義兄ちゃんをきっと連れて帰ってきてね」
「わかったわ、大丈夫きっと帰ってきてくれる。だって、ここがあの人の家なんですから」
私はバルドさん、シルフィさん、そして総大主教様と4人で急いで支度を整え町を出た。宿はフォレットだけだとまだ心配だったのだけれど、総大主教様が一緒に連れてきて町の外で待機させていたスフィア大主教様を残してくれたので心配する必要は無くなった。誘二さんを連れて家に帰る為に、私は初めて彼の後を追いかけていくのだった。
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