居酒屋【次元の狭間】では,今日も色んな世界の勇者と魔王が一杯飲んでます。

いけお

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第2話 【魔王ユリウスからの招待状】

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ガラガラガラ
大将「へい、らっしゃい!」女将「いらっしゃいませ」

アイオン「大将、女将さんこんばんわ~ とりあえず何時ものね!」

大将「へい、ビールとモツ煮ですね!」

アイオン「1日の冒険が終わってから飲むビールは最高だよね~! 毎回同じ事ばかり言ってる気もするけどやっぱり止められないわなコレが!」

大将「お、そうだ! アイオンさん、すぐに帰っちゃったけどユリウスさんからアイオンさんに渡してくれってこれ預かっておいたよ」

アイオン「悪いね~大将! 何々・・・お! あいつ、結婚するってよ! 目出度いね~!! 俺も早く良い相手見つけないと~! その前に魔王倒さないと怒られそうだけど、ここに通い出してから魔王討つ気無くなり始めちゃうから不思議だよね~魔王も悩みや愚痴りたい事一杯有るの知っちゃうからさ~!」

大将「へい、ビールとモツ煮おまち! それでお相手はどなたですって?」

アイオン「え~っとね、ウルスラちゃんだって。 えっと・・・ウルスラ、ウルスラってあのユリウスの後をいつも付いてきてた、ちっちゃな女の子だ! 今年16才になる誕生日の日に結婚式を挙げるつもりの様だよアイツ」

大将「へ~あのちっちゃな女の子だったのが、もう16才になるのか。 何はともあれお目出度いってのは良い事ですよ」

アイオン「まったくだ! ウルスラちゃんが初めてこの店に来た頃が懐かしいな・・・」

【それは今から約6年程前まで遡る】

ガラガラガラ
大将「へい、らっしゃい!」女将「いらっしゃいませ」

女の子「あ、あの・・・ここは一体どこなのですか?」

アイオン「お、お嬢ちゃんここ初めてだね! まずは中に入ってきなよ!」

女の子「ヒッ!」

魔王ユリウス(以降ユリウス)「アイオン! 大きな声を出すから怖がらせているじゃないか、お嬢さんすまなかったね。 こいつは声が大きいだけが取り得の勇者だからさ許してあげてほしい」

女の子「は、はい」

アイオン「はいはい! 女性を大切になさっていらっしゃる魔王様は一味違いますね~! 大将、ビールもう1本追加ね!」

大将「あいよ~!」

ユリウス「まったく・・・もう酔っ払っているのかあいつは。 お嬢さん、まずは驚かないで聞いて欲しいんだ。 ここはね、居酒屋【次元の狭間】といってお嬢さんの住む世界やわたしの住む世界など色々な世界が交わる場所に建つ、お酒を飲みながら美味しい食べ物を頂ける食堂みたいなところなんだ」

女の子「・・・はい」

ユリウス「それでわたしの名前はユリウスといって魔王をしている。 それでさっきから大きい声出しているのがアイオン、あいつは勇者だ」

女の子「え!?」

ユリウス「ははは、やはり最初は誰でも驚いてしまうよな。 ここのお店には、勇者と魔王しか入れない。 元の世界に居る者達もここの場所は知らないから、この店の中だけは勇者も魔王も結構仲の良い友達だったりするのさ」

女の子「そうなんですね」

ユリウス「だから、お嬢さんも勇者か魔王のどちらかだと思う。 怖い人は居ないから良かったら名前を教えてもらえないかな?」

女の子「ウ・・ウルスラ。 勇者のウルスラといいます」

ユリウス「ウルスラか、良い名だ。 こんな可愛いお嬢さんが勇者をしているとは驚きだな」

ウルスラ「か、かわいいだなんて。 そんな・・・」

ユリウス「ウルスラ、勇者になって日が浅そうに思うんだがいくつになるのかな? 何か困った事があるのならおじさんやそこの変な兄ちゃんが教えてあげる事も出来るからね」

アイオン「だれが変な兄ちゃんだってんだ!」

大将「へい、ビールお待ち! すいませんね~持ってくるの遅れちゃって」

アイオン「いいってことよ、大将! ちょうど今が混雑している時間帯だ、大将や女将さんだけじゃ手が足りないだろう? 俺もなんなら手伝おうか?」

大将「アイオンさんが中に入ったら他の方に持っていく筈のビールまで飲み出しそうだから、またの機会にお願いします」

ユリウス「大将もよく分かっている、すまなかったねウルスラ。 別の話になってしまって。 もう1度聞くけどウルスラは今いくつになるのかな?」

ウルスラ「10才になります」

ユリウス「そうか、10才で勇者に選ばれるとは大したものだ。 だが10才で旅に出て困った事は無いのかい?」

ウルスラ「10才の誕生日の日に洗礼を受けたら、わたしが勇者と分かってそれから1週間ほどしたら幾らかのお金と剣を渡されて町から1人で出されてしまったんです」

ユリウス「10才になったばかりの女の子を1人で出しただって!? それじゃ凄く心細かったんじゃないのかい?」

ウルスラ「それで宿の部屋で1人ですごく怖くて泣いていたら、部屋の周りがぐにゃって曲がって黒い穴に吸い込まれて気が付いたら、ここのお店の前だったの」

ユリウス「そうか1人だと本当に怖かっただろうね、ならおじさんが少しの間一緒に旅をしてあげようか?」

アイオン「ぶっ! おいおいユリウス良いのかよ? 魔王が他の世界の勇者と一緒に旅をするって」

ユリウス「構わないさ、ウチの世界は勇者と魔王もそんなにギスギスしてる訳じゃないしこの子が大きくなって1人でも大丈夫になるのを見計らって元の世界に戻るよ」

ウルスラ「おじさん、本当にいいの?」

ユリウス「ああ、もちろん。 食事も毎日1度はここに食べに来よう。 みんなで一緒に食べるご飯は本当に美味しいからね」

ウルスラ「うん、わかった」

【そして現在に戻る】

アイオン「あれからユリウスの奴、本当にあの子の世界に一緒に行くから驚きだったよな~! それで実際毎晩の様にここを訪れてみんなと一緒に食事もしたし」

大将「そうそう、ウルスラちゃんもユリウスさんに手を引かれて顔を赤くしながら付いてきて一緒に食べていた頃が懐かしいですね~」

アイオン「けど、プロポーズはどちらが言ったのか興味津々になっちゃうよね。 やっぱり」

大将「アイオンさんもお人が悪いですよ、ユリウスさんが照れながら言ってましたがウルスラちゃんの方からだったみたいですよ? (ユリウスさんのお嫁さんにして)って」

アイオン「ほほ~あの子がずいぶんと積極的になったもんだ。 っで? ユリウスはなんと答えたんだって?」

大将「その時は答えられなかったらしいんですけどね、ただ前々から徐々に美しい女性になっていくウルスラに惹かれて始めていたのも事実だった様で後日ユリウスさんの方からウルスラちゃんに(わたしの妻になってくれないか?)と言ったそうですよ」

アイオン「く~ラブラブだね~! あれ、でもそうなると勇者の方はこれからどうするんだって?」

大将「さあ? ユリウスさんは元の世界を捨ててウルスラちゃんと一緒に暮らすって言ってたけど」

ガラガラガラ
大将「へい、らっしゃい!」女将「いらっしゃいませ」

魔王ザンニクス(以降ザンニクス)「あの~こちらが居酒屋【次元の狭間】でよろしいのでしょうか?」

アイオン「そうだよ、兄ちゃん! ここは初めてかい?」

ザンニクス「はい、実は自分の居る世界の勇者の子と別の世界の魔王の方が結婚する事になり、二次会の場所がこちらになっていたから先に下見に来てみたのですが・・・」

アイオン&大将「・・・・・・・・・・」

ザンニクス「別世界の魔王さんと初めて会ったのが6年程前になりますが、自分の寝所にその魔王さんが来た時は本当に驚きましたよ。 それで勇者の女の子がまだ10才だから16才の誕生日まで戦うのは待ってあげてくれないか?ってお願いしてくるから更に驚きましたよ。 それで今年16才になるから、いよいよ戦わねばならない時が来てしまったと思っていたらまた魔王さんが来て、今度は結婚して勇者の立場を捨ててどこかで2人で暮らすと言ってくるから内心ほっとしてたんです。 自分も女の子と戦うのは正直イヤだったから・・・。 それで6年も待ってくれた感謝の気持ちも含めて結婚式の招待状を渡されたので祝福して送り出してあげようとちょっと気が早いですが、こうして下見に来ちゃいました」

アイオン「じゃあ、盛大に祝福してやらないとな! まずは祝福の前祝だ! こっち来て一緒に飲もうや! 大将、ビールやおつまみを適当に持ってきて~!」

大将「あいよ~! あとで俺もその前祝いに混ぜてくれよ~!」

女将「ほどほどにしておきなさいよ~! 他にもお客さん居るんだから・・・」

こうしてまた、次元の狭間でにぎやかな笑い声が響くのであった・・・。
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