居酒屋【次元の狭間】では,今日も色んな世界の勇者と魔王が一杯飲んでます。

いけお

文字の大きさ
5 / 8

第5話 ある意味勇者と、ある意味魔王がやってきた。

しおりを挟む
ガラガラガラ
大将「へい、らっしゃい!」女将「いらっしゃいませ」

アイオン「大将、女将さんこんばんわ~ とりあえず何時ものね!」

 大将「へい、ビールとモツ煮ですね!」

アイオン「そういえば、大将! ザンニクスさんとエリスさんの式の日取りは、いつ決まりそうだって?」

大将「もうしばらく掛かるみたいだよ~! エリスさんの国が今かなり大騒ぎになっちゃってるみたいでさ。 魔王が別の世界に去っていったと思ったら、今度は行った先の世界の魔王がこちらの世界に来て、こちらの世界の勇者と結婚するなんて前代未聞だからね」

アイオン「・・・そりゃ、そうなるわな。 けど、エリスさんがザンニクスさんを連れて王城を訪れて国王に報告する時も凄い騒ぎになったって聞いたけど?」

大将「へい、ビールとモツ煮おまち! それでも、ザンニクスさんは謁見の間で国王に頭を床に付ける位低姿勢でエリスさんと添い遂げさせて欲しいってお願いしたらしいよ。 共存共栄の道を選ぶきっかけになると国王も判断したらしくて了承した様だけど、反対する人もまだ多いから正式に国民には伝えてないらしい。 けれど、勇者と異世界の魔王が手を繋いで王城に向かう姿を大勢が見ているからバレるのも時間の問題だね」

アイオン「それで日取りが正式に決まったら、また2次会の場所はここになるのかな?」

大将「2人からも既に2次会で使わせて下さいってお願いされてますよ。 断る理由なんて何も無いから、二つ返事でOKしちゃったよ」

アイオン「ここが縁で2組が結ばれるってのは本当にお目出度い話だよな! 次も皆で盛り上げるぞ~!!」

ガラガラガラ
大将「へい、らっしゃい!」女将「いらっしゃいませ」

勇者佐藤一郎(以降佐藤)「こんばんわ~席空いてますか?」

大将「お好きな席へどうぞ!」

佐藤「よいしょっと・・・大将、とりあえず日本酒と冷奴お願い~!」

大将「日本酒は熱燗と冷や、どちらになさいます?」

佐藤「今日は冷やで頼むよ」

大将「へい!」

アイオン「佐藤さん、最近よく顔を出すね~常連の仲間入りしちゃうのかい?」

佐藤「家に居ると、親父がお袋にしょっちゅう怒られてばかりで五月蝿いからここに来ると本当に安らげるよ」

アイオン「それにしても佐藤さん、いまだにここに来れる様になった理由は分からないのかい?」

佐藤「ええ、そうなんですよ。 あの日も親父がお袋に怒られていてちっとも寝れないからお袋を怒鳴りつけて部屋に戻ってきたら、いきなりここに飛ばされたのが最初ですし」

大将「へい、日本酒の冷やと冷奴おまち!」

佐藤「ありがとう、大将! それにしても・・・何となく勇者の方と魔王の方の区別が付く様になってきたけど何で自分が勇者に選ばれたのか本当にさっぱり分からん!」

アイオン「まあ、いずれ分かる時が来るさ! とりあえず飲んで憂さを晴らしましょうや!」

ガラガラガラ
大将「へい、らっしゃい!」女将「いらっしゃいませ」

勇者佐藤太郎(以降佐藤父)「何でこんな所に居酒屋が?」

魔王佐藤花子(以降佐藤母)「居間に居た筈なのに、何で2人でこんな場所に居るのかしら?」

佐藤「げっ!? 親父! お袋! 何故ここに!?」

佐藤父「一郎!? お前、こんな所で何をしているんだ!?」

佐藤母「一郎! ここがどこだか早く説明なさい!」

アイオン「こちらのお2人は佐藤さんの・・・?」

佐藤「はい・・・父と母になります。 何となく・・・親父が勇者でお袋が魔王だと感じるので自分が勇者になった理由が分かった様な気がしてきました」

佐藤父「俺が勇者ってどういう事だ!?」

佐藤母「あたしが魔王って一体どういう事なのよ!?」

佐藤「親父・・・今日、お袋を怒鳴ったり怒鳴り返したりしていないか?」

佐藤父「? あ、ああ。 そういえばさっき毎日毎日怒られてばかりで、流石に堪忍袋の緒が切れたから怒鳴り返したら急に目の前がぐにゃって曲がって気が付いたら、この店の前だったんだ」

佐藤母「あたしは何時も通り、このダメ亭主を叱り付けていたら突然怒鳴り返してくるから言い返そうとしたら同じ様に目の前がぐにゃっと曲がってお父さんと一緒にこの店の前に立っていたのよ」

佐藤「アイオンさん、気が付きましたか?」

アイオン「なんとなく分かった気がするが、これで勇者と魔王って定義して良い物か凄く迷うぞ?」

佐藤「お袋・・・毎日毎日怒ってばかりで俺や親父は正直言ってお袋の事が怖いんだ。 その恐怖心が一定限度を超えてしまった為にお袋は既に魔王に認定されていたんだと思う」

佐藤母「!?」

佐藤「っで、親父は俺と一緒で魔王認定されているお袋に対して恐怖心に打ち勝って怒鳴る事が出来たから、勇気を認められて勇者になったと思うんだ」

アイオン「魔王に認定される、お前のお袋の普段の怒り方を想像すると凄く怖く思えてきたぞ・・・」

佐藤母「あら、そんな事ございませんわよ。 息子や夫のつまらない戯言に耳を傾けないでくださいな。 おほほほほほほ・・・・」

佐藤母除く一同(殺気も含んでいて魔王そのものに見えるよ!)

ガラガラガラ
大将「へい、らっしゃい!」女将「いらっしゃいませ」

勇者鈴木ひろし(以降鈴木夫)「ここは一体どこなんだ!?」

魔王鈴木めぐみ(以降鈴木妻)「ちょっと!まだ怒ってる最中なんだから、話を逸らさないの!!」

佐藤母「あら~!? 同じ組の鈴木さんご夫婦じゃないですか!? こんな所で会うなんて奇遇ですわね」

アイオン「佐藤・・・お前の住む所は普通の家に魔王が誕生する世界なのか!?」

佐藤「言わないでくれ・・・それを言い出したら、うちの世界の家庭の一部が魔王に支配されかねん」

アイオン「悪りい、俺そっちの世界でなくて本当に良かったと思うわ」

その後、居酒屋内で2組の夫婦喧嘩が始まり大将にこっぴどく怒られたのでした・・・。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。  〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜

トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!? 婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。 気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。 美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。 けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。 食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉! 「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」 港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。 気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。 ――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談) *AIと一緒に書いています*

処理中です...