異世界に飛ばされた警備員は持ってた装備で無双する。R18版

いけお

文字の大きさ
3 / 4

第3話 シャーリィの破門

しおりを挟む
「なあ、シャーリィ。そろそろ、ここを出るか?」

「そうですね、ここも大分汚くなっていますし宿のベッドで改めて抱いて欲しいです」

「ここを後で見に来た連中、どう思うかな?」

「そんな事気になさる必要は有りません、どうせ私が総大主教になれば皆言う事を聞かざるを得ないのですから、強制的に掃除でもさせますわ」

「俺達の愛の後始末か、考えるだけでも面白そうだ」

「いつまでも考えていないで、早く出ましょう! そして教会の総本部に戻ったら、改めて旅の準備を始めてオークの砦に居る女を解放して差し上げましょう」

「そうだな、じゃあまずは総本部の応接室にでも戻るとするか。シャーリィ、こっちにおいで」

「分かりましたわ、誘二様」

俺はシャーリィを引き寄せると、荒々しく唇を奪い舌を絡ませながら総本部の応接室の中に転移した。すると中ではシャンティ総大主教とスフィア大主教の2人が慌しく何かの準備をしており、俺達が貪る様に舌を絡ませ互いの唾液を交換している光景に言葉を失っている。

「シャ、シャーリィ? あ、あなた今何をしているのかしら?」

シャンティは動揺しているが、恐る恐る聞いてきた。

「あら、姉さん。今、私は誘二様と愛を確かめ合っている所ですが何か問題でも?」

「問題有るわよ!? 何が愛を確かめ合うよ! 誘二様も誘二様です! あなたには愛している奥様が居るのではないのですか!?」

「誰だっけそいつ? 俺が今愛しているのはシャーリィだけだよ」

「嬉しい、誘二様」

(明らかにおかしいわこの2人、特に誘二様はまるで操られているみたい)

シャンティは、本来相手の同意を得てからするべきのステータスの確認をする為に誘二に鑑定を掛ける。すると、目の前に魅了の状態表示が飛び込んできた。

「シャーリィ! あ、あなたは誘二様に魅了の呪いを掛け己の虜にしたのですか!?」

「あら、失礼な事を言わないで下さい姉さん。私はフォルネーゼとかいう女よりも私の方が誘二様に相応しい事を教えて差し上げたまで。そして、今誘二様はご覧の通り私を愛してくださってますわ」

(わが妹は何て事をしてしまったの!? 1人の男を好きになってしまうのには、覚悟はしていたけれど妻帯者の男を奪ってしまうなんて!? それに2人からも変な臭いがするし)

「シャーリィ、あなた達から妙な臭いがしますが何か有ったのですか?それに修道服にも何か白い物がこびり付いているようですけど」

「あら、誘二様の精液が付いていた様ですね勿体無い。全て私の子宮内に納めようとしていたのですが、溢れていたみたいですね」

「いいじゃないか、シャーリィ。どうせ、また溢れるだけ注ぎ込むのだから」

「ああ、そんな事を言われてしまうとそれだけで濡れてきてしまいますわ」

「シャーリィ、あなたはもしかして誘二様と関係を持ってしまったのですか?」

「何を今更そんな当たり前の事を聞くのですか? バルナードを出た晩から毎日私は誘二様に愛していただき、その精を中に注いで頂いておりました」

シャンティはショックのあまり床に伏してしまう、こうなってしまえば既に手遅れだ。遅かれ早かれシャーリィが仕出かした事は露見してしまう。姉としてでは無く、現総大主教として妹がした許されざる行いを罰しないとならない。

「シャーリィ次期総大主教、修行中の身でありながら試練の道を大きく外れ淫蕩に耽る行いをした。よって一時次期総大主教の地位を剥奪し当教会で後日査問会を行います」

「次期総大主教の地位を剥奪?それなら、もう姉さん達に何を言われても誘二様との仲を邪魔されなくて済むわね。誘二様とはこれからオークの砦に行って、そこに居る女性に産んだ自分の子を殺させて呪いを解くつもりだから邪魔しないでちょうだいね」

「子を殺させるってあなた達、何を考えているの!?」

「それが1番手っ取り早い方法なの、産まれたばかりの子を女に自分の手で殺させれば、自分の子を殺した子殺しの方が人生を歪める度合いが上回るからオークの子を産む呪い・・・っていうか、オークの子の姿に見える呪いから解き放たれるのよ」

「そんな事許される訳が無いでしょ!?」

「許すか許さないかは、姉さんが決める事じゃないわ。私と誘二様よ。1度、私室に行って私服に着替えたら出て行きますので私室に有る物は全て処分して構いません。社交辞令になっちゃうけど、短い間だったけどお世話になりました。行きましょ、誘二様。今晩の宿を探しに」

「そうだな、俺も早くお前の中に入りたい。オークの砦はのんびり向かえばいいさ、女が子を宿して無ければ俺が犯せばいいだけだ」

どこか目の焦点が合ってない誘二様とシャーリィの2人は応接室を出て行く。その様子をシャンティは呆然と眺めていたが、すぐに正気を取り戻すとスフィアの肩を掴みこう言った。

「スフィア、今すぐ神殿跡の地下に向かうわよ! あの2人は、のんびりと砦に向かうと言っていた。 ならば、私達はそれに代わる呪いの解除方法を先に探し出して実行するだけ。 呪われた女性に子殺しの罪を決して犯させてはならない。 すぐに出ましょう!」

シャンティはスフィアを除く他の側近達を急ぎ招集して、シャーリィの次期総大主教の地位の一時剥奪を伝えた。更に神の御使いを魅了して、砦に幽閉されている女性に子殺しをさせるつもりである事も告白し、それを未然に防ぐ為に総大主教自ら動く為、周囲に悟られない様にしておく事を指示すると皆従ってくれた。

シャンティとスフィアは旅支度を終えると、裏口に用意させた馬に乗り急ぎ神殿跡を目指す。 そしてオークの仔を産む呪いの本来の中身を知り、更に神殿跡の地下の淫らな行為の痕跡を目の当たりにしたシャンティとスフィアは査問会を開く必要も無いと判断しシャーリィの即時破門を決断し全ての町や村に公示する様命令を出した。そして、2人は再度旅支度を整えるとシャーリィと誘二を追いかける為、バルナードを旅立つのだった。  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...