召喚勇者は魔王と放浪する事になりました。

いけお

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第3章~この世界を改めて理解する旅路~

第27話 ヒャッハーさんが、この国でまた増えていた。

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『なんじゃお前ら!? 邪魔をする汚物は消毒しちゃうぞ~!』

消毒されるのは、あなた方の方です。 けど、薄っすらと黄色が混じった青色だから多分服を破いた分とあと幾つかの罪を償えば大丈夫みたいだから消毒する必要は無さそうだ。

「ミスト。 ちょっと、このヒャッハーさん達を驚かしてあげて。 それだけで懲りると思うから」

(うん、分かった~!)

影からミストが出て水龍の姿に戻ると、ヒャッハーさん達腰抜かしてるよ。 まあ、当然か・・・。 女性の方は、ごめんなさい気絶させてました。 ヒャッハーさんよりも怖い水龍が目の前に突如現れればこうなるの目に見えてたね・・・。

『す、水龍を従える男女・・・ま、まさか帝王と女帝!? なんでこんな所に!?』

「まあ、そうだけどさ。 これで分かったでしょ? 誰にでも喧嘩売っちゃうと逆に自分達がいずれ消毒されちゃうよ? ほとんど罪犯してない様だから、今回は見逃すけど反省して罪を償わないと最終的には消毒しなくちゃいけないからさ・・・」

『す、すいやせんでした! 俺達粋がって少し暴れたらホテル街に入れなくなっちまって、町にも居られなくなったから賊になって女を無理やりにでも手に入れないと子供や家族を作れないと思い込んじまってた様です!』

あ~ホテル街は小さな罪でも犯すと償わない限り入れないから、それで出入り禁止と勘違いしちゃってた様だね。

「少し暴れた程度の罪ならねホテル街の外でボランティアとか無償奉仕みたいのをして罪を償えばまた入れる様になるから、今日は破いてしまった彼女の服の弁償費用とお詫びで手持ちのお金を置いていくのが良いよ。 それも償いの1つと判断されるから。 あと、大きな町にはそういうボランティアをして罪を償う人の為の施設も有るから、まずはそこに行く事が大事だよ。 スタッフに女性も多いし一生懸命働く姿を見て付き合う様になった人も結構多いみたいだから、頑張るんだよ!」

『ほ、ほんとですか!? 有難うございます! 皆でこれから向かってみます。 あとこの先の方ですが俺達の様な駆け出しじゃなくて、既に犯したり殺して金品を奪うまでの罪を重ねちまった連中も居る様なんでご注意ください』

赤がこの先に居るってことか・・・気絶してる彼女もそうだが、このヒャッハー達も良いカモにされそうだな。 仕方ない大きな町まで送ってやるか。

「お前らもそんな奴等が相手じゃ大きな町まで行くのは難しいんじゃないのか? この女性を置き去りにも出来ないし近くの大きな町まで運ぶから手伝ってくれ。 それで罪もかなり軽くなるし一石二鳥だぞ」

(ご主人様、そろそろ戻ってもいいのかな?)

「あ~ミスト、待たせてすまなかった。 うん、影に戻っていいよ。 ありがとうな」

さてと、まずは破けている彼女の服装を何とかしないとな。

「セシル、アイテムボックスに替えの服が有ったら彼女を着替えさせてあげてくれないか? 半裸のままで町に入れたり人目に晒すのは流石に可哀相だ」

「そうですね、向こうの岩陰で着替えさせてきますから少しお待ちくださいな」

10数分後彼女を着替えさせて来たセシルだったが、何か敗北感に打ちのめされてる様な異様な空気を身に纏っていた。

「セシル、どうかしたのか? 何か敗北感みたいな変な空気を背負い込んでいるぞ」

「あ、あらそう!? べ、別に何でもありませんの事よ」 

明らかに何か変だ!? っといまだ気絶している女性を見て納得してしまった。 女性の方がセシルよりも胸が大きかった所為か服のボタンを止める事が出来ずにブラが露わになっている。 逆に扇情感がうなぎ登りの彼女を見ていたらセシルの空気が徐々に怒気に変わってきた。 マズい! 流石に見過ぎてしまった。

「じゃ、じゃあそろそろ出発するか~! 皆もしっかりと付いてこいよ~!」

「あなた・・・胸の大きい方が宜しければはっきりとおっしゃってくださいな・・・」

気付かないフリをしながら、歩き始める。 迂闊に地雷を踏んだら後が怖い! 後ろを見ない様にして進んでいると進行方向の道の両脇で何か景色が揺らいでいる点が徐々にこちらに向かって近づいているのに気が付いた。

「セシル・・・ちょっといいか?」

「なんですか? あ・な・た♪ この女性を背負って胸の感触を味わいたいとでも言いたいのですか?」

「違う、この先の道の両脇で変な景色の揺らぎに気付かないか? 気付いていないフリで進みながら話そう」

「ええ、そうね。 ちょっと不自然ですね。 何かスキルもしくは装備で景色に擬態している可能性がありますわね」

「この女性の様子を伺うフリをしながら、後ろのヒャッハー達にも注意する様呼びかけるからセシルは一応防御結界を自分達の周囲に張りながら移動しよう」

「わかりました、さっきヒャッハーさん達がおっしゃられていた賊達の様ですわね」

セシルの言葉で景色の揺らぎをよく見てみると、赤い光が微かに漏れていた。 なるほど、こうやって景色に擬態しながら近づいて襲い掛かってきていたという訳か。 気付いてしまえば返り討ちして下さいって状態になるが、万全の体制と思っているのか近づくスピードが全く落ちない。

「おい、そのまま進みながら話を聞け。 今こちらにお前らが話していた賊共が景色に擬態しながら近づいてきている様だ。 結界を張ってあるから大丈夫だが、犠牲者をこれ以上増やさない為にもここで殺しておく・・・。 お前らも罪を更に重ねていたら、こうなっていたと忘れない為に最後まで見ておけよ」

『わ、わかりやした』

「もうすぐ接触するから、徐々に密集する様に歩きながら集まれ。 この先のあの岩辺りで来るぞ!」

女性の顔を少しだけ覗いて、セシルの前にまた戻りそして伝えた。

「結界に触れた瞬間に足元や両手を凍結させて動きを封じてくれ。 先遣隊かもしれないが、とりあえず全員殺す! その後はそのまま道を進み本隊がもし出てきたら、ドロップ達を全員出して汚物共は綺麗さっぱり消毒してやろう」

「わかりました、ふふふ断罪者の頃の冷徹さが戻ってきた様ですよ」

「その代わり、夜にはおまえが癒してくれるのだろ?」

「ま、まあ! 聖女の様に癒せるかしら?」

緊張感の全く無いノロケ状態で岩の場所まで来ると、揺らぎは自分達の周囲を囲む様にして一気に範囲を狭めてきた!

『ヒャッハー!? もらった~!!!』

「こっちが貰うよ、おまえらの命をね」

『!?』

「アイスバインド!」

『な、なんだ!? 動けないぞ!?』

両手両足を氷で封じられて身動きが取れず動揺している賊共に近づくと、全員が妙なネックレスを付けているのに気が付いた。

「なるほど、このネックレスで周囲の景色に溶け込む擬態をしていた訳だな」

『き、気付いていたのか!? くそ! 離せ!?』

「だが発想は良かったが、完全な擬態とまでにはいかず景色が揺らいで見えていたぞ。 あと、お前らを逃がす訳が無いだろう!? 散々、女を犯したり人を殺して金品を奪ってきた様だからここで殺す・・・。 こっちのヒャッハー達の言葉じゃないが汚物は消毒だ~!!」

汚物は消毒・・・とある世紀末漫画でヒャッハーさんが使っていた火炎放射器を連想しながら胸元のペ○の杖を取り出すと、杖が赤く光りながら形を変えていた。

ポーン♪ 何か電子音が聞こえてきたら、またアナウンスが流れた。

(ペ○の杖は、紅き炎で断罪する【煉獄の杖】に変わりました。 火刑・業火・煉獄と3つを選ぶ事が出来、火刑<業火<煉獄と順に火力と範囲が跳ね上がりますので使用の際は充分ご考慮の上お使い下さい)

こいつらで3つ試してみるか、まずは1人離れた所に置いて唱える。

「火刑!」

すると、杖から文字通り火炎放射器の炎の様に火が出され目の前の賊を一瞬で火達磨に変えた。

『ギャアアアアアアアアアアアア!!!!!!」 

地面を転がり火を消そうと試みるが火が消える事は無い、叫び声と肉が焼ける臭いが周囲を満たし数分後黒焦げの死体が残っていた。

『た、たのむ! 俺達が悪かった、罪を償うから許してくれ! い、命ばかりは助けてくれ~!!』

残った賊共は無様にも漏らしながら醜い命乞いをしてきたが、もちろん許すつもりは無い。 次に業火を試そうと考えているとセシルが話しかけてきた。

「あなた、道の先の方から数百人の賊達が向かってきておりますわよ」

言われた道の先を見ると、たしかに数百人の賊達がこちらに向かってきているのが分かった。 黄色や青は混ざっていないのを確認すると先遣隊の生き残り共に冷たく言い放った。

「すぐにあっちから来る汚物も皆一緒の場所に送ってやるから、先に待っていてやれ。 業火!」

生き残り共の地面から炎の柱が巻き起こり残っていた先遣隊の連中の全てを焼き払った。 叫び声をあげる間も無く炭と化す汚物達。

先遣隊が居る筈の場所で、まず叫び声があがりその後巨大な炎の柱が現れたので賊の本隊は一瞬動きを止めた。 それが彼らにとって地獄の釜の蓋が開いた瞬間となった・・・。

「・・・煉獄」

全てを焼き尽くす地獄の猛火、数百人が一斉に火達磨となり黒焦げの死体となって更に炭と化しても火は収まらない、全てが灰となり地上から姿を消してようやく煉獄の炎は役割を終え消えた。

最初のヒャッハー達は、賊達が焼き殺される一部始終を見させられて気を失う寸前になっていた。 罪を重ねれば自分達もあの様な罰を受ける事になる、死への恐怖心だけでなく数百人を焼き殺しているのに顔色ひとつ変えない自分への恐れも加わり、もうつまらない騒ぎを起こす事も無いだろう。

こうして、初鹿野に戻ってきて早々ではあったが汚物を大量に消毒して国の一部を綺麗に出来たので、今日は日が暮れない内に近くの大きな町に着いてしまおうと歩を早めたのであった。
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