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SS:凪の弟と家族
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自宅に忘れ物を取りに戻った金子奏汰は、門のところで背筋の凍る思いをしながら立ちすくんでいた。ここにいては危険だと頭では理解できても、あまりの恐怖で一歩も動けない。彼は自宅から出てきた見知らぬ若い男とただ睨み合っていた。
狼を思わせるような鋭い目をした男は、奏汰に興味を失ったように目線を外す。奏汰はようやく呼吸ができるようになり、深呼吸を繰り返していた。
男と少し距離を開けて玄関から女が出てくる。やはり奏汰の知らない女だ。髪の短い女は少年のようにも見えるが、ボーイッシュというより儚げな美少年という風情だった。凛とした美しいさだがどこか不幸をまとっている。
魅入られたように奏汰は女を見つめるが、彼女は前の男を見ていて奏汰の目線に気づきもしなかった。
男は女を振り返る。しかし、二人の距離は縮まることはなかった。結局触れ合うこともなく、男は高級車の運転席に、女は助手席の後ろの座席に乗り込む。
門から少し離れた奏汰は門を出ていく自動車を呆然と見送っていた。
奏汰は男に一瞬睨まれただけだ。たったそれだけのことで体は生命の危機を感じている。そして、彼の頭は男を恐れるように距離を取っていたあの美しい女で占められていた。
「父さん、今の客は誰?」
奏汰が居間に入ると、金子と靖子がぼんやりと座っていた。心配になった奏汰が父の金子に声をかける。
「あれは、娘の凪だ」
父と名乗ることはもう許されないだろうと思いながら、呟くように金子は答えた。
「何だって! あれが母さんが出ていった原因か?」
金子の前妻が産んだ娘に金をせびられていて、金子は金を渡そうとしていると奏汰は母の雅代から聞いていた。
「違う。あの子は金を受け取らなかった。父さんが養育費も教育費も渡していなかったからとても苦労させたんだ。進学費用がなくて高校を出てすぐに働いたらしい。父親にさえ捨てられた自分には価値がない、誰にも愛されないと思っていたと言われた。凪は父さんのことを父親とは認めていない」
金子は首を振りながら力なく言う。奏汰は一週間ほど会わないうちに父が随分と老け込んでしまったような気がした。
「あの男は誰だ? 一般人ではないだろう」
奏汰はあまりに危険な雰囲気をまとった男を思い出していた。
「彼は凪の婚約者だ。凪はあの男に愛されて今は幸せだと言っていた」
金子の胸には不安が押し寄せる。奏汰とそれほど年の違わない甲斐田の息子が、なぜ同棲経験のある四歳も年上の凪と結婚を急ぐのか。そもそも、なぜ甲斐田が結婚を赦したのか。そして、近付こうともしない二人は本当に愛し合っているのか? 金子はそんな不安を胸の奥に押し込めようとした。しかし、完全に蓋をすることなどできない。
「婚約者? 愛されているって? そんな馬鹿な! 凪さんはあの男を恐れているようだった」
「前の男は凪を虐待していたらしいが、彼はそんなことはしていないと思う」
金子の額に汗が浮かぶ。確かに章に近付こうともしない凪の様子はおかしかった。それでも凪の幸せだと言う言葉を信じるしかない。金子が娘を不幸せにしたのだと認めるのは辛いことだから。
「父さん、何を言っているんだ! あの男だって凪さんを虐待しているのに決まっているよ。とにかく凪さんを助け出さなければ」
不幸そうな凪が無理やり裸に剥かれて、手枷で拘束されながらあの男に何度も手酷く犯されている様を思い浮かべた奏汰は、母親が違うとはいえ、実の姉のあられもない姿を想像してしまったことに背徳感を覚え手を握りしめる。しかし、その痛みさえ妄想を頭から追い出すことができなかった。
「駄目なんだ。結婚に口出ししてしまうと、父さんは会社を解雇されてしまうかもしれない。お前たちの生活を守るためには、凪のことは忘れるしかない」
「あの男を知っているのか? 父さんは実の娘をあの男に売ったのか!」
奏汰の責める言葉に金子は黙ってしまった。靖子も唇を噛んで俯いている。
十八歳になったばかりの蒼汰は、信じられない思いで金子を見ていた。今まで存在さえ知らなかった姉を犠牲にして、自分たちの生活を守ろうとする父親が許せないと思った。
三階にある自室に駆け上がって何冊かの参考書を持ち出した奏汰は、行くはずだった塾を休んで母親の実家に戻ることにした。
母親の実家は郊外のマンションの一室で、金子の家から電車に乗って一時間ほど。まだ日が高いうちに着くことができた。
「随分と早いわね。塾はどうしたの?」
玄関を掃除していた雅代は、慌てて帰ってきた奏汰に何事かと心配する。
「塾は辞める」
思いつめたように奏汰は言った。
「大学はどうするつもり?」
「大学はなるべく金のかからないところへ行く。勉強なら高校でもできるから塾は必要ない。菜月も留学から呼び戻そう」
「何を言っているの!」
雅代が大声で叫んだので、既に退職して年金暮らしをしている雅代の父母も部屋から出てきた。
八畳ほどのリビングダイニングに奏汰と雅代、そして父母が揃った。
「どういうことなの? お父さんに何か言われた?」
勉強があまり好きではない奏汰だったが、塾だけは素直に通っていた。それが急に辞めると言い出したのは、雅代は金子が何か言ったのかと疑っている。
「違う。父さんは僕たちの生活を守るために、物凄い怖い男に自分の娘を売ったんだ。凪さんはあの男に奴隷のように扱われているよ。凪さんを取り戻そうとすると、父さんは会社をクビになるって」
凪の白い肌を男が蹂躙するように嬲っていく。
逃れようと凪は身をくねらせるが、手枷の鎖がベッドに固定されていて動くことができない。
涙が凪の目からあふれるても、男は無表情で凪を犯し続ける。
凪の嗚咽と卑猥な水音だけが部屋に響いている。
奏汰はそんな妄想を追い払うように頭を振った。
「そんなこと、私たちに関係ないじゃない! 私の娘じゃないし」
雅代は金子から娘に金を渡したいと言われただけだ。そんな話は与り知らないと思った。
「誰かを犠牲にして幸せになったとしても、いつかは自分に返ってくる。母さんや僕ではなくて、僕の子どもかもしれない。そうなっても、凪さんの不幸を見なかったことにして、自分だけ幸せになればいいと思うのか? 父親に追い出され養育費も進学費用も払ってもらえなくて、僕が進学もできなくても母さんは平気なの? 菜月が男に奴隷のように扱われても、自分だけが幸せなら満足か? とにかく、凪さんは僕が助け出す。これから死ぬほど勉強して、父さんよりいい会社に入って、力をつけて……」
それは世間知らずの少年らしい正義感から出た言葉であった。それでも、略奪婚をした自覚のある雅代の胸には突き刺さる。
「そ、それは……、わかったわ。明日には家へ帰りましょう。お父さんと話し合ってみるから」
結局、菜月は留学先から呼び戻された。雅代は金子が会社で大きなミスをして給料が大幅に下がったためと説明していた。
凪のことを売ったと責める奏汰に反論しない金子を見て、雅代は菜月に凪のことを伝えることができなかった。自分も金子に売られてしまうのではないかと菜月を不安にさせたくないから。金子と奏汰もそのことに了承したので、菜月は凪のことを知ることはない。
帰ってきた菜月は不満そうにしていたが、火が消えたように暗くなってしまった我が家を見て、本当にお金がないのだと感じてコンビニでバイトを始めた。
奏汰は塾を辞めて、毎日高校に居残って勉強をしている。成績は塾へ行っていた時より上がってきていた。
金子は凪が不幸になっていると不安に思いながら、甲斐田に逆らうことができずにいた。
「私、パートに出ようと思うの。そのお金を凪さんに渡して」
落ち込んでいる金子に雅子はそう頼んでみた。このままでは凪の不幸が家庭を壊してしまうのではないと思わせるほど、皆は元気がない。
雅代は少しでも凪に償いができればと考えていた。
「凪は俺たちに何も期待していないと言って、金の受け取りを拒否した。だから、お前が働いた金は菜月と奏汰のために使えばいい」
金子は自分が捨てた凪の冷たい目を思い出し、我が子を守ってやれなかった自らの力のなさを嘲笑っていた。
狼を思わせるような鋭い目をした男は、奏汰に興味を失ったように目線を外す。奏汰はようやく呼吸ができるようになり、深呼吸を繰り返していた。
男と少し距離を開けて玄関から女が出てくる。やはり奏汰の知らない女だ。髪の短い女は少年のようにも見えるが、ボーイッシュというより儚げな美少年という風情だった。凛とした美しいさだがどこか不幸をまとっている。
魅入られたように奏汰は女を見つめるが、彼女は前の男を見ていて奏汰の目線に気づきもしなかった。
男は女を振り返る。しかし、二人の距離は縮まることはなかった。結局触れ合うこともなく、男は高級車の運転席に、女は助手席の後ろの座席に乗り込む。
門から少し離れた奏汰は門を出ていく自動車を呆然と見送っていた。
奏汰は男に一瞬睨まれただけだ。たったそれだけのことで体は生命の危機を感じている。そして、彼の頭は男を恐れるように距離を取っていたあの美しい女で占められていた。
「父さん、今の客は誰?」
奏汰が居間に入ると、金子と靖子がぼんやりと座っていた。心配になった奏汰が父の金子に声をかける。
「あれは、娘の凪だ」
父と名乗ることはもう許されないだろうと思いながら、呟くように金子は答えた。
「何だって! あれが母さんが出ていった原因か?」
金子の前妻が産んだ娘に金をせびられていて、金子は金を渡そうとしていると奏汰は母の雅代から聞いていた。
「違う。あの子は金を受け取らなかった。父さんが養育費も教育費も渡していなかったからとても苦労させたんだ。進学費用がなくて高校を出てすぐに働いたらしい。父親にさえ捨てられた自分には価値がない、誰にも愛されないと思っていたと言われた。凪は父さんのことを父親とは認めていない」
金子は首を振りながら力なく言う。奏汰は一週間ほど会わないうちに父が随分と老け込んでしまったような気がした。
「あの男は誰だ? 一般人ではないだろう」
奏汰はあまりに危険な雰囲気をまとった男を思い出していた。
「彼は凪の婚約者だ。凪はあの男に愛されて今は幸せだと言っていた」
金子の胸には不安が押し寄せる。奏汰とそれほど年の違わない甲斐田の息子が、なぜ同棲経験のある四歳も年上の凪と結婚を急ぐのか。そもそも、なぜ甲斐田が結婚を赦したのか。そして、近付こうともしない二人は本当に愛し合っているのか? 金子はそんな不安を胸の奥に押し込めようとした。しかし、完全に蓋をすることなどできない。
「婚約者? 愛されているって? そんな馬鹿な! 凪さんはあの男を恐れているようだった」
「前の男は凪を虐待していたらしいが、彼はそんなことはしていないと思う」
金子の額に汗が浮かぶ。確かに章に近付こうともしない凪の様子はおかしかった。それでも凪の幸せだと言う言葉を信じるしかない。金子が娘を不幸せにしたのだと認めるのは辛いことだから。
「父さん、何を言っているんだ! あの男だって凪さんを虐待しているのに決まっているよ。とにかく凪さんを助け出さなければ」
不幸そうな凪が無理やり裸に剥かれて、手枷で拘束されながらあの男に何度も手酷く犯されている様を思い浮かべた奏汰は、母親が違うとはいえ、実の姉のあられもない姿を想像してしまったことに背徳感を覚え手を握りしめる。しかし、その痛みさえ妄想を頭から追い出すことができなかった。
「駄目なんだ。結婚に口出ししてしまうと、父さんは会社を解雇されてしまうかもしれない。お前たちの生活を守るためには、凪のことは忘れるしかない」
「あの男を知っているのか? 父さんは実の娘をあの男に売ったのか!」
奏汰の責める言葉に金子は黙ってしまった。靖子も唇を噛んで俯いている。
十八歳になったばかりの蒼汰は、信じられない思いで金子を見ていた。今まで存在さえ知らなかった姉を犠牲にして、自分たちの生活を守ろうとする父親が許せないと思った。
三階にある自室に駆け上がって何冊かの参考書を持ち出した奏汰は、行くはずだった塾を休んで母親の実家に戻ることにした。
母親の実家は郊外のマンションの一室で、金子の家から電車に乗って一時間ほど。まだ日が高いうちに着くことができた。
「随分と早いわね。塾はどうしたの?」
玄関を掃除していた雅代は、慌てて帰ってきた奏汰に何事かと心配する。
「塾は辞める」
思いつめたように奏汰は言った。
「大学はどうするつもり?」
「大学はなるべく金のかからないところへ行く。勉強なら高校でもできるから塾は必要ない。菜月も留学から呼び戻そう」
「何を言っているの!」
雅代が大声で叫んだので、既に退職して年金暮らしをしている雅代の父母も部屋から出てきた。
八畳ほどのリビングダイニングに奏汰と雅代、そして父母が揃った。
「どういうことなの? お父さんに何か言われた?」
勉強があまり好きではない奏汰だったが、塾だけは素直に通っていた。それが急に辞めると言い出したのは、雅代は金子が何か言ったのかと疑っている。
「違う。父さんは僕たちの生活を守るために、物凄い怖い男に自分の娘を売ったんだ。凪さんはあの男に奴隷のように扱われているよ。凪さんを取り戻そうとすると、父さんは会社をクビになるって」
凪の白い肌を男が蹂躙するように嬲っていく。
逃れようと凪は身をくねらせるが、手枷の鎖がベッドに固定されていて動くことができない。
涙が凪の目からあふれるても、男は無表情で凪を犯し続ける。
凪の嗚咽と卑猥な水音だけが部屋に響いている。
奏汰はそんな妄想を追い払うように頭を振った。
「そんなこと、私たちに関係ないじゃない! 私の娘じゃないし」
雅代は金子から娘に金を渡したいと言われただけだ。そんな話は与り知らないと思った。
「誰かを犠牲にして幸せになったとしても、いつかは自分に返ってくる。母さんや僕ではなくて、僕の子どもかもしれない。そうなっても、凪さんの不幸を見なかったことにして、自分だけ幸せになればいいと思うのか? 父親に追い出され養育費も進学費用も払ってもらえなくて、僕が進学もできなくても母さんは平気なの? 菜月が男に奴隷のように扱われても、自分だけが幸せなら満足か? とにかく、凪さんは僕が助け出す。これから死ぬほど勉強して、父さんよりいい会社に入って、力をつけて……」
それは世間知らずの少年らしい正義感から出た言葉であった。それでも、略奪婚をした自覚のある雅代の胸には突き刺さる。
「そ、それは……、わかったわ。明日には家へ帰りましょう。お父さんと話し合ってみるから」
結局、菜月は留学先から呼び戻された。雅代は金子が会社で大きなミスをして給料が大幅に下がったためと説明していた。
凪のことを売ったと責める奏汰に反論しない金子を見て、雅代は菜月に凪のことを伝えることができなかった。自分も金子に売られてしまうのではないかと菜月を不安にさせたくないから。金子と奏汰もそのことに了承したので、菜月は凪のことを知ることはない。
帰ってきた菜月は不満そうにしていたが、火が消えたように暗くなってしまった我が家を見て、本当にお金がないのだと感じてコンビニでバイトを始めた。
奏汰は塾を辞めて、毎日高校に居残って勉強をしている。成績は塾へ行っていた時より上がってきていた。
金子は凪が不幸になっていると不安に思いながら、甲斐田に逆らうことができずにいた。
「私、パートに出ようと思うの。そのお金を凪さんに渡して」
落ち込んでいる金子に雅子はそう頼んでみた。このままでは凪の不幸が家庭を壊してしまうのではないと思わせるほど、皆は元気がない。
雅代は少しでも凪に償いができればと考えていた。
「凪は俺たちに何も期待していないと言って、金の受け取りを拒否した。だから、お前が働いた金は菜月と奏汰のために使えばいい」
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