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8.最強の武器(カイオ視点)
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ルシアが聖なる力を込めた認識票は最高だった。そして、彼女の祝福した矢もやはり凄い。先程は三匹の魔物をまとめて消してやった。こんな事ができるのはルシアが祝福した矢だけだ。
先輩たちの持つ最近追加した矢もルシアの聖なる力が込められているので、今までの矢とは全く違うと話題になっていた。
十二人の竜騎士の中で、全ての武器がルシアに祝福されているのは俺だけだ。俺はそれが誇らしい。
魔物が激突しているので聖なる力でできた膜が時折閃光を放つが、魔物が突破してくることはなくなった。神官が聖なる力の濃度を調整し終わったのだろう。
これで内部に侵入してきた魔物を殲滅すれば今回の任務は無事終了だ。
十人の竜騎士たちでかなりの数の魔物を葬ったが、内部にはまだ百匹ほど魔物は残っていた。
俺たちの矢は魔法がかけられていて後で回収できるようになっているが、そのためには低空を速度を落として飛ばなければならないので、魔物との交戦中は無理だ。だから、残った六本の矢で戦うほかない。
今回膜を突き破って侵入してきた魔物は、口から黒魔素の塊を吐き出し攻撃してくる。それらを避けながら矢を射なければならない。
俺は矢を弓につがえた。十匹ほどの魔物がライムンドの後ろから迫る。時折吐き出される黒魔素の塊を避けながら、ライムンドを一回転させて加速、魔物の後ろをとった。
俺は満を持して矢を放つ。すると、魔物が二匹消え去った。更に加速しながら魔物を追い、矢を連続で射る。今度は三匹の魔物が消えていく。他の竜騎士たちも魔物と空中戦を繰り広げていた。
辺りはすっかり暗くなっていたが、魔物は輝いているので照準を合わせるのに困ることはない。
魔物が残り十匹ほどになった頃、ジャイル先輩の矢がなくなり、長剣で魔物と戦っていた。すると、後ろにいた魔物が先輩に向けて黒魔素の塊を放つ。今まで見たこともないほど大きな塊で、このままでは先輩が飲み込まれてしまい、黒魔素中毒や窒息の恐れがある。
黒魔素の塊は俺たちの武器で消し去ることはできない。しかし、この光り輝いている認識票なら効くのではないか?
先輩の高度は俺より下だ。俺は精一杯の身体強化を行い、ためらうことなくライムンドから飛び降りた。空気との摩擦のため体が燃え上がるほど熱い。魔法で周りを冷ましながら速度は落とさず、俺は左手を突き出して黒魔素の塊に突っ込んだ。
「カイオー!」
団長と先輩の怒鳴り声が聞こえる。
同時に俺の周りで盛大な光の塊が発生した。そして、先輩に迫っていた黒魔素の塊が消え去り、ついでに魔物も数匹消滅した。
認識票から高濃度の聖なる力が放出されたようだ。溢れ出る聖なる力が周りの黒魔素を分解して昼間のように明るくなった。
ライムンドが高度を下げて落下している俺を回収する。無事ライムンドの背に乗ることができた俺は、先輩に向かって叫んだ。
「ジャイル先輩! 無事ですか?」
ある程度の距離ならば魔法で音を届けることができる。
「俺は大丈夫だが、あれはなんだ?」
周りの魔物が消え去ったので、不思議そうに周りを見渡しているジャイル先輩。
しばらくすると団長もやってきた。
「とりあえず魔物は殲滅した。後は矢を回収して基地に戻るぞ」
団長たちが残りの魔物を全てやっつけたらしく、魔物の姿は見えない。しばらくすると認識票の明かりも消えて辺りはすっかり暗くなっていた。
基地へ戻り、ライムンドから降りると、俺は他の竜騎士に囲まれた。
「カイオ、とにかく無茶しすぎだ。自ら黒魔素の塊に突っ込んでいく奴があるか!」
団長に怒られてしまった。
「申し訳ありません。しかし、勝算はありました」
団長は怒るととても怖いので、とりあえず謝っておく。
「あの光か? あれは何だ?」
団長がそう訊くので、俺は左腕を差し出した。
「元聖乙女のルシアがこの認識票に聖なる力を込めてくれました」
それは信じられないほど簡単だったけれど、確かに聖なる力が込められていた。
「はぁ? なぜにルシア様が?」
団長は素っ頓狂な声を上げた。団長はルシアが神殿に入る前の状態を知っているので、ルシアをかなり神聖化している。
「昼間に国王陛下に呼ばれて、ルシアと結婚することになってしまいました」
行きがかり上としか言いようがない。
「そう言えば俺も陛下に呼ばれていたんだ。緊急発進で王宮へ行けなくなってしまったが、その話だったのか?」
「おそらく、そうだと思われます」
歴代最高の聖乙女のことだから、王も団長には伝えておくだろう。
「じゃあ、昼間雑貨屋で会った女性はルシア様だったのか? カイオが背に隠していたのであまり良く見えなかったが」
ジャイル先輩が横から口を出した。
「カイオ、今からあまり執着すると嫌われるぞ」
ジャイル先輩と組んでいるヴィトール副団長が俺をからかう。
「そんなんじゃありません」
あれはルシアに先輩を見せないためだった。
「ルシア様と言えば、もう二十四歳。神聖さに大人の魅力が加わっているのではないか? 相手がお前のような餓鬼で本当に大丈夫なのか?」
団長が俺の腹を肘で小突きながらそう言うけれど、ルシアはどう考えても俺より言動が幼い。子供向けの竜の模型を欲しがるぐらいだ。ライムンドを選ぶぐらいだから趣味は悪くないと思うが、大人の魅力など、彼女のどこを探せば出てくるのかわからない。
「大丈夫に決まっています。俺たちはとっても仲がいいんです」
かなり盛っているけれど、他の竜騎士のためだから許されるよな。
「認識票に聖なる力を込めてもらったのか。何だか凄いな。どれ位の日数かかったんだ?」
違う先輩が俺の左腕を掴んで、認識票をしげしげと見ている。
「一瞬で済んだ」
「はぁ?」
またも団長が変な声を出す。
「団長、俺たちは神殿に騙されているんじゃないですか? 武器の祝福なんて本当はぱっぱとできてしまうのに、権威付けのために日数がかかると言っているだけなのでは」
「そんなはずはない。俺の妻は元聖乙女だが、武器の祝福は本当に大変だったって言っていたぞ」
団長は即座に否定した。そうなのか? ルシアは本当に一瞬だったけどな。
「とにかく、もう遅いから今日はこれで解散だ。ルシア様の話は明日にでもゆっくりしよう」
俺も疲れた。それに腹が減った。確かに早く家へ帰りたい。
家へ帰ると中は真っ暗だった。もうすぐ日付が変わる時間になっている。ルシアはもう寝ているのだろう。
俺は腹が減っているので、とにかく食えるものを探そうと食事室へ向うことにする。
玄関に置いてあったランプに魔法で火をつけ、それを持って食事室のドアを開けた。
「きゃ!」
女性の悲鳴が鳴り響く。
驚いて中を見ると、ルシアが椅子から立ち上がりながらこちらを見ていた。その頬には涙の跡が残る。
「まだ、起きていたのか? 先に寝ておけば良かったのに」
「カイオなの? 良かった。私は魔法が使えないから、明かりもつけることができないし、お湯だって沸かせないの。水の出し方さえわからない」
そう言えば聖乙女は魔法が全く使えないのだった。この基地で働いている者の多くが、竜騎士の訓練生上がりで魔法持ちなので、魔法が使えない者への配慮が足りていない。
「それは悪かった。何か食ったか?」
ルシアは黙って首を振る。
「パンならそのまま食えただろう? 牛乳とチーズも買ったはずだ。全く、それも一人でできなかったのか?」
「だって、一緒に食べようと思ったのよ」
ルシアは俺を待ってくれていたのだろうか?
俺は食事室の三つのランプに火をつけた。部屋は一気に明るくなる。
「きゃー」
再びルシアが悲鳴を上げた。
「今度は何だ?」
ルシアは慌てて俺の方に駆け寄ってくる。途中で躓いたので、俺も飛んでいって何とか転ぶのを阻止した。とてもじゃないが『大人の魅力』は感じないぞ。
「貴方、どうしたの? 服があちこち焦げて破れているわ。 私が祝福した武器のせいでこんな姿になってしまったの?」
よく見ると俺の着ている竜騎士用の上着は確かに酷い有様だった。
「いや、あんたの祝福は最高だ。この認識票も凄く役立った」
「嘘を言わないで。私のせいなのでしょう? 私の祝福した武器の性能が悪いせいで」
「だから、あんたの祝福は凄いって言ってるだろうが。歴代最高の聖乙女だぞ。これはちょっと調子に乗って無茶をしたせいだ。あんたには関係ない」
ルシアが聖なる力を込めた認識票があったからあんなことをしたので、厳密には無関係ではないが。
「こんないい加減な仕事をするなって、私を責めなさいよ。わかっているのよ。私が無責任だったこと」
「何度も言わせるなよ。あんたの祝福は最高だって言ってるだろうが。俺は腹が減って機嫌が悪い。あんたの相手はしきれない」
俺は疲れて帰ってきたんだ。なぜにこんな風に絡まれなければならない?
先輩たちの持つ最近追加した矢もルシアの聖なる力が込められているので、今までの矢とは全く違うと話題になっていた。
十二人の竜騎士の中で、全ての武器がルシアに祝福されているのは俺だけだ。俺はそれが誇らしい。
魔物が激突しているので聖なる力でできた膜が時折閃光を放つが、魔物が突破してくることはなくなった。神官が聖なる力の濃度を調整し終わったのだろう。
これで内部に侵入してきた魔物を殲滅すれば今回の任務は無事終了だ。
十人の竜騎士たちでかなりの数の魔物を葬ったが、内部にはまだ百匹ほど魔物は残っていた。
俺たちの矢は魔法がかけられていて後で回収できるようになっているが、そのためには低空を速度を落として飛ばなければならないので、魔物との交戦中は無理だ。だから、残った六本の矢で戦うほかない。
今回膜を突き破って侵入してきた魔物は、口から黒魔素の塊を吐き出し攻撃してくる。それらを避けながら矢を射なければならない。
俺は矢を弓につがえた。十匹ほどの魔物がライムンドの後ろから迫る。時折吐き出される黒魔素の塊を避けながら、ライムンドを一回転させて加速、魔物の後ろをとった。
俺は満を持して矢を放つ。すると、魔物が二匹消え去った。更に加速しながら魔物を追い、矢を連続で射る。今度は三匹の魔物が消えていく。他の竜騎士たちも魔物と空中戦を繰り広げていた。
辺りはすっかり暗くなっていたが、魔物は輝いているので照準を合わせるのに困ることはない。
魔物が残り十匹ほどになった頃、ジャイル先輩の矢がなくなり、長剣で魔物と戦っていた。すると、後ろにいた魔物が先輩に向けて黒魔素の塊を放つ。今まで見たこともないほど大きな塊で、このままでは先輩が飲み込まれてしまい、黒魔素中毒や窒息の恐れがある。
黒魔素の塊は俺たちの武器で消し去ることはできない。しかし、この光り輝いている認識票なら効くのではないか?
先輩の高度は俺より下だ。俺は精一杯の身体強化を行い、ためらうことなくライムンドから飛び降りた。空気との摩擦のため体が燃え上がるほど熱い。魔法で周りを冷ましながら速度は落とさず、俺は左手を突き出して黒魔素の塊に突っ込んだ。
「カイオー!」
団長と先輩の怒鳴り声が聞こえる。
同時に俺の周りで盛大な光の塊が発生した。そして、先輩に迫っていた黒魔素の塊が消え去り、ついでに魔物も数匹消滅した。
認識票から高濃度の聖なる力が放出されたようだ。溢れ出る聖なる力が周りの黒魔素を分解して昼間のように明るくなった。
ライムンドが高度を下げて落下している俺を回収する。無事ライムンドの背に乗ることができた俺は、先輩に向かって叫んだ。
「ジャイル先輩! 無事ですか?」
ある程度の距離ならば魔法で音を届けることができる。
「俺は大丈夫だが、あれはなんだ?」
周りの魔物が消え去ったので、不思議そうに周りを見渡しているジャイル先輩。
しばらくすると団長もやってきた。
「とりあえず魔物は殲滅した。後は矢を回収して基地に戻るぞ」
団長たちが残りの魔物を全てやっつけたらしく、魔物の姿は見えない。しばらくすると認識票の明かりも消えて辺りはすっかり暗くなっていた。
基地へ戻り、ライムンドから降りると、俺は他の竜騎士に囲まれた。
「カイオ、とにかく無茶しすぎだ。自ら黒魔素の塊に突っ込んでいく奴があるか!」
団長に怒られてしまった。
「申し訳ありません。しかし、勝算はありました」
団長は怒るととても怖いので、とりあえず謝っておく。
「あの光か? あれは何だ?」
団長がそう訊くので、俺は左腕を差し出した。
「元聖乙女のルシアがこの認識票に聖なる力を込めてくれました」
それは信じられないほど簡単だったけれど、確かに聖なる力が込められていた。
「はぁ? なぜにルシア様が?」
団長は素っ頓狂な声を上げた。団長はルシアが神殿に入る前の状態を知っているので、ルシアをかなり神聖化している。
「昼間に国王陛下に呼ばれて、ルシアと結婚することになってしまいました」
行きがかり上としか言いようがない。
「そう言えば俺も陛下に呼ばれていたんだ。緊急発進で王宮へ行けなくなってしまったが、その話だったのか?」
「おそらく、そうだと思われます」
歴代最高の聖乙女のことだから、王も団長には伝えておくだろう。
「じゃあ、昼間雑貨屋で会った女性はルシア様だったのか? カイオが背に隠していたのであまり良く見えなかったが」
ジャイル先輩が横から口を出した。
「カイオ、今からあまり執着すると嫌われるぞ」
ジャイル先輩と組んでいるヴィトール副団長が俺をからかう。
「そんなんじゃありません」
あれはルシアに先輩を見せないためだった。
「ルシア様と言えば、もう二十四歳。神聖さに大人の魅力が加わっているのではないか? 相手がお前のような餓鬼で本当に大丈夫なのか?」
団長が俺の腹を肘で小突きながらそう言うけれど、ルシアはどう考えても俺より言動が幼い。子供向けの竜の模型を欲しがるぐらいだ。ライムンドを選ぶぐらいだから趣味は悪くないと思うが、大人の魅力など、彼女のどこを探せば出てくるのかわからない。
「大丈夫に決まっています。俺たちはとっても仲がいいんです」
かなり盛っているけれど、他の竜騎士のためだから許されるよな。
「認識票に聖なる力を込めてもらったのか。何だか凄いな。どれ位の日数かかったんだ?」
違う先輩が俺の左腕を掴んで、認識票をしげしげと見ている。
「一瞬で済んだ」
「はぁ?」
またも団長が変な声を出す。
「団長、俺たちは神殿に騙されているんじゃないですか? 武器の祝福なんて本当はぱっぱとできてしまうのに、権威付けのために日数がかかると言っているだけなのでは」
「そんなはずはない。俺の妻は元聖乙女だが、武器の祝福は本当に大変だったって言っていたぞ」
団長は即座に否定した。そうなのか? ルシアは本当に一瞬だったけどな。
「とにかく、もう遅いから今日はこれで解散だ。ルシア様の話は明日にでもゆっくりしよう」
俺も疲れた。それに腹が減った。確かに早く家へ帰りたい。
家へ帰ると中は真っ暗だった。もうすぐ日付が変わる時間になっている。ルシアはもう寝ているのだろう。
俺は腹が減っているので、とにかく食えるものを探そうと食事室へ向うことにする。
玄関に置いてあったランプに魔法で火をつけ、それを持って食事室のドアを開けた。
「きゃ!」
女性の悲鳴が鳴り響く。
驚いて中を見ると、ルシアが椅子から立ち上がりながらこちらを見ていた。その頬には涙の跡が残る。
「まだ、起きていたのか? 先に寝ておけば良かったのに」
「カイオなの? 良かった。私は魔法が使えないから、明かりもつけることができないし、お湯だって沸かせないの。水の出し方さえわからない」
そう言えば聖乙女は魔法が全く使えないのだった。この基地で働いている者の多くが、竜騎士の訓練生上がりで魔法持ちなので、魔法が使えない者への配慮が足りていない。
「それは悪かった。何か食ったか?」
ルシアは黙って首を振る。
「パンならそのまま食えただろう? 牛乳とチーズも買ったはずだ。全く、それも一人でできなかったのか?」
「だって、一緒に食べようと思ったのよ」
ルシアは俺を待ってくれていたのだろうか?
俺は食事室の三つのランプに火をつけた。部屋は一気に明るくなる。
「きゃー」
再びルシアが悲鳴を上げた。
「今度は何だ?」
ルシアは慌てて俺の方に駆け寄ってくる。途中で躓いたので、俺も飛んでいって何とか転ぶのを阻止した。とてもじゃないが『大人の魅力』は感じないぞ。
「貴方、どうしたの? 服があちこち焦げて破れているわ。 私が祝福した武器のせいでこんな姿になってしまったの?」
よく見ると俺の着ている竜騎士用の上着は確かに酷い有様だった。
「いや、あんたの祝福は最高だ。この認識票も凄く役立った」
「嘘を言わないで。私のせいなのでしょう? 私の祝福した武器の性能が悪いせいで」
「だから、あんたの祝福は凄いって言ってるだろうが。歴代最高の聖乙女だぞ。これはちょっと調子に乗って無茶をしたせいだ。あんたには関係ない」
ルシアが聖なる力を込めた認識票があったからあんなことをしたので、厳密には無関係ではないが。
「こんないい加減な仕事をするなって、私を責めなさいよ。わかっているのよ。私が無責任だったこと」
「何度も言わせるなよ。あんたの祝福は最高だって言ってるだろうが。俺は腹が減って機嫌が悪い。あんたの相手はしきれない」
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