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第一章:都市伝説
第5話 ネット社会、便利なご時世
しおりを挟む「なぁ、どういう意味だと思う? これ」
そんな俺の言葉に、近藤は顎に手を当てて「うーん」と唸った。
そして数秒間俺の携帯を眺めた後で。
「……あ?」
まるで何かを思い出しでもしたかのような声を上げた。
そして俺の携帯を机の上に置き、彼は懐から自分の携帯を探り出す。
携帯画面を立ち上げると、彼は慣れた手つきで何かをしきりに打ち込み始めた。
その後今度は親指で、スイスイと画面をフリックする。
そんな彼を、俺は「何やってんだ?」と思いながら眺めていた。
見た感じネット検索でもしている風だが、一体何を検索するというのだろう。
そこまで思って、俺は「あっ」と小さく声を上げた。
もしかして本文とかアドレスとかを検索すれば、それが何なのか簡単に分かるのかもしれない。
例えば変な業者からの電話とか、危ない系のスパムメールとか。
そういうのはわりと、本文とかアドレスとかが晒されてたりする。
今は、検索すれば一発でそんな口コミが分かるご時世なのだ。
そっか、ネット検索すれば良かったんだ。
そう思えば、逆に今まで待ったくその事に思い至らなかった自分が馬鹿に思えてきた。
いやまぁ、今の今まであのメールの存在すら忘れていたんだから、調べるもくそも無かったんだけど。
丁度、そんな風に思った時だ。
「あ、あった。これこれ」
そう言って近藤は、まるで印籠でも掲げるかのように自分の携帯を俺に見せた。
「そのメールってさ、もしかしてこれじゃね? 都市伝説『牛さんの順番メール』」
「『牛さんの順番メール』?」
何だそれ。
そんな言葉と共に俺は、掲げられた携帯に手を伸ばす。
そしてそれを受け取り画面に表示された文章を読み進めて、思わず「なるほど」と思った。
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