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隣の国への道中、モフっ子との出会い編
第8話 希少魔物は一捻り。(2)
しおりを挟む立ち上がった炎の大きさに、敵達が一瞬怯んだ。
その感覚を掴んだ瞬間、今度は地を強く蹴って前に出る。
まだ少し残っていた炎の壁に突っ込んで、その向こうの敵影に一撃、二撃。
二撃目で仕留めて「やはり首を狙うのが相手を向こうにする手っ取り早い方法だな」と確認して、それ以降は一撃でそこを狙う。
スパッ、スパッと斬り伏せて、あっという間に敵の制圧は完了する。
ふぅとため息を吐いて、俺はクルリと踵を返した。
向かうのは、あの小さな気配の所である。
怯えて体を丸くしている少女だったが、その目は確かにこちらを見ていた。
(戦う俺をずっと見てた……のかな?)
だとすれば、彼女をかばった事も分かっただろうか。
そうだと良いなと少し思う。
でなければ多分、彼女の警戒心を解くのは難しい。
とりあえず彼女の目の前まで来て、俺はゆっくりとしゃがみ込んだ。
「怪我は……っと、擦りむいてるな。他にもどっかぶつけたりしてるかもしれないし、馬車に乗る前に買っておいてよかったよ」
そう言いながら、太ももにつけていたカバンを開けて小さな小瓶を一つ取り出す。
「はい、とりあえずこのポーション飲んで」
そう言って一応蓋を開けてやってから彼女に渡せば、彼女はそれにおずおずと口をつけた。
瞬間、彼女の体がボウっと光り、見えていた擦り傷が最初から無かったかのように消える。
おそらく痛みも退いたのだろう。
驚いた顔で傷があったその場所を凝視している彼女を前に、俺は「もしかしてぽションを飲んだの初めてなのかな?」と考える。
ポーションは、効果の善し悪しによって金額も入手難易度もまちまちだ。
しかし一番ランクの低い低級、その中でも粗悪品なんかは平民でも手が出せる金額で売っている。
見た目年齢からみて、多分この子は10歳前後。
そのくらいの年齢ならば、皆一度はそういった物を使った事がある筈だ。
しかし。
(まぁ、彼女の境遇を考えれば使った事無くても仕方がないかな)
俺はそう思いつつ、彼女にこう聞いた。
「それで、どうしてこの国に居るんだ? 獣人なのに」
そう言うと、彼女はおそらく「自分が本来はここに居てはいけない存在なのだ」という事を、ちゃんと知っているのだろう。
怯えに肩をビクリと震わせた。
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