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歩き食いは超痛い編
第20話 3つ目の『やりたい事』は大惨事(2)
しおりを挟む「それって何だか、とっても不便そうなの」
「そうだな、俺もそう思う。でも今は、もうそのルールから解放された。それが嬉しい」
そう言って、俺はまだ湯気が立ち上る串焼きにかぶりつく。
するとタレの香ばしさと共に、肉の中に閉じ込められた肉汁がジュワッと溢れてきて。
「あっふ(熱っ)!!」
突然の事にパニックを起こす。
舌が痛い。
超痛い。
しかしせっかく初めての『歩き食い』だし、痛みで味とか分からないけど、多分肉自体は美味しいのだ。
吐き出すのはかなり惜しい。
どうにか口から出さずに肉の熱を逃がそうと、口の中の肉を転がした。
涙目だ。
しかしそれでもその熱さに耐えつつハフッハフッとして、どうにか冷まそうと試みる。
そしてどうにか食べられる熱さまで温度を下げる事に成功し、それからモグモグと咀嚼した。
「ふん、ほいひい。はめははふほほはひはへる(うん、美味しい。噛めば噛むほど味が出る)」
味付けに使っているタレも良い。
城では大体香辛料をたくさん使っていたのだが、それとはコンセプトが違う味付け、という感じだ。
なんかこう、ちょっとコッテリとした肉本来の味を邪魔しない良い味付け。
そして何だか、のど越しの良い飲み物を飲みたくもなる。
しかし、それにしてもだ。
(ホントに熱かった。正直言って、熱さかなり舐めてたわ)
そんな風に一人言ちる。
今まで出てくる料理たちは全て毒見の過程で冷めてしまい、俺の口に入るものはほとんど常温のものばかりだった。
だから食べ物が熱いという概念のが、いまいちしっくり来なかったのだが。
(熱いって、痛いんだなぁ)
生まれてこの方16年と少し。
この時俺は、初めてそんな事を知ったのだった。
因みにクイナはと言うと。
「めっっっっちゃ熱いから気を付けろ?」
「うんなの! ……(モグモグモグモグ)……おいしいの!」
「あ、そう……」
俺なんかよりもずっと熱いものの食べ方が上手だった。
そして俺の口の中は、この日一日水を飲む度にピリリと痛むことになる。
(こりゃぁちゃんと熱いものを上手く食べる練習しないとダメだなぁー……)
何だかちょっと恥ずかしいので、クイナにも内緒で俺は密かにそんな目標を立てたのだった。
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