追放殿下は隣国で、セカンドライフを決意した。 〜そしてモフっ子と二人、『ずっとやりたかった10の事』を叶える事にします〜

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さぁ冒険に出てみよう編

第33話 諦めが場を好転させる事もある!(1)

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 見ればクイナは涙目だ、よほど『腹痛』が嫌らしい。
 が、草そのものをそこまで怖がる必要も無い。

「別に食べなきゃ下さないし、ちゃんと分量を守れば薬にもなるやつだから大丈夫」
「大丈夫?」
「うん、大丈夫」

 まだ不安げに見上げてくるクイナにそう言いながら、俺はクイナがポイした草を拾う。


 実際、そんなにヤバい物でもない。

 簡単に言えば、この草はお通じを良くするための薬の原料になるものだ。
 もし今持っている草一株を全て食べてしまったら、当分はトイレに籠る事になっちゃうだろう。
 だけど、言ってしまえばそれだけだ。
 一応は劇薬の類じゃない。


「クエストとは関係ないけどもう一度摘んじゃったことだし、持って帰ったらギルドが買い取ってくれるかもしれないから一応持って帰ってみよう」

 置いたままにしておいてもどうせ萎れて枯れるだけだ。
 ならば持って帰って使ってくれそうな人を探した方が、多分この間違えて摘まれちゃった草の為だ。

 そう言うと、クイナがコテンッと首をかしげて聞いてくる。

「それも採る……の?」
「……いや、間違っちゃったやつは持って帰るけど、それ以外は要らないぞ。そんな事してたらキリ無いし」

 分かったな?
 俺がそう念を押すと、彼女は「うん、分かったのーっ!」と言った後、またいそいそと採取を続けた。




「――で、結局クエスト分を全部採り終わったところで間違って採ったのは5つか」

 俺がそう呟くと、クイナはシュンとして「ごめんなさい、なの」と呟いた。

 別に怒っても、苦言を呈するつもりもなかったから「気にするな」と言って笑う。

「そんなに落ち込むなよな? 慣れればじきに間違えなくなるって」

 そう言いながら、頭を優しくナデナデしてやる。


 それにこの僅かな間にクイナはちゃんと成長している。
 その証拠に最後の方は、採った後ではあったものの自分でちゃんと間違いにも気が付いていた。
 多分あと2回分でも依頼を熟せば、じきに「採る前に気付く」事も出来る様になるだろう。

「よし。じゃぁソレは、ちゃんとカバンの中にしまっとけー。で、次はクイナもお待ちかね『スライム退治』をやってみるぞー!」
「わーい、なの!!」

 よし、この勢いでもう一つのクエストもテキパキ片付けてしまおうじゃないか。

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