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クイナ、ついにスライム戦(物理)編
第40話 スライム、美味しくクッキングー!(2)
しおりを挟む因みにあれから調べたんだが、スライムは食用に出来るらしい。
冒険者ギルドでお世話になっているあの受付のお姉さん・ミランに至っては、「あぁアレとっても美味しですよね」と軽い口調で言っていた。
スライムは、どうやら特に獣人たちが好んで食べるものらしく、お菓子感覚なんだとか。
外見的特徴が特に無いのでてっきり人族だと思ってたんだけど、実はミランは獣人とのハーフだったらしい。
家ではおやつに頻繁にスライムが登場していたらしくって、彼女自身も好きなんだって。
「種類によって味わいも違うので、色々な食べ方がありますよ? まぁ一部のスライムには毒がありますから、食べる時には気を付けないといけませんが」
そう言って笑った彼女に俺は「クイナに危ないものを食べさせるわけにはいかない」と、姿勢を正して詳しく聞いた。
すると、特に気を付けるべきなのはポイズンスライムとパラライスライムの二つらしい。
「ポイズンスライムは毒を内包しているので、きちんとそれを取り除く手順を踏まないと後で毒に当たります。パラライスライムも同様ですが、こちらについてはあのピリッと感が堪らないという事で、敢えて解毒はせずに大人の方々の酒のおつまみになる事もありますよ」
とはいえ、そもそもが最弱種なので毒性もそれほど強くない。
万が一解毒に失敗してもすぐに命に係わるような事は無いらしく、健康体な大人にとってはちょっと調子が悪くなる程度、子供やお年寄りなどが当たってもポーションで十分対処できるくらいとの事。
その答えにちょっとだけ安心しつつ、「ふむなるほど、パラライスライムか」と俺は密かに独り言ちる。
今度、一度くらいはチャレンジしてみないといけないな。
「この辺でいうと出会える可能性が高いのはブルースライム・グリーンスライム・ロックスライムの三つですが……ロックスライムはあんまり食用向きではありませんね、何せ固いですから。でもあとの二つなら、普通に美味しく頂けますよ」
「そうなんですね、安心しました」
とりあえず、クイナが狙っているグリーンスライムは大丈夫そうだ。
そう思いながらお礼を言えば、彼女は「いいえ」と微笑んで「また分からない事があれば何でも聞いてくださいね」と言ってくれた。
流石は人気の受付嬢、こんな質問にも丁寧に答えてくれる上に「またどうぞ」と言えるこの余裕。
受付嬢の鏡だよなぁ。
お言葉に甘えて、何かあったら今後も遠慮なく頼らせてもらう事にしよう。
という事で、その時に一緒に『ちゃんと俺でも作れる「甘くておいしいの」のお手軽調理法』は聞いてきた。
材料だって揃えて準備は万端、あとは実践あるのみだ。
「じゃぁ行くぞー。『スライム、美味しくクッキングー!』」
「のーっ!」
掛け声と共に片手をグーに握って空に向かって突き上げると、クイナが俺の後に続く。
片手持ちになるが、スライムはぐっすり夢の中で最早逃げる手段を持たない。
哀れ、スライム。
「まずスライムから核になる魔石部分を取り出します!」
「の!」
あらかじめ買っておいたまな板をマジックバックから取り出して、クイナに「ここに乗せろ」ジェスチャーで示す。
するとまるで餅つきの相棒かのようなスムーズさで、スライムをそこにポテンと置いた。
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