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二人と一緒に生活すると決めたフィーリアは、お供を連れて街にくり出す。

第13話 ほしい物と小さな秘密(1)

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 新しい環境に身を置くのが苦手だった私が知っている街といえば、王都の他には私の実家があった旧子爵領くらいである。

 今はもう他の方が統治を引き継ぎ男爵領になっている筈だから少しは様相も変わっているかもしれないけれど、当時はのどかな風景とゆるやかな時間の流れが心地よい、おおらかな気質の場所だった。
 それに比べてこの伯爵領は、人口が多く活気がある。中でも商店が立ち並ぶこの地域は、やはりよそ行きの建物が多い。

 初めての場所、触れた事のない空気。――どうしよう、少し怖い。

「おいお前、何でこれを見てそんな引きつった顔になるんだよ。面倒くせぇ」
「物珍しそうにキョロキョロするものどうかと思うけど、これはこれで迷惑だからね? まるでボクたちが無理やり連れて来たみたいじゃん」

 吐き捨てるように言ったディーダと、呆れた声でため息を吐いたノイン。二人の言葉にハッとさせられ、慌てて「すいません」と謝った。
 せっかく二人にお願いまでして、連れてきてもらったのだ。きちんと目的を果たすために行動をしなければ意味がない。

 大丈夫、別に誰かと仲良くなる必要はないのだ。必要なお店の場所を覚えて、必要なものを買っえばいいだけ。
 自分で自分にそう言い聞かせ、両手で頬を挟むようにペシンと叩いた。少し頬がヒリヒリとするが、おそらく活は入れられた筈。

 そんな一人相撲をしていた私に、ディーダがフンッと面倒そうに鼻を鳴らした。

「いいから行くぞ」

 ぶっきらぼうな言葉を置いて、彼はズンズンと前を歩き出す。続いて歩き出したノインが、棒立ちの私を振り返った。

 薄桃の瞳が、スンとした色で「行かないの?」と聞いてきている。
 いつまでも立ち止まっていたら、私なんて置き去りにしてそのまま行ってしまいそうだ。 慌てて小走りで二人に追いつき、私も街を歩きだした。



 あちらこちらから「へいらっしゃい」という呼び込みの声が聞こえてくる。
 人の笑顔がとても多い。他にも楽しげな話し声や笑い声が耳に賑やかしく、店頭に並ぶ様々な食べ物や品物が目にも賑やかしい。
 そのくせあまり一個人に注目する人もいないので、私もみたいな目立つのが苦手な人間でも、思ったより無理をせずに街中を歩けるのが助かった。

「で、何を買うつもりなんだよお前」

 歩きながら横目で聞かれ、そういえば買い物がしたいという話以外はまだしていなかったと思い出す。
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