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二人と一緒に生活すると決めたフィーリアは、お供を連れて街にくり出す。

第13話 ほしい物と小さな秘密(2)

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 色々と買いたいものはある。
 けれど、あまり一気に買っても持てないし、二人に怒られてしまいそうな気がする。最初だし、特に優先順位の高いものを選ぼう。
 差し当たっては……。

「今日から自炊道具と、食材と、布が必要なのですが」
「自炊……はまぁ分かるけど、布?」
「布なんて一体何に使うのさ」

 ディーダだけでなくノインも訝しげな表情になった。
 二人とも、まったく想像ができないという雰囲気だ。少しだけ、イタズラ心が擽られる。

「ふふふっ、まだ秘密です」

 ちょっと楽しい。
 でも、もし今言ったら「必要ない」と突っぱねられてお店に連れて行ってくれないような気もするから、これはあくまでも必要に迫られての秘密だ。
 突っぱねられたら困るもの。だって、彼らが何と言おうとも、これは絶対に必要なのだから。

「何だか企み顔をしてるね」
「何でも良いけど、妙な事はするなよ? 恥ずかしいから」

 まるで見定めるかのように私の顔を見た二人が数秒後、仕方がなくといった感じで私から聞き出すのを諦めた。
 もしかしたら単に訝しむ事に飽きただけかもしれないが、理由が何であろうとも詮索されないのは私にとっても都合がいい。

「ここから近いのは自炊道具かな」
「まぁそうだな。とはいえ俺らも、場所を知ってるだけで入った事はないけど」
「え、何故です?」

 彼らが生まれてからずっとこの街の中で生きてきたのは、この一週間の内に知っていた。だから何故、と思ったのだ。
 が、至極当然な私の疑問だと思っている私に対し、二人は呆れた顔で振り向く。

「物ばかりで、食い物なんて売ってないんだぞ?」
「何でわざわざ行く必要があるの」

 あぁそうだった、二人の興味と行動の基準はそこなのだった。
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