冷徹王太子の愛妾

月密

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三十一話(閲覧注意)

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(温かくて、心地が良い……とても安心する……)

 少し重い瞼を開けると、視界に逞しい胸板が映った。頭がぼんやりとして今一状況が理解出来ずに暫し呆然とする。身を捩り顔を上に向けると、まだ眠っている彼の寝顔が見えた。

「っ‼︎」

(そうだ……私、レアンドル様と昨夜……)

 昨夜の記憶が一気に蘇り、ベルティーユは身体が熱くなるのを感じた。
 今自分はシーツを掛けてはいるが、一糸纏わぬ姿で彼もまた同じだ。そんなあられもない姿でレアンドルに抱き締められて眠っていたなど恥ずかし過ぎる……。でも心地が良過ぎて、ずっとこうしていたいとも思ってしまう。

「ぁ……」

 意識が段々とはっきりしてきてある事に気が付いてしまった。お腹の辺りに彼の陰茎が当たっているのが分かる。

(固くて、大きい……)

 お腹の奥がきゅっと疼く感じがする。その瞬間、レアンドルが僅かに身動いだ所為で更に彼の陰茎がお腹に押し付けられた。

「っ……」

 昨夜はベルティーユが最中に泣いてしまい結局中断してしまった。それでもレアンドルはベルティーユを怒る事もせず涙がおさまるまで優しく抱き締め続けてくれた。その後の記憶がないので多分そのまま寝てしまったのだろう。恥ずかしやら申し訳ないやら情けないやらと、感情が忙しく自分の中を駆け巡る。

「……」

 ベルティーユは少し身体をずらすと、恐る恐る下を覗いてみる。すると彼の怒張し固くなった陰茎が視界に入った。思わず目を逸らすが、やはり気になって視線を戻す。

(まだ、眠ってるよね)

 もう一度レアンドルを確認するが、ぐっすり眠っていた。
 暫し陰茎を凝視しながら悩むが、意を決してゆっくりと触れてみた。彼を起こさない様に優しく手で包み込む。
 男性器を見るのは無論初めてではないし、触るのも舐めるのもクロヴィスに教え込まれた。あの時は兎に角怖くて気持悪くて嫌悪感しかなかったが、今は不思議とそんな感情は湧いてこない。

『男はね、射精しないで途中でやめられると辛くて苦しいんだよ』

 思い出したくないが、クロヴィスがそんな事を話していた事が頭に浮かんだ。
 昨夜自分の所為で途中で止める事になってしまったから、こんなにも大きくなっているのだろうか……。触れて欲しいと言いながら、彼に辛い思いをさせてしまった。

 少しだけ手に力を加えると、まるで生き物の様にそれはピクリと反応をする。そのままゆっくりと上下に動かすと「んっ……」と彼の口から声が洩れ慌てて手を放そうとしたが、上から彼の大きな手で押さえられた。
 
「⁉︎」
「……そのまま、続けて」

 驚き身体をビクリとさせたベルティーユは顔を上げるが、レアンドルは目を伏せたままだった。

 一体何時から起きていたのだろう……もしかして最初から……。恥ずかし過ぎて穴があったら入りたい。

 手を押さえられているので放す事は出来ず、諦めてゆっくりと動かしていく。乾いているので滑りは良くないが、何度か繰り返していると陰茎の先端から少しぬめりのある液体が出てきて少しずつ濡れていった。

「ふぅッ……はぁっ……」

 手の平がレアンドルの先走り汁でベタベタになり滑りが良くなると共に、彼の声が洩れ聞こえ息遣いが徐々に荒くなっていくのが分かった。
 ちらりと顔を盗み見れば、目を伏せ眉根を寄せ唇が少し開いている。

(レアンドル様……気持よさそう)

 自分が与えている刺激がそうさせていると思うと、恥ずかしくなるがとても嬉しい。

「あっ……」

 そんな事を少し余裕ぶって考えていた時、彼の手がベルティーユの秘部に触れた。

「あのっ、レアンドルさ……あッ」

 彼の指が一気になかへと突き挿れられ、ベルティーユは身体を震わせる。

「既にびしょびしょだな」
「ん、ぁっ……」
「昨夜は途中だったからな……君も辛かっただろう」
「レアンドル、さま……わたしは、そんな……」

 そんな風には考えていなかったが、無意識に身体は彼を欲していたのかも知れない。だからこんなにも大胆な行動が出来たのだろうか。
 彼の長い指がベルティーユのなかに出し挿れされ、時折り指を曲げ敏感な場所を刺激してくる。また昨夜と同じ快感が押し寄せてきた。
 レアンドルに縋る様な目を向けると、彼の灰色の射抜かれる様な強く美しい瞳と目が合った。

「ベルティーユ……」
「んっ……」

 彼の逆手がベルティーユの後頭部回された瞬間、彼の唇が自分のそれに重ねられた。彼から目が逸らせず見つめ合ったまま、舌を絡ませ互いの唾液が混ざり合い口の端から次々に溢れていく。その間も彼の愛撫は止まる事はなく、寧ろ先程よりも更に激しくなっていて刺激が増している。
 それとは逆にベルティーユの手の動きは完全に止まっていた。頭ではレアンドルに気持よくなって欲しいと思っているのに、彼から与えられる快楽についていけずどうにも出来ない。

(だめ……私が、レアンドルさまを、気持ちよくしてさしあげたいのにっ……わたしがっ)

「ああっ! ぁんっ……」

 彼が唇を放すと我慢していた声が洩れてしまう。はしたなくて恥ずかしいが、抑えきれなかった。

「そんなに善いのか?」
「は、んっ……きもち、いい……です」

 素直にそう答えると、珍しく意地の悪い笑みを浮かべる彼はかなり興奮した様子に見えた。目付きが先程とまるで違って見える。まるで獲物を狙う獣の様な目だ。

「ぁっ……」

 不意になかから指を抜くと、レアンドルは愛液塗れの手で陰茎を握った。愛液を塗す様にして何度か上下に動かす。そしてベルティーユの秘部に先端を充てがうと表面を擦り上げる。

「レアンドル、さま……っ」
「ベルティーユ……君のなかに入りたい」

 耳元で彼が苦し気にそう囁いた。きっとずっと我慢していたのだろう。それが良く分かる。
 くちゅくちゅと水音が聞こえ、彼の固くて熱いものを直に感じた。まだ少し怖さはあるが、もっと彼の側にいきたい。

「レアンドルさまを、私に……下さい」
「ベルティーユっ‼︎」

 その瞬間、怒張した陰茎がベルティーユの隠部を押し広げゆっくりだが挿入はいってきた。

「っ‼︎ーー」
「くっ、思っていたよりも、狭いッ……。ベルティーユ、痛くないか?」

 半分くらい挿入はいった辺りだろうか、彼は一度動きを止めるとベルティーユを心配そうに覗き込む。

「だい、じょうぶ、です…………」

 本当はかなり痛いし辛い。だが止めて欲しいとは思わない。

「すまない、もう少し耐えてくれ……」
「っ‼︎」

 頷いた瞬間、レアンドルはベルティーユの身体をキツく抱き締めたと同時に一気に腰を進め最後まで陰茎を押し込んだ。

「ふッ……痛い、レアンドルさま……っ‼︎」
「ベルティーユ?」
「うっ……いた、い……」

 余りの痛みにベルティーユは反射的に身を捩りレアンドルから放れ様と肢体をばたつかせた。涙が無意識に溢れてしまう。

「まさか初めて、なのか……? だがそんな筈は……」

 困惑した表情をするレアンドルに、ベルティーユはゆっくりと頷いて見せた。

「クロヴィスとは、しなかったのか」
「最後までは……」
「そう、だったのか……。それなのに、俺は……」

 黙り込むレアンドルに不安になるが、身体を労わる様に優しい口付けを額や頬、唇に落とされた。

「ベルティーユ……先に謝っておく。我慢の限界、だっ」
「レアンドルさ……っ‼︎」

 視界が揺らいだかと思った時には既に彼が自分の上にいた。

 ゆっくりと擦り付ける様にして陰茎がベルティーユのなかで動く。始めは痛みばかりだったが、次第にそれも薄れていき快楽へと変化していった。

「あ、ああっ‼︎……」
「此処が善いのか? ならばもっと突いてやる」

 ずるりと陰茎をギリギリまで引き抜き、今度は腰を打ちつけて奥まで何度となく押し込まれる。部屋には激しく肉のぶつかり合う音と卑猥な水音、レアンドルの息遣いとベルティーユの喘ぎ声が響いていた。時折り喰らわれるのではないかと思える様な激しい口付けをされる。

「ベルティーユっ、ベルティーユ……気持ちが、善いッ……ああっ、こんなに俺のを締め付けてくるっ」
「あッあっ、や、ぁ……んッああ……」

(私のなかが、レアンドル様でいっぱいで……大きくて固くて、熱い……気持ちが、いい……)

 奥の子宮口に陰茎の先が当たっているのを感じる度に、子宮がきゅっと疼いた。それが分かっているのか、彼は態と子宮口にぐりぐりと押し付けてくる。

「本当に可愛いな……。今、俺のものが君のなかをいっぱいにしているのを感じるか? 俺も君を感じている。俺のものを温かく、包み込んでくる……」
「レアンドル、さま」
「そんな蕩けた顔をして、嫌らしい子だ……ベルティーユ、もう俺の、俺のものだっ、俺だけのーー愛している」
「レアンドル、さまっ、私も……ああッ!」

 陰茎はベルティーユのなかで更に膨らみ大きくなった気がした。
 唇を重ねベルティーユも自ら舌を絡ませていく。喰らわれてしまいそうな程に激しい口付けに夢中で応える。レアンドルの唾液が喉へと流し込まれ、レアンドルはベルティーユの唾液を美味しそうに啜っていた。

「はぁっ、はぁっ……うっ、ベルティーユッ、もう出そうだっ……」
「あっ、あッ、ぁあ……んんッ、いや、……きちゃうッ」
「良い子だ、このままっ一緒に、達しよう……っ……はぁっ……う、はぁ……ベルティーユっ、ベルティーユッ、出すぞ……」

 腰を打ちつけてくる速度は更に速く激しくなり、陰茎が子宮の中へと入ってしまうのではないかと思う程彼は穿つ。思考は鈍り、レアンドルから与えられる快楽だけがベルティーユを支配していた。
 レアンドルとベルティーユの脚を止めどなく溢れ出る愛液がべちょべちょに濡らしているのを感じる。隙間なく身体を密着させ、自らも彼の背に腕を回ししがみついた。彼との境目が分からなくなっていくーー。

(気持ちいいっ……熱い、溶けちゃい、そう……)

「ベルティーユッ! ベルッ‼︎ ……ぐッ‼︎」
「っ、ああッー‼︎‼︎」

 なかで陰茎が膨張しドクドクと脈を打ちながら熱い白濁した液体を流し込んでくる。その瞬間、ベルティーユも達しなかが痙攣を起こしているのを感じた。

「ああッ、そんなに搾りとろうとして、嫌らしいなッ……」

 射精をしながらもレアンドルはゆるゆると腰を振り、子宮口へと精液を擦り付けてくる。
 長い射精を終えた彼だが、陰茎を抜く事はせずにそのままベルティーユを自分の上に乗せた。

「レアンドルさま……?」
「もう少しだけ寝よう……このまま、君と繋がったままが良い……」

 ベルティーユはレアンドルに抱かれたまま瞳を伏せ、二人はまた静かに寝息を立て始めた。
 


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