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3話
しおりを挟む「エミリー、そんなに大きい声をだしてどうしたの?」
レベッカが遅れてやって来た。
扉から顔を覗かせて喜んでいる私を不思議そうに見ている。
私はレベッカに駆け寄って抱きついた。
「ど、どうしたの?」
「やったの! 私、これでついに解放されるわ!」
「まさか……! ついにやったのねエミリー!」
「ええ、ありがとうレベッカ。協力してくれて」
「いいのよ。あそこで協力しないと聖女の名折れだわ」
レベッカも笑顔で私に抱きつく。
すると安心したのか、体から力が抜けてきた。
次第にとても眠たくなってくる。
レベッカはそんな私を見てくすりと笑った。
「ずっと気を張ってたものね。ゆっくりと寝るといいわ。これからが一番の頑張りどころだもの」
「ええ、ありがとうレベッカ……」
レベッカの助けでベットに横たわる。
私はゆっくりと眠りへ落ちていった。
◯
夕方、目を覚した。
私は空の色を見て一瞬心臓が飛び上がりそうになったが、手元にある手紙を見て安心した。
そしてあることに気づいた。
教会の中が騒がしい。
私は部屋を出てその音のもとへと向かった。
音の元は礼拝堂だった。
そこで誰かが騒いでいる。
扉を開ける。
そで騒いでいたのは父のトーマスだった。
近くにいる修道女に怒鳴りつけている。
「おい! エミリーはどこだ! 早く出せ!」
私は思い出した。
そう言えば今日は父から聖女としてパーティーに来いと命令されていたのだった。
私はすぐに父の元へと向かう。
「私はここです」
父が私を見る。そしてすぐに怒りの形相で怒鳴り始めた。
「お前っ! 何を考えているんだ! 今日はパーティーについてこいと命令しただろう! おかげで私が恥をかいたのだぞ!」
父は怒りのまま私を怒鳴りつける。
「絶対に許さんぞ! 貴様の飯を一週間抜いてやる! 水もだ! 私に恥をかかせたことを悔みながら聖女として働け!」
私は絶句した。
こんな父親がいるのだろうか。
子供をただの道具としてしか見ず、見下す親が。
絶対に許せないのはこっちだ。
私はさっきの手紙を取り出して父に突き出した。
「私、エミリー・ヘミングスは王家から爵位を頂き、伯爵家として独立します!」
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